塩麹の唐揚げがしょっぱい!失敗時の対処法と失敗しないコツをご紹介
塩麹で作った鶏の唐揚げがしょっぱいんだけど、どうすればいいの?
塩麹の唐揚げをしょっぱくならずにうまく作る方法はないの?

塩麹を使って鶏の唐揚げを作ると、とても柔らかくジューシーになるだけでなく、うま味がたっぷりでおいしくなります。

その上、短時間で簡単に唐揚げを作れるので、忙しい主婦にとってはとても助かりますよね。

しかし、その一方で、塩麹に漬けた唐揚げがしょっぱい!焦げる!などの失敗例もよく聞きます。しょっぱい原因はどこにあるのでしょうか?

また、しょっぱくなってしまったらどうすればよいのでしょうか。塩麹の唐揚げを失敗なく作るコツと、万一失敗してしまった時の対処法をご紹介します。

塩麹を使った唐揚げがしょっぱい!!しょっぱくなる原因は?

塩麹を使った唐揚げがしょっぱい!!しょっぱくなる原因は?

鶏肉の塩麹唐揚げの失敗例のなかでも比較的多いパターンが、食べるとしょっぱい、塩辛くなりすぎるというものです。

まずは、しょっぱい塩麹唐揚げの原因や、しょっぱくならないでおいしく作るコツをご紹介します。

原因その1:塩麹の量が多い

塩麹を使って作る鶏の唐揚げは、ひと口大に切った鶏肉を塩麹に漬け込んで時間をおき、その後片栗粉などの粉をまぶして揚げる、という工程で作ります。

しょっぱい唐揚げになってしまういちばんの原因が、使う塩麹の量が多いことです。

そもそも、塩麹は塩と米と麹菌を混ぜて発酵熟成させた調味料で、10~13%前後とかなり多くの食塩が含まれています。

肉を塩麹に漬けると、塩麹の塩分が肉の内部に移行するので、鶏肉自体にも塩味が付きます。

さらに、漬け終わった塩麹付きの鶏肉はそのまま粉を付けて揚げるので、塩麹の量が多いと衣にも多くの塩分が入ってしまうことになりますよね。

そのため、使う塩麹の量が多すぎると、鶏肉も衣もしょっぱい唐揚げになってしまいます。

原因その2:漬ける時間が長すぎる

しょっぱい塩麹唐揚げができるもうひとつの原因が、漬け込む時間が長すぎることです。

塩には、塩分濃度の高い方から低い方に移動する性質があります。塩麹の塩分濃度は約10~13%、一方鶏肉の塩分は0.1%程度。つまり、鶏肉を塩麹に漬けると、塩麹の塩分が肉の内部にどんどん入り込んでいきます。

ですから、漬け込み時間が長ければ長いほど、鶏肉自体の塩分がどんどん濃くなってしまうのです。

特に、唐揚げの場合は肉をひと口大に切ってから漬けるので、塩味が浸み込みやすいという特徴があります。

しょっぱくならない塩麹鶏の漬け方のコツは?

しょっぱい塩麹唐揚げになる原因は、塩麹の量が多いことと漬け込み時間が長いことのふたつ。逆に言えば、塩麹の量と漬ける時間に注意すれば、しょっぱい唐揚げになってしまうことを防げます。

鶏の唐揚げを塩麹で作るメリットは、柔らかくジューシーな唐揚げになることと、うま味たっぷりのおいしい唐揚げになること。

これらのメリットを生かしつつ、しょっぱい唐揚げにならないようにするための塩麹の量は、肉の重さの約10%を目安にするとよいでしょう。

また、鶏肉はひと口大に切ってから漬けるため、20~30分程度の漬け時間でも十分に柔らかくおいしくなります。

漬ける時間が長すぎるとしょっぱくなるので、長くても1日程度に留めておきましょう。

冷めても美味しい!塩麹の唐揚げの基本レシピをご紹介

では、これまで解説してきたコツを踏まえて、冷めても柔らかくてジューシーで美味しい塩麹の唐揚げの基本レシピをご紹介しましょう。

材料と作り方
冷めても美味しい!塩麹の唐揚げの基本レシピをご紹介

【材料】(2人前)

鶏もも肉 1枚(約300g)

☆塩麹 30g(大さじ1.5杯くらい)

☆おろししょうが 適量(チューブで2cm程度)

☆おろしにんにく 適量(チューブで2cm程度)

片栗粉 大さじ2~3

揚げ油 適量

【作り方】

1.鶏肉は大きな筋や脂を取り除き、ひと口大に切る。

2.ジッパー付きの保存袋などに鶏肉と☆を入れて、調味料が全体に混ざるように手で軽く揉みこむ。

3.そのまま常温で20~30分置いておく。

4.バットなどに片栗粉を広げた上に2を入れて、粉を全体にまぶす。

5.160~170℃くらいの中温で、鶏肉がキツネ色になって火が通るまで時間をかけてゆっくりと揚げる

【ポイント】

・漬け時間を長くする場合は冷蔵庫で保管し、揚げる前の20~30分ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻すようにしましょう。

長めに保存したい時は冷凍保存がおすすめ!

鶏肉を塩麹に漬けた状態で置いておく場合、一晩から1日程度であればそのままの状態で冷蔵室での保存が可能です。

2~3日であれば、塩麹に漬けたまま冷蔵保存しても傷むことはありませんが、塩が鶏肉に浸み込みすぎてしょっぱい唐揚げになってしまいます。

塩麹で下味を付けた状態で鶏肉を1日以上保存しておきたい場合は、冷凍保存をしておきましょう。冷凍対応のフリーザーバックに入れてから空気を抜き、冷凍室で保存するようにしてください。

解凍する場合は、半日~1日程度冷蔵室に入れておくか、氷水に1~2時間程度浸します。時間がない場合は緩やかな流水に10分程度浸けておきましょう。

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失敗した!塩麹に漬けた唐揚げがしょっぱい時の対処法

失敗した!塩麹に漬けた唐揚げがしょっぱい時の対処法

では、鶏肉を塩麹に漬ける時に、塩麹の量が多すぎたり漬け込み時間が長すぎたりして、しょっぱい唐揚げになりそうな場合はどのようにすればよいのでしょうか。対処方法を解説します。

塩麹の量が多すぎた!洗い流すのは正解?!

塩麹の量が多すぎた場合は、気付いたタイミングによって対処方法が変わります。鶏肉を漬け始めてすぐに塩麹が多いことに気付いた場合は、混ぜた調味料の量を減らして調整しましょう。

また、通常は鶏肉に付いた塩麹は拭き取らずにそのまま粉を付けて衣にしますが、揚げる前に鶏肉の表面に塩麹が多く付きすぎていると感じた場合は、粉を付ける前にペーパーなどで拭き取るとよいでしょう。

塩麹をしっかりと取り除きたい場合は水で洗い流しても構いませんが、できるだけ短時間でサッと流すようにしましょう。余分な塩麹を取り除いた後は、通常通り粉を付けて油で揚げてください。

長時間漬けたままの場合は鶏肉自体の味をチェック!

鶏肉を塩麹に漬けたまま半日、もしくは1日以上冷蔵庫に放置していた場合は、鶏肉の内部に塩味が浸み込みすぎている可能性があります。

その場合は、端の肉を小さく切ってフライパンや電子レンジなどで火を通し、鶏肉がしょっぱいかどうか確かめてみるとよいでしょう。

しょっぱすぎない場合は、そのまま衣を付けて揚げるか、もしくは、鶏肉表面の塩麹を取り除いてから粉を付けて揚げてください。

逆に、肉に塩味が浸み込みすぎてしょっぱい場合は、塩抜きをしてから唐揚げにする方法があります。塩抜きをするには以下の3通りの方法があります。

・真水に浸ける

・薄い塩水に浸ける

・酒とみりんを入れた水に浸ける

どの方法でも塩抜きはできますが、唐揚げにする場合はできるだけうま味を逃さないように、酒とみりんを入れた水で塩抜きをする方法がおすすめです。

塩抜きで塩味を落とす唐揚げにする手順

では、塩抜きをしてから唐揚げにする具体的な方法をご紹介しましょう。

1.水2カップ(400ml)に対し、酒大さじ2杯とみりん大さじ1杯を加える。

2.鶏肉表面の塩麹をキッチンペーパーなどで軽く拭き取り、1の水に30分~1時間程度漬け込む。

3.塩抜きが終わったらザルで水分を切り、粉を付けて油で揚げる。

塩抜きができているかどうかは、最初に味見をした時と同じように端を小さく切って加熱し、味を確かめてみると確実です。もしも、塩抜きが足りていないようであれば、浸漬時間を増やしてください。

揚げてしまってからしょっぱい味付けに気付いた場合は?

鶏肉を揚げる前にしょっぱいことに気付ければ良いのですが、揚げてしまってから唐揚げがしょっぱいことに気付いた場合はどうすればよいのでしょうか?

揚げてしまったら、唐揚げ自体の味を薄くすることは難しいので、食べ方を工夫するしか方法はありません。手軽にできる方法は大根おろしをかけて食べる方法です。

たっぷりの大根おろしをかけて食べると、大根おろしで塩味が薄まり食べやすくなります。

しかし、摂取する塩分量は減らせないため、他の料理の塩分量を減らすなどして塩分の摂りすぎにならないようにうまく工夫しましょう。

また、唐揚げとして食べるにはしょっぱすぎる!という場合は、他の料理にリメイクする方法もおすすめです。

しょっぱい唐揚げにおすすめのリメイクレシピ

味には、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類があり、それぞれを組み合わせることで、相乗効果や抑制効果が現れます。

塩味は酸味と合わさると味の抑制効果が働いて塩味が抑えられること、うま味と合わさると味がまろやかになることが知られています。

では、これらの効果を利用した、しょっぱい塩麹唐揚げのリメイクレシピをご紹介します。

塩麹唐揚げの南蛮漬けのレシピ
塩麹唐揚げの南蛮漬け

【材料】(2人分)

しょっぱい塩麹唐揚げ 2人分

たまねぎ 1/4個~1/2個

にんじん 1/4本

ピーマン 2個

☆酢 大さじ4~5

☆砂糖 大さじ3

☆しょうゆ 小さじ1~2

☆かつお節 1パック

☆水 100cc

【作り方】

1.たまねぎ、にんじん、ピーマンは細切りにする。

2.鍋に、切ったたまねぎ、にんじん、☆の調味料を入れて中火にかけ、さっと一煮立ちさせて火を止める。

3.しょっぱい塩麹唐揚げは半分に切り、冷めていれば電子レンジで温めておく。

4.2の南蛮酢にしょっぱい塩麹唐揚げとピーマンを入れて、1~2時間漬け込む。

【ポイント】

・かつお節の代わりに、だしパックや昆布で取った出汁を使っても構いません。粉末和風だしは塩分が多いので避けましょう

・南蛮酢に長めに漬け込んだ方が、唐揚げの塩が程よく抜けて食べやすくなります。

しょっぱい以外も!塩麹唐揚げの失敗パターンと対処法

しょっぱい以外も!塩麹唐揚げの失敗パターンと対処法

塩麹に漬けて作る唐揚げは、しょっぱい以外にも、失敗しやすいパターンが2つあります。失敗しやすい原因と失敗しないコツをご紹介します。

カリカリに焦げる!唐揚げが黒くなる!

SNSなどを見ていても塩麹唐揚げの失敗例として多いパターンが、唐揚げが焦げた!というものです。

塩麹は、米と塩を混ぜて麹菌で発酵熟成させた調味料です。発酵熟成の過程で麹菌が作り出すアミラーゼというでんぷん分解酵素が働いて、米のでんぷんを分解して還元糖という糖に変えてしまいます。

塩麹の唐揚げが焦げやすい原因が、この米から自然に作り出された糖分。塩麹には約20%前後の糖分が含まれているのために、非常に焦げやすいのです。

焦げやすいので油の温度に注意!

唐揚げに下味を漬ける時に、砂糖やみりんを入れると焦げやすくなりますよね。

それと同じで、約20%の還元糖を含む塩麹を使って作る唐揚げはとても焦げやすいので、低めの温度でじっくりと揚げる必要があります。

揚げ油の目安の温度は、160~170℃。通常の唐揚げを揚げる温度が180℃なので、かなり低めであることがわかりますよね。

160~170℃の油の目安は、油の中に菜箸を入れた時に、菜箸全体から細かい泡と大きめの泡が混ざってゆらゆらと上がってくる状態です。

大きめの泡が勢いよく上がってくるような場合は温度が高すぎるので、冷たい油を足すなどして温度を調節してください。

揚げている時に焦げそうな気配がある場合の対処法

塩麹唐揚げを油で揚げている最中に色付きが早く、このまま揚げ続けると焦げそうな気配がある場合は、揚げている途中の唐揚げを一旦網バットに上げてしまいましょう。

バットの上で数分間放置していると、その間も予熱で肉にじわじわと火が通っていきます。

その間に油の温度を下げて、数分たってから再度170℃くらいの油に入れてしっかりと火を通すようにしましょう。火が通っているかを確認するには、唐揚げに竹串を突き刺してみます。

出てきた肉汁が透明ならば火が通っていますが、明らかに肉汁が赤い場合や濁っているような場合は、まだ火が通り切っていないので、もう少し加熱してください。

塩麹に漬けても柔らかくならない!

塩麹を使って作る唐揚げの大きな特徴は、柔らかくジューシーな唐揚げに仕上がることですが、レシピ通りに作っても、唐揚げが思ったほど柔らかくならないことがあります。

柔らかくならない原因の多くは、使用する塩麹の種類にあります。

塩麹が唐揚げの肉を柔らかくするのは、塩麹に含まれている「プロテアーゼ」というたんぱく質分解酵素が、鶏肉のたんぱく質を分解するためです。

しかし、市販の塩麹の多くは品質を安定させるために加熱処理をしています。酵素は熱に弱いので、加熱処理をした塩麹の酵素は失活してしまい、あまり働きません。

加熱処理をした塩麹も保水性は高いのである程度の効果は見込めますが、より柔らかくする仕上げるには、加熱処理をしていない生タイプの塩麹を使う方法がおすすめです。

生タイプの塩麹を使うと、20~30分の短時間の漬け時間でも柔らかくなるので、ぜひ試してみてくださいね。

胸肉を使う方法もあり!

塩麹を使った唐揚げをできるだけ柔らかく仕上げたい!とい場合は、鶏もも肉ではなく胸肉を使ってもよいでしょう。

本来、鶏の胸肉は、弾力のあるもも肉よりも柔らかい肉質ですが、水分と脂肪分が少ないので硬くパサついた唐揚げになりがちです。

しかし、塩麹に漬けると、胸肉をとても柔らかくジューシーに仕上げることができます。

むね肉はもも肉よりもカロリーが低いので、ダイエット中の人やあっさりとしたものを食べたい時にもおすすめです。

まとめ:しょっぱい塩麹唐揚げは卒業!ちょっとしたコツで失敗なし!

塩麹で下味を付けた唐揚げは、柔らかくジューシーになることが最大のメリット。その一方で、しょっぱい唐揚げになったり、焦げてしまったりすることもよくあります。

しかし、心配は無用!使う塩麹の量や漬け込み時間、そして、低めの温度でじっくり時間をかけて揚げるというちょっとしたコツを覚えておくと、柔らかくてジューシーなおいしい塩麹唐揚げを失敗なく作れます

今まで塩麹を使った鶏の唐揚げを作ったことがない人も、作ったけれどもうまく行かなかった経験のある人も、ぜひ試してみてくださいね。

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