塩麹で豚肉のかたまりがプロの味に?!簡単時短!活用レシピもご紹介
豚肉のかたまりを買ったんだけど、料理するといつも硬くなってしまうんだよなあ…
塩麹を使うと柔らかくなると聞いたけど、どうやって使えばいいのだろう?

豚肉のかたまりは、煮豚やローストポークなどに向いていますが、パサパサで硬くなってしまいがちですよね。

豚のかたまり肉を柔らかくジューシーに仕上げたいのであれば塩麹を使う方法がおすすめです。

では、塩麹をどのように使えば豚肉のかたまりが柔らかく、そしておいしく仕上がるのでしょうか。

豚のかたまり肉を塩麹でおいしくする方法や、簡単なのに本格派のおすすめアレンジレシピをご紹介します。

豚肉のかたまりを塩麹に漬けるとどうなるの?塩麹の効果を解説!

豚肉のかたまりを塩麹に漬けるとどうなるの?塩麹の効果を解説!

豚肉を加熱すると硬くなってしまうのは、熱でたんぱく質が固まって内部の水分が流れ出てしまうことが原因です。

特に、かたまり肉は中まで火が通りにくく、長時間の加熱が必要なので硬くなってしまいがちです。

ちょっとしたコツやテクニックを使えば柔らかく仕上げられますが、これが素人にはなかなか至難の業。

しかし、塩麹を使うと、簡単に豚肉のかたまりを柔らかくジューシーに仕上げることができます

柔らかくなる秘密は塩麹の酵素にあり!

塩麹とは、蒸した米に麹菌を混ぜて塩とともに発酵・熟成させた調味料のことです。しょうゆや味噌の仲間と言えばイメージしやすいですよね。

麹菌には酵素を作り出す働きがあるため、塩麹には熟成中に増えた麹菌が作り出すたくさんの酵素が含まれています。

その中のひとつが「プロテアーゼ」というたんぱく質分解酵素。ヒトの胃液にも含まれていて、消化吸収しやすいように肉などのたんぱく質をアミノ酸に分解する役割をしています。

豚肉に塩麹をまぶすと、豚肉のたんぱく質が酵素によって分解されるため、加熱しても豚肉が硬くなりにくくなるのです。

他にもいいことが盛りだくさん!塩麹豚のメリット

塩麹を豚肉のかたまりに塗って作る塩麹豚には、肉が柔らかくなる他にも、うれしいメリットがあります。

その1:肉がジューシーに仕上がる

塩麹には、一般的に10%前後の塩分が含まれています。

塩分は肉に塩味を付けるだけでなく、肉の保水性を高める効果や、肉汁の加熱損失(加熱によりたんぱく質が収縮して肉汁が外に流れ出てしまうこと)を抑える効果があります。

ですから、塩麹豚にすると肉の保水性が高まり、加熱時間が長くなりがちな豚のかたまり肉でも肉汁を閉じ込めてジューシーな仕上がりになることが期待できます。

その2:うま味が増して肉がおいしくなる

たんぱく質はたくさんのアミノ酸が集まってできているので、酵素によって分解されると豚肉中にアミノ酸が増えます。

アミノ酸にはさまざまな種類がありますが、そのひとつがうま味成分の「グルタミン酸」。和食でだしを取るために使う昆布に多く含まれている成分です。

塩麹の酵素によってたんぱく質が分解されると、豚肉中にグルタミン酸も増えるので、豚肉のうま味が増して肉自体がおいしくなります。

塩麹の種類がポイント!豚肉を柔らかくする塩麹の選び方!

豚のかたまり肉を塩麹豚にすると、柔らかくジューシーになると同時にうま味が増しておいしくなります。

しかし、どんな塩麹でも効果があるわけではなく、酵素が生きていなければたんぱく質を分解することができません

市販の塩麹の多くは、発酵・熟成を止めて品質を安定させるために加熱処理が施されています。酵素は熱に弱いため、加熱処理をした塩麹中の酵素は失活して働かなくなってしまいます。

ですから、豚かたまり肉を柔らかくおいしくするためには、加熱処理をしていない「生タイプ」の塩麹を選ぶことが大切です。

作り方は?日持ちは?豚肉のかたまりで作る塩麹豚の基本のいろは

作り方は?日持ちは?豚肉のかたまりで作る塩麹豚の基本のいろは

豚のかたまり肉を塩麹に漬け込む「塩麹豚」は、どのように作ればよいのでしょうか。また、作った塩麹豚はどれくらいの日持ちがするのでしょうか?

塩麹の量や漬け込み時間はどれくらい?

塩麹には10~13%前後の塩分が含まれているので、塩麹の量が多すぎたり長く漬け込み過ぎたりすると、塩麹豚が塩辛くなってしまいます。

ですから、塩辛くなりすぎず豚かたまり肉を柔らかくするための塩麹の量は、肉の重さの10%を目安にするとよいでしょう。

また、漬け込む時間は30分~1日がおすすめです。30分程度でも肉を柔らかくする効果はありますが、かたまり肉の場合は酵素のが内部まで届きにくいので、長めに漬けた方がより柔らかくおいしく仕上がります。

ただし、漬け込み過ぎるとよくないので、漬け込み時間は長くても丸1日程度に留めておきましょう。30分程度なら常温で、1時間以上ならば冷蔵庫での保存するようにしてください。

うっかり忘れてた!漬け込み過ぎた場合は?

豚肉を塩麹に漬けて冷蔵庫に入れたまま、うっかり忘れて2~3日経ってしまっていた!という場合は、豚肉が塩辛くなっている可能性があります。

端を少しだけ切って加熱してみて塩辛いようであれば、塩抜きをしてから調理するか、スライスをしてから野菜とともに煮込み、スープにする方法がおすすめです。

スープにする場合は、豚肉の塩分がスープに移るため水の量で味を調整するとよいでしょう。

豚のブロック肉で作る基本の塩麹豚のレシピをご紹介!

では、豚のかたまり肉で作る塩麹豚の作り方をご紹介します。塩麹に使う豚かたまり肉は、ロース、肩ロース、バラ肉、もも肉などどの部位でも問題ありません。お好みで選ぶとよいでしょう。

材料と作り方
豚のブロック肉で作る基本の塩麹豚のレシピをご紹介!

【材料】(2~3人分)

豚かたまり肉 400g

生タイプの塩麹 40g(大さじ2杯くらい)

【作り方】

1.豚かたまり肉は、塩麹が浸み込みやすくなるように、竹串などで穴をたくさん開けておく。

2.ストックバッグなどの袋に豚肉と塩麹を入れて、豚肉に塩麹がまんべんなく付くように袋の上からよく揉みこむ。

3.袋の空気を抜き、そのまま30分~1日程度漬け込むと完成。

【ポイント】

・漬け込み時間が30~60分程度なら常温で漬け込む方がよいですが、1時間以上漬け込む場合は冷蔵庫に入れておきましょう。

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塩麹豚の日持ちは?何日くらい保存できる?

豚のかたまり肉を塩麹漬けにすると、塩麹の塩分が肉の内部に入り込み肉の塩分濃度が上がります。そのため、豚肉をかたまりのまま保存するよりも、多少長く日持ちするようになります。

買ってきたばかりの豚肉のかたまりを塩麹漬けにした場合の日持ちの目安は、冷蔵庫で7~8日程度。冷凍保存なら1ヶ月くらいです。

ただし、塩麹に漬けたままにすると豚肉が塩辛くなってしまいます。

保存する場合は豚かたまり肉に付いている塩麹を拭き取り、キッチンペーパーに包んでからフリーザーバッグに入れて保存するようにしましょう。

豚肉のかたまりで作った塩麹豚の食べ方は?!調理法をご紹介!

豚肉のかたまりで作った塩麹豚の食べ方は?!調理法をご紹介!

では、漬け込み終わった塩麹豚はどのようにして調理をするとよいのでしょうか。おすすめの調理方法をご紹介します。

おいしく調理をするためには準備が大切!

豚のかたまり肉を塩麹に漬け込んだ塩麹肉は、基本的には表面に付いた塩麹を洗い流さずに加熱調理を行います

塩麹が多いようであれば、キッチンペーパーなどで軽く拭い取るようにしましょう。

また、冷蔵庫で保存していた場合は、調理する30分ほど前に冷蔵庫から出して、常温に戻しておくことがおいしく調理するためのポイントになります。

加熱方法は、焼く、茹でる、蒸すなど、どのような調理法でもOKです。お好みで選ぶとよいでしょう。

シンプルにフライパンで焼く!

最も手軽で簡単な調理法ですね。フライパンで焼く場合、塩麹豚をスライスしてから焼く方法とかたまりのまま焼く方法があります。

スライスしてから焼く方法

スライスしてから焼くと時間をかけずに香ばしく焼けますが、ジューシーさにはやや欠けます。

1.塩麹豚を1cmくらいの厚さにスライスし、しばらく放置して常温に戻す

2.フライパンに油を熱して中火にして1の豚肉を入れ、両面を2分くらいずつこんがりとした焼き色が付くまで焼く。

【ポイント】

・ロースやバラ肉などの場合は、油を入れずに焼いてもよいでしょう。

かたまりのまま焼く方法

かたまりのまま焼くと30分ほど時間がかかりますが、柔らかくジューシーに仕上がります。

1.焦げやすいので、豚肉の表面の塩麹を軽く拭い取っておく。

2.フライパンに油を熱し、弱火~中火くらいにして焦がさないように注意しながら、肉の表面全面に焼き色を付ける。

3.弱火よりさらに弱いとろ火にして蓋をし、途中で上下を返しながら20~30分蒸し焼きにする。

4.竹串で刺してみて、透明な汁が出てきたら火を止める。粗熱が取れたら好みの厚さにスライスする。

【ポイント】

・竹串で刺した時に濁った肉汁が出てきた場合は、蒸し焼きにする時間をさらに5~10分ほど増やしてください。

焼いた後のフライパンは洗わずに、酒、しょうゆ、みりんなどを入れて一煮立ちさせるとおいしいソースができ上がります。

手間いらずでサッパリ!茹で塩豚

じっくりと時間をかけて塩麹豚を茹で上げます。時間はかかりますが、茹でている間は放置しておけるので手間いらずです。

作り方
手間いらずでサッパリ!茹で塩豚

1.鍋に常温に戻した塩麹豚と、豚肉が浸るくらいの水、酒100cc、しょうが適量を入れて中火にかける。

2.煮立ったらアクを取り、表面が静かになるくらいの弱火にして30~50分ほどかけてじっくりと茹でる。

3.火を止めて、蓋をしたまま冷めるまで放置する。

【ポイント】

・茹で時間は豚かたまり肉の太さによって変わります。細めならば30分、太めならば40~50分を目安にするとよいでしょう。

・炊飯器を使うとさらに簡単です。普通炊きで加熱し、でき上がったら蓋をしたまま冷めるまで放置しておきます。

簡単!豚かたまり肉の塩麹漬けの人気のアレンジレシピ4選

簡単!豚かたまり肉の塩麹漬けの人気のアレンジレシピ4選

基本の塩麹豚の作り方を抑えておけば、少し手を加えるだけでさまざまな料理にアレンジできます。塩麹豚のアレンジレシピを4つご紹介します。

オーブンで本格派!ローストポーク

オーブンで塩麹豚に火を通すと、レストランで食べるような本格的なローストポークが簡単にでき上がります。

材料と作り方
オーブンで本格派!ローストポーク

【材料】(2~3人分)

◎ローストポーク

豚かたまり肉 500g

☆生タイプの塩麹 50g(大さじ約2.5杯)

☆おろしにんにく 2cm程度

☆おろししょうが 2cm程度

☆ローズマリー、タイムなどの乾燥ハーブ 少々(なくても可)

たまねぎ、にんじん、じゃがいも、カブなどの根菜 適量

◎ソース

ワインまたは酒 大さじ2~3

はちみつまたは砂糖 小さじ1~2

しょうゆ 大さじ1

バルサミコ酢 小さじ1

【作り方】

1.豚かたまり肉に竹串などで穴を開け、☆といっしょにストックバックなどに入れて揉み込み、30分~1日程度漬け込んでおく。

2.たまねぎは6~8等分、他の野菜は食べやすい大きさに切る。

3.漬け込み終わった豚肉の表面の塩麹を軽く拭い取り、フライパンで肉の表面を焦がさないように焼き色を付ける。

※使ったフライパンは洗わずにそのままにしておく。

4.クッキングシートを敷いた天板に1の豚肉を乗せ、周りに切った野菜を置く。

5.180℃に予熱をしたオーブンに入れて40分ほど加熱する。

7.3で使ったフライパンにソースの材料を入れて火にかけ、一煮立ちさせてソースを作っておく。

8.豚肉に火が通ったらオーブンから出してアルミホイルに包み、室温で15~20分くらい放置して休ませる。

9.粗熱が取れたローストポークをスライスし、野菜、ソースとともに盛り付ける。

【ポイント】

・バルサミコ酢がなければ、黒酢など他の酢でも代用できます。

・オーブンの温度や加熱時間は目安です。使用するオーブンによって変わることもあるので、オーブンの説明書や付属のレシピを確認してください。

漬け込み時間は30分でOK!塩麹チャーシュー

パサつきがちなチャーシューも、塩麹豚を応用すると短時間の漬け込みでもしっとりと仕上がります。

材料と作り方
漬け込み時間は30分でOK!塩麹チャーシュー

【材料】(2~3人分)

豚かたまり肉(バラ肉がおすすめ) 400g

☆生タイプの塩麹 40g(大さじ2杯程度)

☆はちみつ 大さじ1.5

☆おろししょうが 小さじ2

☆にんにく 小さじ1

☆酢 小さじ1

サラダ油 大さじ1

酒 100ml

水 100ml

【作り方】

1.豚かたまり肉は竹串やフォークで穴をたくさん開けておく。

2.ストックバックに☆の調味料と1の豚肉を入れ、調味料が豚肉全体に行き渡るように手で軽く揉み込んでおく。

3.袋の空気を抜き、常温で30分程度漬け込んでおく。

4.フライパンにサラダ油を入れて、弱火~中火で焦がさないようにして3の豚肉の表面に焼き色を付ける。

5.焼き色が付いたら酒と水を入れて蓋をして、とろ火で20~30分蒸し焼きにする。

6.火を止めてそのまま放置し、粗熱が取れたら好みの厚さに切り分ける。

【ポイント】

・はちみつがない場合は、砂糖とみりんを半々ずつ加えてください。

・漬け込み時間はお好みで増やしてください。

じゃがいもが甘い!豚肉とじゃがいもの塩麹ロースト

塩麹には、たんぱく質分解酵素だけなく、糖質の分解酵素も含まれています。じゃがいもを豚肉と同じように塩麹に漬け込むと、じゃがいものでんぷんが分解されて甘くなります。

材料と作り方
じゃがいもが甘い!豚肉とじゃがいもの塩麹ロースト

【材料】(2~3人分)

豚かたまり肉 300g

☆生タイプの塩麹 30g(大さじ1.5杯程度)

☆おろしにんにく 小さじ1/2

じゃがいも 2個

生タイプの塩麹 小さじ1

オリーブオイル 大さじ1

粒マスタード 適宜

【作り方】

1.豚肉のかたまりは塩麹豚にして、厚さと幅が1cmくらいになるように細切りにしておく。

2.じゃがいもをよく洗い、皮のまま7mm程度の輪切りにする。

3.ビニール袋などにじゃがいもと塩麹を入れて全体にまぶし、30分~1時間程度置いておく

4.3を耐熱皿に入れてふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで1分ほど下茹でをしておく。

5.フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、1の塩麹豚を入れて炒める。

6.塩麹豚にこんがりと焼き色が付いたら4のじゃがいもを入れ、蓋をして2~3分蒸し焼きにする。

7.蓋を開けて、余分な水分を飛ばし、皿に盛りお好みで粒マスタードを添える。

【ポイント】

・塩麹の付いた豚肉とじゃがいもは焦げやすいので注意してください。

30分で完成!塩麹豚の野菜がたっぷり和風ポトフ

塩麹豚を使うと、柔らかい豚肉のポトフもあっという間に作れます。塩麹の塩分があるのでコンソメは使わずに、和風のだしで煮込みましょう。

材料と作り方
30分で完成!塩麹豚の野菜がたっぷり和風ポトフ

【材料】(3~4人分)

豚かたまり肉 400g

生タイプの塩麹 40g(大さじ2杯程度)

たまねぎ 大1個

にんじん 1本

じゃがいも(メークイン) 3個

キャベツ 1/4個

大根 7cmくらい

ブロッコリー 小1個

オリーブオイル 大さじ1

水 1000ml

和風だしパック 2パック

ローリエ 1枚

ブラックペッパー 適宜

【作り方】

1.豚かたまり肉で塩麹豚を作り、食べやすい大きさに切っておく。

2.たまねぎは6等分のくし切り、にんじん・大根はひと口大に切る。じゃがいもはひと口大に切り、水にさらしておく。

3.キャベツは芯を取り、手で3~5cmくらいの大きさにちぎる。ブロッコリーは小分けして下茹でをしておく。

4.フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、1の塩麹豚の表面に焼き色を付けて取り出しておく。

5.豚肉を取り出したフライパンに、たまねぎとにんじんを入れて炒める。

6.鍋に、炒めた豚肉、たまねぎ、にんじんと大根、水を入れて強火にかけ、だしパックとローリエを加える。

7.沸騰したらキャベツとじゃがいもを加えて、弱火~中火で15分ほど煮込む。

8.最後にブロッコリーを入れて、一煮立ちさせ、ブラックペッパーで味を整える。

【ポイント】

・水の量は鍋の大きさによって加減してください。

・だしパックがなければ、かつお節やかつお粉で代用してもよいでしょう。顆粒だしは塩分が多くなるため注意してください。

まとめ:使い方は無限大!豚肉のかたまりは塩麹で大変身!

豚肉のかたまりを塩麹で漬け込んだ塩麹豚は、豚肉が柔らかくジューシーになるだけでなく、うま味もアップする優れもの

そのままフライパンで焼いたり、鍋で茹でたりするだけで、おいしいメイン料理ができ上がります。

さらに、煮たり、焼いたり、炒めたりと、塩麹豚のアレンジも無限大!洋風料理だけでなく和食の煮物や中華料理の炒め物などにも使えます。

生タイプの塩麹があれば簡単に作れて、さまざまな料理に使えるので、ぜひ試してみてくださいね。

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