味噌汁に合う「だし」は?鰹・昆布・にぼしなど種類別に詳しく解説!
だしって色々な種類があるけど、味噌汁を作るならどれを使えばいいんだろう…?

味噌汁を自分で作ったことはありますか?味噌汁は水に味噌を入れるだけではなく、だしに味噌を合わせて作ります。

 

この記事では、味噌汁を作る際のだしの種類や、取り方をご紹介します。さらにだしを取るのは難しそうとお考えのあなたに、簡単に使える市販のだしの使い方のコツなどについても詳しくご紹介していきます。

味噌汁に使えるだしの種類&それぞれの特徴

味噌汁に使えるだしの種類&それぞれの特徴

味噌汁に使えるだしには様々な種類のものがあります。だしとはある食品を煮て出した汁のことです。「煮出汁」の略で「出汁」と書きます。

煮出す食品によって香りや栄養素が変わってきますし、だしによるうまみで塩分を減らしたりすることも可能になります。ここでは味噌汁にあう和風のだしの種類をご紹介します。

昆布だしの特徴&使い方のコツ

味噌汁のだしに使われる昆布は主に「真昆布」「羅臼昆布」「利尻昆布」「日高昆布」の4種類です。

昆布だしには、うまみの素である「グルタミン酸」という成分が豊富に含まれており、全般的に上品で優しいうまみを持っています。

昆布だしは控えめな風味のため他の素材と一緒に合わせてだしを取ることも多いです。味噌汁を昆布だし単体で作る場合はイノシン酸を含む魚介類例えばアサリや魚のあらなどをを具に使うとよりおいしくなります。

江戸時代の流通の仕方どから主に関西で使われることが多かったようで、今でもその傾向があるようです。

鰹節のだしの特徴&使い方のコツ

鰹だしは鰹を乾燥させて削った「削り節」から取るだしのことです。鰹だしの特徴はその上品で華やかな香りです。うまみ成分としては主にイノシン酸が含まれています。


鰹節には製造工程により、荒節・枯節、本枯節などの種類があり、さらに削り方にもいくつも種類があります。味噌汁には荒節が使われることが多いです。

枯節や本枯節は高級品として扱われ、荒節に比べて香りや味が豊かなのでだしそのものを楽しむ吸い物などにされることが多いです。具にはグルタミン酸を多く含む野菜やイモ類を使うとよりおいしくなります。

にぼしだしの特徴&使い方のコツ

小魚を茹でて、干したものからとっただしをにぼしだしといいます。

魚の種類は、主にカタクチイワシを使うことが多いですが、真イワシやウルメイワシを使ったものやトビウオを使ったあごだしといわれるものもあります。

西日本では「いりこだし」、東日本では「にぼしだし」と呼ばれますが基本的に呼び方が違うだけで同じものです。うまみ成分であるイノシン酸の他、にぼしだしにはたくさんの栄養素が含まれています。

味噌汁のだしとして最も使われるのがこのにぼしだしと言われています。グルタミン酸を含む野菜やキノコ類、また豆腐などとも相性がいいですよ。

他にもある!味噌汁に使えるおすすめだし

上記の他にも味噌汁のだしにはいろいろな種類があります。干ししいたけでとるだしもありますし、あさりやシジミなどからもだしは取れます。

さらに、素材単体でだしを取るのではなく、複数の種類の素材を組み合わせてだしを取ることもあります。素材を組み合わせることによって複雑で深い味わいの味噌汁のだしを取ることができますよ。

【種類別】お味噌汁の「だし」の美味しい取り方

【種類別】お味噌汁の「だし」の美味しい取り方

素材の種類ごとにそれぞれおいしいだしの取り方があります。ここでは、味噌汁に使う際のそれぞれの素材の種類ごとの火の入れ方や、出し入れのタイミングなどについて詳しく解説していきます。

昆布だしの美味しい取り方

昆布だしを取る際の一番の注意点は昆布を水洗いしないことです。昆布の表面の白い部分はうまみ成分なので軽くふく程度でとどめましょう。分量は水1Lに昆布15gです。

昆布だしの取り方の手順

1.昆布の表面をかたく絞った布巾等で拭く。

2.水につける。30分はそのままにしておく。

3.中火にかける。

4.沸騰直前で昆布を取り出す。

【ポイント】

・朝お味噌汁を作る場合は、夜につけておいてもかまいません。密閉容器に入れ冷蔵庫に入れておくと昆布だしの水出しの完成です。

・昆布を入れたまま沸騰させるとえぐみが出ます。

・ここで出たいわゆる「だしがら」は煮物に入れたり、昆布単独で甘辛く煮て佃煮のようにしてもおいしいですよ。

鰹節だしの美味しい取り方

味噌汁に合う風味の良い鰹節のだしを実際に取ってみましょう。3種類のおだしの中では一番手軽にとることができます。分量は水1Lに削り節30gです。

鰹節だしの取り方の手順

1.鍋に水を入れ沸騰させる。

2.沸騰したら火を止め、削り節を入れ、12分おく。

3.ざるに布をしいて、削り節をこす。しばらく置いておき自然に水分が落ちたら出来上がり。

【ポイント】

・2では削り節がなべ底に沈むまで待ちます。

・3で布が無い場合はキッチンペーパーで代用できます。こした後はしぼりすぎるとえぐみが出ます。

・だしがらはフライパンで炒ってゴマや塩少々などを足してふりかけにするとおいしく召し上がれます。

にぼしだしの美味しい取り方

他の種類のだしと異なり、にぼしだしを美味しくとるにはひと手間が必要です。分量は水1Lににぼし30gです。

にぼしだしの取り方の手順

1.水ににぼしを入れ30分おく。

2.そのまま火にかけあくを取りながら、

3.45分煮出す。

【ポイント】

・苦みや雑味が気になる方は煮干しを水につける際、下ごしらえとして、にぼしの頭とおなかを取っておくとよいでしょう。

・一晩漬けてもおいても大丈夫です。

・取り出した煮干しは野菜の煮物に入れたり、そのまま佃煮にしておいしく食べられます。

干しシイタケを使っただしの取り方

干しシイタケの場合、だしというよりも「戻し汁」と表すことが多いです。分量は水1Lに30gの干ししいたけです。

干しシイタケだしの取り方の手順

1.ざるに入れてさっと洗う。

2.1Lの水に30gの干しシイタケを入れます。なるべく一晩漬けておく。

3.しいたけを取り出して出来上がり。 

【ポイント】

・残ったしいたけは、そのまま細切りにしてお味噌汁の具として使いましょう。

・干しシイタケのだしにはグアニル酸が含まれています。グルコサミン酸を含む野菜や、イノシン酸を含む肉類などを具に使うとよりおいしくなります

鰹節と昆布の合わせだしの取り方

2種類の素材を使った「鰹と昆布の合わせだし」です。味噌汁の味に深みがでる美味しい組み合わせです!分量は水1Lに昆布15g、鰹節30gです。

鰹節・昆布の合わせだしの取り方の手順

1.こんぶを水に30分つけ、沸騰直前に取り出す。

2.火を止めそこに削り節を入れ、沈むのを待つ。

3.ざるに布巾等をかけてこせば出来上がり。

【ポイント】

・昆布のグルコサミン酸と鰹節のイノシン酸とが合わさりとてもおいしいだしが取れます。

・お味噌汁の具は選びません。野菜でも魚介でも肉類でもどの具とも相性が良いです。

味噌汁に合う市販だし:種類別おすすめ4選

味噌汁に合う市販だし:種類別おすすめ4選

味噌汁に使える市販のだしには様々な種類のものがありますが、あまりに種類が多すぎてどれを使えばいいのか悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。

それぞれの種類ごとのだしの特徴やメリットデメリットなどについてご紹介していきます。

本格だしが楽しめる『パックタイプ』

この種類のものは簡単に本格的なだしの味噌汁が楽しめるということで人気です。不織布のパックに一回分の天然の素材が入っています。

単体の素材が入っているものより、いくつかの素材が入ったものが多く、安心安全なだしとして使えるものが多いです。

おすすめは『だしパック 無添加 豊の天然だし 松極 8g×30包』。食塩不使用なので塩分のある味噌を合わせる味噌汁にはうれしい仕様だと思います。

パックから出してそのままチャーハンなどに使えるのもうれしいポイントです。

ニッコーフーズ 豊の天然だし 松極 30包
ニッコーフーズ

長期保存可能な『顆粒・粉末タイプ』

スーパーなどでよく見かけるのがこの種類のだしでしょう。味噌汁に入れる際にも、だしの風味が手軽に味わえて味の調節もしやすく、長期の保存ができる点が大きなメリットだと言えます。

その一方で、塩分が入っていますので、味噌の分量の調整が必要な点が若干のデメリットになります。

おすすめは『マルシマ かつおだしの素(袋入)だし』。実店舗ではあまり見かけない商品ですが、価格と味のバランスがすごくいいです。だし粉末に興味がある方は、ぜひ一度試してみてください。

そのまま使用可能な『液体タイプ』

だしに醤油やみりんで味付けした種類の「だし調味料」です。そのままで使うことができる点が最大のメリット。もちろん味噌汁にも使えます。

ただ、顆粒・粉末タイプと同様に塩分が入っていることと添加物不使用のものがほとんどないことがデメリットです。使い勝手を選ぶのか、健康志向を目指すのかによって好みが分かれるところだと思います。

おすすめは『ねこぶだし』。以前、梅沢富美男さん出演のTVショッピングで宣伝されていて筆者も購入してみたのですが、味がすごくいいです。

昆布と鰹節の2種類の素材の合わせだしとなっており、これ一本で味噌汁から炒め物まで味がバッチリ決まりますよ。

だし入り味噌も使い勝手◎

味噌汁に使う味噌自体にだしが入っている種類の商品もあります。だし入りと書いてあるのが目印です。

これらを代わりに使えばわざわざだしを取ったりせずに簡単に味噌汁を楽しむことができるので便利ですよ。お椀に一人分の量をわかめやネギと一緒に入れて、湯を注げば簡単に味噌汁が完成します。

おすすめは『マルコメ 料亭の味 液みそ』。筆者もいくつか、だし入りの液味噌を試してみましたが、マルコメブランドが味・コスパともに安定です。

液味噌は使ったことがないという方にこそ、一度使ってみて頂きたい商品です。

だしを効かせた2種類の味噌汁レシピ

だしを効かせた2種類の味噌汁レシピ

しっかり取った「だし」を使った、おすすめのお味噌汁レシピを2種類ご紹介します。だしの味を活かした簡単レシピですので、ぜひ一度試してみてくださいね。

昆布と鰹の合わせだしを使った「豆腐となめこの味噌汁」

昆布と鰹の合わせだしは、お味噌汁にもよく使われる種類のだしです。ここでは簡単にできるあまり煮込まないタイプの具を使っていますが、根菜を使う場合はしっかりと煮てから味噌を入れてくださいね。

豆腐となめこの味噌汁のレシピ
昆布と鰹の合わせだしを使った「豆腐となめこの味噌汁」

【材料】(4人分)

昆布と鰹の合わせだし:600ml

豆腐:1/2

なめこ:1パック

青ネギ:少々

味噌:大さじ2

 

【作り方】

1.豆腐は1cm角に切り、なめこはざるに入れてさっと水洗いする。

2.だしを鍋に入れ中火にかける。

3.味噌を溶き入れる。

4.豆腐となめこをいれる。豆腐が浮いてきたら出来上がり。

5.器に盛って、青ネギを散らしたら出来上がり。

【ポイント】

なめこを味噌より先に入れてると味噌がだまになることがあるので注意しましょう。

・沸騰させると風味が飛んでしまうので沸騰させないように注意が必要。

・青ネギの代わりにわかめなどもおすすめです。

味噌汁に合う豆腐の種類についてはこちらの記事を参考にしてください。

にぼしだしを使った「食べる味噌汁」

にぼしだしの「だしがら」であるにぼし自体も一緒に食べてしまえるお味噌汁のレシピです。栄養たっぷり、お腹も満足のしっかりと食べられるお味噌汁です。

だしがらも食べられる味噌汁レシピ
にぼしだしを使った「食べる味噌汁」

【材料】(4人分)

・にぼしだし:600ml(にぼしのだしがらはそのままいれておく)

・大根:2cm

・油揚げ:1/2

・青ねぎ:少々

 

【作り方】

1.大根の皮をむいて千切りにする。油揚げは油抜きをして大根と同じくらいの細切りにする。

2.だしに大根を入れ火にかける。

3.煮立ったら油揚げを入れる。

4.大根に火が通ったら味噌を溶く。

5.器に盛って青ねぎを散らして完成。

【ポイント】

・大根と油揚げの大きさをそろえると食べやすいです。

沸騰させないように気をつけましょう。

・にぼしだしのにぼしはそのまま一緒に盛り付けるので、だしを取る前に下処理として頭とおなかを取っておく方が食べやすいですよ。

・青ねぎの代わりに大根の葉を入れるのもおすすめです。

まとめ:味噌汁のだしは種類によって楽しみ方色々

お味噌汁のだしの種類はたくさんあります。おうち時間が増えている今、一からだしを取って、お味噌汁を作ってみるのはいかがでしょうか?

もちろんご紹介したように、いろんな種類の手軽なだしもありますので、まずはそれらを手に取ってお味噌汁ライフをはじめてみるのはいかがでしょうか?

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