最近、人気が急上昇しているオートミール。ヘルシーで体に良いと評判で、興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ買おうと思っても種類がたくさんあって、どれを選べばいいのかよくわからないという声も聞かれます。
そこで、オートミールにはどのような種類があるのか、それぞれの特徴や適した用途、おすすめ商品などについて詳しくご紹介します。
目次
オートミールって何?原料は?どんな種類があるの?
そもそも、オートミールとはいったい何のことなのでしょうか?
また、オートミールにはいろいろな種類があるといいますが、どのような種類があって、その違いはいったい何でしょうか?最初に、オートミールの原料と種類について解説します。
オートミールの原料はオーツ麦
オートミールの原料は、「オーツ麦」というムギの仲間の植物です。オーツ麦は別名オート麦ともいい、日本では穂の形が燕に似ていることから「燕麦(えんばく)」と呼ばれています。
オートミールとは、オーツ麦の種子を乾燥させてから脱穀し、食べやすく加工したもののことをいいます。
米や小麦などの他の穀類と同じように主成分はでんぷんですが、脱穀した後に精製せずにそのまま加工するため、食物繊維やミネラルが豊富に含まれていることが特徴です。
オートミールの種類は加工方法の違い
オーツ麦の種子を脱穀してもみ殻を取ったもののことを「オートグローツ」といいます。お米に例えると玄米のようなものですね。
厳密に言うと、オートミールの原料はこのオートグローツです。オートグローツを食べやすく加工したものがオートミールと呼ばれています。
オートミールにはいくつかの種類が販売されていますが、これは原料の違いや味の違いではなく加工方法の違いです。
オートグローツを2~3個にカットしたものを、「スティールカットオーツ」といいます。スティールカットオーツはただ細かく切っただけのもので、加熱処理はされていません。
一方、加熱処理をしたオートミールもあります。オートグローツを蒸してローラーで薄く伸ばした押し麦タイプのオートミールが「ロールドオーツ」です。
ロールドオーツよりもさらに薄く伸ばして小さくカットしたものを「クイックオーツ」、クイックオーツよりもさらに細かくしたものを「インスタントオーツ」といいます。
一般的に「オートミール」といえば、蒸してローラーでつぶしたこの3タイプのことを指します。加熱処理をしているので調理が簡単にできることが特徴です。
オートミールの種類の見分け方は?
スーパーなどで販売されているオートミールのほとんどがロールドオーツ、クイックオーツ、インスタントオーツの3種類です。これらは、購入する際にどのように見分ければよいのでしょうか。
市販の大半のオートミールには、パッケージに「ロールドオーツタイプ」・「クイックオーツタイプ」と書かれています。しかし、一部のオートミールには種類が書かれていません。
実は、オートミールの種類(加工方法)をパッケージに表示するというルールは特にないので、種類が書かれていない商品もあるのです。
書かれていなければ、どの種類のオートミールか判別することは難しいので、一定の種類を確実に購入したい場合は避けた方がよいかもしれませんね。
オートミールの種類はどれを選べばよい?特徴と用途を比較
オートミールには、加熱処理をしてローラーで押しつぶした「ロールドオーツ・クイックオーツ・インスタントオーツと、加熱処理をせずに小さくカットしたスティールカットオーツの4種類に大きく分けられます。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
しっかりとした食感!ロールドオーツの特徴と用途
ロールドオーツは、オートグローツを蒸してからローラーで平たく伸ばした押し麦タイプのオートミールです。最もオーソドックスなタイプですね。
ある程度の厚みがあるためにしっかりと食べごたえがあり、水を加えて加熱するともっちりとした食感になることが特徴です。
ロールドオーツは、言わば万能タイプ。海外で主流の食べ方であるポリッジ(お粥)や、牛乳やヨーグルトに一晩浸して食べるオーバーナイトオーツの他、スープに入れたりお菓子やパンの材料に使ったりと、どのような調理にも使えます。
また、お米のように「米化」して食べる場合には、ロールドオーツがおすすめです。水を入れて加熱しても崩れにくいので、おにぎりやチャーハンも作れます。
使い勝手のよいオートミール!クイックオーツの特徴と用途
クイックオーツはロールドオーツをさらに薄く伸ばして2~3個にカットしたタイプのオートミールです。
ポリッジやオーバーナイトオーツにした時に柔らかいお粥のような食感になりやすいため、とろりとした食感が好みの人におすすめです。
クイックオーツは吸水しやすく熱も通りやすいため短時間で調理ができ、さまざまな使い方ができる使い勝手の良いオートミールです。
例えば、スープに入れてレンジで温めるだけでリゾットを作れますし、オートミールを使ったパンや蒸しパン、お菓子などを作る材料としても最適です。
また、パン粉の代わりに使用したり片栗粉の代わりに料理にとろみを付けたりする用途にも使えます。
すぐに食べられる!インスタントオーツの特徴と用途
インスタントオーツは、その名のとおり即席で使えるオートミールのことです。インスタントオーツには大きく分けると2種類があります。
ひとつは、クイックオーツをさらに薄く細かくすることでお湯や温めた牛乳をかけてすぐに食べられるようにしたタイプです。
そして、もうひとつは加熱調理をした後に乾燥させたもので、シリアル感覚でそのままでも食べられます。なかには、特殊加工で食べやすい食感にしたタイプや味付けをしたタイプもあります。
インスタントオーツはクイックオーツと同じような使い方もできますが、クイックオーツよりもさらに細かいので牛乳などでふやかすとトロトロの食感になります。
そのため、蒸しパン、パンケーキ、お好み焼きの生地などに使用するのにも向いています。
プチプチの粒感!スティールカットオーツ
蒸して食べやすい押し麦型にしたオートミールの他に、加熱処理をしていないタイプもあります。
スティールカットオーツは、オートグローツを2~3個にカットしたものです。カットしただけなので、オートミール本来の粒感や風味をそのまま楽しめるという特徴があります。
スティールカットオーツはロールドオーツなどのように加熱処理がされていないのでしっかりと加熱する必要があり、お湯などで20~30分煮るなど調理に時間がかかります。
また、白米に混ぜて炊飯器で炊いて食べる方法もあります。調理はやや面倒ですが、プチプチとした粒感を楽しみたい人にはおすすめです。
食べやすい市販のおすすめオートミールを種類別にご紹介!
ロールドオーツ、クイックオーツ、インスタントオーツには、それぞれどのような商品があるのでしょうか。種類別におすすめのオートミールをいくつかご紹介します。
米化におすすめ!ロールドオーツのおすすめ4選
オートミールの基本形ともいえるロールドオーツ。米化に適しているため、ぜひ常備しておきたいオートミールです。ロールドオーツのおすすめ商品を4つご紹介します。
ボブズレッドミル 「オールド ファッションド ロールド オーツ」
『ボブズレッドミル・ナチュラルフーズ』は、アメリカで人気のシリアル&全粒粉メーカーです。その知名度は非常に高く、アメリカのみならず世界80ヶ国で親しまれています。
ボブズレッドミル 「オールド ファッションド ロールド オーツ」は、新鮮なオーツ麦を蒸してからプレス加工したオーソドックスなオートミール。粒が大きくしっかりとしていることが特徴です。
他のメーカーのオートミールと比べてクセが少なく食べやすく、食感が柔らかめといった口コミも聞かれます。クセがあまりないので米化にもよく合います。オーガニックタイプも人気です。
こめたつ 自然の蔵 「ロールドオーツ オートミール」
こめたつの「ロールドオーツ オートミール」は、アメリカ・フィンランド・オーストラリア産の有機栽培のオーツ麦を原料とするロールドオーツタイプのオートミールです。
日本の「有機JAS認証」とともに、ユダヤ教の「コーシャ認証」も受けているそうです。
こめたつの「ロールドオーツ オートミール」は、アメリカでオーソドックスなオールドファッションタイプと呼ばれる厚みに仕上げてあり、しっかりとした粒感と噛みごたえがあることが特徴です。
クセが少ないためオートミールに慣れていない人でも食べやすく、米化にもピッタリ。噛み応えのある食感を好む人におすすめです。
日食 「プレミアム ピュアオートミール」
日本食品製造合資会社は、日本で初めてコーンフレークを製造した老舗のシリアルメーカー。
日食が最初にオートミールの製造をはじめたのは、なんと1929年(昭和4年)だそうです。それ以降、日本人向けに日本人の味覚に合わせた食べやすいオートーミールを製造販売し続けています。
日食 「プレミアム ピュアオートミール」は、国内工場で特殊焙煎したオートミールで、米化をすると香ばしくもち米のようなもちもちと柔らかい食感を味わえると評判です。
ケロッグ 「粒感しっかりオートミールごはん」
シリアルでおなじみのケロッグが米化に特化して開発したオートミールです。 「粒感しっかりオートミールごはん」は米に慣れた日本人の味覚に合っていて、ごはんのような感覚で食べられます。
特徴の異なる2種類のロールドオーツを独自に配合して、ごはんのようなもちもち食感や粒感、そして甘味を再現していることが特徴です。
オートミールは白ごはんよりも糖質が少ないので、米化しても味気ないと感じる人も多いようですが、ケロッグのオートミールごはんは甘みもしっかり感じられ、麦ごはんや玄米ごはんのような感覚で食べられますね。
米化にもパンやお菓子作りにも!クイックオーツのおすすめ3選
クイックオーツは、米化してもよし、お粥やリゾットにしてもよし、オーバーナイトオーツにしてもよし、料理やお菓子の材料にしてもよしと、とにかく用途が幅広く使い勝手がよいことが特徴です。
オートミールを買っても使い切れる自信がないという人には、用途が広く使いやすいクイックオーツがおすすめです。おすすめの商品を3つご紹介します。
クエーカー 「クイックオートミール」
アメリカの『クエーカーオーツカンパニー』は、アメリカではじめてオートミールを商品化した会社で、現在でもシェアは世界No.1です。
クエーカーのオートミールはとにかく大容量でコスパがよいと評判です。コストコでは、オールドファッション(ロールドオーツ)タイプとインスタントオーツタイプが販売されています。
クエーカーの「クイックオートミール」は残念ながらコストコには置いていないようですが、とにかくオートミールをたくさん使いたい人にピッタリ!
パン、蒸しパン、パンケーキ、クッキー、お好み焼きやチヂミなどなど、オートミールを使ってパンやお菓子などをたくさん作りたい人におすすめです。
ライスアイランド 「ミルキーオートミール」
クエーカーと並んでコスパの良いオートミールとしておすすめのクイックオーツが、ライスアイランドの「ミルキーオートミール」。
他のオートミールと比較してもかなりコスパが良いので、パンやお菓子をたくさん作る人におすすめです。
クセが少ないため、レンジで加熱してお粥にしても食べやすいですが食感はかなり柔らかめ。そのため、米化にはあまり向かなさそうです。
メーカーでは牛乳やヨーグルトに浸すオーバーナイトオーツを推奨しています。オーバーナイトオーツにして食べると、程よい硬さと粘り気で満腹感を得られやすそうですね。
「日食オーツ(クイッククッキングタイプ)」
使い勝手だけではなくおいしさも追求したい!という人には、「日食オーツ」がおすすめです。
「日食 プレミアム ピュアオートミール」と同様に、クセが少ない上にオーツ麦本来の甘みも感じられて日本人の口に合いやすいため、オーバーナイトオーツはもちろん、米化したり、あっさりとしたお粥やお茶漬けにしたりしてもおいしく食べられます。
レトロなパッケージもかわいいと評判です。レトロな缶入りが廃版になってしまったことを惜しむファンも多いようですが、このパッケージならそのまま保存しておいてもオシャレですよね。
手軽に食べられる!インスタントオーツのおすすめ2選
インスタントオーツの魅力は、なんと言っても手軽に食べられること。
調理がとても簡単にすむように加工されているので、シリアル感覚で思い立ったらすぐに食べられる点が魅力です。おすすめのインスタントオーツを2つご紹介します。
ケロッグ 「オートミール」
シリアルの大手メーカーが作るだけあって、とても食べやすく口コミ評価も高い商品が、ケロッグの「オートミール」です。
実は、この商品のパッケージにはオートミールの種類が明記されていません。
形状としては、インスタントオーツとクイックオーツのちょうど中間くらいの大きさですが、短時間で調理できて手軽に食べられるように加工されています。
パッケージには、”レンジで温めて香ばしさ引き立つおいしさで、ごはんの代わりとして様々なアレンジでお楽しみいただけます。”と書かれていますが、粒が小さく柔らかめなので、お粥やリゾットにする方法がおすすめです。
味や香りにクセは少なく、オートミール初心者でも食べやすいでしょう。スーパーで気軽に購入できる点もうれしいですね。
日清シスコ 「おいしいオートミール あじわいココア」・「おいしいオートミール×カルピス®」
日清シスコから販売されている少し変わったタイプのオートミールで、フルグラなどシリアルと同じように食べられる味付きのオートミールです。
ラインアップは、「あじわいココア」と「カルピス」の2種類。
「あじわいココア」はココアをコーティングしたオートミールとクラッシュアーモンドのコラボで、「カルピス」はカルピス味のオートミールに乾燥イチゴがブレンドされています。
フルグラや玄米フレークのように牛乳やヨーグルトをかけて食べる方法がおすすめです。発酵性食物繊維と鉄分、カルシウムが入っているので栄養補強にもなりますね。
まとめ:オートミールをおいしく楽しむコツは用途に合う種類を選ぶこと!
オートミールはオーツ麦を加工したシリアルです。加工方法によって加熱処理をしてローラーで押し麦にしたタイプと、加熱処理をせずにカットしたタイプに分けられます。
このうち、一般的によく食べられているオートミールは、ロールドオーツ、クイックオーツ、インスタントオーツの3種類で、それぞれに特徴があります。
オートミールをおいしく食べるには、用途によく合うオートミールを選ぶことがポイントです。
オートミールにあまり馴染みのない日本人の口にも合う、クセが少なくもっちりとした食感のオートミールもたくさん販売されているので、お気に入りのオートミールを見つけてみてくださいね。