味噌煮込みうどんに合う具材は?定番から変わり種までをご紹介!

味噌煮込みうどんを作ろうと思ったときに、どのような具材を入れたらいいのか迷ったことはありませんか?

味噌煮込みうどんとひと口に言っても、赤味噌を使った名古屋風の味噌煮込みうどんと、合わせ味噌を使った味噌鍋風の味噌煮込みうどんとがありますよね。それぞれにどのような具が合うのでしょうか?

この記事では、味噌煮込みうどんの定番の具材から、少し変わり種の具材まで、さまざまな具材をご紹介します。

※味噌煮込みうどんを使った献立例も要チェック♪

本場・愛知県の味噌煮込みうどんの具をご紹介

本場・愛知県の味噌煮込みうどんの具をご紹介

名古屋めしで有名な東海地方の味噌煮込みうどんは、八丁味噌などの豆味噌(赤味噌)を使ったスープと硬めの麺が特徴的です。

名古屋風の味噌煮込みうどんには、どのような具を入れているのでしょうか?名古屋風の味噌煮込みうどんが名物の店ではどのような具を使っているのかについて調べてみました。

山本屋総本家

味噌煮込みうどんの老舗であり、名古屋で一二を争う有名店でもある山本屋総本家。一説によると名古屋風の味噌煮込みうどんの元祖とも言われる山本屋総本家の味噌煮込みうどんのメニューは以下のとおりです。 

基本の具材 「普通味噌煮込うどん」:油揚げ、長ねぎ、かまぼこ
その他の具材:卵、かしわ(名古屋コーチン)、 山菜、天ぷら(海老、野菜)、豚肉、つくねなど

山本屋総本家の基本スタイルである「普通味噌煮込みうどん」は、油揚げ、長ねぎ、かまぼこのみのシンプルな具材。そこに、卵、名古屋コーチンを追加した味噌煮込みうどんが定番のようです。

山本屋本店

山本屋総本家とともに、名古屋の味噌煮込みうどんの名店として知られている店が山本屋本店。創業が明治40年という老舗の味噌煮込みうどん専門店のメニューを見てみましょう。

基本の具材 「味噌煮込みうどん」:かまぼこ、油揚げ、長ねぎ、卵

その他の具材:鶏肉、名古屋コーチン、豚ロース、海老天、きつね(関西風の甘く炊いた油揚げ)、九条ねぎ、モツ、大和シジミ、きのこ(なめこ・舞茸・えのき・平茸など)、牡蠣(冬季限定)など

山本屋本店の基本メニューである「味噌煮込みうどん」は卵入り。それ以外のすべての味噌煮込みうどんに卵が入っているのがポイントです。

その他の具材も種類が豊富で、鶏肉、豚肉、魚介類、きのこなどさまざまな具材が使われていますね。

角丸

大正15年創業の老舗で、地元名古屋の人に長く愛され続けている味噌煮込みうどんの名店です。

創業当時からの味を守りつつ、時代に合わせて進化を続けてきた「角丸」は、味噌煮込みうどんの具に以下の食材を使っています。

基本の具材 「味噌煮込み」:かまぼこ、鶏肉、油揚げ、しいたけ、長ねぎ、麩

その他の具材:卵、豚肉、餅、海老天、帆立貝柱、牡蠣(季節限定)など

角丸の味噌煮込みうどんの基本的な具には、しいたけと麩が使われています。山本屋本店や山本屋総本店と比較すると具の量も多めですね。また、他のトッピングで特徴的な具材として、餅や帆立貝柱などがあります。

変わり種の名古屋風味噌煮込みうどんの具

山本屋本店の味噌煮込みうどんの具には、きつね(関西風の甘く炊いた油揚げ)、モツ、大和シジミ、なめこなどの変わり種もたくさんありましたよね。

山本屋本店以外にも、変わり種の具を入れた味噌煮込みうどんのある店がいくつかあります。

ミッソーニ 「ピリ辛キムチ味噌煮込みうどん」

「ミッソーニ」の変わり種の味噌煮込みうどんは「ピリ辛キムチ味噌煮込」。通常の味噌煮込みうどんにピリ辛味噌を加えてさらにキムチをトッピングしているので、赤味噌の濃厚さにまけないピリ辛さを味わえます。

手打うどん 牛コロ 宮内 「牛ニコ」

肉うどんが名物の「牛コロ 宮内」の味噌煮込みうどんの「牛ニコ」は、しゃぶしゃぶ用の薄切り牛肉がたっぷりと入っています。

味噌煮込みうどんのスープは山本屋本店などに比べるとあっさりめ。鍋を埋め尽くすほどの薄切り牛肉の中には卵の他、しいたけ、長ねぎ、麩、かまぼこが隠れています

徳川庵 「味噌カツ煮込み」

八丁味噌の本場である岡崎市にある「徳川庵」では、トンカツ入りの「味噌カツ煮込み」が食べられます。

「味噌カツ煮込み」は、油揚げ、えのき、長ねぎ、かまぼこの入った通常の味噌煮込みうどんに、大きなトンカツが丸々1枚乗っています。

四国のB級グルメ「味噌カツラーメン」に代表されるように、カツと味噌スープの相性はいいのでしょうね。

和食チェーン店の味噌煮込みうどんの具は?

和食チェーン店の味噌煮込みうどんの具は?

次に、和食チェーン店が提供している味噌煮込みうどんの具にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

「和食麺処 サガミ」の味噌煮込みうどんの具

名古屋に本社を置く「サガミ」の味噌煮込みうどんは、赤味噌のスープを使った名古屋風。オーソドックスな味噌煮込みうどんの具は、鶏肉、油揚げ、しいたけ、かまぼこ、長ねぎ、卵などです。

また、トッピングとして、海老天、焼き餅、大和いもととろがある他、無料の天かすを入れて食べる人も多いようです。

その他の具材として、「四川風みそ煮込」には白菜、えのき、揚げ餅が、「牛ホルモン旨辛みそ煮込」には、国産牛ホルモンやニラなどが入っています。

「ばんどう太郎の味噌」煮込みうどんの具

「ばんどう太郎」は、北関東中心の和食チェーン店ですが、味噌煮込みうどんは名古屋風。八丁味噌の老舗「カクキュー」がばんどう太郎用に造った八丁味噌を使用しています。

味噌煮込みうどんの具は、鶏肉、つくね、半熟卵、長ねぎ、白菜、しいたけ、れんこん、焼き豆腐、かまぼこ、天かすなど。白菜がたっぷりと入っているのが特徴的です。

具材のひとつひとつには意味があり、例えば、天かすは甘みを出す役割を、半熟卵はまろやかさを出す役割をしているそうです。

「華屋与兵衛」の味噌煮込みうどんの具

関東地方を中心に展開する和食ファミリーレストランチェーンの「華屋与兵衛」の味噌煮込みうどんは、赤味噌や西京味噌などをブレンドしたスープと、たくさんの種類の具が入っていることが特徴です。

「華屋の特製味噌煮込みうどん」の具は、熟成豚肉、都路(みやこじ)の赤たまご、白菜、油揚げ、かまぼこ、三つ葉、れんこん、かぼちゃ、ナス、にんじん、長ねぎ、豆腐など

れんこんとかぼちゃとナスは素揚げをしたものが入っています。

また、トッピングとして、海老天、焼き餅、大辛の素、バター、チーズが用意されている他、季節によって牡蠣やアサリの味噌煮込みうどんも登場します。

愛知県以外の合わせ味噌の味噌煮込みうどんの具は?

愛知県以外の合わせ味噌の味噌煮込みうどんの具は?

味噌煮込みうどん=名古屋の味噌煮込みうどんというイメージが強いですが、愛知県以外にも味噌で煮込んだうどん(小麦の麺)の郷土料理がいくつかあります。

愛知県以外の味噌煮込みうどんにはどのような具が使われているのでしょうか?

山梨県の「ほうとう」の具

「ほうとう」は山梨県の代表的な郷土料理です。名古屋の味噌煮込みうどんの原型とも言われていて、小麦粉の平打ち麺ときのこや野菜などの具材を、あっさりとした味噌仕立ての汁で煮込んでいます。

ほうとうの具材としてよく使われている食材は、かぼちゃ、白菜、キャベツ、にんじん、きのこ(なめこ・しいたけ・しめじ・舞茸など)、大根、里芋、ごぼう、油揚げ、長ねぎ、豚肉、鶏肉など。

特に野菜ときのこがたっぷりと入っていることが特徴です。

群馬県・埼玉県北部の「おっきりこみ」の具

「おっきりこみ」は、群馬県や埼玉県北部の秩父地方の郷土料理で、小麦粉で作った2~3cmもある幅の広い「ひもかわうどん」を野菜などといっしょに煮込んでいます。

出汁はしょうゆベースのものもありますが、群馬県の北部や西部では味噌ベースです。

具材は、里芋、じゃがいも、にんじん、大根、かぼちゃ、ごぼうなどの根菜類が中心で、その他、白菜、ほうれん草、山菜、きのこ類、下仁田ねぎ、豚肉、手羽先、油揚げなども使われています。

群馬県・埼玉県北部の「おっきりこみ」の具

讃岐うどんで有名な香川県にも、味噌煮込みうどんの郷土料理があります。「打ち込みうどん」は、あっさりとした味噌味のつゆで、打ちたてのうどんを茹でずに野菜などといっしょに煮込んだ料理です。

打ち込みうどんの具は、大根、にんじん、里芋、ごぼう、青ねぎ、豚肉、油揚げなど。ねぎは西日本なので青ねぎを使っていますね。ほうとうやおっきりこみ比べると、うどんが主体で具の量は少なめです。

家で味噌煮込みうどんを作る場合のおすすめの具は?

家で味噌煮込みうどんを作る場合のおすすめの具は?

ここまでご紹介してきたさまざまな味噌煮込みうどんの具を参考にして、家で味噌煮込みうどんを作る場合のおすすめの具をまとめてみました。

※時短調理のコツなどについては、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

名古屋風の味噌煮込みうどんにおすすめの具

八丁味噌などの赤味噌(豆味噌)を使う名古屋風の味噌煮込みうどんに合う具材を、定番、アレンジ、変わり種に分けると以下のようになります。

定番:鶏もも肉、油揚げ、長ねぎ、しいたけ、かまぼこ、卵、海老天など

アレンジ:豚肉、鶏つくね、えのき、白菜、麩、餅、牡蠣、アサリ、野菜の天ぷら、天かすなど

変わり種:トンカツ、アサリ、ホルモン、牛肉(しゃぶしゃぶ用)、ニラ、レンコン、ナス、キムチ、焼き豆腐など

名古屋風の味噌煮込みうどんの場合、野菜よりも肉や魚介類、しいたけ、油揚げ、天ぷら、卵などがよく合いそうですね。野菜を多めに入れたい場合は白菜がおすすめです。

肉の定番は鶏もも肉ですが、豚肉を使っている店も多くありました。ロースやバラなど脂身が多めの豚肉が合いそうですね。

しいたけは、生しいたけでも良いのですが、干しいたけを使うと出汁も取れて一石二鳥。また、長ねぎは生に近い状態で入れるのとしっかりと煮込むのでは、味わいも変わってきますね。

合わせ味噌ベースの味噌煮込みうどん

家で味噌煮込みうどんを作る場合、赤味噌を使うよりも米味噌や合わせ味噌を使う方が多いのではないでしょうか。合わせ味噌ベースの味噌煮込みうどんによく合う具は、ほうとうやおっきりこみの具材が参考になります。

定番:白菜、大根、にんじん、かぼちゃ、里芋、きのこ(しいたけ、しめじ、舞茸、なめこなど)、玉ねぎ、ねぎ、豚肉、鶏肉、油揚げなど

アレンジ:じゃがいも、キャベツ、ごぼう、たけのこ、ほうれん草など

合わせ味噌ベースの味噌煮込みうどんは、名古屋風とは逆に野菜をたくさん入れるとよいですね。野菜といっしょに煮込むことで、野菜の旨味や甘さがしっかりと出て合わせ味噌のスープの味わいをより引き立てます。

また、この他に味噌汁や豚汁に使う具材も合わせ味噌ベースの味噌煮込みうどんによく合いそうです。

もやし、ニラ、さつまいも、鶏つくね、モツ、鮭、牡蠣、いわしのつみれなどを入れると、いつもと少し違った味わいを楽しめますね。

意外な味噌煮込みうどんの具は「トマト」がおすすめ

いつもと違う味噌煮込みうどんを作りたい場合は、具材にトマトを入れるのがおすすめです。

トマト味の味噌煮込みうどんは、名古屋の「喫茶ゾウメシ」や東京の「味噌煮込罠(みそにこみん)」をはじめ、メニューとして出している店も多くあります。

トマト味にする場合、トマト缶を加えるとイタリアン風に、フレッシュトマトを加えるとサッパリとさわやかな口当たりの味噌煮込みうどんになります。

ただし、入れすぎるとただのトマトうどんになってしまうので注意してくださいね。チーズをトッピングしたり、〆にごはんを入れてリゾットにするのもおすすめです。

味噌煮込みうどんの味変におすすめのちょい足し具材

味噌煮込みうどんの味変におすすめのちょい足し具材

味噌煮込みうどんは味がしっかりとしているので、食べていると途中で飽きてしまうという人もいるのではないでしょうか。

そのような場合におすすめなのが、薬味や調味料で風味を変える食べ方です。いわゆる「味変」ですね。最後に、味噌煮込みうどんの味変におすすめのちょい足し具材や調味料などをいくつかご紹介します。

チーズ・バター

トマト入りの味噌煮込みうどんにチーズを入れる方法をおすすめしましたが、チーズは普通の味噌煮込みうどんにもよく合う具材です。

味噌煮込みうどんにチーズを入れるとコクが強くなるだけでなく、まろやかな味わいに変わります。

チーズは、とろけるチーズかスライスチーズがおすすめです。食べている途中に味変をする場合は、味噌煮込みうどんのスープができるだけ熱いうちにチーズを混ぜてみてください。

また、チーズの代わりにバターを入れても、コクやまろやかさがアップします。

カレー粉

味噌とカレーは相性が抜群。味噌カレーライスや味噌カレースープなど味噌とカレーを融合させた料理もいろいろと存在しますよね。同じように、味噌煮込みうどんもカレーとの相性がとても良いのです。

味噌煮込みうどんにカレー粉やカレールーを入れて煮込むのはもちろん、味噌煮込みうどんを食べている途中にカレー粉を入れて味変をしてもいいですね。

味噌煮込みうどんの味変におすすめのカレー粉は、GABANの「純カレーパウダー」。

辛みと香りのバランスがよく、少量でも風味が変わります。入れるとサッと水分を吸ってくれるので、混ぜやすいのもうれしいポイントです。

豆板醤

豆板醤は、そら豆に塩、赤唐辛子、ごま油などを加えて発酵させた中国の調味料です。日本の調味料に例えると、八丁味噌を辛くしたような味わいと言われることもあるほど、味噌と相性の良い調味料です。

味噌煮込みうどんに豆板醤を入れると、辛さだけでなくコクもアップします。八丁味噌などの赤味噌だけではなく、米味噌や合わせ味噌にもよく合います。

味噌煮込みうどんにおすすめの豆板醤が「オーサワの豆板醤」。

じっくりと熟成された旨味と辛みが特徴で、すべて国産材料で作られているので、国産の味噌との相性もとても良いですよ。他の豆板醤よりも塩分が控えめな点もありがたいですね。

黒七味

味噌煮込みうどんの定番の薬味といえば、七味もしくは一味ですよね。辛さを足したいなら一味、辛さとともに香辛料の風味を足したいのであれば七味がおすすめです。

七味よりもさらに上品な香りを楽しみたいなら、黒七味を使ってみてはいかがでしょうか。

黒七味は、全国で唯一、江戸時代から続く京都・祇園の名店「原了郭(はらりょうかく)だけが作っている七味です。

原料は、赤唐辛子、山椒、白ごま、黒ごま、青のり、けしの実、麻の実の7種類。これらの香辛料を炒ってから細かく挽き、ていねいに揉み込むことでそれぞれの風味が調和して、より上質で独特の深い香りを生み出しています。

味噌煮込みうどんに最初から入れるのはもちろん、途中で香りを変えたい場合にもおすすめです。

まとめ:味噌煮込みうどんにおすすめの具は味噌の種類によって変わる

さまざまな店の味噌煮込みうどんの具を調べると、赤味噌を使った名古屋風の味噌煮込みうどんと、合わせ味噌や米味噌を使った味噌煮込みうどんとでは、入れる具材が違っていました。

ですから、家で味噌煮込みうどんを作る場合も、このことを参考にするとよさそうですね。

とは言っても、自分で味噌煮込みうどんを作るメリットは好きな具材を入れられることです。ご紹介した内容を参考にしつつ、自分好みの具材を見つけてみてくださいね。

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