マヨネーズの発祥はどこ?日本のマヨネーズの歴史と合わせてご紹介!

私たち日本人の食卓にはもはや欠かすことのできないマヨネーズ。

和洋中様々な料理に合わせることができますし、老若男女問わず愛されている調味料ですよね。そんなマヨネーズですが、発祥地はどこかご存知の方は意外と少ないかも知れません。

筆者もその名前の響きから「海外からきたものだろうな。」と、ただ漠然と思っていましたが、実際にどこなのか、何語なのかということすら知りませんでした。

 

そこでこの記事では、マヨネーズの発祥地やその語源、日本のマヨネーズの歴史まで幅広くマヨネーズの歴史について解説をしていきます。

思わず「へ~!」と唸ってしまう事柄もあるかも知れませんので、ぜひ最後までお読みください!

マヨネーズの発祥はどこ?

マヨネーズの発祥はどこ?

それではまずはマヨネーズの発祥地や語源、最初のマヨネーズの製法についてご紹介していきましょう。

マヨネーズ発祥の地

マヨネーズの発祥の地は諸説ありますが、もっとも有力なのがスペインのメノルカ島です。これだけ世界的に愛されているマヨネーズの発祥地だというのに、不思議とあまり聞きなじみのない場所ですよね。

 

メノルカ島は地中海に浮かぶバレアレス諸島のひとつで穏やかで青く透き通った美しい海があり、欧米人にとっては静かにバカンスを過ごす場所として知られています。

しかしほとんど観光地化がされておらず、ありのままの自然と人工的な施設がビーチに無いなどのことから、日本人を含めた欧米以外のエリアからは観光で訪れる機会が少ないのかも知れません。

さて。マヨネーズ発祥の舞台となるのが、この島の主要な街となっているのが港町のマオンです。

 

18世紀半ば、当時イギリス領であったメノルカ島にフランス軍が攻撃をしかけ、その指揮をとっていたリシュリュー公爵がこのマオンのレストランに入り、料理のお肉に添えられたソースを大変気に入りました。

その後リシュリュー公爵はパリに戻り、このソースを「マオンネーズ(マオンのソースという意味)」として紹介。それが後に「マヨネーズ」と呼ばれるようになった、というのが現在マヨネーズの発祥とされている最も有力な説になります。

最初のマヨネーズはどのように作られたのか

マヨネーズの発祥であるマオンのソース。それは現在のマヨネーズと同じだったのでしょうか?

 

最初のマヨネーズであるメノルカ島のマオンのソースは「サルサ・マオネーサ」と呼ばれており、材料は卵黄、塩、オリーブオイルのみという非常にシンプルなものです。

作り方も至ってシンプルで、材料をすべて混ぜ合わせただひたすらにかきまぜて作ります。私たちが食べている現在のマヨネーズはそこになども加わっていますが、基本はほぼ同じなのですね。

ちなみにメノルカ島では現在もこの最初のマヨネーズの製法で手作りの腕を競い合う”マヨネーズ選手権”が開催されているそうですよ。

「マヨネーズ」の語源

マヨネーズの発祥の地で説明した通り、「マヨネーズ」という語源はメノルカ島の”マオンのソース”という意味のフランス語「マオンネーズ」から来ていると言われていますが、実は語源にも多くの説があります。

 

その中でも有力なのは、フランス語ではなくメノルカ島のあるスペイン語で”マオンの”という意味の「Mahonesa」から来ているという説です。

フランス語説とスペイン語説。いずれにしてもマヨネーズの語源はマオンという地名がベースとなっているのは間違いありませんね。

日本のマヨネーズの発祥は?

日本のマヨネーズの発祥は?

マヨネーズはやはり海外が発祥地であることが分かりましたが、日本に伝わってきたのはいつなのでしょうか?日本でのマヨネーズの誕生の歴史を紐解きながら、アノ商品の名前の由来や構造の素朴な疑問なども解説していきます。

日本で最初のマヨネーズ

日本から遠く離れた地で発祥したマヨネーズですが、それでは日本にはどのように伝わったのでしょうか?

 

それはパリでリシュリュー公爵がマヨネーズを紹介してからなんと約160年後のこと。アメリカで缶詰の勉強をしていた日本人男性がいました。

アメリカではその当時から日常的に野菜のサラダが食べられており、特にマヨネーズが使われているポテトサラダがとても美味しく栄養価も高いことに注目した彼は、日本に帰国後、当時は体が細く弱かった日本人のためにマヨネーズを発売しようと考えました。

 

その彼こそが、のちのキユーピー株式会社の創始者である中島董一郎です。

関東大震災後の1925年3月。西洋化が進んだ日本で中島はマヨネーズが日本人に受け入れられると確信し製造に踏み切ります。その商品名は、今もなお日本の食卓には欠かせない存在であるキユーピーマヨネーズです。

 

その年の売上は約600kg(120箱分)とのこと。日本でのマヨネーズの誕生は、美味しさ以上に栄養価に期待を込めて作られたというのが感慨深いですね。

「キューピーマヨネーズ」なぜキューピー?

日本のマヨネーズの発祥であるキューピーマヨネーズ。かわいいキューピー人形のキャラクターは日本人なら誰もが知っているといっても良いほど、キューピーマヨネーズのシンボルとして定着していますよね。

なぜマヨネーズのキャラクターがキューピー人形なのかと言うと、創業当時に「キューピー人形のように誰からも愛されるように」との願いを込めて決められたそうです。

 

ちなみに、キューピーマヨネーズの正式な表記はキューピーではなくキユーピーと、「ユ」が大文字なのをご存知でしたか?

小文字のユで表記するとその部分だけ凹んで見えて美しくないから、というデザイン上の理由から大文字のユにしているそうで実際に商標登録もされています。

また、1922年(大正11年)にそのキユーピーという文字とキューピー人形のキャラクターを商標登録したものの、著作権を保有する日本キューピークラブから、1998年(平成10年)著作権侵害を理由に訴えられる、というトラブルが発生しています。

しかし、それ以前にキユーピー株式会社の著作権が執行していたため、キャラクター使用に問題ないと判断されて無事に現在でも使用が続けられています。

マヨネーズの口が星形の理由

日本のマヨネーズの口は星形になっているのが特徴的ですよね。このようなマヨネーズの容器は日本が発祥です。

 

製造当初、口の形は普通に丸かったのですが、様々な形の口を試作した結果、星形だとサラダなどにかけた際に飾りのように綺麗な見栄えで評判もよく、1972年(昭和47年)から採用されるようになったそうです。

 

ちなみに現在の形は星形と細口の使い分けができるダブルキャップが採用されており、キューピーマヨネーズは五角形の星形、ピュアセレクトマヨネーズで知られる味の素で販売されているマヨネーズは六角形の星形になっています。

 

余談になりますが、海外のマヨネーズは日本の製品と異なり瓶詰め商品が多いことをご存じですか?

日本のマヨネーズと海外のマヨネーズとの容器・原料・使い方の違い等については以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ本記事と併せてご覧ください。

マヨネーズの日とは?

3月1日は「マヨネーズの日」というのをご存知でしょうか?

 

マヨネーズの発祥とは別に、日本で初めてマヨネーズが製造発売されたことを記念して、キユーピー株式会社が2015年(平成27年)にマヨネーズをアピールする目的で制定した記念日です。

 

日付の由来は最初のマヨネーズの販売が開始されたのが3月であったこと、そして日本で初めてという意味で1をとって決められました。マヨネーズの日にはイベントが開催されることもあるのでぜひキユーピー株式会社からの情報をチェックしてみてくださいね。

まとめ:マヨネーズの発祥は海外だけど、日本のマヨネーズにも独自の歴史があった!

いかがでしたでしょうか?

 

マヨネーズの発祥はあまり馴染みのないメノルカ島のマオンという説が有力でしたが、日本のマヨネーズの歴史も非常に興味深いものでした。特に筆者は、美味しさ以上に日本人の体格向上を願って製造販売された、という事実に感動すら覚えました。

 

また、海外のマヨネーズと日本のマヨネーズでは材料や味、テクスチャーや保存方法にも違いがあり、同じ商品というよりは親戚のような違いがあることも分かりました。

 

合わせる料理によって使い分けながら、これからはマヨネーズを食べるたびに歴史を思い浮かべ、ありがたくそして美味しく楽しんでいきたいものです。

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