米麹のうれしい効能を徹底解説!おいしく食べて健康になる秘訣とは?
米麹ってよく聞くけど、どんな食品なのかよく知らないよね。塩麹とは別物?
米麹って身体にいいって聞いたんだけど、どういう効能があるんだろう?
米麹ってそのまま食べられるの?どうやって食べるのが正解?

米麹というと、知っているようで意外と知らない食品のひとつですよね。身体に良さそうなイメージを持つ人も多いでしょうが、実際にはどのような効能があるのでしょうか。

この記事では、米麹とはどのようなものでどのような効能を持つのか、健康や美容に本当に良いのかについて解説するとともに、効果的な食べ方についてもご紹介します。

さまざまな効能を持つ米麹ってどんな食品?

さまざまな効能を持つ米麹ってどんな食品?

麹はお酒や味噌を作るときに使うということを何となく知っていても、米麹がどのようなものなのかよく知らない人も多いですよね。

まずは、米麹とはいったいどのような食品なのか、そして、どのように使うのかについて解説します。

米麹ってどういうもの?

米麹は、簡単に言うと麹菌という微生物の集合体です。米麹を近くで見ると、お米の表面に白いふわふわとした細かい毛のようなものがびっしりと付いているのがわかります。これが麹菌です。

麹菌の別名は「コウジカビ」。つまり、麹菌はカビの一種なのです。

カビと聞くと悪いものではないかと心配になるかもしれませんが、麹菌は良いカビの一種です。もちろん、食べても害はありません。

麹菌は、味噌やしょう油などの発酵食品を作るために欠かせません。

味噌やしょう油を作るには大量の麹菌が必要ですが、麹菌は栄養となる土台がないと増えないので、米や麦などの穀物を土台にして繁殖させます。これが「麹」と呼ばれるものです。

蒸した米に麹菌を繁殖させると米麹に、蒸した麦に繁殖させると麦麹になります。

米麹にはどんな栄養があるの?

米麹は蒸した米に麹菌を繁殖させたものなので、白米と同じように炭水化物を多く含んでいます。

米麹100g中の炭水化物は60.6gなので、米麹の約6割は炭水化物です。また、食物繊維も多く含まれています。

また、たんぱく質も多少は含まれていますが、あまり良質のたんぱく質ではなく吸収率も低いので、たんぱく質の供給源にはなりにくいといえます。

その他の栄養素で多く含まれている栄養素はビタミンB群です。ビタミンB群には8種類のビタミンがありますが、ビタミンB12以外の7種類のビタミンB群が豊富に含まれています。

ビタミンB群の働きについては、後ほど詳しく解説しますね。

米麹は他の食材と合わせた方がいい?そのまま食べるのナシ?

米麹は蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。米麹に繁殖している麹菌は身体に無害なので、米麹をそのまま食べてもまったく問題ありませんし、米麹に多く含まれるビタミンB群も摂取できます。

しかし、麹菌には他の食材を発酵させる働きがあり、米麹をそのまま食べるよりも他の食材を発酵させた方が、大きな効果を発揮するのです。

つまり、米麹はそのまま食べられないことはないけれども、米麹で発酵させた食品を食べた方がずっと身体に良いといえますよね。

米麹の効能を知る鍵は発酵にあり!米麹と発酵食品の関係とは?

米麹の効能を知る鍵は発酵にあり!米麹と発酵食品の関係とは?

米麹は、米を発酵させて日本酒や甘酒を作ったり、豆を発酵させて米味噌を作ったりする際に欠かせない食材です。

何かを発酵させて作る食品のことを発酵食品といいますが、米麹の効能を知る上で発酵は大きなポイントとなります。

発酵とはどのようなことをいうのでしょうか。また、米麹は発酵にどのようにかかわっているのでしょうか。

発酵とは?腐敗とはどう違う?

発酵とは、微生物の力で食物の中の成分が変化して、人にとって良いものに変わる現象のことをいいます。そして、発酵によって作られる食品が発酵食品です。

発酵と同じように微生物が関与した食品の変化に、腐敗というものがあります。腐敗とは、微生物によって食品の成分が変化して食べられない状態になることです。

発酵と腐敗はどちらも微生物によって引き起こされる食品の変化ですが、その違いは人間にとって有益であるか、それとも有害であるかということだけ。

つまり、人にとって良い変化は発酵、害になる変化が腐敗ということになります。

米麹は発酵とどんな関係があるの?

米麹とは蒸した米に麹菌を繁殖させたものでしたよね。

麹菌は食品を発酵させる微生物のひとつです。発酵に関わる微生物は、麹菌の他にも乳酸菌(ヨーグルト・チーズなど)、酵母菌(ビール・パンなど)、納豆菌(納豆)などがあります。

発酵は微生物が食品中の成分を変化させることによって引き起こされますが、麹菌の場合は麹菌が作り出すたくさんの酵素が働いて、食品中のさまざまな成分を変化させます

麹には、米麹、麦麹、豆麹などがありますが、このうち最も多く利用されているものが米麹です。

米麹で作られる代表的な発酵食品には、日本酒や焼酎、甘酒やみりんなどがあります。人気の調味料である塩麹も米麹を発酵させたものです。

発酵によって発揮される米麹のパワーとは?

麹菌は多くの酵素を作り出すため、麹菌が数多く繁殖した米麹には30種類以上の酵素が含まれています。米麹が発酵することで発揮する効果は以下の通りです。

米麹の発酵パワーにはこんな効果が!

・消化吸収を良くする

・ビタミンBを作り出す

・腸内環境を整える

・おいしさや香りがアップする

・肉や魚を柔らかくする

米麹で発酵食品を作ると、これらの酵素が働いてさまざまなメリットが生み出されるのですね。

米麹の代表的な効能4つ!~健康・美容から美味しさUpまで~

米麹の代表的な効能4つ!~健康・美容から美味しさUpまで~

米麹を使って食品を発酵させると、食品をおいしくする効果と身体に良い効果の両方があることがわかりますよね。では、具体的にどのような効能があるのかを詳しく見ていきましょう。

米麹の効能その1:消化や代謝を助ける!

発酵食品は身体に良いといいますよね。

米麹にも身体に良い効能がたくさんあり、そのひとつが食べたものの消化を助けたり、食べたものの栄養から身体のエネルギーを作り出したりすることを助ける働きです。

食べ物を消化しやすい形にして胃の負担を減らす!

通常、炭水化物やたんぱく質や脂質は、胃で分解されて身体に吸収されますが、食べたものが胃で消化されるには3~5時間程度かかります。

特に、たんぱく質や脂質は消化しにくいため、食べ過ぎると胃に負担がかかって消化不良を起こしやすくなります。

麹には、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、糖質を分解する「アミラーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」という3種類の消化酵素が含まれています。

麹で他の食品を発酵させると、たんぱく質や糖質や脂質が分解されて、消化されやすい形に変わるというメリットがあります。

ダイエットにも有効!ビタミンB群を作り出して代謝を助ける

麹菌には、自身が生きるためにビタミンB群を生成する働きがあります。

ですから、麹菌を繁殖させた米麹にもビタミンB群が豊富に含まれています。麹菌に含まれているビタミンB群の種類とその効能は以下のとおりです。

米麹に含まれるビタミンB群の働き

ビタミンB1

糖質の代謝を助ける、疲労回復効果など

ビタミンB2:

エネルギー代謝を助ける、皮膚・粘膜・髪・爪などの再生を助ける効果など

ナイアシン:

エネルギー代謝を助ける、皮膚や粘膜の健康を保つ効果など

ビタミンB6:

たんぱく質の代謝を助ける、免疫機能を正常に保つ、赤血球のヘモグロビンの合成など

葉酸:

たんぱく質やDNAの合成、赤血球の形成を助ける効果など

パントテン酸:

エネルギーの代謝を助ける、ストレス軽減効果、HLD(善玉)コレステロールを増やすなど

ビオチン:

エネルギー代謝を助ける、皮膚や粘膜の健康を維持する効果など

米麹に多いビタミンB群には、エネルギー代謝を助ける効果や、皮膚や粘膜などの健康を維持する効果、貧血防止効果などがあることがわかりますよね。

特に、代謝が良くなると太りにくく痩せやすい身体になるので、ダイエットにも有効です。

健康維持のためにもダイエットのためにも、ビタミンB群は積極的に摂るべき栄養素なので、米麹で発酵させた食品はビタミンB群の供給源として効果的です。

米麹の効能その2:腸内環境の改善と健康維持

米麹の栄養素や発酵によって生成された成分は、健康維持や美容、生活習慣病の予防などへの効果が期待できます。米麹が健康や美容にもたらす効果について解説します。

健康や美容への効果大!腸内環境を整える

米麹には、酵素の力でデンプンを分解してできたオリゴ糖が豊富に含まれています。

オリゴ糖は、腸内の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)のエサとなり、善玉菌を増やす働きをします。

腸内で善玉菌が増えると、身体に悪さをする悪玉菌の働きが抑えられ、腸内環境が良くなります。

腸内環境が良くなると便通が改善されるだけでなく、免疫力の向上代謝が良くなり太りにくくなる血行促進冷え性の改善美肌効果ストレスの軽減など、身体にさまざまな良い影響をもたらします。

また、米麹に含まれる「酸性プロテアーゼ」といういう酵素が腸内のビフィズス菌を増やすという研究結果も報告されています。

生活習慣病予防への期待!

米麹で作る発酵食品のひとつに甘酒がありますが、これまでの研究で、米麹甘酒にはたくさんの健康効果があることが報告されています。

米麹甘酒に期待される健康効果

・LDL(悪玉)コレステロールを減少させる効果

・血圧上昇を抑える効果

・肥満抑制効果

・尿酸値を低減させる効果

・目の下のクマを改善する効果

・抗酸化作用

これらの健康効果についてはまだまだ研究途中なので、動物実験で確認されただけで人による臨床試験が行われていないものも多くあります。

しかし、さまざまな効果が確認されているので、生活習慣病を予防する要素として期待できそうですよね。

米麹の効能その3:発酵によっておいしさや香りをアップ!

米麹には30種類以上もの酵素が含まれていますが、なかでも特徴的なものが食品中のたんぱく質、デンプン、脂質を分解する酵素です。

これらの酵素は食品中のたんぱく質などを分解して、味や香りを良くする働きをします。

たんぱく質を分解して旨味成分を増やす

食品中のたんぱく質は、酵素によってアミノ酸に分解されます。分解されたアミノ酸には、旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸がたくさん含まれています。

つまり、たんぱく質が分解されることで旨味成分が大幅に増えるということにもなりますよね。

例えば、味噌やしょう油では、原料の大豆のたんぱく質が酵素によって分解されて、旨味成分のグルタミン酸やアスパラギン酸がたくさん作られます。

また、塩麹や味噌などで肉や魚を漬け込むと、肉や魚のたんぱく質が分解されてさらに旨味成分が増えます

デンプンを分解して天然の糖を作る

食品中のデンプンは、デンプン分解酵素によって、ブドウ糖やオリゴ糖をはじめとするさまざまな種類の糖に分解されます。これらは、天然の力で生み出された正真正銘の天然の糖です。

麹の酵素がデンプンを分解して生成された糖は、工業的に製造された砂糖と比べるとまろやかで上品な甘味があることが特徴です。

また、多くの種類の糖が含まれていることでコクもアップします。

香りの成分を作り出す

味噌、しょう油、日本酒などは、非発酵食品にはない独特の芳香がありますよね。これらの香りも、たんぱく質や糖質や脂質が酵素によって分解される過程で産み出されます

香りを作り出す成分を香気成分といいますが、米麹による発酵で作り出される香気成分は非常に多くの種類があります。

例えば、日本酒の香気成分は100種類以上あるといわれています。同じ日本酒でもさまざまな香りがあるのはこのためなのですね。

米麹の効能その4:米麹の酵素で肉や魚を柔らかくする!

塩麹に肉や魚を漬け込むととても柔らかくなりますよね。この効果も米麹の発酵パワーのひとつです。具体的にどのような働きをするのでしょうか。

肉や魚のたんぱく質を分解して柔らかくする!

肉や魚のたんぱく質の大部分は「筋原繊維たんぱく質」という繊維状のたんぱく質で、加熱すると収縮して硬くなっていきます。これが肉や魚を焼くと硬くなってしまう原因です。

肉や魚を塩麹や味噌に漬け込むと、米麹に含まれるたんぱく質分解酵素によって筋原繊維たんぱく質が分解されるため、肉や魚が硬くなりにくくなります。

分解されたたんぱく質はアミノ酸に変わるため、肉や魚が柔らかくなると同時に旨味成分も増えておいしさもアップします。

肉や魚の保水性を高めてジューシーにする!

塩麹や味噌に漬け込んだ肉や魚はジューシーで柔らかいですよね。米麹の酵素には、肉や魚を柔らかくジューシーにする効能もあります。

麹で発酵させた塩麹や味噌などには、デンプンが酵素によって分解されてできた糖類がたくさん含まれています。

塩麹や味噌で肉や魚を漬け込むと、米麹に含まれる糖類がたんぱく質の繊維の中に入り込みます。

糖類には保水性を保つ働きがあるので、肉や魚のたんぱく質の内部に入り込んだ糖が水分を閉じ込めるのと同時に、糖がたんぱく質の収縮の邪魔をするために肉や魚が硬くなりやすい性質があります。

そのため、麹で発酵させた塩麹や味噌に肉や魚を漬け込むと、柔らかくジューシーに仕上がります。

米麹の効能を生かす「米麹甘酒」活用法2選

米麹の効能を生かす「米麹甘酒」活用法2選

米麹の健康効果や美容効果を最大限に生かしたいのであれば、米麹甘酒を利用する方法がおすすめです。

甘酒は「飲む点滴」と言われるくらい栄養価が非常に高いので、毎日でもとりたい食品ですよね。米麹甘酒を効率よくとる方法を2つご紹介します。

1日1杯が理想!米麹甘酒を飲む

米麹甘酒は、米麹と炊いたごはんと水を発酵させたもの。湯呑1杯の甘酒で使用する米麹は、30~70g程度なので、一度にたくさんの量の米麹をとることができます

米麹甘酒は、酒粕で作る酒粕甘酒と違い、アルコールが含まれていないので、子どもやアルコールに弱い人も安心ですよね。

米を発酵させてできた糖の甘さはまろやかな上にクセもなく飲みやすいので、酒粕の匂いが苦手な人でも飲みやすい点がメリットです。

ただし、米麹甘酒は糖分が多いため、1日に飲む量は湯呑1杯程度が理想です。

市販品でもよいのですが、米麹の効能を最大限に生かしたいのであれば、米麹を使って手作りする甘酒がおすすめです。炊飯器を利用して簡単に作れます。

日常的に使いたい!米麹甘酒を砂糖の代わりに使う

米麹甘酒は、米のデンプンが分解されて作られた糖がたくさん含まれているため、砂糖が入っていないにもかかわらずとても甘いという特徴があります。

米麹を日常的にとるために、砂糖の代わりに米麹甘酒を料理やお菓子作りに利用する方法もおすすめです。コーヒーや紅茶などに入れてもよいですね。

砂糖の代わりに米麹甘酒を使う場合は、砂糖と同量か2倍くらいの量を目安にしてください。

甘みの強い甘酒を使用したいのであれば、米麹と水だけを発酵させて作る米麹甘酒を利用するとよいでしょう。

米麹の効能を生かす「塩麹」の活用法3選

米麹の効能を生かす「塩麹」の活用法3選

米麹の持つパワーを毎日身体に取り入れるには、米麹に塩と水を混ぜて発酵させた「塩麹」もおすすめです。

万能調味料として人気の塩麹は、家庭でも利用しやすい食材です。米麹パワーを生かす塩麹のおすすめの使い方をご紹介しましょう。

肉や魚を漬け込む

塩麹の代表的な使い方として、肉や魚の塩麹漬けがあります。塩麹には肉や魚のたんぱく質を分解して、柔らかくしたり旨味を増やしたりする効果がある上に、保存性が良くなる効果もあります。

肉や魚を塩麹に漬け込むだけなのでとても簡単ですよね。米麹の効能を丸ごと利用するには、外側に着いている塩麹を落とさずにそのまま焼く方法がおすすめ。

焦げやすい場合は弱火で蒸し焼きにするとよいでしょう。

調味料として利用する

塩麹は普通の食塩と比べるとまろやかな塩味であることが特徴です。甘味やコクもあるため、煮物、汁物、炒め物などさまざまな料理の調味料として重宝します。

旨味や上品な甘味も加わるので一石二鳥ですよ。ただし、塩麹には塩分が多く含まれているので、健康のために入れすぎには注意してくださいね。

調味料として利用する場合は、1人分につき小さじ0.5~1.5杯程度の塩麹を入れてみましょう。

塩麹だけでも十分においしいですが、物足りない場合はみりんやしょう油などを少し加えてもよいでしょう。また、塩麹で作ったドレッシングもおすすめです。

漬物に利用する

塩麹に野菜を漬け込んで漬物にする方法もおすすめです。

短時間で浅漬けにしてもおいしいですが、米麹の効能をできるだけ利用したいのであれば、ひと晩~1日程度しっかりと漬け込むとよいでしょう。

作り方は、野菜を適当な大きさに切り、塩麹をまぶして冷蔵庫に置いておくだけ

麹の力で野菜が発酵して、うま味やビタミンB群がさらに増え、おいしくて栄養価の高い漬物になります。塩麹の量が多すぎると、塩辛くなるので注意してくださいね。

まとめ:米麹の効能がすごい!おいしい料理と健康のために活用しよう

麹菌(コウジカビ)を繁殖させた米麹は、米味噌や塩麹、日本酒、甘酒などを発酵させるために利用される食材です。

材料となる食品を米麹で発酵させると、健康維持や美容効果の他に、料理をおいしくするなどのうれしい効果をたくさん得られます。

米麹の効能を生かすには、塩麹や米麹甘酒がおすすめです。さらに、米麹や酵素の力が生きていると理想的ですね。

市販品は品質を保つために火入れをして、麹や酵素を失活させている商品もあるので、火入れをしていない商品を選ぶか、家で米麹から手作りするとよいでしょう。

日常的に米麹の効能を取り入れられるので。ぜひ試してみてくださいね。

おすすめの記事