醤油には糖質がどのくらい入っているのか知っていますか?
醤油には塩分が多く含まれていることは周知の事実ですが、糖質についてはそれほど気にしないのではないでしょうか。
和食には日本人には欠かせない調味料の醤油。低カロリーでダイエット中でも問題ないというイメージがありますが、はたして本当にそうなのでしょうか?
今回は、醤油の糖質やカロリーはどのくらいなのか、そして太る原因になるのかについて探ってみました。
目次
醤油の糖質の正体は?
市販の醤油の成分表示を見てみると、醤油には糖質が含まれています。しかし、醤油を舐めてみても砂糖やみりんのような甘さは感じられませんね。
では、醤油に含まれている糖質はいったい何でしょうか?まずは、醤油の糖質の正体に迫ってみたいと思います。
醤油の原料と製造方法
醤油の原料は大豆と小麦と食塩。大豆と食塩は想像がつくと思いますが、実は、小麦も醤油を作る上で絶対に欠かせない原料なのです。この3つの原料から醤油が作られる工程を簡単に説明しましょう。
大豆は水に浸漬してから高温で蒸し、小麦は高温で炒ってから砕きます。蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせたところに麹菌を加え、そのまま3日間寝かせて麹菌を繁殖させたものが醤油麹です。
次に、醤油麹に食塩水を加えてもろみ(諸味)を作ります。もろみはタンクの中で6ヶ月から1年ほどかけてじっくりと発酵・熟成させます。最後に、熟成が終わったもろみを布に挟み、圧搾機でゆっくりと時間をかけて絞り出して、ようやく醤油の完成です。
醤油の原料については、下の記事でも詳しく説明しています。参考にしてみてください。
醤油の糖質は製造段階で作られる糖類
醤油の糖質のもとになるのは、小麦に約70~75%も含まれているでんぷんです。
大豆と小麦を混ぜて醤油麹を作る工程で、小麦のでんぷんは麹菌に含まれるアミラーゼという酵素によってブドウ糖(グルコース)に分解されます。
ブドウ糖はもろみを発酵・熟成させる段階で、一部は醤油の成分である乳酸やアルコールを作り出すための栄養源として利用されますが、それ以外のブドウ糖はそのまま残り、醤油の甘味のもとになります。つまり、醤油に含まれている糖質の正体はブドウ糖なのです。
醤油の糖質とカロリーは多い?少ない?
市販の醤油の成分表示を見てみると、醤油には糖質が含まれています。しかし、醤油を舐めてみても砂糖やみりんのような甘さは感じられませんね。
では、醤油に含まれている糖質はいったい何でしょうか?まずは、醤油の糖質の正体に迫ってみたいと思います。
醤油の糖質量はどのくらい?
まずは、食品成分表で醤油の塩分とカロリーを見てみましょう。
ちなみに、本来、炭水化物は『糖質+食物繊維』の総量ですが、醤油の場合は大さじ1杯の食物繊維はほぼ0なので、『炭水化物=糖質』と考えて問題ありません。(※1)
表1:日本食品標準成分表(八訂)の大さじ1杯あたりの醤油のカロリーと糖質
エネルギー (kcal) | 炭水化物 (g)※1 |
|
---|---|---|
こいくちしょうゆ | 13 | 1.8 |
うすくちしょうゆ | 10 | 1.4 |
たまりしょうゆ | 20 | 2.9 |
しろしょうゆ | 16 | 3.5 |
減塩しょうゆ こいくち | 12 | 1.6 |
だししょうゆ | 6.7 | 0.9 |
上記の表の通り、こいくち醤油、うすくち醤油、減塩醤油の大さじ1杯あたりの糖質の量は、1.5~2g程度、カロリーは10kcal強です。
醤油の糖質量を他の調味料と比べると?
次に醤油と他の調味料の糖質とカロリーを少ない順に並べてみました。
表2:主な調味料の大さじ1杯あたりの糖質量とカロリーランキング
エネルギー
(kcal)炭水化物
(g)
穀物酢 5 0.4
マヨネーズ 卵黄型 98 0.6
フレンチドレッシング 73 1.1
米酢 8 1.3
うすくちしょうゆ 10 1.4
こいくちしょうゆ 13 1.8
米みそ 淡色辛みそ 35 3.0
ごまドレッシング 65 3.3
ウスターソース 21 4.7
トマトケチャップ 21 4.9
中濃ソース 24 5.3
醤油は普段よく使う調味料の中でも、糖質の量やカロリーは少なめと言えますね。
醤油の糖質はダイエットの敵なの?
醤油の糖質は大さじ1杯あたり1.5g前後。これをごはんに換算すると、子どものひと口くらいで小さなティースプーンに乗る程度の量です。
料理に使う醤油の量もそれほど多くはありません。例えば、お吸い物1人前の場合、醤油に含まれる糖質は0.5gくらいです。肉じゃが1人前だと1.4gほどですが、実際は汁まですべて飲み干すわけではないので、実施にはもっと少なくなりますね。
また、醤油の糖質はブドウ糖です。ブドウ糖は体内への吸収が速く、じっとしていても1時間に4gくらいのブドウ糖が、体のエネルギー源として利用されると言われています。そのことから考えても、醤油の糖質が直接太る原因になる心配はほとんどなさそうです。
メーカーによっても醤油の糖質量は違う
各メーカーの醤油に含まれる糖分量とカロリーを比較してみました。
表3:メーカー別・醤油の糖質とカロリー(大さじ1杯あたり)
カロリー
(kcal)糖質
(g)
こいくち醤油
キッコーマン こいくちしょうゆ 13 1.7
ヒガシマル こいくちしょうゆ 11 1.5
トップバリュ 上級しょうゆ 10 1.2
セブンプレミアム こいくち醤油 14 1.8
うすくち醤油
キッコーマン うすくちしょうゆ 12 1.6
ヒガシマル うすくちしょうゆ 10 1.4
トップバリュ 特級うすくちしょうゆ 8 0.9
丸大豆醤油
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ 15 1.9
トップバリュ 本醸造特級 丸大豆しょうゆ 11 1.3
ヤマサ 特選丸大豆しょうゆ 14 1.6
セブンプレミアム 特選丸大豆醤油 15 2
これを見ると、こいくち醤油、うすくち醤油など同じ種類の醤油であっても、醤油に含まれる糖質量やカロリーはメーカーによって多少の差があることがわかります。糖質制限をしているなどの理由で、少しの糖質量でも気になるのであれば、糖質量が少ないメーカーの醤油を選ぶのもひとつの方法ですね。
醤油の代わりになる低糖質の調味料は?
醤油は、塩分は高めですが糖質の量は少なめです。そのため、減塩醤油はいろいろな種類が販売されていますが、糖質オフの醤油はほとんど作られていないようです。
では、醤油よりももっと低糖質・低カロリーで、醤油の代わりに使えるような調味料はないのでしょうか?
めんつゆ・ぽん酢・和風ドレッシングの糖質量
醤油と同じ用途で使えそうな調味料として、市販のめんつゆ・ぽん酢調味料・和風ドレッシングの糖質とカロリーを比較してみました。
表4:市販のめんつゆ・ぽん酢・和風ドレッシングの糖質とカロリー(大さじ1杯あたり)
カロリー
(kcal)糖質
(g)
濃縮めんつゆ
キッコーマン 濃いだし本つゆ(3倍濃縮) 18 3.8
ヤマキ めんつゆ(2倍濃縮) 11 2.3
ミツカン 追いがつおつゆ2倍 12 2.4
ストレートめんつゆ
ミツカン 追いがつおつゆストレート 7 1.5
ヤマキ めんつゆストレート 9 1.8
ぽん酢しょうゆ
ミツカン 味ぽん 11 2.1
ヤマサ 昆布ぽん酢 11 2.2
イオン 味付けぽん酢 10 2.0
和風ドレッシング
リケン ノンオイル 青じそ 8 1.4
キユーピー だし香る和風ドレッシング 21 1.3
市販の醤油に含まれる糖質量は1~2g前後、カロリーは10~15kcal前後です。ですから、上記の表で比較した限りでは、どの商品の糖質量やカロリーも醤油とはあまり大差がないと言えます。
ネットで買える糖質オフの醤油代用品4選
糖質オフの醤油はなかなかないようですが、和風つゆやぽん酢調味料は糖質オフの商品が販売されています。ここでは、インターネット通販で購入できる糖質オフの和風つゆとぽん酢調味料を2つずつご紹介します。
その1:紀文 糖質0つゆ(濃縮3倍)
糖質0g・カロリー2.2kcal。糖類の代わりに甘味料のステビアを使用することで糖質を0に抑えた和風つゆです。
水で薄めてうどんやお吸い物のだしとして使用するのはもちろん、煮物に入れたり、お浸しや冷奴などに直接かけたりと、醤油の代わりとしても使用できます。
その2:ヤマモリ 無砂糖でおいしいつゆ(4倍濃縮)
糖質0.7g・9kcal。糖類を一切使用せず、一般的な濃縮タイプのめんつゆよりも糖質を80%抑えた和風つゆです。
かつおだしをしっかりと効かせた4倍濃縮の和風つゆなので、少量でもしっかりとした味が付けられます。幅広い料理に醤油感覚で使用できる和風つゆです。
その3:ヤマモリ 無砂糖でおいしいぽん酢
糖質 0.3g・カロリー3kcal。糖類を使用しないで作られており、一般的なぽん酢調味料と比較すると糖質を70%抑えたぽん酢しょうゆです。
味がしっかりしているので、醤油の代わりに大根おろしやお浸し、冷奴などにかけて使用するのにおすすすめです。
その4:キング醸造 日の出 糖質オフ・減塩 ゆずぽん酢
糖質0.5g・カロリー5kcal。一般的なぽん酢調味よりも、糖質を70%と塩分を30%カットしているので、糖質オフと減塩が一度にできるぽん酢しょうゆ。昆布の旨味と高知県産ゆずのさわやかな風味が特徴です。
まとめ:醤油の糖質はダイエットに支障なし!
醤油には製造過程で作られるブドウ糖が含まれていますが、その量は少なめで醤油大さじ1杯あたりわずか1.5g前後。ですから、ダイエット中でも特に気にする必要はないでしょう。
醤油大さじ1杯分のカロリーは、計算上では普通の速度で5分歩けば消費できます。ダイエット中に醤油を控えるよりは、その分少し長めに歩いた方が健康にもよさそうですね。