一見、油の塊にも思えるバター。ダイエット中は太りそうなものに怯える方は多いものですよね。
この記事では、なぜバターは太るイメージがあるのかを解説した上で、実は健康的に痩せるためにバターはおすすめという理由をご紹介していきます。
意外に思われるかもしれませんが、適度なバターは健康に繋がっているんですよ。
脂質オフのお料理にちょっとだけプラスするだけで、バターのダイエット効果をうまく取り入れることが出来ますよ。
目次
バターが太ると思われがちな理由とは?
なんとなくバター=太るというイメージが広がっていますが、その理由はなぜなのでしょうか。
バターはダイエットの敵!とさえ言われている原因を探ってみましょう。
大きく見えるカロリーの数値
バターがダイエットをしている方にとって脅威と感じられるのは、数字で見るとカロリーがとても大きいからではないでしょうか。これだけ見ると確かにギョッとしてしまいます。
・有塩バター(100g):カロリー700kcal
・無塩バター(100g):カロリー720kcal
ごはん一杯(150g)のカロリーが240kcalであることを基準に考えると、バターのカロリーの数字は爆発的である気がしてしまいます。
でも、注意をしたいのは「バターってそんなにたっぷり食べないよね?」という点です。先ほどの例に挙げたバター100gを本当に食べようとしたら、胃もたれと胸やけに悩まされることになります。
トーストに塗るとしても多くて10g程度、つまりカロリーでいうと70kcal程度ということになります。こう見ると、そこまで恐ろしい数字ではありません。
糖質の高い食材と組み合わせがち
バターが太るというイメージに繋がってしまう理由としては、糖質の高いものと一緒に食べることが多いという点です。
ダイエットの敵は実はバターそのものではなくて、体がため込んでしまう糖質の方です。「バターがとろんと溶けたふわふわのパンケーキ」「バターとジャムを塗ったトースト」。
どちらも痩せるために頑張っている人は避けてしまうアイテムですが、これらの問題はバターではなく、パンケーキやトーストの方です。
そう考えると実は、バターは敵!…とまで思いこむ必要はなさそうです。
ハイカロリーな食材と組み合わせがち
もう一つバターが太ると言われる理由としては、ハイカロリーな食材を組み合わせることが多いからと言えるでしょう。
たとえば、喫茶店の定番である「あんトースト」には、ハイカロリーなあんこ&バターの組み合わせが使われています。
他にもジャムや生クリーム、ピーナッツバタークリームなどの高カロリーアイテムと一緒に、パンやホットケーキなどにのせることが多いため、トータルで見るとカロリー爆弾になってしまうという点が挙げられます。
でも、ふと立ち止まって考えると、問題はバターではないのです!
バターは太るわけではない!ダイエット効果が得られる理由
ダイエットをしている人からは、太るからと避けられがちのバターですが、実は食べ方を間違えなければ増量に繋がる訳ではありません。
むしろ、健康的に痩せることを目的とする方にとっては、味方となる可能性だってあるんです。
乳酸菌のおかげで整腸効果・便秘対策
バターとは成分の8割以上が乳脂肪で出来ているとあって、原料である牛乳の持つ乳酸菌がしっかりと入っています。
乳酸菌とは腸内の環境を整えてくれる働きがあります。整腸効果が期待できることで、お通じの流れを良くして、便秘解消効果が期待できます。
余計なものを外に排出することで、スリムアップ効果に繋がるでしょう。
併せて、腸内には様々な細菌がいてウィルスなどと戦ってくれので、腸内環境が整うことで風邪をひきにくくなったり、肌の調子が良くなるといったメリットも体感できます。
アンチエイジングに効果的なビタミンA
牛乳から出来ているバターですが、実はバターに加工することでビタミンAの量が13倍にも増えると言われています。
バターにたっぷりと入っているビタミンAはアンチエイジングに効果があると言われています。抗酸化作用と言われますが、体内や皮膚の細胞がが古くなってサビついていくことを防ぐ効果があるのです。
ダイエットをしている際には、痩せてげっそりと見えるよりも、張りのある肌をキープしたいもの。お肌のターンオーバーを促してくれ、しわやたるみを防ぐビタミンAは必須ビタミンです。
ビタミンDがブーストするカルシウム効果
カルシウムとは実はダイエットにも欠かせない栄養素です。あまり知られていませんが、カルシウムを十分に摂ることは脂肪の合成を抑え、体内から排出する効果があります。
さらに、カルシウムは筋肉を柔軟にしたり、骨を強くする効果があるので、運動をする時には意識的に摂りたい栄養素。
カルシウム不足になると、体の柔軟性が落ちてケガに繋がりやすくなったり、代謝が落ちてしまいます。
なお、カルシウムを摂取するときは、やみくもにたくさんとればいいというものではありません。ビタミンDと一緒に摂ることで体の吸収力をUPすることができます。
牛乳から作られるバターはバランスよくカルシウムとビタミンDが入っているので、効率よくカルシウムを摂れます。
高カロリー・低糖質なバター
バターは「高カロリー・低糖質」な食材です。ダイエットをしている人からすると気になるのは糖質の方。糖質が高ければ高いほど、食べた時の血糖値がグッと上がってしまい、太る原因に繋がります。
調理をする時の味付けに、実はバターがオススメということを覚えておくと、味付けの幅が広がります。
- 有塩バター(大さじ1):糖質0.1g
- 無塩バター(大さじ1):糖質0g
- マーガリン(大さじ1):糖質0.1g
- マヨネーズ(大さじ1):糖質0.4g
- しょう油(大さじ1):糖質1.5g
- めんつゆ(大さじ1):糖質1.6g
- ポン酢(大さじ1):糖質2.2g
- 赤味噌(大さじ1):糖質3.0g
さっぱりとした味に仕上がるめんつゆやポン酢と比べると、バターの糖質の低さがよく分かります。
バターを使ったソースはこってりとした風味がゆえに、ダイエットには向かないというイメージが先行しますが、糖質制限ダイエットの観点でいうと上手く使いたいアイテムです。
また、食べた時の満足感もあるので、つい食べ過ぎてしまうというリスクも避けられますよ。
バターで太ることのないよう注意すべきポイント!
バターは健康的にダイエットをするのに良いということをご紹介してきましたが、とはいえ高カロリーアイテムという点は避けられません。
太ることなくバターとうまく付き合うには、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか。ちょっとした意識を変えることで、バターをダイエットや健康的な食生活の味方にすることができますよ。
バターの適量を守る
バターは健康的な食材の一つではありますが、高カロリーという点は忘れてはいけません。
そもそもこってりと濃厚な味付けなので、食べすぎるということはあまりないかなと思いますが、それでも適量を守ることを意識しましょう。
朝ごはんのトーストに使うのであれば約10gほどが適量です。
バター10gとは、ホテルの朝食などで見かけることの多い、小さな紙にキャラメルのように包まれているサイズをイメージすると分かりやすいかと思います。
ついたっぷりと使ってしまう…という方は、こういったものを活用するといいですよ。また、必要な分だけ開ければいいのでバターの酸化を避ける効果もあります。
質の良いバターを選ぶ
バターを摂る時には、出来るだけ高品質なものを選ぶことが、ダイエット効果にも繋がります。
ビタミンやミネラルの含有率も高くなりますし、何よりも「ちょっと良いものを食べている」ということで心の満足感にも繋がります。
贅沢気分を味わいながらも、つい食べ過ぎてしまうということも防げます。
スーパーに並んでいるものよりもお値段が張ってしまいますが、北海道などからこだわりのバターをお取り寄せするのもオススメです。体も心も満足すること間違いなしです。
バターを食べる時間帯にも注意
バターを食べて太るのは避けたい…という方は、食べる時間帯にも気を配ってみましょう。
やはり高カロリーアイテムということもあり、夜ご飯に摂ってしまうと、その後は寝るだけと運動量も限られるので、体がため込んでしまいます。
バターを楽しむのであれば、朝のトーストに塗ったり、昼間のスープに加える、ランチの焼き魚をバターソテーにするなどと、日中に楽しむのがおすすめです。
太るのが怖い方向け!バターを使ったオススメ脂質オフレシピ
と思った方に向けて、少量のバターで十分楽しめる脂質オフレシピをご紹介します。
ダイエット飯にありがちな「質素」「あっさり」な仕上がりは、どうも食べたりないから食べすぎちゃうというトラブルに繋がります。
ちょこっとバターを追加することで、味も風味もUPして、食べ応え満点の料理に仕上がります。
大根の煮物
大根の煮物というと薄切り豚肉を入れることが多いですが、脂質オフのためにお肉抜きで煮物を作るのもおすすめです。
肉を炒める油も、肉そのものの油もカットすることができますよ。
【材料】(2人前)
・大根 10cmほど
・人参 1/2本
・生姜 1カケ
・酒 大さじ1.5
・砂糖 大さじ1.5
・水 300mlほど
・醤油 大さじ3
・バター 10g
【作り方】
1.大根をいちょう切りにして、人参を半月切りにする。
2.生姜をみじん切りにする。
3.大きめの鍋に野菜、酒、砂糖、水を加え煮込んでいく。
4.大根に火が通ったら、醤油を加ええ汁が減るまで煮込む。
5.最後にバターを入れて、溶かしたら完成。
しょうがはダイエット効果が得られる食材として人気です。
ぴりっと効かせる為にも、生のものを使う方が美味しいですが、刻むのが手間である場合にはチューブ入りのしょうがを使うのでも問題ありません。
夏野菜たっぷりラタトゥイユ
ゴロゴロと大きめにカットした野菜が食べ応えもあって、太ることを気にしている方でも満足感の味わえるラタトゥイユはおすすめです!
洋風煮込み料理にはバターを少しプラスアルファするだけで、仕上がりががらっと変わります。
【材料】(1鍋分)
・人参 2本
・ズッキーニ 1本
・ピーマン 3個
・パプリカ 赤と黄色を1個ずつ
・しめじ 1パック
・エリンギ 1パック
・トマト缶 1缶
・塩 一つまみ程度
・バター 15g
【作り方】
1.野菜をすべて乱切りにし、きのこを一口サイズにちぎる。
2.鍋に人参を入れて、全体が漬かるくらい薄く水をはる。
3.ズッキーニ、ピーマン、パプリカ、きのこ類の順で鍋に重ねていく。
4.鍋に蓋をしてから、中火にかける。
5.野菜に火が通ってくたっとしてきたら、トマト缶を加えかき混ぜる。
6.全体的に煮詰まったら、バターを加えて、塩で味を調整したら完成。
一般的なラタトゥイユの作り方は、野菜をある程度炒めてから煮込みますが、このレシピは重ね煮をしているので野菜のうまみがギュっと詰まりつつも、脂質オフに繋がります
最後に少しだけバターを加えることで、あっさりとしがちな重ね煮が、しっかりとした濃厚な味わいに切り替わります。
そのまま食べても、パンを添えても、パスタにかけてもOKと万能なラタトゥイユです。
ブロッコリーの豆乳スープ
健康的な食生活を意識している方は、たんぱく質がしっかり入っているブロッコリーは必需品です。ダイエット中の方はもちろん、ちょっとした夜食にも食べたくなる優しいスープをご紹介します。
【材料】(2人分)
・ブロッコリー 1/2株
・玉ねぎ 1個
・バター 15g
・水 200㏄
・コンソメ 大さじ1
・無調整豆乳 100㏄
・塩コショウ 適量
【作り方】
1.玉ねぎをみじん切りにし、ブロッコリーは小さく分けておく
2.鍋にバターを入れて、玉ねぎを炒める
3.玉ねぎに火が通ったら、水とコンソメを加えて煮る
4.煮立ったらブロッコリーを加えて、蓋をして3分ほど煮る
5.最後に投入を加えて、弱火で温める
6.スープが温まったら塩コショウで味を調整して完成
豆乳は加熱すると膨れ上がってこぼれやすいので、豆乳を加えてからは弱火にして丁寧にかき混ぜながら温めましょう。
牛乳でなく豆乳を使うことで糖質オフでありながら、生クリームを使ったクリームスープのような深い味わいが楽しめる仕上がりです。
まとめ:上手く活用することでバターで太ることなく痩せる!
バターと聞くと太るというイメージがついているかもしれませんが、実は必ずしもダイエットの敵ではありません。
バターの成分を見ていくと健康的な食生活に必要な栄養素やビタミンがたっぷりと詰まっていることもあり、食べ方次第では健康的に痩せるための味方ともいえるでしょう。
なんとなくダイエット中は避けてしまいがちなバターですが、適量・質・食べる時間に気を付けて、うまく付き合っていけましょう。