豆乳はとてもヘルシーなイメージがありますよね?
それもそのはず!豆乳には健康や美容に良い栄養素がたくさん詰まっています。しかし、牛乳と比べて飲みづらかったり、毎日飲むと飽きてしまったりする人も多いのではないでしょうか。
そのような人には豆乳スープがおすすめです。具や味を買えると飽きることはありませんし、具材をたくさん入れるとさらにたくさんの栄養が取れる便利なメニューです。
この記事では、身体にうれしい豆乳の成分と、簡単に作れて健康&美容にもおすすめの豆乳スープのレシピをご紹介します。
こんなにある!豆乳スープに期待できる代表的な栄養素
大豆から作られる豆乳には、健康に良い成分がたくさん含まれています。まずは、健康や美容への効果が期待できる豆乳の特徴的な成分について解説します。
大豆たんぱく
たんぱく質は、筋肉、骨、内臓などの他、ホルモンや酵素などを作るとても大切な栄養素。
筋肉が増えると基礎代謝量が上がり太りにくく痩せやすい体質になりますし、皮膚や髪などのコラーゲンの材料となるので、ダイエットや美容にも欠かせない栄養素と言えますね。
特に大豆たんぱくは、肉・魚、卵などのたんぱく質よりもゆっくりと消化吸収されるという特徴があります。腹持ちが良いのでよけいな間食を減らせる効果も期待できるので、ダイエットにはおすすめの食材です。
また、大豆たんぱくには、血中の中性脂肪やコレステロール、内臓脂肪を減らして、動脈硬化(血管が固くなり血栓などができやすくなる)や肥満を防ぐ効果も期待できます。
大豆オリゴ糖
豆乳には3~6%程度の糖分が含まれていて、そのうち約44%がショ糖で約30%が大豆オリゴ糖です。
大豆オリゴ糖難消化性なので、胃でほとんど消化されずにオリゴ糖のまま腸まで届き、ビフィズス菌や乳酸菌といった腸内の善玉菌のエサになることがわかっています。
1日1gの大豆オリゴ糖を3週間続けて摂取すると、便通が改善されたという研究結果も報告されています。
無調整豆乳200ml中には0.8~0.9g程度の大豆オリゴ糖が含まれているので、豆乳を毎日摂りつづけると便秘を改善する効果が期待できますね。
大豆サポニン
大豆サポニンは、大豆の苦み、渋み、えぐみのもとになる成分です。
サポニンの「サポ」はラテン語の石鹸を意味し、石鹸で油を洗い流すように、血管の中性脂肪やコレステロールを洗い流すことで血流が改善され、代謝もアップします。
その他にも、余分な脂肪の蓄積を防ぐ機能、脂肪の燃焼を促す機能、便を柔らかくして便通を良くする機能などが期待できます。
また、大豆サポニンには抗酸化作用があり、過酸化脂質の発生を抑えて肥満を予防したり、老化や生活習慣病の予防したりする効果があることもわかっています。
大豆ペプチド
大豆ペプチドは、体内でたんぱく質がアミノ酸に分解される過程で生成される成分で、たんぱく質とアミノ酸の中間のような物質です。
大豆ペプチドには、基礎代謝量(※)を高めたり、エネルギー代謝を高めて食後のカロリーの消費を増やしたりする働きがあることがわかっています。
一般的に、有酸素運動を始めるとエネルギー源として糖を先に消費するために、脂肪はなかなか燃焼しません。
しかし、大豆ペプチドには脂肪を燃やしやすくする効果があるため、体脂肪を消費しやすくなる効果が期待できるのです。有酸素運動の効果を高めるので、ダイエットの強い味方になりますね。
※基礎代謝量:生命維持に必要で、動かなくても消費するエネルギー量のこと
大豆レシチン
レシチンは卵黄にも多く含まれる成分で、油と水を混ぜ合わせる乳化作用があります。
大豆のレシチンにも同じ効果があり、血中のコレステロールを乳化して肝臓へ運び血中から排泄するため、血流が良くなる効果が期待できます。
血中のLDL(悪玉)コレステロールが減ることで、動脈硬化や高血圧を防ぐだけでなく、血流が良くなることで栄養素が身体の隅々に行き渡りやすくなり、エネルギー代謝も高まります。
大豆のレシチンは卵黄レシチンよりも血中に長く留まる性質があるため、ダイエットには卵よりも大豆のレシチンの方が効果的です。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンが女性ホルモンの「エストロゲン」と似たような作用をすることが少しずつわかってきていて、骨粗しょう症や乳がんなどの予防効果が期待されています。
しかし、これらは研究段階に過ぎず、ヒトの体内でエストロゲンと同じような働きをするのかどうかについては、わからないことの方が多いというのが現状です。
また、厚生労働省は、イソフラボンの摂取目安量の上限値は1日70〜75mgとしていますが、専門家の間では根拠が非科学的であるという疑問の声も多く上がっているそうです。
いずれにしても、極端な過剰摂取をしない限り健康に害を及ぼすリスクは少ないと考えられるので、あまり神経質にならなくてもよいでしょう。
野菜たっぷり栄養満点!健康と美容にいい豆乳スープレシピ5選
豆乳には、健康効果だけでなく、ダイエット効果や美容効果も期待できる成分がたっぷりと含まれています。野菜などの具材をたくさん入れて豆乳スープを作ると、さらに効果が高まります。
そこで、簡単に作れて毎日食べても飽きない豆乳スープの作り方を5つご紹介しましょう。
貧血予防と美肌効果に!あさりとブロッコリーの豆乳スープ
女性に多い貧血の原因は鉄分不足。
豆乳には鉄分が多く含まれていますが、吸収率のあまり良くない「非ヘム鉄」であることが難点です。非ヘム鉄はビタミンCや動物性のたんぱく質といっしょに摂ると吸収率が高まります。
パプリカとブロッコリーのビタミンC含量は野菜のなかでもトップクラス。あさりは動物性たんぱく質の他、造血ビタミンとも呼ばれるビタミンB12と吸収の良い「ヘム鉄」も多く含んでいます。
また、たんぱく質、鉄分、ビタミンCは美肌には欠かせないコラーゲンを作り出す組み合わせでもあります。貧血予防だけでなく美肌効果も期待できるので、女性にはうれしいメニューですよね。
【材料】(2人分)
あさり(殻付き) 100g
白ワイン(料理酒でも可) 50ml
玉ねぎ 1/2個
ブロッコリー 1/4個
パプリカ 1/4個
水 50ml
豆乳 200ml
コンソメ 小さじ1(3g程度)
塩・こしょう 適宜
オリーブオイル
【作り方】
1.玉ねぎ、パプリカは食べやすい大きさに切る。
2.ブロッコリーは小房に分け、電子レンジで下茹でをする。
3.あさりは砂抜きをして殻をこすり合わせてよく洗う。ワインを入れて加熱し、開いたら身を取り出して煮汁は捨てずに取っておく。
4.鍋にオリーブオイルを熱して玉ねぎとパプリカを炒め、水とコンソメを加えて5分ほど煮込む。
5.あさりの身と煮汁、豆乳を加えて沸騰直前で火を止め、最後にブロッコリーを加える。
6.必要なら塩・こしょうで味を整える。
【ポイント】
・ビタミンCは水溶性なので茹でると流出してしまいます。ビタミンCの効果を高めるためにレンジでの加熱がおすすめです。
コレステロール対策に!サバ缶とキャベツときのこの和風豆乳スープ
肥満、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の大きな原因のひとつが食生活。
偏った食事などで、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増え過ぎると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こしてしまうリスクがあります。
サバに含まれるEPA(オメガ3の不飽和脂肪酸)、キャベツやブロッコリーに含まれるSMCS(アミノ酸の一種)、きのこに多い食物繊維は、いずれもLDLコレステロールや中性脂肪を下げる効果があることがわかっています。
豆乳とこれらの食材を組み合わせることで、生活習慣病を予防する効果が期待できます。
【材料】(2人分)
サバ水煮缶 1缶
キャベツ 1/8個
玉ねぎ 1/2個
ブロッコリー 1/4個
しめじ 1/2個
出汁 200ml
無調整豆乳 1000ml
みそ 大さじ1
【作り方】
1.玉ねぎは薄切りに、キャベツは食べやすい大きさに切り、ブロッコリーとしめじは小分けにしておく。
2.ブロッコリーはレンジで下茹でをしておく。
3.出汁に玉ねぎ、サバ缶、しめじを入れて火にかけ、沸騰したらキャベツを加えて弱火で10分ほど煮込む。
4.豆乳を入れてみそを溶き入れ、ブロッコリーを加えて沸騰直前まで温める。
【ポイント】
・材料に火が通った時点で食べられますが、少し長めに煮込むと玉ねぎやキャベツの甘みが出てまろやかになります。
ダイエットにも!しらたきと白菜入り担々麺風豆乳スープ
人気の中華スープとして人気の高い春雨スープはおいしくて食べ応えがありますが、腹持ちがあまり良くない点が残念ですよね。
そこで、春雨の代わりにしらたき(糸こんにゃく)を使った担々麺風の中華スープはいかがでしょうか?
しらたきにたっぷりと含まれている水溶性の食物繊維は、胃腸の中を移動する速度がゆっくりなので腹持ちが良いだけでなく、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあるので、脂肪が蓄積されにくくなる効果も期待できます。
腹持ちの良い豆乳としらたきを組み合わせることでさらに腹持ちが良くなりそうですね。腹持ちが良いとよけいな間食も避けられるため、ダイエット中にもおすすめの一品です。
【材料】(2人分)
しらたき 100g
小松菜 1/2袋
白菜 2~3枚
お好みで ラー油 適量
◆肉みそ
豚ひき肉 100g
長ねぎ 10cmくらい
豆板醤 大さじ1/2~大さじ1
チューブのにんにく・しょうが 各1.5~2cmくらい
酒 大さじ2
みそ 大さじ1
ごま油 大さじ1
◆スープ
水 200ml
鶏ガラスープの素 小さじ1
練りごま 大さじ2
☆すりごま 大さじ1
☆砂糖 小さじ1
☆しょうゆ 小さじ2
無調整豆乳 200ml
【作り方】
1.しらたきは5cmくらいの長さに切り、熱湯を下茹でをしておく。
2.長ねぎはみじん切り、小松菜は5cmくらいの長さに切っておく。
3.フライパンにごま油、にんにく、しょうが、豆板醤を入れて火にかけ、香りが立ってきたらひき肉と長ねぎを入れて炒める。
4.ひき肉と長ねぎに火が通ったら酒とみそを入れてさらに炒めて肉みそを完成させる。
5.別の鍋に、水と鶏ガラスープを入れて火にかけ、沸騰したら白菜を入れて数分煮込む。
6.☆の調味料と小松菜としらたきを入れてさらに2分ほど煮込み、豆乳を入れて沸騰直前まで温める。
7.器に盛って肉みそを上に乗せ、お好みでラー油をかける。
【ポイント】
・豆板醤はお好みの辛さに加減してください。
・練りごまがない場合は、すりごまの量を増やしてもよいでしょう。
カルシウム強化!鮭と豆腐とじゃがいもの豆乳スープ
骨を強くする栄養素といえばカルシウムですよね。
正確には、体内のカルシウムの99%は骨や歯に蓄えられていて、血液や筋肉にある1%のカルシウムが止血や筋肉運動などに働きます。
血中や細胞内のカルシウムが不足すると骨から溶け出して補うため、骨がもろくなるという仕組みです。
骨がもろくならないようにするにはカルシウムの他にビタミンDとマグネシウムが必須ですが、どれも不足しがちな栄養素です。
カルシウムは乳製品から摂る方法が最も効率的ですが、それだけでは1日の目標量には足りません。
そこで、カルシウムとマグネシウムが豊富な豆腐や豆乳、カルシウムが豊富な小松菜、ビタミンDが豊富な鮭や舞茸を組み合わせてカルシウムの強化をはかりましょう!
【材料】(2人分)
生鮭 2切
薄力粉 大さじ1程度
木綿豆腐 1/2丁
玉ねぎ 1/4個
じゃがいも 1個
小松菜 1/2袋(約100g)
舞茸 1/2パック
水 150ml
コンソメ 小さじ1/2
無調整豆乳 150ml
ピザ用チーズ 20g
オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
1.生鮭は骨を抜いて3~4等分し、薄力粉をまぶしておく。
2.玉ねぎは薄切り、コマツは3~4cm、じゃがいも、舞茸、豆腐は食べやすい大きさに切る。
3.鍋にオリーブオイルを熱し、1の鮭の表面を焼いて一旦取り出しておく。
4.鮭を取り出した鍋で玉ねぎと舞茸を炒め、水とコンソメを加えて煮立たせ、取り出した鮭とじゃがいもを入れて10分ほど煮込む。
5.小松菜を入れ、火が通ったら豆乳を加えて沸騰直前まで温め、最後にチーズを入れて混ぜる。
【ポイント】
・絹ごし豆腐はカルシウム量が少なめなので、カルシウム補給には木綿豆腐がおすすめです。
・チーズはスライスチーズを細かくちぎって加えてもかまいません。
離乳食にも!豆乳で作る具なし&超簡単なかぼちゃポタージュ
最後に、「いろいろな野菜を切ったり炒めたりするのは面倒!とにかく短時間で簡単に豆乳スープを作りたい!」という人のために、超簡単なかぼちゃの豆乳ポタージュのレシピをご紹介します。
電子レンジで加熱したかぼちゃを潰して豆乳を入れるだけなので、忙しい時にも重宝するメニューです。味付けをしなければ離乳食にもおすすめです。
かぼちゃは栄養価が高く、三大抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA・C・E、血圧降下やむくみ改善に効果のあるカリウム、そして食物繊維などが豊富です。
ですから、かぼちゃをたっぷりと使った豆乳スープでも、健康や美容のための効果は十分期待できますね。
【材料】(2~3人分)
かぼちゃ 1/4個
豆乳 300ml
コンソメ顆粒 小さじ1/2~小さじ1
バター 10g
【作り方】
1.かぼちゃはワタを取り皮をむいてひと口大に切る。
2.耐熱皿にかぼちゃを並べ、バターを入れてふんわりとラップをして、レンジで柔らかくなるまで(600Wなら7分程度)加熱する。
3.かぼちゃが熱いうちに綿棒などで潰す。
4.コンソメを入れて沸騰直前まで加熱しておいた豆乳を加えてよく混ぜる。
【ポイント】
・豆乳はレンジで温めると突沸する恐れがあり危険です。必ず鍋で温めるようにしましょう。
・バターの代わりにオリーブオイルを入れてもよいでしょう。
まとめ:栄養満点の豆乳スープで健康や美肌を手に入れよう!
豆乳には、ダイエットや生活習慣病予防などに効果の期待できる栄養素や成分がたくさん含まれていますが、特に栄養価の高い無調整豆乳はクセがあって飲みにくいという人も多いのではないでしょうか。
豆乳スープなら、飲みづらい無調整豆乳でもおいしく摂ることができるだけでなく、野菜や肉や魚などをプラスすることで栄養価をさらに高められます。
具だくさんにすると副菜の一品にもできる上に、切って煮込むだけで作れるので忙しい時にもおすすめです。