そんな疑問に答えます。
この記事では、バターとマーガリンの違いについて、風味や特徴、健康面への影響、用途の違いなどを詳しく解説していきます。
見た目は似ているバターとマーガリンですが、実は違いがたくさんあるんですよ。
目次
バターとマーガリンの違いを5項目で徹底比較!
まずはバターとマーガリンについて、5つの角度から、その違いをご紹介していきます。違いを押さえれば、使い分けなどもしやすくなりますよ!
風味の違い
バターとマーガリンの違いの中でも、一番特徴的なのはやはり「風味」の違いではないでしょうか。
バター:
香りも味も濃厚。こってりとしたクリーミーな香りは加熱することでより引き立つので、マドレーヌなどの焼き菓子にピッタリ。
また白身魚のソテーなどの調理に使ったり、料理のソースに加えると、よりリッチな味に仕上がる。
マーガリン:
あっさりとした風味が特徴で、料理に使うとメインの食材とうまく馴染む。また、クッキーやスポンジケーキなどのお菓子つくりに使うと、フワッとした軽い仕上がりになる。
バターとマーガリンは似たような雰囲気ですが、特に火を入れた時の香りが異なります。
どちらが良い、悪いではありませんが、求める料理の仕上がりに合わせて、濃厚なバターか、淡白なマーガリンどちらを使うか選ぶと良いです。
原材料の違い
バターとマーガリンの大きな違いは風味。その理由は、「原材料」の違いにあります。
- バター:牛乳から作られる。牛乳からクリームを分離させて、固めたもの。
- マーガリン:植物性油から作られる。なたね油やコーン油などの植物性油脂に、発酵乳やビタミンなどを加えた加工品。
マーガリンの誕生するキッカケとなったのは、バター不足。18世紀のフランスにて、牛乳不足に陥り、バターの供給が途絶えました。
その時に、別のものを使って「バターのようなもの」を作れないかと開発が進み、植物性油を使ったマーガリンが生まれました。
だから見た目は似ているんですね。でも、原材料が比較的安価なので、バターと比べるとマーガリンの方がお手頃です。
特徴の違い
バターとマーガリンの特徴の違いは、冷蔵庫から取り出してすぐに使えるかどうか。
- バター:動物性油脂が含まれるので、冷蔵庫に入れると固まる。
- マーガリン:植物性油脂が含まれるので、冷蔵庫に入れても固まらない。
- バターもマーガリンも、20℃程度(常温)で柔らかくなり、40℃以上で溶けて液体になる。
冷蔵庫から出したばかりだとカチカチのバター。だからこそ、お菓子つくりのレシピなどで「バターを常温に戻す」という工程が加えられます。
一方で、冷蔵庫から出してすぐに使えるマーガリンはとっても便利。ドタバタとした朝にパンに塗るとなると、やはり常に柔らかいマーガリンという方も多いのではないでしょうか。
健康面への影響の違い
「バターの方がカロリーが高い」「マーガリンの方がトランス脂肪酸が多い」という噂は本当なのでしょうか。バターとマーガリンの健康面へのインパクトの違いを比較すると下図のようになります。
カロリー | トランス脂肪酸 | 栄養素 | |
---|---|---|---|
バター | 112Kcal | 0.28g | ビタミンA,D,E |
マーガリン | 115Kcal | 1.21g | ビタミンE,K |
※分量は全て大さじ1(約12g)です。パンに塗る分量を大さじ1と仮定しました。
カロリー面ではほぼ互角!
実はバターとマーガリンのカロリーはほとんど同じという事実です!
「マーガリンはあっさりしているから太らない」と勘違いしがちですが、カロリー面ではほとんど変わらないというのです。
もしダイエットを目的としてバターを避けていた方は、用途に合わせてバターを取り戻しても大丈夫ということ。
動物性油に含まれるビタミンA,D,Eは、健康な体を維持するのに必須ビタミンでもあります。
トランス脂肪酸ではバターに軍配
少し気になるトランス脂肪酸については、バターに比べるとマーガリンの方が高くなっています。しかし、WHOの摂取基準は「総エネルギー摂取量の1%未満」、つまり約2gほどに抑えましょうということ。
トーストに塗る程度であれば、基準値を下回るレベルなので、そこまで心配する必要はなさそうです。
また、企業努力によってトランス脂肪酸の量を控えた商品も続々と発売されています。最近ではバターとマーガリンのコンビネーションという商品も発売されています。
バターのような濃厚の風味と、マーガリンの塗りやすさの両方を掛け合わせた「チューブでバター1/3」。チューブ入りだから冷蔵庫でも場所を取らず、料理にも使いやすいとあって話題になっています。
保存方法の違い
バターとマーガリンではおすすめの保存方法が違います。適切な保存方法を心掛けて、美味しさを長持ちさせましょう。
- バター:基本は冷蔵保存。酸化が進みやすいため、長期保存したい場合は小分けにして冷凍保存がおすすめ。使うときは時間をかけて自然解凍がベスト。
- マーガリン:冷蔵庫で保管。冷凍はNG。
バターは出来るだけ冷凍保存することで、長持ちさせることが出来ます。
一方、マーガリンの冷凍は避けましょう。冷凍してしまうと、成分が分離してしまい、解凍した時に水っぽくなってしまうことが。
香りも味も落ちてしまうので、冷蔵庫のみの保管にしましょう。
「バターとマーガリン」使い方の違いは?どっちがおすすめ?
バターとマーガリンの違いはなんとなく分かったけれど、それでは一体どうやって使い分けをしたらよいの?と疑問に思う方に向けて、シーン別にどっちがおすすめかをご提案します!
パンに塗る場合
朝ごはんのトーストに塗るという場合は、バターとマーガリンでの違いはあまりありません。お好みでどちらでもOKです。
時間があり、バターを常温に戻すゆとりがあれば、リッチな香りの漂うバターがおすすめ。
ただし、朝はそんなゆとりがない!という方がほとんどだと思います。そういう場合は、冷蔵庫から取り出してすぐに塗れるマーガリンの方が便利かもしれませんね。
サンドイッチに塗る場合
サンドイッチを作る場合は、マーガリンがおすすめです。その理由は「冷えたまま食べるものだから」。
サンドイッチでパンと組み合わせる食材は、生の野菜やサラダなどが多いですよね。冷たいまま食べるものの時は、あっさりとしたマーガリンがよく合います。
クロワッサンを焼く場合
クロワッサンのおいしさは、あのふわんと漂うバターの香りです。クロワッサンを作るのであれば、間違いなくバター一択です。
焼いた後の香りをより楽しみたい方は、ここぞとばかりに高級バターを使ってみると、よりゴージャスな仕上がりになりますよ。
おしゃれなビストロなどで見かけることが増えた、フランスの有名な高級バターのエシレ。
フランスから空輸されたエシレバターを使ってクロワッサンを作ったら、自宅が本格パン屋さんの香りで満たされます。
クッキーを焼く場合
クッキーを焼く場合は、仕上がりをイメージしてバターとマーガリンのどっちが良いかを検討しましょう。
ずっしりとした重みのあるチャンキークッキーを作りたい場合は、濃厚なバターの方を選びましょう。もしくは、サクッとした軽い口当たりのクッキーがお好みの場合は、マーガリンを使うのがおすすめです。
まとめ:バターとマーガリンの違いを押さえて賢く使い分けよう!
バターとマーガリンは、原材料が違うからこそ風味や特徴が異なります。
バターとマーガリンを比較すると、違う点がたくさんある一方で、実はカロリーが大して変わらないというのは驚きではないでしょうか。
料理などに使う際は、どちらを選ぶのが絶対に正解!というルールはありません。
その時その時に合わせて、作りたい料理やお菓子をどのような仕上がりにしたいかをイメージして、どっちを選ぶのかを決めていきましょう。