オイスターソースとウスターソースの違いは?意外な使い方もご紹介
オイスターソースとウスターソースってなんか似てるけど、違いは何だろう?
オイスターソースとウスターソースはどういう風に使い分けたらいいの?

オイスターソースもウスターソースも、なくても料理をするのに困らないし、そんなに頻繁に使うこともない調味料なので、違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか。

確かに、オイスターソースとウスターソースは、名前も見た目もよく似ていますよね。

この記事では、オイスターソースとウスターソースの味や特徴の比較をはじめ、使い分ける方法や意外な使い方も併せてご紹介します。

オイスターソースとウスターソースの違いを検証

オイスターソースとウスターソースの違いを検証

オイスターソースとは?

日本では『カキ油』とも呼ばれていて、もともとは、塩漬けにした生ガキを発酵、熟成させて作られていたそうです。

現在、調味料として市販されている『オイスターソース』は、19世紀の終わり頃の中国の広東省で発明された、カキの煮汁を煮詰めて砂糖などで味を調整した調味料が発祥だと言われています。

中国では、広東料理だけでなく、北京料理、上海料理、四川料理などで幅広く使われています。和食に醤油が欠かせないように、料理人の作る料理にも家庭料理にも、欠かせない調味料のひとつです。

ウスターソースとは?

ウスターソースは、JAS規格の分類上は「ウスターソース類」になります。

ウスターソース類とは、野菜や果物の搾汁やピューレなどに、砂糖類、食酢、食塩、香辛料を加えた食品のことです。さらに、でん粉や他の調味料を加えて味を調整したものもあります。

ウスターソース類は、粘度によってさらに『ウスターソース』、『中濃ソース』、『濃厚ソース』に分類されています。このうち、いちばん粘度の低いサラサラとした状態のソースが『ウスターソース』です。

原材料の違いは?

市販のオイスターソースとウスターソースは、原材料として何が使われているのでしょうか。

それぞれの代表的な銘柄の『S&B 李錦記  オイスターソース』と、『カゴメ 醸熟ウスターソース』の原材料の違いを比較してみましょう。

S&B 李錦記 オイスターソース

カキエキス、砂糖、食塩、小麦粉、調味料(アミノ酸)、増粘剤(加工デンプン)、カラメル色素

カゴメ 醸熟ウスターソース

野菜・果実(トマト、たまねぎ、にんじん、その他)、醸造酢(国内製造)、糖類(砂糖、ぶどう糖)、食塩、アミノ酸液、発酵調味料、香辛料/カラメル色素、甘味料(甘草)、香辛料抽出物、(一部に大豆・りんごを含む)

原材料表示を見ると、オイスターソースは、カキエキスに砂糖と食塩を加えて、粘度を付けた調味料。一方、ウスターソースは、野菜と果物に、酢、糖類、食塩、香辛料などを加えて作られていることがわかりますね。

ちなみに、ウスターソースにある「発酵調味料」とは、みりんに食塩を加えた調味料のことです。

味の違いは?

原材料表示の順番は、「原材料/添加物」の順で、それぞれ使われている重量の多い順で書かれています。原材料表示を踏まえて、オイスターソースとウスターソースの味の違いを見てみましょう。

濃厚で甘味の強い『オイスターソース』

原材料表示を見てもわかるように、オイスターソースの味は、カキエキス、砂糖、食塩、旨味調味料で調整されています。オイスターソースを舐めてみると、塩味のなかに強いコクと旨味、そして甘味を感じます。

主原料はカキエキスですが、クセはそれほど強くなく、風味の感じは醤油に似ているかもしれません。醤油よりもまろやかな甘味があり、そして濃厚な風味が特徴です。

スパイシーで酸味のある『ウスターソース』

ウスターソースの主原料は野菜と果物です。ウスターソースを舐めてみると、野菜や果物の旨味とともに程よい酸味とピリッとしたスパイシーさを感じます。

酸味は醸造酢によるものですが、食酢のようなツーンとする刺激のある酸味ではなく、果物の酸味に近い風味です。

オイスターソースと同様にコクや旨味は強いですが、オイスターソースのような甘さはあまり感じず、スパイシーであるのが特徴です。

味の特徴はそれぞれ違いますが、オイスターソースもウスターソースもコクや旨味の強い調味料であることがわかりますね。

栄養成分やカロリーの違いは?

次にオイスターソースとウスターソースの栄養成分の違いを比べてみましょう。『S&B 李錦記  オイスターソース』と、『カゴメ 醸熟ウスターソース』のカロリーと栄養成分の違いは次の通りです。

S&B 李錦記 オイスターソース
大さじ1杯(18g)
カゴメ 醸熟ソース ウスター
大さじ1杯(15ml)
エネルギー(kcal)2023.9
たんぱく質(g)0.20.3
脂質(g)00
炭水化物(g)4.85.7
食塩相当量(g)1.42

オイスターソースとウスターソースのカロリーや栄養成分にそれほど差はありませんが、ウスターソースの方が炭水化物(糖質)や塩分が少しだけ多いことがわかりますね。

オイスターソースとウスターソースを使い分けを考える場合、味の特徴とともに、ウスターソースの方が塩分が少しだけ多いということも考慮した方が良さそうです。

オイスターソースとウスターソースの使い方の違いは?

オイスターソースとウスターソースの使い方の違いは?

次に、オイスターソースとウスターソースの特徴や味の違いを踏まえて、両者をどのように使い分ければ良いのか、ということについて解説します。

中華だけじゃない!オイスターソースの使い道

オイスターソースは、もともと中国が発祥なので、基本的に中華料理には何でも合います。オイスターソースを使うと、コクと旨味が深く、まろやかな味わいになるのが特徴です。

使い方も幅広く、炒め物、焼き物、和え物、煮込み料理などさまざまな料理に使えます。「オイスター炒め」のように主要な調味料としても使えますし、コクや旨味を出したいときの隠し味としても重宝します。

また、オイスターソースは醤油とも風味が近いので、中華料理だけでなく和食にもよく合います。煮物、照り焼き、炊き込みご飯などの隠し味として使うと、コクと旨味がアップします。

意外に万能!ウスターソースの使い道

ウスターソースの発祥は、イギリスのウスターシャー州の州都であるウスター。イギリスで誕生しただけあり、基本は洋食の肉料理によく合う調味料です。

東日本ではあまり使う習慣がないようですが、西日本ではトンカツやコロッケなどフライ物のソースとして好まれています。

粘度が低いので衣に浸み込みやすく、程よい酸味とスパイシーさで揚げ物をサッパリと食べられます

ウスターソースとケチャップ(お好みで砂糖や酢も)と混ぜるとBBQソースになります。ハンバーグやスペアリブなどの肉料理によく合いますよね。

また、野菜や果物、香辛料の入ったウスターソースは、ビーフシチューやミートソースなどの煮込み料理の隠し味としても優秀です。

オイスターソースとウスターソース、混ぜるとどうなる?!

オイスターソースとウスターソースは、原料や味の特徴は違いますが、コクや旨味が強いという点は共通しています。では、このふたつのソースを混ぜるとどうなるのでしょうか?果たして合うのでしょうか?

中華料理を作る時にオイスターソースとウスターソースを混ぜて使うと、よりスパイシーな味わいになります。

また、オイスターソースとウスターソースを混ぜると、オイスターソースのまろやかな甘みとウスターソースの酸味やスパイシーさが程よくマッチしたソースになります。

焼きそばや焼うどん、野菜炒めなどの味付けのほか、お好み焼き・たこ焼きのソースやトンカツソースとしてもおすすめです。

オイスターソースとウスターソース、入れ間違い時の対処法!

オイスターソースとウスターソースは名前も見た目もよく似ているので、入れ間違いをする人も多いようですね。

万一、入れ間違いをしてしまったとしても、結論としては何とかなります。味の特徴に違いはあるものの、どちらも旨味やコクが強いという共通点があるからです。

隠し味として使う場合は間違えてもそれほど影響はありません。メインの味付けとして使う場合は、足りない味を別の調味料で調整ることもできます。

例えば、オイスターソースをウスターソースと入れ間違いをしたのなら、酢やコショウを少し足しても良いですし、その逆なら、ハチミツや砂糖などで甘味を少し足してもOKです。

【使い分け!】オイスターソース vs.ウスターソースの違い

【使い分け!】オイスターソース vs.ウスターソースの違い

オイスターソースとウスターソース。原料や味の特徴には違いがあるもののどちらも旨味とコクが強く、料理の味付けや隠し味として使える調味料です。

基本的には、オイスターソースは中華や和食、ウスターソースは洋食に合うと言われていますが、以下の料理には、果たしてどちらがよく合うのでしょうか?

カレーの隠し味に合うのは?

野菜やカレーを煮込んで作るカレーの隠し味には、基本的には野菜や果物が主原料でスパイスの効いたウスターソースがよく合います。

しかし、カレーにまろやかさや深いコクを出したい場合は、ウスターソースではなく、オイスターソースを隠し味にするのがおすすめです。

から揚げの下味に合うのは?

一般的なから揚げの下味は、醤油、酒、ニンニク、しょうがの4つを使いますよね。基本は醤油ベースなので、醤油によく似た風味のオイスターソースは、から揚げの下味によく合います。

醤油の代わりに、もしくは醤油の一部をオイスターソースに置き換えると、コクのある味わいに仕上げることができるのです。

また、たまにはちょっと違うテイストのから揚げが食べたい!という時には、ウスターソースを下味に使うのもおすすめです。

いつものから揚げよりもスパイシーなから揚げができ上がります。

焼きそばや焼うどんに合うのは?

焼きそばや焼うどんは、ソース味を好む人と醤油味を好む人とどちらもいますよね。同じように、焼きそばや焼うどんはオイスターソースとウスターソース、どちらでもOKです。

オイスターソースで味付けをすると中華風の焼きそばや焼うどんになります。

焼きそばならオイスターソースに鶏ガラスープや醤油を、焼うどんなら和風顆粒だしと醤油(麺つゆでもOK)を加えると、全体の味がまとまるのでおすすめです。

https://twitter.com/gohansan_mg/status/1193370513717874689

また、焼きそばソースや中濃ソースの代わりにウスターソースで味付けをすると、シンプルかつスパイシーな焼きそばや焼うどんになります。隠し味にオイスターソースを少し入れてもいいですね。

チャーハン(焼き飯)に合うのは?

チャーハンはもともとは中国発祥の料理なので、オイスターソースが合わないはずはないですよね。隠し味としてオイスターソースを少し加えると、お店の味のようなチャーハンが作れます。

一方、チャーハンにウスターソースという組み合わせは、なかなか想像がつきにくいかもしれませんが、こちらもスパイシーな風味がなかなか合うのです。関西では、焼き飯にウスターソースをかける食べ方も好まれています。

https://twitter.com/moki_ok_moki/status/1184871543970488321

おでんには合うのはどっち?

オイスターソースとウスターソース、どちらもおでんには無縁のように感じますね。オイスターソースもウスターソースも料理の隠し味として使えますが、おでんには合うのでしょうか?

一般的なおでんの味付けは、だしに醤油、砂糖やみりん、酒、塩などを使いますよね。ここに少しオイスターソースを足すと、まろやかなコクのあるおでんになります。

そして、意外にも、ウスターソースもおでんの隠し味として優秀です。ウスターソースのスパイシーさや酸味は和風のだしとは無縁のように思えますが、ウスターソースを少し入れることで深みとコクを加えることができます。

まとめ:オイスターソースとウスターソースは原料が違う!

名前も見た目もパッケージもよく似ているオイスターソースとウスターソース。最大の違いは使っている原料です。オイスターソースはカキのエキス、一方、ウスターソースは野菜や果物の旨味が味の基本になっています。

オイスターソースはまろやかな甘さがあり、ウスターソースは程よい酸味とスパイシーさが特徴ですが、どちらもコクと旨味が強い調味料なので、少し使うことで料理の幅もぐんと広がります

今まで使ったことがないという人も、ぜひ使ってみてくださいね。

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