味噌煮込みうどんといえば、名古屋めしの代表格のひとつとして全国的に知られていますよね。
名古屋の味噌煮込みうどんは、八丁味噌などの豆味噌を使って、硬くて太いうどんを煮込んだ郷土料理。そして、名古屋めしによく使われる八丁味噌を造っているのが、愛知県岡崎市です。
八丁味噌の産地だけあって、岡崎には味噌煮込みうどんを食べられる店がたくさんあります。そこで、岡崎でおすすめの味噌煮込みうどんの店を厳選してご紹介しましょう。
目次
岡崎で味噌煮込みうどんを食べるメリットとは?
味噌煮込みうどん=名古屋というイメージが強いですが、名古屋の周辺でも味噌煮込みうどんは食べられます。それぞれのエリアごとに味噌煮込みうどんの特色も少しずつ変わってきます。
実は、岡崎には味噌煮込みうどんと切ってもきれない関係があります。それが八丁味噌です。まずは、岡崎の八丁味噌について少しだけご紹介しますね。
八丁味噌を造っている蔵は日本でたった2軒だけ!
八丁味噌とは、東海三県(愛知・岐阜・三重)でのみ作られている豆味噌の一種です。
一般的な味噌が米(または麦)、大豆、塩から作られているのに対し、豆味噌の原料は大豆と塩のみ。米の栽培に適さない東海地方ならではの味噌で、水分が少なく、熟成期間が長いのが特徴です。
現在、日本で八丁味噌を造っているのは、「まるや八丁味噌」と「カクキュー」のたった2軒のみ。言わば、ブランド豆味噌ということですね。どちらも江戸時代から豆味噌を造っている老舗の蔵元です。
一般的な味噌の香りは熱に弱く、煮込むと味噌の芳香が飛んでしまいますが、八丁味噌をはじめとする豆味噌は煮込んでも香りが飛ばないという特徴があります。
ですから、まさに味噌煮込みうどんのための味噌、と言えるかもしれませんね。
岡崎では八丁味噌を使った味噌煮込みうどんを食べられる
名古屋めしとして有名な味噌煮込みうどんには、八丁味噌が使われているというイメージが強いかもしれませんが、実はそうではありません。
もちろん、八丁味噌も使われていますが、八丁味噌ではない豆味噌を使っている味噌煮込みうどんもたくさんあります。
一方、岡崎では、全国でたった2軒しか造っていない「まるや八丁味噌」や「カクキュー」の八丁味噌を使った味噌煮込みうどんを味わえます。岡崎で味噌煮込みうどんを食べるメリットは、やはりそこにありますよね。
八丁味噌を使った岡崎の味噌煮込みうどん店おすすめ4選
岡崎の味噌煮込みうどんの名店として長い間親しまれてきた『二橋』は、残念ながら2021年夏に閉店してしまいました。
しかし、岡崎には八丁味噌を使った味噌煮込みうどんが食べられるところが、まだまだたくさんあります。
八丁味噌の本場岡崎で、八丁味噌を使ったご当地味噌煮込みうどんを味わえるおすすめの店をご紹介しましょう。
素材にこだわった味噌煮込みうどん 『大正庵釜春本店』
明治時代中期創業の岡崎の老舗うどん店で、「元祖釜揚げうどん」と「味噌煮込みうどん」が名物です。
独自の配合で作ったうどん用の小麦粉を使い、その日の気温や湿度によって配合を変えて毎日ていねいに手打ちでうどんを打っています。
また、出汁に使う鰹などは鮮魚の段階から質にこだわったもの。天ぷらの衣や油のひとつひとつまで、こだわり抜いた材料を使用しています。
『大正庵釜春本店』の味噌煮込みうどんは、味噌煮込みうどん用に特別な配合で打った「みそめん」を、地元岡崎伝統の八丁味噌でじっくりと煮込んだもの。
コクと旨味の強い八丁味噌の味わい深い風味をじっくりと堪能できる味噌煮込みうどんです。
メニューは、オーソドックスな味噌煮込みうどんの他、餅入り、たぬき(天かす入り)、天ぷら入りの4種類。硬めの麺が苦手な人は、柔らかめもオーダーできます。
大正庵釜春本店
住所:愛知県岡崎市中岡崎町6番地9
電話:0564-21-0517
営業時間:11:00~21:30 (L.O.21:00)
定休日:不定休
味噌屋が作る味噌煮込みうどん 『食事処 休右衛門』
『休右衛門(やすみえもん)』は、岡崎に2軒ある八丁味噌の蔵元のうち、「カクキュー」が運営する「八丁味噌の郷」の中にある食事処です。
「八丁味噌の郷」では、味噌蔵の工場見学をはじめ、昔ながらの味噌造りの様子がわかる「史料館」や工場直売の売店、八丁味噌を使った料理を味わえるフードコート「岡崎カクキュー八丁村」などを楽しめます。
『休右衛門』は、「岡崎カクキュー八丁村」の一角に店を構えています。『休右衛門』の味噌煮込みうどんには、もちろんカクキューの八丁味噌が使われています。
スープは、しっかりと効いた出汁に八丁味噌のコクと旨味が合わさった深い味わい。うどんはやや中細の丸い麺でもっちりとしています。
コシはしっかりとしていますが、名古屋の味噌煮込みうどんほどの硬さはありません。ゆば天入り、海老天入りの他、山椒と豆板醤と唐辛子で辛みを付けた「しびれmiso煮込みうどん」も人気です。
食事処 休右衛門
住所:愛知県岡崎市八帖町字往還通69番地 「カクキュー八丁味噌」内
電話:0564-21-1355(代)
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)
定休日:年末年始
地元の人に愛される味噌煮込みうどん 『みづこし』
岡崎市の北部に店を構える『八丁味噌煮込みうどん みづこし』は、長年地元の人に愛され続けている人気のうどん店です。
店内には座敷もありゆったりとしていて、駐車場も広いため、家族連れを中心に多くの人が訪れます。
味噌煮込みうどんをはじめ、うどんやそばのメニューも豊富で、名古屋名物の「八丁味噌トンカツ」も人気があります。
『みづこし』の味噌煮込みうどんは、香りのよい出汁に「まるや八丁味噌」の八丁味噌を合わせています。
『みづこし』最大の特徴は、スープに黒砂糖を入れること。黒砂糖によって八丁味噌独特の渋みや苦みが抑えられているため、八丁味噌の渋みに慣れていない人でも食べやすい味わいです。
うどんは味噌煮込みうどんらしい硬く歯ごたえのある麺ですが、柔らかめを注文することもできます。
ネギ、しいたけ、油揚げ、かまぼこの入った基本の「味噌煮込み」の他、かしわいり、玉子入り、天ぷら入りなどが選べます。
八丁味噌煮込みうどん みづこし
住所:愛知県岡崎市上里2-5-1
電話:0564-21-7588
営業時間:11:00~14:30 17:00~21:00
定休日:木曜
味噌煮込みうどんと五平餅が人気 『徳川庵』
『八丁味噌煮込み 徳川庵』は、八丁味噌煮込みうどんと五平餅を看板メニューとしているうどん店です。その他、うどん、そば、から揚げや味噌カツの定食からラーメンまでメニューが充実しています。
五平餅は、30cmくらいある大きなもの。もち米を半つきにした五平餅に八丁味噌で作ったタレをかけ、香ばしく焼いてあります。五平餅は一部の定食に付いています。
『徳川庵』のもうひとつの看板メニューである八丁味噌煮込みは、オーソドックスな「味噌味」、海老と餅の天ぷらが入った「天味噌」、そして、トンカツ入りの「味噌カツ煮込み」の3種類。
「味噌カツ煮込み」は、味噌煮込みうどんと味噌かつが同時に味わえると、男性を中心に人気のメニューです。
八丁味噌煮込みの麺は、固めと普通の2種類から選べます。固めといっても、モチモチとしていて名古屋の味噌煮込みうどんほどは硬くありません。スープにはもちろん八丁味噌が使われています。
八丁味噌煮込み 徳川庵
住所:愛知県岡崎市美合町字呑地2-38
電話:0564-54-0770
営業時間:11:30~14:30、17:00~20:30
定休日:木曜
岡崎で「変わり種」味噌煮込みうどんを食べたい方はココ!
次に、味噌煮込みうどんとは少し違う、オリジナルな八丁味噌うどんが食べられる岡崎のおすすめの店を2つご紹介します。どちらも美味しいお店ですので、興味のある方はぜひ一度足を運んでみてくださいね!
みそ味の鍋焼きうどん 『がんこ親父』
東岡崎にある『がんこ親父』は、手延べうどんとなぜか手作りのチーズケーキが人気の昔ながらのうどん店。
うどんは、決して頑固そうには見えないご主人の手打ちで、白醤油のつゆにたっぷりの油揚げが入った愛知県の郷土料理「志の田うどん」や手延べきしめん「きしころ」などを味わえます。
『がんこ親父』のメニューに味噌煮込みうどんは存在しませんが、代わりに「なべもの」というメニューがあります。
関西でいうところの鍋焼きうどんのようなものですね。「なべもの」には、しょうゆ味とみそ味が用意されています。
オーソドックスな「並みそ」は、出汁の効いた八丁味噌仕立て。白菜や油揚げもたっぷりと入っています。八丁味噌の旨味やコクがしっかりとありますが、見た目ほどは濃厚ではなくあっさりとした味わいです。
麺もコシはあるもののそれほど硬くはありません。他に、玉子入りみそ、天入り、しめじみそなどのメニューがそろっています。
手打ちそば・うどん がんこ親父
住所:愛知県岡崎市明大寺本町2-21-2
電話:0564-25-8451
営業時間:11:00~20:000
定休日:水曜
煮込まない八丁味噌うどんが食べられる! 『一よし』
『一よし』は地元岡崎では有名な手打ちうどんの店。創業50年を超える老舗で、民芸調の店内はいつも大勢の人でにぎわっている人気店です。
多くの種類のうどんがそろっていますが、人気の高いメニューが「八丁味噌うどん」。
こちらは煮込みうどんではなく、煮込んでいない八丁味噌のうどんです。なかでも、「とんかつ八丁味噌うどん」と、餅入りの「力八丁味噌うどん」は特に人気があります。
八丁味噌うどんは、香りのよい出汁に八丁味噌を合わせたスープを手打ちうどんにかけたもの。
麺はやや細めの手打ちうどんが使われていて、コシはしっかりとしていますが名古屋の味噌煮込みうどんのように硬くはありません。
八丁味噌は煮込んでも香りが飛びにくいのが特徴ですが、『一よし』の八丁味噌うどんは煮込んでいないので、八丁味噌の香り、コク、旨味をダイレクトに味わえます。
一よし
住所:愛知県岡崎市葵町15-2
電話:0564-23-2246
営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00
定休日:木曜
まとめ:岡崎の味噌煮込みうどんは、八丁味噌の本場ならではの味わい!
岡崎では本場の八丁味噌の味を堪能できます。
味噌煮込みうどんの麺も名古屋ほどは硬くないので、名古屋の味噌煮込みうどんに慣れていない人でも食べやすく、リーズナブルな価格で食べられることもうれしいポイントですよね。
岡崎に出向いて、名古屋の味噌煮込みうどんとはひと味違う、本場の八丁味噌を使った味噌煮込みうどんをぜひ味わってみてください。