そんな疑問に答えます。
砂糖でありながら、実は生活習慣病やダイエット効果まで期待ができるとあって、最近ではじわじわと黒糖ブームがおきています。
美味しい自然の甘みを楽しみながら、現代人に不足しがちといわれているミネラルなどの栄養素を積極的に摂取していきたいもの。
この記事では、気になる黒糖の栄養価から、きび砂糖や白砂糖など他の砂糖との違いなどをご紹介していきます。
目次
気になる黒糖の栄養価!具体的にはどのような効果があるの?
沖縄で取れるサトウキビから出来ている黒糖は、体に良いイメージが強く、最近ではじわじわと黒糖や黒蜜ブームが来ています。
あんみつやかりんとうなどの懐かしいお菓子に使われていることも多く、ねっとりとした濃厚な甘さが好きな方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決すべく、黒糖の栄養価とその効果を解説していきます。
黒糖を摂取することで生活習慣病の予防に
「糖分を摂取することは糖尿病に繋がるのでは?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。
黒糖に含まれているフェニルグルコシドという成分は、体の中から不要な糖分を排出を助ける効果があります。余計な糖分が外に出ていくことで、血糖値の上昇が穏やかになり、糖尿病や生活習慣病の予防に繋がります。
ちなみに、白砂糖にはこの成分が入っていないので注意が必要です。普段白砂糖を使うシーンを、黒糖に切り替えてみることをオススメします。
砂糖だけどダイエット効果も期待できる黒糖
黒糖に含まれているフェニルグルコシドのおかげで、血糖値の上昇を緩やかにできると、生活習慣病だけでなく、ダイエット効果も期待できます。
血糖値が急激に上昇するのを抑えると、体脂肪率の増加も抑えることに繋がるからです。加えて、黒糖にはカリウムがたっぷり含まれています。不要な水分を排出するカリウムの効果で、むくみ解消も期待できます。
黒糖オリゴ糖の力で腸内環境を整え免疫力アップ
黒糖にはオリゴ糖の一種である、ラフィノースという栄養素が含まれています。これは腸内の善玉菌を増やす働きをしてくれます。
腸内環境が整うことは、便秘の改善に繋がり、体の中から老廃物が出ていくことで肌の調子も良くなります。
さらに、腸には免疫細胞の約7割が集中しているとされていて、腸内環境が改善すると、免疫力UPにも繋がるといわれています。
夏バテしそうだな…と感じた時や、少し体調が怪しいなと察知した時には、積極的に取り入れたい食材です。
ミネラルたっぷりで美肌効果も期待できる
黒糖はサトウキビを圧搾して作る、とてもナチュラルな製法でできたものです。よって、生産過程でミネラルやビタミンなどの栄養価が失われることなくキープされています。
黒糖にはカルシウム・カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛などの、現代人が不足しがちといわれているミネラルがギュっと詰まっています。
カルシウムは丈夫な骨の維持に繋がりますし、亜鉛は肌や髪の毛にツヤをもたらしてくれます。
すぐに効く!黒糖には疲労回復効果も
「疲れた時は甘いモノ」とはよく言われていますが、黒糖は特にオススメしたい食材です。
糖分はブドウ糖として体の中に吸収されるのですが、黒糖の場合は白砂糖よりもブドウ糖に近い構造をしていることもあり、食べて数分で吸収が完了します。
そのため、すこし疲れたなと思ったタイミングで黒糖を口に入れることで、すぐにエネルギーとすることが可能です。
ハイキングやジョギングなどの運動時には、黒糖かりんとうを補給食にするのがオススメです。
女性にうれしい月経痛や冷え性の改善効果も
実は漢方の世界でも黒糖は活躍しています。黒糖には、不足した血液を補う作用や、血のめぐりを良くする効果があるとされています。
そのため、出産後の体力回復時はもちろん、毎月の月経痛や不正出血にも効果があると期待されます。
また、血のめぐりを良くすることは、おなか回りを温めてくれるので、冷えが原因で引き起こされる月経不順や不妊症などのトラブルにも効果的です。
黒糖のデメリット:砂糖なので食べすぎはNG
うれしい効果の沢山ある黒糖ですが、注意をしなければいけないのは、あくまでも「砂糖」であるという点です。
白砂糖と比べると、圧倒的にメリットが多いことは間違いないですが、とにかくたくさん摂取すると良いというものではありません。黒糖は一粒が10g程度ですが、一日の摂取量の目安としては4粒くらい=40g程度と覚えておきましょう。
無理やりに摂取量を増やすというよりは、普段白砂糖を使っているところを、黒糖に切り替えるという程度が取り入れやすいと思います。
黒糖は他の砂糖と何が違うの?作り方や効果の違いをご紹介
一言で「砂糖」と言っても、健康に良いといわれる黒糖から、いつも見かける白い砂糖、たまに目にするきび砂糖などいろいろな種類があって混乱してしまいますよね。
効果や特徴など、具体的にどのような違いがあるのか確認していきましょう。
黒糖と黒砂糖の違いは?
黒糖と黒砂糖は実は同じものです。どちらもサトウキビを粉砕して、圧搾機にかけ、ろ過した液体を濃縮したものから出来ています。
同じものだけど呼び名を使い分けている場合は、形状の違いによって分けることが多いです。
・黒糖:塊の場合。そのまま食べるのに適しているもの。
・黒砂糖:粒状に砕いた場合。料理に使ったり、飲み物に入れたりするもの。細かいため、溶けやすい性質。
お店のメニューやお菓子などに「黒糖」「黒砂糖」と書いてある場合は、基本的には同じものだと考えて大丈夫です。お店で買う場合には、使いたい用途によって固形の黒糖か、粒状の黒砂糖を探すことをオススメします。
黒糖と白砂糖の違いは?
黒糖と白砂糖は、色が違うというだけでなく、作り方から栄養価にも違いがあります。
・黒糖:サトウキビの絞り汁をそのまま固めただけのもの。そのため、ビタミンやミネラルなどの栄養価がぎゅっと凝縮されて残っている。
・白砂糖:サトウキビやテンサイを原料とし、しぼり汁を遠心分離機にかけ、不純物を取り除いたもの。精製過程を重ねることで栄養価はそぎ落とされる。
黒糖はナチュラルな製法で作られた砂糖ですが、白砂糖はきれいな白さを生み出すために、たくさんのプロセスを経て作られている砂糖です。単純に黒砂糖・白砂糖と色が違うだけじゃないんです。
黒糖と混同しがちなきび砂糖や三温糖とは?
黒糖のような見た目で混同しがちな他の砂糖は、一体どのようなものなのでしょうか。一つずつチェックしていきましょう。
・きび砂糖:黒糖よりも少し長めに精製して煮詰めたもの。若干長く精製することで、色合いも薄く、独特な味や香りが少なめ。栄養は若干下がるものの、白砂糖よりは残っている。
・和三盆:黒糖を作る手順と似ているが、味を調えるために手作業での精製を行ったもの。煮詰める段階の丁寧なアク取りのおかげで、雑味が少ない味わい。ミネラルもある程度残っている。
・加工黒糖:黒糖にショ糖やザラメ糖を加えたもの。純粋の黒糖でない分、より安価なものが多い。
・三温糖:白砂糖を作る工程で、糖蜜を少し加えたもの。黒糖の色味である糖蜜が入っているため、色合いがほんのり茶色く、味も深みがある。
不純物を取り払う精製過程を積み重ねることで、色が白くなっていくのと同時に、ミネラルなどの栄養価も減ってしまうということです。
健康に良いとされている黒糖効果をしっかりと感じるには、やはりピュアな黒糖が1番です。
毎日の生活に黒糖効果をプラス!取り入れ方のコツを解説
健康にも美容にも良い効果があるとされている黒糖は、積極的に食べたいものです。
とはいえ、家に常備している!という人は少ないのではないでしょうか。簡単に生活の中に取り入れていくアイディアをご提案します。
沖縄では「黒糖はそのまま食べる」のが主流!
黒糖の本当の味を楽しむには、やっぱりそのままカケラを口に放り込むのが1番です。
口の中でじわっと広がる濃厚な甘さが、疲労回復にもつながるといわれています。運動だけでなく、仕事や勉強で脳が疲れた時にも効果があります。
甘いものを食べたい!という気持ちになった時に備えて、黒糖をカバンの中に忍ばせておきましょう。常夏の沖縄では、当たり前の食べ方なのだとか。
実はたくさんある市販の美味しい黒糖お菓子
…という方も多いかもしれません。
そんな方に朗報です!黒糖を使ったお菓子は沢山あり、コンビニでも手に入るようなものから、デパ地下スイーツまでバリエーション豊富です。
・黒糖と言えば定番のかりんとう
・お茶請けにしたい黒糖まんじゅう
・沖縄土産で有名なちんすこう
・黒糖が染みてる黒糖ドーナツ棒
・甘いお豆!?黒糖ソラマメ
・黒蜜たっぷりのあんみつ
最近では健康志向派に黒糖ブームが起きていることもあって、期間限定バージョンの黒糖味お菓子なども続々と出てきています。
甘いものを食べたくなったら、意識して白砂糖ではなく黒糖を使ったものを選ぶようにしてみてはいかがでしょうか。
料理の甘さ調節に『黒糖』を活用!
いつもの煮物を作るときに、白砂糖を黒糖に切り替えてみて下さい。黒糖の天然の甘さが料理の味に深みを出してくれます。
沖縄名物である豚の角煮も、黒糖でじっくりと煮込んでいるからこそ、あのこってりとした甘みが楽しめます。
ほかにも、チキンの照り焼きなどで、優しい甘さとテリが欲しいときにも黒糖はぴったりです。ぜひ戸棚に黒砂糖を常備してはいかがでしょうか。
コーヒー・紅茶×黒糖で手軽に栄養補給
あまり料理はしたくない…という方には、毎日のコーヒーや紅茶に入れる砂糖を黒糖に切り替えるというのはいかがでしょうか。これなら手軽に黒糖効果を得ることができます!
カフェラテに黒糖をプラスするだけで簡単に楽しめる黒糖コーヒーは、自宅にいながら上島珈琲店のようなカフェ気分が味わえるとあって、人気なんです。
黒糖コーヒーの美味しい作り方に関しては、こちらの記事もご覧ください!
お菓子作りに黒糖を使うと深みのある味わいに
砂糖を使うのは料理だけではありません。お菓子作りやパン作りの時も、白砂糖を黒糖に切り替えることで、一味違ったお菓子・パンを作ることができます。
黒糖の味を楽しみやすくて人気なのは「黒糖蒸しパン」です。ふんわりとした優しい触感と、黒糖の自然の甘みがマッチして、子供だけでなく大人も手が止まらなくなること間違いなしです
まとめ:栄養価の詰まった黒糖は健康にも美容にも効果あり!
自然の風味を生かしたナチュラルな製法だからこそ、黒糖は味も色合いも素朴です。だからこそ、ビタミンやミネラルをはじめとした栄養価がギュっと凝縮されて残っていることをご紹介してきました。
何かと現代人には不足しがちな栄養素が詰まっているからこそ、毎日少しずつ食べることが健康や美容効果に繋がります。あくまでも砂糖なので食べすぎはNGですが、毎日適度な量を摂取することを意識してみませんか。
お店でお菓子を選ぶとき、料理をするとき、飲み物に砂糖を入れるときなど、ちょっとしたときに「あ!黒糖にしよう!」と、白砂糖から切り替えるところから始めてみましょう。