オーツ麦から作られるオートミールは、ヘルシーで健康に良いと話題ですよね。
オートミールはいろいろな食べ方がありますが、そのなかのひとつがオートミールをパンの材料として使う方法です。
オートミールを入れたパンは小麦粉で作ったパンよりも食物繊維やミネラルが豊富で、オートミールの本場である欧米でもヘルシーな主食として人気があります。
オートミールでパンを作るレシピを探すと、オオバコ(イヌリン・サイリウム)を使ったレシピをよく見かけますが、家にないという人が多いですよね。
そこで、今回はスーパーで手に入る身近な食材を使ったオートミールパンのレシピを厳選してご紹介していきます。
目次
小麦粉不使用でオートミールだけ!発酵なしの簡単レシピ3選
最初に、小麦粉はいっさい使わずにオートミール100%で作るオートミールパンのレシピをご紹介します。
イーストによる発酵ではなく、ベーキングパウダーを使って膨らませるオートミールパンです。混ぜて焼くだけなのでとても簡単!もっちもちのオートミールパンが作れます。
オートミール粉砕なしで超簡単!豆腐のモチフワオートミールパン
最初に、オートミールをパウダー状に粉砕する必要もなし!材料を混ぜて丸めて焼くだけの超簡単オートミールパンをご紹介します。豆腐をたっぷりと使ったモチフワ食感のオートミールパンです。
【材料】(丸パン4個分)
オートミール(クイックオーツ) 100g
砂糖 10~20g(お好みで)
塩 2g
絹ごし豆腐 200g
オリーブオイル 5g
ベーキングパウダー 3g
【作り方】
1.ボウルにベーキングパウダー以外の材料をすべて入れる。
2.ヘラで全体が均一になるまで混ぜる。
3.ボウルにラップをして15分くらい放置して、オートミールを水分でふやかす。
4.ベーキングパウダーを加え、ヘラを押し付けてオートミールをつぶすようにしながらしっかりと混ぜる。
5.全体がひとつにまとまったら生地を4等分し、手に水を付けて生地を丸める。
6.クッキングシートを敷いた天板に5を並べ、霧吹きで表面に水をかけ、200℃に予熱をしたオーブンで15~20分程度焼く。
【ポイント】
・加熱時間はオーブンによって多少異なります。
・焼き色が付きすぎるようであれば、上にアルミホイルをかぶせるか、温度を180℃くらいに下げて焼いてください。
フライパンで作る!オートミールのイングリッシュマフィン風
オーブンやオーブントースターを使わずにフライパンで作るオートミールパンです。そのまま食べるだけでなく、チーズやハムを挟んで食べてもよいですね。
【材料】(2個分)
オートミール 80g
ベーキングパウダー 3g
塩 2g(2つまみくらい)
砂糖 5g
水 80cc
【作り方】
1.オートミールは、ミルやフードプロセッサーなどで粉砕しておく。
2.ボウルに粉砕したオートミールと、ベーキングパウダー以外の他の材料をすべて入れて、全体がなじむようによく混ぜる。
3.ラップをしてそのまま15分程放置して、オートミールをふやかす。
4.ベーキングパウダーを加えて、ヘラを押し付けてオートミールをつぶしながら全体がまとまるまでしっかりと混ぜる。
5.生地を2等分し、手に水を付けて平たい円形に成形する。
6.フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンに5を置き、蓋をして弱火で5~7分加熱する。
7.焼き色が付いたらひっくり返し、蓋をしてさらに弱火で5~7分程度加熱し、両面に焼き色を付ける。
【ポイント】
・ミルやフードプロセッサーがない場合は、ジップロックなどのフリーザーバックにオートミールを入れて麺棒でつぶすとよいでしょう。
・成形するときは、ラップを使うとやりやすいです。
・コーンミール(コーングリッツ)を表面に付けて焼くと、本格派のイングリッシュマフィンになります。
オーブントースターでもっちり!濃厚オートミールチョコパン
オートミールでパンを作るメリットはシンプルな味わいとヘルシーなこと。でも、たまには甘いオートミールパンも食べたくなりますよね。
そこで、ココアパウダーで作る濃厚オートミールチョコパンをご紹介します。今回はオーブントースターを使ったレシピをご紹介しますが、もちろん、オーブンを使っても焼けます。
【材料】(約18cmのパウンドケーキ型)
オートミール(クイックオーツ) 40g
砂糖 25g
ピュアココアパウダー 15g
卵 1個
豆乳 120cc
ベーキングパウダー 4g
【作り方】
1.オートミールはミル、フードプロセッサー、フリーザーバック+麺棒などで粉砕しておく
2.オートミール、砂糖、ココアパウダーをボウルに入れて、よく混ぜておく。
3.1に卵を加えてよく混ぜ、豆乳を少しずつ加えてさらによく混ぜる。
4.ラップをして10分程度放置し、オートミールをふやかす。
5.ベーキングパウダーを加えてしっかりと混ぜる。
6.クッキングペーパーを敷いた型に5の生地を流す。
7.オーブントースターに入れ、表面に焼き色が付くまで(1000wで約5分)焼き、アルミホイルをかぶせてさらに20~30分焼く。
8.竹串を刺して、生の生地がくっついてこなければでき上がり。
【ポイント】
・オートミールは粉砕なしでも作れます。その場合は吸水時間を長めに取ってください。
・オーブンで焼く場合は、170℃に予熱をしてから20~30分くらい焼いてください。
捏ねなし!ドライイーストを使った発酵タイプのオートミールパンレシピ2選
小麦粉を使わずにオートミールだけで作るパンには、小麦粉で作る普通のパンのようにドライイーストで発酵させて作る方法もあります。
ドライイーストで発酵させるオートミールパンは捏ねる必要なしで発酵も1回だけ!簡単に作れるのでパン作り初心者の人にもおすすめです。
オートミールの発酵パンの特徴とは?
小麦粉のパンはドライイーストを使って発酵させますよね。発酵させると、小麦粉に含まれるグルテンというたんぱく質の膜が空気を閉じ込めるために膨らみます。
しかし、オートミールはグルテンの膜を作るたんぱく質が含まれていないため、発酵させても空気をあまり閉じ込められません。
オートミールのパンは生地が空気を含みにくいため小麦粉のパンのようにふんわりすることはなく、もちもちとしたハードタイプのパンになることが特徴です。
しかし、ドライイーストで発酵させることにより、普通のパンのような風味を味わえます。また、ベーキングパウダーを併用することでもちふわ食感のオートミールパンを作れます。
オーブンの発酵機能以外で発酵させる方法は?
ドライイーストを使って発酵させる場合は、オーブンやレンジの発酵機能を使うと簡単で便利ですが、発酵機能がないという場合には、以下のような方法で発酵を行えます。
・ラップをして室温で発酵させる(冬以外)
・ラップをして、熱湯を入れた器といっしょにオーブンの中に入れて発酵させる。
・ラップをして、発泡スチロールの箱やクーラーボックスに熱湯を入れた容器とともに入れて発酵させる。
・ラップをして40℃(お風呂くらいの温度)のお湯で湯煎をする。
・小さめのボウルに熱いお湯を入れて、その上に生地の入ったひと回り大きいボウルにラップをして乗せる。
(生地の入ったボウルの底をお湯から離すように!)
湯煎やお湯の蒸気で発酵させる場合は温度に注意してください。30~40℃くらいが理想です。熱すぎると過発酵になりやすいので注意しましょう。
冬の寒い時期以外は室温でも発酵できます。気温が20~25℃前後の場合は発酵時間はかかりますが、過発酵による失敗は少ないでしょう。
それでは、発酵させて作るオートミール100%のパンのレシピをご紹介しましょう。
ミキサーで混ぜるだけ!手間いらずのオートミール食パン
材料を全部入れてミキサーで混ぜ、型に入れて焼くだけの超簡単なもちふわオートミール食パンです。手間をかけずにおいしいオートミール食パンを作れます。
【材料】(18cmのパウンドケーキ型1個分)
オートミール 90g
塩 2g
砂糖 10g
オリーブオイル 5g
ドライイースト 2g
ベーキングパウダー 2g
卵 1個
水 40ml
豆乳 80ml
【作り方】
1.水と豆乳はレンジなどで40℃くらいに温めておく。
2.ミキサーにすべての材料を入れて、20~30秒ほど攪拌する。
3.油を塗るか、クッキングペーパーを敷いた型に2の生地を流し、ラップをして発酵を行う。
4.生地が1.5倍くらいに膨らんだら表面に霧り吹きで水をかけ、180℃に予熱したオーブンで40分くらい焼く。
【ポイント】
・卵なしでもよいでしょう。その場合は、水50ml、豆乳120mlに調整してください。
・表面が焦げすぎるようであれば、アルミホイルをかぶせてください。
ベーキングパウダーなし!ドライいちじくのカンパーニュ風
発酵させて作るオートミールパンの特徴は、小麦のパンのようにふわふわとせずにもっちりと重ためのパンになること。
ドライイーストとベーキングパウダーを併用することでもちふわ食感にできますが、あえてベーキングパウダーを使用せずに重ための食感にすることで、カンパーニュのような田舎パンを作れます。
【材料】(4個分)
オートミール 60g
おからパウダー 15g
塩 2g
☆砂糖 10g
☆ドライイースト 2g
☆ぬるま湯(40℃くらい) 120cc
ドライいちじく 2~3個
【作り方】
1.ドライいちじくは1.5cm角くらいに切っておく。
2.ボウルにドライいちじく以外の材料を入れ、手で全体が均一になるまで捏ねるようにしてよく混ぜる。
3.ドライいちじくを入れて、さらによく混ぜる。
4.全体がまとまったらラップをして20分くらい放置する。
5.生地を4等分して丸めてクッキングシートを乗せた天板に並べ、発酵を行う。
6.ひと回り大きくなったらナイフで生地の上部に深さ1cmくらいの切り込みを入れ、表面に霧吹きで水をかける。
7.200℃に予熱をしたオーブンで15~20分くらい焼く。
【ポイント】
・生地が固めなので手で捏ねるように混ぜますが、手捏ねパンのようにしっかりと捏ねる必要はありません。全体がまとまればOKです。
・発酵前の生地の硬さは、手に付くか付かないかくらいがちょうどよいです。水の量で調整してください。
ホームベーカリーで生地作り!ふわふわオートミールパンレシピ3選
小麦粉を使わずにオートミールだけで作ったパンはもちもちで、どちらかというとハードなパンになります。しかし、強力粉にオートミールを混ぜることでふわふわのオートミールパンを作れます。
普通のパンと同じように捏ね→一次発酵→二次発酵→焼成という工程が必要なので、手間がかかってしまいますよね。
そのような場合はホームベーカリーの「生地コース」で一次発酵まで終わらせてしまうと、とても簡単にふわふわオートミールパンを作れます。
オートミール入りのふわふわ牛乳ちぎりパン
オートミールを使って食べやすいちぎりパンを作ってみましょう。牛乳をたっぷりと使ったほんのりと甘いヘルシーでふわふわのミルクパンです。
【材料】(18cm×18cmの角型)
強力粉 200g
オートミール 50g
牛乳 190cc
砂糖 30g
塩 3g
無塩バター 20g
ドライイースト 3g
【作り方】
1.ホームベーカリーにオートミールと牛乳を入れて、15分くらいふやかす。
2.ホームベーカリーに他の材料をセットし、生地コースで一次発酵まで終わらせる。
3.ホームベーカリーから生地を出し、ガス抜きをして16等分して丸め、硬く絞った濡れ布巾をかけて15分休ませる。
4.手で丸め直して閉じ口を下にして、クッキングシートを敷いた型に均等に間隔をあけて並べる。(4個×4列)
5.2倍くらいの大きさになるまで二次発酵を行い、生地の上から茶こしで強力粉(分量外)を振る。
6.霧吹きで水をかけ、170℃に予熱をしたオーブンで15~20分焼成する。
7.型から外し、網の上などで粗熱を取る。
【ポイント】
・オートミールの粒感をなくしてより滑らかに仕上げたい場合は、オートミールを分量の牛乳に15分くらい浸してから入れるとよいでしょう。
・型に入れる前に丸め直すときに、レーズン、チョコレート、チーズ、ハムなどを包んでもよいでしょう。
もちふわ!オリーブオイル香るオートミール入りフォカッチャ
イタリアの定番パンといえばフォカッチャですよね。
オリーブオイルやハーブが香るもちふわの平焼きパンは食事パンに最適です。オートミール入りのフォカッチャもホームベーカリーの生地コースを使えば簡単に作れます。
【材料】(6枚分)
強力粉 150g
薄力粉 40g
オートミール 60g
ドライイースト 3g
砂糖 10g
塩 3g
水 190cc
オリーブオイル 15g
【作り方】
1.ホームベーカリーにすべての材料を入れて、生地コースで一次発酵までを行う。
2.ホームベーカリーから出し、ガス抜きをして6分割する。軽く丸めて硬く絞った濡れ布巾をかけて15分ほど休ませる。
3.麺棒で1~1.5cmくらいの厚さに伸ばす。
4.3を天板の上に並べて、1.5~2倍くらいの大きさになるまで二次発酵を行う。
5.生地に指で数か所のくぼみを作り、分量外のオリーブオイルを塗って、塩少々を振りかける。
6.190℃に予熱をしたオーブンで15~20分くらい焼く。
【ポイント】
・焼く前に振る塩は、岩塩やハーブ塩がおすすめです。おこのみでローズマリーを散らしてもよいでしょう。
・焼き上がった後にオリーブオイルを塗ってもよいでしょう。
ホームベーカリーに全部お任せ!リッチなオートミールホテルブレッド
オートミール入りのパンといえばヘルシーなイメージが強いですよね。実際に、オートミール入りのパンはシンプルな味わいのものが主流です。
しかし、たまにはバターや卵がたっぷり入ったリッチなオートミールパンも食べてみたくなりませんか?
ちょっぴり高級感のあるオートミールホテルブレッドも、ホームベーカリーのスイッチひとつで作れます。
【材料】(1斤分)
強力粉 200g
オートミール 50g
無塩バター 40g
はちみつ 40g
塩 3g
卵 1個
牛乳 卵と合わせて190cc
【作り方】
1.ホームベーカリーに、オートミールと牛乳(卵が入ってもOK)を入れ、20分くらい放置してオートミールを浸しておく。
2.他の材料もすべて入れて、「食パンコース」の「焼き色・淡」にセットしてスイッチを入れる。
3.焼き上がったらホームベーカリーから取り出し、網などの上で冷ます。
【ポイント】
・材料の入れ方、コースの選択はホームベーカリーによって異なります。お使いのホームベーカリの取り扱い説明書に従ってください。
まとめ:ヘルシーでおいしいオートミールパンはアレンジも多彩!
オートミールを使ったパンはカロリーこそ普通のパンとあまり変わりませんが、食物繊維やミネラルが豊富でとてもヘルシー。あまり市販されていないので、食べたいときは手作りをするのがいちばん手軽です。
オートミール100%のパンはもっちもちのハード系だけど作り方が簡単なことがメリット。それに対し、小麦粉にオートミールを混ぜて作ると、多少手間はかかりますがふわふわのパンを作れます。
何も混ぜずにシンプルなパンにしてもよし、チョコやドライフルーツを入れたりクリームなどを包んだりしてもよいですね。
作ったオートミールパンはそのまま食べてもよいですが、サンドイッチやホットドッグにするのもおすすめです。
自分好みにいろいろなアレンジができるので、ぜひ作ってみてくださいね。