そんな疑問に答えます。
七味唐辛子を食べると体がポカポカしてきたり、食欲が増して元気になったりといった経験はありませんか?また、ダイエット目的で辛い物を食べるという方もよく見かけます。
この記事では、実際に七味唐辛子にはどのような効能があるのか、ダイエットへの効果はあるのか、そして食べ過ぎた場合はどうなるのかといった疑問にお答えしていきます。
目次
七味唐辛子から得られる効能とは?
七味唐辛子を食べることで得られる効能はたくさんあり、含まれている原材料によっても多少異なります。
そこで今回は七味唐辛子でよく使われる「赤唐辛子、黒ごま、陳皮、山椒、麻の実、けしの実、青のり、紫蘇」が配合されたもので得られる主な効能をご紹介してまいります。
※七味に含まれる原材料については、以下の記事で解説していますのでご興味のある方はぜひ、本記事と併せてご覧ください!
血行促進、血流改善
七味唐辛子の効能としてまずあげられるのが血行促進です。皆さんも経験があるかと思いますが、辛い物を食べると体が温まり汗が出てきますよね。
それは七味唐辛子の主原料である唐辛子に含まれるカプサイシンという成分が、脳の神経に作用し体を温めるホルモンの分泌を促すことで起こります。
ただ単に体が温まるだけではなく、血流が改善しそれによって代謝も促進する働きがあるため慢性的に冷え性に悩まれている方は体質の改善が期待できます。
疲労回復
七味唐辛子の効能二つ目は疲労回復効果です。
こちらは主に原材料の唐辛子に含まれるビタミンEよるもので、抗酸化作用や溜まってしまった疲労物質の排出を促してくれる作用があります。
そして先ほどご紹介したカプサイシンによる代謝促進により、疲労から回復しやすくなったり免疫が高まって疲れにくい体へとサポートしてくれる働きがあります。
最近疲れが溜まっていたり、疲れやすくなったなと感じている方は、是非食事に七味唐辛子を加えてみてください。
塩分抑制
七味唐辛子の効能と言うのとは少し意味合いが違ってきますが、塩分の摂取量を抑制するために七味唐辛子を使うという方法があります。
食事の際に「減塩」を意識している方は少なくないと思いますが、単に塩分を減らしただけでは食事の味付けが物足りなくなってしまうこともあります。そんな時におすすめなのが味付けに七味唐辛子を使うことです。
塩が含まれていない七味唐辛子を使うことで、料理の塩分を減らしながらも辛味や旨味といった味に深みを出すことができますし、薄味ということを感じにくくなりますので辛い味が苦手でない方の減塩対策におすすめです。
塩分を控えることで結果的に健康へのリスクが減るため、これも七味唐辛子による効能の一つと言えるでしょう。
美肌、アンチエイジング
七味唐辛子の効能として、美肌やアンチエイジングといったものもあります。
七味唐辛子に含まれているほとんどの原材料にはたくさんのミネラルやビタミン、食物繊維などが含まれており、抗酸化作用でお肌の細胞を若々しく保ったり、肌荒れの予防や便秘解消にも有効です。
また、唐辛子のカプサイシンによる血行促進や代謝の促進といった効果は、老廃物を排出することで美肌への効果にもつながります。
貧血予防
特に女性に嬉しい七味唐辛子の効能に、貧血予防があります。七味唐辛子と貧血予防という組み合わせはあまりイメージが結びつきにくいかも知れません。
ですが、七味唐辛子の原材料である黒ごまや麻の実、けしの実には鉄分などのミネラルが豊富に含まれており、赤血球を作ったり血球の形成を助けたりと貧血予防や改善のための大切な働きをしてくれるのです。
貧血気味になると疲れやすくもなり体力も落ちてしまいますので、日々の食事から少しずつ予防を心掛けていきましょう。
脂肪燃焼
最後にご紹介する七味唐辛子の主な効能は、おそらくよく知られているであろう脂肪燃焼効果です。
七味唐辛子を摂取すると、唐辛子に含まれるカプサイシンが交感神経(緊張したり興奮した時に優位となる自律神経)を刺激します。
交感神経が刺激されるとアドレナリンというホルモンが分泌され、このアドレナリンが脂肪細胞に働きかけをして脂肪の分解や燃焼といった作用が促されます。
よくある「辛いものを食べて発汗することで脂肪が燃える。」といったイメージは間違いで、実際はこのように自律神経の働きに作用することによって、七味唐辛子の脂肪燃焼効果につながっているのです。
七味唐辛子によるダイエット効果については、このあと更に詳しくご紹介していきます。
七味唐辛子の効能でダイエットにチャレンジ!
七味唐辛子の効能の一つである脂肪燃焼作用を利用して、「七味唐辛子ダイエット」を実践している方たちも多いようです。
そこでどのような方法で七味唐辛子ダイエットを行えば良いのか、効果的な方法の一部をご紹介いたします。
朝食に七味唐辛子をかける
七味唐辛子の効能を使ってのダイエット方法ですが、1日1回朝、2㎎程度の七味唐辛子を食べればオッケーです。2mgがどれくらいかと言うと目安として耳かき1杯分程なので無理のない量ですね。
朝のうちに七味唐辛子を摂取することで、交感神経が刺激されて1日の活動を始める頃に体温が上がり、脂肪を燃焼させる効果を高めることができます。
また、七味を食べたあとすぐに首や脇、肩甲骨まわりのストレッチを行うと、褐色脂肪細胞が刺激されてダイエット効果が上がり、体をほぐすこともできるためおすすめです。
逆に七味唐辛子を寝る前に食べてしまうと、同様に交感神経が刺激されて覚醒し眠れなくなってしまう可能性があるためおすすめしません。夜に食べる場合は遅くても寝る3時間前までには食べ終えておきましょう。
『七味にんにく』のように、少し風味の変わった七味も加えれば、毎日の七味チャレンジにも飽きが来ないかもしれません。ご興味のある方は、以下の『七味にんにく』の解説記事もご覧ください。
有酸素運動+七味唐辛子で効果倍増
七味唐辛子の効能である脂肪の分解、燃焼作用は実は有酸素運動と相性バッチリ。七味唐辛子を食べたあと、カプサイシンによって分解された脂肪細胞を有酸素運動で消費することで脂肪の燃焼を更に促せるからです。
有酸素運動はウォーキングだけでも充分効果があります。たとえば朝食に七味唐辛子をふりかけて食べたあと、いつもより一駅分多く歩いて通勤、通学をしてみるとか、お子さんやペットと一緒に散歩に出るなどはいかがですか?
また、余力のある方は有酸素運動の前に軽く筋トレを行うことで成長ホルモンが分泌されて更に脂肪を分解、燃焼しやすくなります。
その場合、大きな面積を持つ筋肉を鍛えた方がダイエットの効率が良いので、太ももやお尻、肩などを中心とした筋トレがおすすめです。スクワットなどが手軽かもしれませんね。
ただし、普段あまり運動をしていない方がいきなりハードに行うのは負担も大きいですし続けられない原因にもなります。
ですので、最初は軽め・短めからスタートして、慣れてきたら徐々にスクワットの回数を増やしたり、歩く距離を長くしたり、軽く走ってみるなど負荷を変えていくことをおすすめします。
七味唐辛子でヘルシー食
七味唐辛子の効能を使ったダイエットで、やはりはずせないのはヘルシーな食事です。
というのも七味唐辛子が合う料理にはヘルシーなものが多く、また七味唐辛子をかけることによって味にパンチが効いて満足感を得られるからです。
焼き鳥やお味噌汁、うどんなど色々ありますが、「こんにゃくのピリ辛炒め」もダイエット食としておすすめです。
■材料(3~4人分)
こんにゃく:1枚
しょうゆ:大さじ1
みりん:大さじ1
ごま油:大さじ2
七味唐辛子:適量
■作り方
1.こんにゃくを一口大に切る。
2.フライパンにこんにゃくを入れて中火で熱し、こんにゃくの水分を飛ばす。
3.水分がなくなったらごま油を入れて炒め、全体に油がなじんだらしょうゆ、みりんも加えて更に炒める。
4.汁気がなくなったら火を止めて七味唐辛子を全体にからめて完成!
こんにゃくは食物繊維がたっぷり含まれていて低カロリー食材なのでダイエットや美容にピッタリ。このピリ辛炒めであれば食べ応えもあるので、おかずの一品にぜひ加えてみてくださいね。
七味唐辛子の効能は良いことだけ?食べ過ぎても問題ない?
テレビなどで大量の唐辛子が入った料理を食べていたり、「マイ七味」を持ち歩いている辛党の方もいらっしゃいますよね。
健康やダイエットに良いとされる七味唐辛子ですが、果たして大量に食べても問題はないのか少し気になってしまいます。
一日の最大摂取量はどれくらい?
七味唐辛子の効能は健康に良いものが多いですが、なんでも食べ過ぎることは体に良くありません。
ご紹介したダイエット目的に使う場合も、過剰摂取は禁物です。とはいえ一体どれくらい食べたら「食べ過ぎ」になるのでしょうか?
食品安全委員会によると、成人の場合の唐辛子(カプサイシン)の摂取量は、「5mg/kg/日」が最大とのことです。※「mg/kg bw」とは、体重1kgあたりの摂取量を表す単位。
例えば50kgの人であれば250mg、60kgの人であれば300mgです。とはいえカプサイシンの含有量は唐辛子の種類や形状によって変わってくるため、七味唐辛子であればせいぜい2g程度が限度とみて良いでしょう。
インドや韓国の方などは大量の唐辛子を食べているイメージがありますが、それは彼らの食生活により小さな頃からカプサイシンに体が慣れているからです。
そうではない日本人がいきなり同様に大量の唐辛子を摂取することは危険です。
胃腸への負担が大きい
七味唐辛子を食べ過ぎることによりその効能よりもリスクが高まってしまう理由として、カプサイシンによる胃腸などの内臓や消化器官への負担があげられます。
辛い物を食べた時、お腹が痛くなったり、排尿や排便でヒリヒリ痛みがあったり唇や舌が赤く腫れたり…といった経験をされたことがある方も多いかと思います。
カプサイシンは少量であれば内臓が適度に刺激されて食欲増進など内臓機能を活発にさせる効能がありますが、大量に食べてしまうと刺激が強すぎて胃腸や喉、肛門などの粘膜が傷ついてしまったり、荒れてしまうのです。
元気な時ももちろんですが、体調が悪い時は特に七味をかけすぎないように注意してください。
食べ過ぎると味覚障害になる危険あり
七味唐辛子を食べ過ぎることによりその効能よりもリスクが高まってしまうもう一つの理由は、味覚障害を引き起こしてしまう危険です。
七味唐辛子などの辛味というのは、実は味覚ではなく痛覚として伝わります。辛い物を食べると「痛い!」という表現がよくされるのはそのためです。
そして意外なことにその辛味による痛みは、別名幸せホルモンとも呼ばれるエンドルフィンという物質を脳内から分泌させます。エンドルフィンは主に脳を覚醒させたり、痛みを軽減させたりといった効果があります。
辛い物を食べると気分がスカッとする!と感じるのは、まさにこのエンドルフィンによる効果です。しかし、これは言ってみれば脳内麻薬と同じ作用で、この爽快感を得るために脳はもっと辛味を欲するようになっていきます。
そこでどんどん七味などの唐辛子を過剰に摂取するようになると、カプサイシンの刺激によって舌表面の細胞が破壊され味覚障害を引き起こしてしまい、様々な食べ物の味を感じにくくなってしまいます。
どうしてもたくさん食べたいという方は、七味を食べる前に牛乳を飲んでみてください。牛乳に含まれるカゼインというタンパク質がカプサイシンと結合して働きを弱めたり、胃に膜を張って荒れるのを防いでくれます。
まとめ:七味唐辛子の効能は健康やダイエットに有効ですが過剰摂取は要注意!
いかがでしたでしょうか?
七味唐辛子には健康に良い様々な効能があり、ダイエットの際にもおすすめの調味料です。
病気の予防から体質改善まで、幅広く効果が期待できる上に美味しい万能調味料ですが、一方で過剰摂取による健康への弊害といった危険もあります。
せっかくの七味唐辛子の効能ですから、その恩恵をしっかり得るためにも「適量」を心掛け、食べ過ぎにはくれぐれも注意しましょう。