米麹が賞味期限切れ!いつまで使える?使い切りアイデアもご紹介!
米麹が賞味期限切れになったけど、これっていつまで使えるんだろう?
米麹を買っても、使い切れないまま賞味期限切れになる…。使い切る方法はないかなあ?

米麹(米こうじ・米糀)は自家製の甘酒や塩麹などの材料としておなじみですよね。

しかし、買ったけれども使い切れずに賞味期限切れになってしまった!ということも少なくはないのではないでしょうか?

米麹は保存食というイメージがありますが、いったいどのくらい日持ちするのでしょうか?また、賞味期限切れになった米麹はもう食べられないのでしょうか?

この記事では、米麹の賞味期限や保存方法を解説するとともに、賞味期限切れになる前に米麹を使い切るアイデアも併せてご紹介します。

賞味期限切れに注意!米麹の賞味期限と保存方法を解説!

賞味期限切れに注意!米麹の賞味期限と保存方法を解説!

米麹はどのくらい日持ちするのでしょうか?また、どのように保存するとよいのでしょうか?最初に、米麹の賞味期限と保存方法について解説します。

米麹ってどういう食材なの?

米麹とは、蒸した米に麹菌(コウジカビ)を植え付けて繁殖させたもののことです。麹菌は発酵食品を作るために欠かせない微生物で、日本の「国菌」にも認定されています。

米麹は、主に米を原料とした発酵食品を製造するために使われます。

代表的なものには、日本酒、みりん、米味噌、米焼酎などがあります。家庭では、自家製の甘酒や塩麹を作るときなどによく使われますよね。

麹菌には、たんぱく質をアミノ酸に分解したりでんぷんを糖質に分解したりする酵素をたくさん作り出す性質があります。

そのため、米に麹菌を繁殖させた米麹で他の食材を発酵させると、その食材のでんぷんやたんぱく質を分解して、うま味や甘味を作り出すのです。

未開封の市販米麹の賞味期限はどのくらい?

市販されている米麹には、生米麹と乾燥米麹の2種類があります

蒸した米に麹菌を繁殖させてでき上がった米麹を生米麹と呼ぶのに対し、乾燥米麹は生米麹を乾燥させて水分量を減らしたもののことをいいます。

未開封の市販米麹の賞味期限や保存方法は、生米麹か乾燥米麹かによって異なります。それぞれの賞味期限について調べてみました。

生米麹の賞味期限と保存方法

生米麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたもののことで、一般的に「米麹」というと生米麹のことを指します。

蒸米に麹菌を種付けして1日程度寝かせたものをそのまま袋詰めしているので、麹菌が生きています。市販の生米麹の賞味期限は以下の通りです。

商品名冷蔵冷凍
やまさ味噌こうじ店 生麹20日3ヶ月
マルマン醸造 国産米生こうじ6ヶ月
目黒麹店 甘米こうじ20日3ヶ月
播州こうじや 手作り生麹約5日約120日
百川味噌 米麴2ヶ月
鈴木こうじ店 生こうじ7日6ヶ月

生米麹は水分が多く保存性があまりよくないため、冷蔵保存か冷凍保存をする必要があります。常温保存はできないので注意しましょう。

賞味期限は商品によってバラつきがありますが、冷蔵保存で1~3週間、冷凍保存では2~6ヶ月程度となっています。

乾燥米麹の賞味期限と保存方法

乾燥米麹とは、生の米麹を乾燥させたもののことです。生の米麹の水分は約30%程度ですが、乾燥米麹は水分が10%以下になるまで乾燥させています。

水分が少ない分、長期間の保存が可能なので、スーパーで売られている米麹は乾燥米麹がほとんどです。市販の乾燥米麹の賞味期限を見てみましょう。

商品名冷暗所
マルコメ プラス糀 米こうじ10ヶ月
ますやみそ 乾燥米こうじ10ヶ月
ほくべい 白雪印 こうじ6ヶ月
秋田県総合食品研究センター
きぼうのあめこうじ
12ヶ月
マルクラ 乾燥米こうじ6ヶ月

未開封の乾燥米麹の賞味期限は6~12ヶ月程度。保存は冷蔵庫や冷凍庫ではなく、直射日光を避けた涼しいところ、つまり、冷暗所での保存が可能です。

開封後の米麹の日持ちは?保存は冷蔵庫?冷凍できる?

では、市販されている米麹は、開封した後はどのくらいで使い切ればよいのでしょうか?市販米麹の開封後の日持ちや保存方法について解説します。

生米麹の開封後の賞味期限は?

生米麹を製造している「マルカワ味噌」のHPには、開封した生麹はできるだけ密閉状態にして冷凍庫で保存するように書かれています。

また、「目黒麹店」でも、余った生麹は冷凍保存を推奨しています。

短期間であれば、冷蔵室での保存も可能のようですが、家庭用冷蔵庫の冷蔵室は開け閉めすることが多く温度が上がりやすいので、冷凍庫で保存する方が安心ですね。

冷凍保存の場合は、未開封の賞味期限と同程度の保存は可能ですが、品質を劣化させないためにも、できるだけ早めに使い切った方が良さそうです。

生米麹を冷凍保存する時の注意点や解凍方法は?

開封後は、しっかりと密閉してから冷凍庫に入れてください。

フリーザーバックを利用すると便利ですね。生米麹は乾燥させていませんが、米の粒がバラバラしているので冷凍してもカチカチに固まりにくい特徴があります。

もし、生の状態で塊になっている場合は、ほぐしてから冷凍するとよいでしょう。

冷凍した生米麹を使用する際は、使う分だけ取り出して、残りは速やかに冷凍庫に入れるようにしましょう。冷凍した生米麹は、そのまま使用するのではなく解凍してから使用します。

解凍時の急激な温度変化は避けた方がよいため、冷蔵庫で1~2時間かけてゆっくりと解凍するとよいでしょう。電子レンジで解凍すると麹や酵素が失活するので、絶対にやめましょう。

ジップロック フリーザーバッグ M 大容量 216枚
Ziploc

生米麹の開封後の賞味期限は?

未開封の乾燥米麹は冷蔵保存しなくても、直射日光を避けてできるだけ涼しいところで保存できますが、開封した後はどうでしょうか?

乾燥米麹の製造販売を行っているマルコメ味噌やマルクラ食品によると、乾燥米麹を開封した後は冷暗所ではなく冷蔵庫での保存を推奨しています。

乾燥米麹は水分を吸収しやすいため、フリーザーバックなどでしっかりと密閉してから冷蔵庫で保存するとよいようです。

開封後の乾燥米麹は湿気が入らないように密閉して冷蔵保存すると、未開封のものと同様に長期間の保存が可能です。

賞味期限切れの米麹は使える?どのくらいまでなら使っていい?

賞味期限切れの米麹は使える?どのくらいまでなら使っていい?

米麹の賞味期限は生タイプか乾燥タイプか、もしくは保存方法によって異なりますが、正しく保存をしていれば数ヶ月は保存が可能です。

しかし、日常的に頻繁に使う食材ではないため、うっかり賞味期限切れになってしまった!ということも起こりがちですよね。

賞味期限切れの米麹は問題なく使えるのでしょうか?また、賞味期限切れの米麹で作った料理を食べても大丈夫なのでしょうか?

米麹って賞味期限を過ぎたら腐るの?

腐敗とは、食べ物に微生物が繁殖して食べられなくなった状態、つまり、人間の身体に有害な状態になることです。米麹は、蒸米に麹菌を繁殖させたものですが、腐って食べられなくなるのでしょうか?

麹菌は、別名「コウジカビ」と言います。つまり、カビの一種なのですね。

米麹を見たことがある人ならわかると思いますが、米麹の表面には白いフワフワとした細かい毛のようなものがびっしりと付いています。これが麹菌(コウジカビ)です。

カビには、私たち人間の役に立つ良いカビと、有害になる悪いカビがあります。麹菌は、発酵食品を作り出す良いカビです。もちろん、人間にとって有害になることはありません

つまり、外部から腐敗の原因になる雑菌などの微生物が入り込まない限り、米麹が腐ることはないと言えます。

賞味期限切れの米麹はどうなる?

米麹は、正しく保存をして、外部から腐敗の原因となる微生物が混入しない限り、腐ることはありません

ですから、賞味期限切れの米麹を使った食品や料理を食べても、基本的に体調を崩すことはないでしょう。

しかし、米麹を長期間保存すると、米麹自体の品質が悪くなるので注意が必要です。

米麹は、麹菌の作り出す酵素によって食品を発酵させ、うま味成分や甘味を作り出して食品をおいしくしたり、ビタミンやミネラルなどの栄養成分を高めたりします。

しかし、米麹を温度の高い場所で保存したり、長期間保存したりすると酵素の活性が徐々に失われるため、食品を発酵させる力が弱まり、また、風味も悪くなってしまいます

賞味期限切れの米麹はいつまで使える?1年過ぎても大丈夫?

賞味期限とは、表示された保存方法を守った上で、その食品の品質が劣化することなくおいしく食べられる期限のことです。

米麹の場合は風味の劣化だけでなく、酵素が失活することなく食品を発酵させる力が弱まっていない状態が保たれている期限といえます。

米麹の場合、賞味期限が過ぎたからといって使えなくなるわけではありません。

しかし、保存状態が悪ければ悪いほど、そして、賞味期限を過ぎて長く保存すればするほど食品を発酵させる力が弱くなります。

その結果、発酵に時間がかかるだけでなく、発酵によって生まれるおいしさや栄養成分も大きく減少してしまいます。そのため、賞味期限切れの米麹は、できるだけ早く使い切った方がよいでしょう。

茶色になった米麹は使える?使わない方がよいサインとは?

米麹は正しく保存をしていれば基本的に腐ることはないので、賞味期限が切れたとしても風味が落ちたり発酵させる力が弱まったりすることはあっても、食べてはいけないわけではありません。

しかし、保存状態が悪いと外部から雑菌などの微生物が侵入し、米麹が傷んで食べられなくなってしまうことがあります。

米麹が傷んでいるサイン

・異臭(酸っぱい臭いやアルコール臭)がする

・表面が、黒、赤、緑、青などに変色している

保存している米麹に異臭や表面の変色がある場合は、腐敗している可能性が非常に高いといえます。すぐに処分しましょう。

変色している原因がカビの場合は、その部分だけ取り除いてもカビ毒が残っていることがあるので注意してください。

また、全体が薄く茶色がかかっている場合は腐敗ではなく、糖とアミノ酸が反応して起こるメイラード反応による褐変です。異臭が特になければ、使用しても問題ありません。

米麹が傷まないようにするための注意点

米麹は、冷凍庫で適切に保存していれば、開封後でもそれなりに日持ちがする食品です。

しかし、取り扱い方を間違えば、腐敗しやすい状況になるので注意が必要です。米麹が傷まないようにするために、取り扱う際は以下の点に気を付けましょう。

注意点

・保存中に雑菌や湿気が入らないように、容器をしっかりと密閉する

・米麹を取り出す場合は、雑菌や水分が混入しないように、清潔で乾いた器具を使用する

・冷凍保存した米麹は使用する分だけ取り出す。一度解凍した米麹は再冷凍しないで使い切る

特に、生米麹は水分量が多く、雑菌が入ると腐敗しやすいため取り扱いには注意が必要です。

乾燥米麹は水分量が少なく、冷蔵で長期間の保存が可能なので、保存性が気になるのであれば乾燥米麹を選ぶようにするとよいでしょう。

賞味期限切れになる前に使い切ろう!米麹の使い切り方法5選

賞味期限切れになる前に使い切ろう!米麹の使い切り方法5選

米麹は適切に保存していれば、賞味期限切れになっても食べられなくなるわけではありません。

しかし、発酵させる力が弱くなったり風味が落ちておいしくなくなったりするため、できるだけ賞味期限までに使い切りたいものです。

しかし、米麹を買ったものの、使い方がよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、米麹を使い切るための方法をいくつかご紹介しましょう。

米麹の使い切りアイデアその1:王道の万能調味料「塩麹」

米麹を使った発酵調味料の一番人気は、やはり塩麹ではないでしょうか。

塩麹の最大のメリットは、肉や魚を柔らかくしたり、料理のうま味をアップさせたりすること。さまざまな料理に使える万能調味料として定評があります。

塩麹の材料は、米麹と塩と水だけ。本来なら、1~2週間かけて発酵させて作りますが、炊飯器を使って数時間程度で作れる時短レシピは、短時間で手間なく作れると好評です。

塩麹はさまざまな料理に使える上に、冷蔵庫で数ヶ月の日持ちがするため、賞味期限切れに近い米麹があれば作っておくと便利ですね。

米麹の使い切りアイデアその2:醤油よりコクが深い「しょうゆ麹」

塩麹と同様に近年人気が高まってきている調味料が「しょうゆ麹」です。塩麹が米麹と塩と水から作りますが、しょうゆ麹は米麹と醤油のみ。

もともと、醤油にはうま味成分のアミノ酸がたくさん含まれているので、塩麹よりうま味やコクが強いというメリットがあります。

作り方も簡単で、米麹を同量の醤油と混ぜ合わせて1日1回かき混ぜるだけ。1週間~10日ほどでおいしいしょうゆ麹ができ上がります。

でき上がったしょうゆ麹は、醤油の代わりに利用したり、塩麹のように料理に使ったりとさまざまな活用方法があります。しょうゆ麹も冷蔵庫で数ヶ月の保存が可能です。

米麹の使い切りアイデアその3:飲む以外にも使える「米麹甘酒」

塩麹と同様に、米麹を使った自家製甘酒も米麹の使い切り方法としておすすめです。

米麹で作った甘酒は、砂糖を使わずに麹による発酵で生まれた自然な甘みが最大の特徴です。炊飯器やヨーグルトメーカーを使って簡単に作れるので、米麹を消費したい際に作ってみるとよいですね。

砂糖を加えて作る酒粕の甘酒よりも低カロリーであるだけでなく、栄養価が高く腸活や美容にも効果が期待できるとあって、女性を中心に高い人気があります。

また、酒粕独特のクセもなくノンアルコールであることもうれしいポイントですよね。米麹から作る甘酒は飲むだけでなく、さまざまな料理やスイーツにも活用できます。

米麹の使い切りアイデアその4:洋食にも使える「たまねぎ麹」

塩麹やしょうゆ麹は和の風味が特徴ですが、米麹と玉ねぎで作る「たまねぎ麹」は洋食にも幅広く活用できる万能調味料です。

うま味やコクが強く風味も良いので、コンソメの代わりに使えると評判で、肉や魚を漬け込んだり、調味料として利用したりと、和・洋・中華を問わず、さまざまな料理に活用できます。

材料は、米麹、玉ねぎ、塩の3つだけです。乾燥米麹を使う場合はこれに水が加わります。

作り方も簡単で、みじん切りにした玉ねぎを米麹と塩と混ぜて1週間程度放置しておくだけ。新玉ねぎを使うと、さらに甘みや風味が高まります。

完成したたまねぎ麹は冷蔵庫で1ヶ月ほど日持ちがするので、玉ねぎがある時に作っておくとよいですね。

米麹の使い切りアイデアその5:東北の郷土料理「三五八漬け」

漬物には、塩漬け、ぬか漬などがありますが、米麹を使った麹漬けも有名ですよね。東北の郷土料理「三五八漬け」もそのひとつです。

三五八漬けは、麹が生み出す優しい甘さとコクの深さが特徴で、塩と米麹と蒸米を3:5:8の割合で混ぜて漬け床を作ることからその名が付いています。

三五八漬けの漬け床は、炊き立てのごはんと炊飯器があれば簡単に作れます。

炊き立てのごはんに塩と米麹をまぜて、炊飯器の保温機能で数時間熟成させてから、冷蔵庫でさらに数日熟成させるだけです。漬け床は野菜だけでなく、肉や魚も漬け込めます。

上級者は塩やごはんと継ぎ足して何ヶ月も使うようですが、初心者には少し難易度が高いですよね。

漬け床は冷蔵庫で数ヶ月日持ちするので大量に作っておき、その都度必要な分だけストックバックなどに入れ換えて漬け込む方法がおすすめです。

まとめ:賞味期限切れの米麹はパワーが落ちる!早めに使い切ろう!

米麹は、米に麹菌という良いカビを繁殖させたものなので、適切に保存している限り傷んでしまうことはあまりありません。

しかし、保存期間が長ければ長いほど、他の食品を発酵させる力が弱まり、風味や栄養素も落ちてしまいます。

賞味期限は、生米麹なら冷凍庫にて、乾燥米麹は冷暗所にて、それぞれ数ヶ月の日持ちが可能なので、できるだけ賞味期限内に使い切る方がよいでしょう。

米麹を使って作る、塩麹などの万能調味料や甘酒などは家でも簡単に作れます。米麹が賞味期限切れになる前に、ぜひ試してみてくださいね。

おすすめの記事