豆乳を飲もうと思ったときに、通常とは違う状態になっていてあれ?と思ったことはありませんか?ドロドロしていたり分離したりしている豆乳は、果たして腐っているのでしょうか?
この記事ではそのような疑問にお応えして、豆乳がドロドロする原因や腐っているかどうかの見極め方について解説します。
目次
豆乳がドロドロするってどういう状態をいうの?
豆乳がドロドロするとひと口に言っても、どのような状態を指すのかがよくわからないという人もいるのではないでしょうか。最初に、通常とは違う豆乳とはどのような状態であるのかについて簡単に説明します。
通常の豆乳=粘度低め
豆乳とは、大豆を水に浸してすり潰し、加熱してからしぼって繊維質を取り除いたしぼり汁のことで、ややクリーム色がかった乳白色の液体です。
豆乳の濃さによって粘度は多少変わりますが、基本的には粘度は低めで、分離したり固まったりせずに均一の乳液状になっています。
何らかの原因により、通常の豆乳とは違う状態になった場合は、次のような変化が起こります。
・ヨーグルト状になる
・豆腐のように固まる
・分離する
均一の乳液状ではなく、固体の部分と液体の部分が混ざったような状態になると言えば、イメージしやすいのではないでしょうか。
豆乳がドロドロになる原因
豆乳が通常の状態ではなく、固体と液体が混ざったようなドロドロの状態になる原因として、次のようなことが考えられます。
・雑菌が混入する
・酸が混ざる
・温度の変化によって分離する
・脂肪分や固形分が分離する
これらの状態の変化は、腐敗によるものと、たんぱく質などの豆乳の成分が変化するものとに分けられます。つまり、飲むと身体に害がある状態の変化と、飲んでも害のない変化があるということになりますね。
それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
これは危険!飲んではいけない豆乳のドロドロ
まずは、飲むと体に害を及ぼす可能性が高く、注意すべきドロドロの状態の豆乳について解説します。
冷蔵庫に入れていても開封後のドロドロには要注意!
四角いパッケージの豆乳の場合、常温(冷暗所)で4~6ヶ月程度保存できます。これは、アルミ箔を貼って光や空気を通しにくい容器に、殺菌された豆乳が無菌状態で充填されているためです。
未開封の豆乳には雑菌が入ることがないので、常温で長期間保存しても腐ることはまずありません。
しかし、一度開封してしまうと、外部の雑菌が入りやすくなるだけでなく温度の変化を受けやすくなり、雑菌が非常に繁殖しやすくなります。
常温に放置した場合だけでなく、冷蔵庫に入れていても数日で雑菌が繁殖します。
開封後に豆乳がドロドロになっている場合は、雑菌が繁殖して豆乳が腐敗している証拠です。食あたりを起こす可能性が高いので、絶対に飲まないようにしましょう。
ドロドロの豆乳でも加熱したら大丈夫なのでは?
開封した豆乳がドロドロになっている場合、匂いや味も変化していることが大半ですが、まれに、匂いや味がほとんど変化していないこともあります。
匂いや味に特に変化を感じなくても、開封後の豆乳がドロドロになっていたら腐敗している可能性が高いので注意しましょう。
多少粘度があっても匂いや味に変化が見られない場合、加熱したら大丈夫なのでは?と思うかもしれません。
確かに、高温で死滅する雑菌も多いのですが、なかには熱に耐性を持つ雑菌もあるので、加熱しても雑菌による汚染はなくなりません。
ですから、味や匂いに特に問題がなさそうでも、開封後にドロドロになった豆乳は残念ですが処分してしまいましょう。
雑菌ができるだけ繁殖しないようにするには?
豆乳が腐るのをできるだけ防ぐには、雑菌が混入しないようにすることと、雑菌が繁殖しやすい環境を作らないことが大切です。
雑菌が入らないように、豆乳の注ぎ口を開けている時間をできるだけ短くしましょう。
また、注ぎ口に直接口を付けることは避け、飲みきりサイズの豆乳の場合もストローに口を付けたら残さずに飲み切ってしまいましょう。
また、豆乳を室温に30分出しておくと、再び冷えるまで3時間以上かかるそうです。温度が上がると雑菌は繁殖しやすくなるので、一度開封した豆乳は、冷蔵庫から出している時間をできるだけ短くすることが大切です。
開封前に常温で保存していた場合は、冷蔵庫で冷やしてから開封するとよいでしょう。
常温でも未開封ならOK!豆乳がドロドロしていても問題ないケース
未開封で常温保存が可能な四角いパッケージの豆乳は、加熱殺菌した豆乳を無菌状態で充填しています。そのため、未開封ならば腐ってしまうことはまずありません。
しかし、未開封の豆乳でも、分離していたりドロドロとしていたりすることがあります。
上部に白い浮遊物がある!
開封したばかりの豆乳をコップに注いだ際に、上部にドロドロとした白いものが浮いていることがあります。
この白い浮遊物は、豆乳の脂肪分が分離してクリーム状になったもので、腐って分離しているわけではありません。
常温保存が可能な四角いパッケージの豆乳は、4~6ヶ月と長期間の保存が可能です。そのため、長い時間が経つと豆乳に含まれる脂肪分が徐々に分離することがあります。
特に、無調整豆乳は添加物の「乳化剤」が入っていないので、「乳化剤」が入っている調整豆乳よりも分離しやすい傾向にあります。ですから、保存期間が長めの豆乳は、開封前によく振るようにするとよいでしょう。
下の方にドロドロとした塊がある!
開封したばかりの200mlの飲みきりサイズの豆乳にストローを刺して飲んだ場合に、下の方にドロドロとした塊に気付くことがあります。このドロドロとした塊は、大豆の固形分が沈殿したものです。
豆乳は、水に浸けて吸水させた大豆をすり潰してから、液体部分だけを搾ったものです。搾る段階で繊維質は取り除かれますが、豆乳には細かくすり潰された大豆の固形分がたくさん含まれています。
そのため、豆乳を長期間保管しておくと、時間の経過とともに大豆の固形分が沈殿してくることがあるのです。
特に、無調整豆乳は、沈殿を防ぐ目的の安定剤(増粘剤、糊料)が添加されていないので、沈殿しやすい傾向があります。
大きなサイズの豆乳も沈殿している可能性があるので、開封前によく振ってから飲むようにするとよいですね。
冷凍によって分離することも!
未開封の豆乳を冷蔵庫の奥の方に入れて冷やしていたら、賞味期限前なのに開封したら分離していた!ということがあります。
このような場合は、冷蔵庫の送風口近くなどで豆乳に冷気が直接当たり、部分的に凍ってしまったことが考えられます。
豆乳は冷凍しても問題ありませんが、一度冷凍された豆乳を溶かすと分離してしまいます。分離した豆乳を飲んでもお腹を壊すことはありませんが、味も劣化してしまうのであまりおいしくありません。
未開封の豆乳を冷蔵庫で冷やす場合は、冷気が直接当たらないような場所で冷やすようにするとよいですね。
使用方法によって豆乳がドロドロになることもある!
豆乳はそのまま飲むだけではなく、料理やお菓子に使ったり、何か他の飲み物に入れて飲んだりすることも多い食材ですが、使用方法によって、ドロドロになることもあります。
加熱するとドロドロになりやすい
豆乳を温めて飲んだり、料理に使う際に加熱したりすることも多いですよね。
しかし、豆乳を加熱しすぎると、たんぱく質が固まってドロドロになったり、分離してモロモロになったりしやすいので注意が必要です。豆乳をレンジなどで温めると表面に膜が張ることもあります。
これは、豆乳に含まれている大豆たんぱく質が熱によって固まってしまうためです。一気に過熱したり、沸騰させたりすると固まりやすくなります。
豆乳を温めすぎてドロドロになっても味や栄養成分が変化することはありません。しかし、見た目や口当たりは悪くなるので、豆乳は加熱しすぎないように注意しましょう。
酸を加えるとドロドロになる
たんぱく質は酸を加えると固まる性質もあります。豆乳も同じように、お酢やレモン果汁などを入れると大豆たんぱく質が固まってドロドロになります。
また、豆乳に果汁100%のジュースを混ぜても、たんぱく質が固まってドロドロになります。
特に、オレンジジュース、パイナップルジュース、トマトジュースなど酸味が強めのジュースを入れるとドロドロになりやすいですね。
この性質を逆手に取って利用すると、フルーツヨーグルト風の飲み物を簡単に作れます。
また、コーヒーに少量の豆乳を入れるとドロドロになることがあります。これは、コーヒーに含まれる酸によって豆乳のたんぱく質が固まるためです。
豆乳でカフェオレを作る場合は、豆乳をやや多めにするとドロドロになりにくくなります。
まとめ:開封後の豆乳がドロドロになっていたら飲まないように!
豆乳がヨーグルトのようにドロドロになったり、豆腐のように固まったりするのには、いろいろな原因がありますが、特に開封後にドロドロになっている場合には注意が必要です。
開封後の豆乳がドロドロになっているのは雑菌が繁殖して腐っているため。味や匂いに変化がなくても、ドロドロになった豆乳を飲むと食あたりを起こす可能性が高いので絶対に飲まないようにしましょう。
悪い条件が重なると、冷蔵庫に入れていても開封してから2~3日でドロドロに固まることもあります。また、常温に数時間放置しているとドロドロになることもあるので注意してくださいね。