そんな疑問に答えます。
味噌汁は比較的塩分が多く含まれている食品です。しかも、和食メニューの定番メニューのひとつとして、食卓に並ぶことが多い一品です。
濃い味つけに仕上げてしまうと、味噌汁一品だけで、塩分摂りすぎになってしまう可能性も…。定番メニューだからこそ、健康のことを考えて、塩分を抑えて、なおかつおいしく仕上げたいですよね。
ここでは、味噌汁に含まれる塩分量について、そして、塩分控えめのおいしい味噌汁を作るためのポイントについて、わかりやすくご説明していきますので、参考にしてみてくださいね!
目次
味噌汁に含まれる塩分はどのくらい?
味噌汁には塩分が多く含まれているイメージがあります。本当のところはどうなのでしょうか?
ここでは、味噌汁に含まれる塩分量、そして減塩を心がける場合に、味噌汁を1日に何杯まで飲んでいいかについて、詳しくご説明していきます。
減塩を気にする方は、もちろん、味噌汁以外の食品に含まれる塩分量も気になりますよね。そのことについてもわかりやすく説明していきますので、参考にしてみてください。
日本人は塩分を摂りすぎているって本当?
日本人は欧米などの諸外国の人と比べ、塩分を摂りすぎていると言われています。日本人の食塩平均摂取目標量は、男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満です。
しかし、厚労省が発表している「国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩平均摂取量(男性)は11.0g/日、日本人の食塩平均摂取量(女性)は9.3g/日。明らかに塩分過多の傾向があります。
塩分摂りすぎの大きな原因は、日本人の食習慣にあります。和食は、洋食や中華料理と比べ、塩が多く使われています。
魚の干物、味噌汁、肉や魚の味噌漬け、筑前煮などの煮物がその代表的なものです。和食に欠かせない梅干しや漬物にも塩が多く使われています。
塩分を摂りすぎると、「高血圧」など体に悪影響を及ぼしてしまう場合がありますので、注意が必要ですね。
味噌汁は1日何杯まで飲んでいいの?
和食に欠かせない定番の汁物、味噌汁。栄養満点の食品として、人気が高いです。しかし、塩分が多く含まれているというイメージもあり、いったい1日何杯まで飲んでいいのか、気になるところですね。
味噌汁の塩分濃度は0.8%程度で、この濃さの味噌汁1杯には約1.2gの塩分が含まれています。日本人の食塩平均摂取目標量は、男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満。
1日に摂取していい塩分量は意外に少ないということがわかります。味噌汁以外の料理にも塩や塩分を多く含む醤油等を使うことを考えると、味噌汁は1日1杯程度に抑えた方がよさそうですね。
味噌汁と他の汁物の塩分量の比較
一般的に、汁物の塩分量は多めだと言われています。味噌汁以外の汁物には、どのくらいの塩分が含まれているのでしょうか?汁物1杯あたりの塩分量は、以下のとおりです。
・味噌汁:1.2g
・すまし汁:0.8g
・コンソメスープ:2.7g
・コーンスープ:2.6g
・かけそば:5.0g
・カップラーメン:6.0g
味噌汁と他の汁物料理の塩分量を比較すると、味噌汁の塩分量はあまり多くないことがわかります。
だしとしょうゆだけで作ったすまし汁は、味噌汁よりさらに塩分控えめ、減塩だけを考えるなら最もおすすめできる汁物です。
洋風のスープであるコンソメスープ・コーンスープの塩分量は比較的多いので、洋風のスープを飲む頻度は週2回程度にとどめる方がよさそうです。
また、かけそばやカップラーメンは、味噌汁1杯と比べると量が多いことから、塩分量が非常に多くなっています。減塩を心がけている方は、汁を飲まずに残すようにするといいでしょう。
味噌汁と他の食品の塩分量の比較
味噌汁以外にも、私たちの生活に欠かせない食品が数多くあります。ここでは、よく食卓に並ぶ定番食品の塩分量をご紹介していきます。以下をご覧ください。
・梅干し(1個):塩分量2.2g
・たくあん(2切):塩分量0.9g
・食パン(6枚切り1枚):塩分量0.8g
・ロースハム(1枚):塩分量0.4g
・塩サバ(1切):塩分量1.3g
・かまぼこ(2切):塩分量1.0g
やはり梅干しの塩分量の多さが目を惹きます。食べる頻度は週2回程度にとどめる方がよさそうです。
塩サバをはじめとした和風の魚料理の塩分量もかなり多めです。塩味のついていない魚を購入して、家庭で調味すればかなり減塩できますよ。
塩分控えめでもしっかりした味わいを感じられるメニューとして、酸味強めの「魚のトマト煮」、衣自体にスパイスを効かせた「魚のパン粉焼き」などをおすすめします。
※既製品の塩分量についてはこちらの記事も要チェック!
インスタント味噌汁に含まれる塩分
忙しくて味噌汁を作る暇もないときの強い味方、インスタント味噌汁。インスタント味噌汁に含まれる塩分量がどのくらいなのか、気になりますね。
インスタント味噌汁1杯に含まれる塩分量は、減塩でないインスタント味噌汁で2.0g程度、減塩タイプのインスタント味噌汁で1.2g程度と言われています。
インスタント味噌汁を購入するとき、減塩タイプの商品を選べば、あまり苦労することなく減塩することができますよ。
減塩タイプのインスタント味噌汁は、病気で食欲がないけれど味噌汁なら飲めるというときに便利に使えますし、災害時用の備蓄にも重宝します。
セット売りの商品だと、味も豊富で飽きにくくコスパもいいのでおすすめですよ。
塩分控えめの味噌汁を作るためのポイント
和食の定番メニューのひとつとして、日々の食卓に欠かせない一品、味噌汁。健康を考えて塩分控えめに仕上げたいけれど、おいしく作れるのか…少し心配になりますね。
ここでは、塩分を抑えつつ味も抜群の味噌汁を作るためのポイントをご紹介していきます!
味噌の量とだし汁の量を減らす
塩分控えめの味噌汁を作るためには、使用する味噌の量とだし汁の量を減らさなければなりません。
味噌汁1杯に使う味噌の量は、だし汁180ml~200mlに対し、小さじ2杯から大さじ1杯半程度としているレシピが多いです。
減塩するときは、味噌汁1杯をだし汁120ml、味噌大さじ2分の1で作るとよいので、覚えておいてください。
ポイントは「だし汁の量も減らす」こと。だし汁の量を減らすと、味噌の量が少なめでも、しっかりした味つけの味噌汁になり、物足りなさを感じることがありません。
だしの種類に注意する
味噌汁のだしにはさまざまな種類があり、塩分を含むものと含まないものがあります。時間がないときに便利な市販のだしの素は塩分量が多めなので、注意が必要です。
顆粒の和風のだしの素(味噌汁1杯分)の場合、塩分量0.6g(塩分濃度0.2%)。減塩を心がける際には使わないようにしたいですね。
天然だし(かつおだし、昆布だし、煮干しだしなど)は塩分を含まないので、安心して使うことができます。
中でも、一番おすすめしたいのが「かつおと昆布の合わせだし」です。
「かつおだし」に含まれるうま味成分「イノシン酸」と「昆布だし」に含まれるうま味成分「グルタミン酸」を合わせると、うま味をより強く感じることができるのです。
だしのうま味をしっかり感じられると、味噌の量が少なくても、味噌汁をおいしく味わうことができ、減塩につながりますよ。
※詳しくはこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
カリウム豊富な野菜を使って具沢山に仕上げる
野菜・いも類などに多く含まれる栄養素「カリウム」には、体内のナトリウム(塩分)を排出する作用があります。塩分の摂りすぎを調節してくれる強い味方だと言えるでしょう。
「カリウム」は、さといも・じゃがいも・ほうれん草に多く含まれています。味噌汁の具材を選ぶときに、これらのカリウム豊富な野菜を選ぶことをおすすめします。
また、味噌汁を「具沢山」に仕上げることも重要なポイントです。味噌汁を「具沢山」に仕上げることにより、塩分を抑えつつ満腹感を得ることができますよ。
まとめ:塩分に気をつけながら栄養満点でおいしい味噌汁をいただこう!
栄養満点で、疲れた体と心を癒してくれる優しい味わいが魅力の味噌汁。
しかし、減塩を心がけている人にとっては、塩分多めのメニューというイメージもあり、どのくらいの頻度で食卓に並べていいのか、迷ってしまいますよね。
ここでは、塩分に気をつけながら味噌汁をおいしくいただくためのさまざまなポイントをご紹介してきました。この記事を参考にして、塩分を抑える工夫をこらした味噌汁を作ってみてはいかがでしょうか?