そんな疑問にお答えします。おうちごはんが増えて、毎日の食事作りが大変な今日このごろ。時間がないときや疲れたとき、冷凍食品は強い味方ですよね。
筆者も食事やお弁当に、冷凍食品をうまく取り入れています。この記事を読めば、冷凍食品の栄養価や食品添加物、栄養バランスなどについてわかります。
冷凍食品って、栄養は残っているの?
「急速凍結」で栄養そのまま
冷凍食品の栄養は、冷凍しない場合と同じなのか、疑問に思うことありますよね。大丈夫です。冷凍食品は、「急速凍結」の技術で、食品の栄養やおいしさを保つことができます。
冷凍食品工場では、低温でできるだけ短時間で凍結するようにしています。食品中の水分が凍り始めるー1℃から、ほぼ凍結するー5℃の間を最大氷結晶生成温度帯というのですが、その温度帯を急速に通過させて、その後一気に−20℃位まで温度を下げるのです。
この方法が「急速凍結」で、これにより食品の細胞がこわれにくくなり、本来の栄養やおいしさが保たれるのです。
冷凍食品は規格基準もしっかり決められている
冷凍食品は、「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)において、成分規格、加工基準、保存基準が決められています。
成分規格では、細菌数や大腸菌などについて定められています。健康被害がないよう、厳格に基準を設けているんですね。
規格基準の中でも、栄養を保持するために大切なのが、「−15℃以下で保存しなければならない」という保存基準です。急速凍結した食品を低温で保管するため、栄養が損なわれにくく、品質が保たれるのです。
なお、冷凍食品業界では「冷凍食品自主的取扱基準」という自主基準を設けており、規格基準よりさらに厳しい「−18℃以下で保存すること」としています。安全面でも栄養面でも安心できますね。
旬を冷凍して、−18℃以下で栄養長持ち!
野菜は、旬の時期が一番栄養豊富となります。冷凍野菜は旬の時期に収穫して急速凍結されます。
それを、冷凍食品業界の基準である−18℃以下で保存した場合、品目や条件にもよりますが、なんと1年ほどは栄養などの品質が保たれるそうなんです。
数種類の冷凍野菜を1年間−24℃で貯蔵してビタミンの変化を調べた研究(注1)によると、ビタミンCは、えんどうと春菊では減少したものの、かぼちゃ、キャベツ、にんじん、ほうれん草などでは、1年後でもビタミンCの損失が少ないという結果が出ています。
保存期間中のV.C含量の変化(mg/100g)【抜粋】
0カ月 1カ月 2カ月 3カ月 4カ月 5カ月 6カ月 9カ月 12カ月
えんどう(グリーンピース) 22 20 21 21 18 19 17 15 13
西洋かぼちゃ 31 34 30 31 31 32 31 29 27
キャベツ 44 50 50 41 49 52 44 46 40
しゅんぎく 26 22 18 24 24 23 24 14 15
にんじん 75 66 74 58 52 74 74 63 58
ほうれん草 55 50 52 40 48 49 52 50 52
※各測定値は3検体の平均値
表の月ごとの値の上下は、検体の個体差によるものと思われます。キャベツやほうれん草では、12カ月後でも90%以上ビタミンCが保持されていますね。
生の食材は時間がたつと風味が悪くなり栄養も減ってしまうので、栄養成分が充実している旬の野菜を冷凍保存するのは、理にかなっているといえます。
ただ、家庭の冷蔵庫は開閉が頻繁で温度変化が起きやすいので、冷凍食品は購入後3ヶ月を目安に使い切った方がよいでしょう。
冷凍食品の賞味期限については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ご興味のある方は本記事と併せてご覧ください。
栄養価が保たれる冷凍食品、添加物はどうなの?
冷凍食品って体に悪い?実は保存料なしで比較的安全
冷凍食品は体に悪いというイメージを持っている方もいるかもしれません。けれども、冷凍食品は保存料が使われておらず、その点では健康的で安全な食品といえます。
−18℃以下の低温で保存すると、腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料を使う必要がないのです。人工的な保存料なしで栄養や品質が長期間保持されるというのはうれしいですね。
食品添加物は冷凍食品に使われているの?
最近の健康志向で、添加物に敏感になっている方も多いと思います。冷凍食品に限らず、加工食品には必要に応じて食品添加物が使われています。
冷凍食品は、保存料は使用されていませんが、食品を加工しやすくしたり、色やにおいをつけたりする目的の食品添加物は使われているものがあります。
厚生労働省によると、食品添加物の安全性については食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や使用の基準を定めたうえで、使用を認めているとのことです。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めているそうです。
しかし、添加物の摂取を少なくできるなら、もちろんその方がいいですよね。次に冷凍食品の添加物のチェックの仕方をみてみましょう。
冷凍食品の添加物をチェックしよう
食品添加物の健康への悪影響が少し心配でも、普段の買い物や調理の時に、添加物を確認される方は少ないかもしれませんね。
冷凍食品の食品添加物は、容器包装に印刷されている「一括表示」の枠内にある「添加物欄」又は「原材料名欄」に表示されています。
【添加物欄を設けて食品添加物を表示する場合の表示例】
名称 ゼリー
原材料名 砂糖(国内製造)、
濃縮果汁(ももを含む)、植物油脂
添加物 ゲル化剤(ペクチン)、酸味料、
香料、着色料(紅麹)
内容量 90g
賞味期限 〇年〇月〇日
保存方法 …
製造者 株式会社〇〇 東京都…
【原材料名欄に食品添加物を表示する場合の表示例】
名称 ゼリー
原材料名 砂糖(国内製造)、濃縮果汁(ももを含む)、
植物油脂/ゲル化剤(ペクチン)、酸味料、
香料、着色料(紅麹)
添加物欄がある場合は、その欄を見れば、どんな種類の食品添加物が使われているか簡単にチェックできますね。原材料名欄に食品添加物が表示されている場合は、「/」の後が食品添加物となりますので、よく見てみてください。
前述のように、国により食品添加物の安全性が確保されていますので、そこまで添加物に神経質になる必要はないかもしれません。
しかし、栄養をきちんと摂るよう気をつけるとともに、危険性が高いといわれている添加物を避けられればより健康的でしょう。
特に問題視されている発がん性やその疑いのある食品添加物としては、次のようなものが挙げられます。
・着色料:タール色素、カラメル色素
・発色剤:亜硝酸ナトリウム
・甘味料:アスパルテーム
冷凍食品のパッケージに書かれた「一括表示」で食品添加物をチェックして、なるべくなら、上にあげたような添加物が入っていない冷凍食品を選びたいですね。
毎日冷凍食品でも栄養バランスはとれる?
冷凍食品の栄養成分表示を活用しよう!
そういう気持ち、わかります。しかし、冷凍食品でなくても、毎日同じものを食べ続ければ、どうしても栄養が偏ってしまいます。ですので、冷凍パスタばっかりとか、毎日炒飯というのはやめましょう。
また加工食品は塩分が多めだったりしますし、カロリーなども気になりますね。市販用冷凍食品には、栄養成分の表示が義務づけられています。
ですので、冷凍食品のパッケージの栄養成分表示を活用することをおすすめします。どんな栄養が摂れて、どんな栄養が不足しているのかチェックすることが大切です。
主食の冷凍食品に、冷凍野菜などをプラス
冷凍パスタ、冷凍炒飯、冷凍うどん…こういった主食の冷凍食品は、手軽に空腹を満たせますが、単品だけでは栄養のバランスが取れないことがほとんどです。
主食の冷凍食品は、炭水化物はしっかりありますが、ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足が問題ですよね。ですので、そういった栄養素を含む冷凍野菜を主食にプラスして、上手に栄養バランスを整えるようにしましょう。
また主食の冷凍食品だけでは、タンパク質も足りないと思われますので、肉や魚などのタンパク質が多めの食品を一緒に食べるとよいですね。
おすすめ冷凍食品:ニチレイのお弁当おかず
日常的に冷凍食品を利用するなら、できれば食品添加物が少ない冷凍食品を選びたいですよね。業界大手のニチレイフーズでは、3つの食品添加物を使用しない安心なお弁当おかずの「お弁当にgood!」シリーズを販売しています。
できるだけ食品添加物を少なくしてほしいというお母さんたちの要望に応えて製品開発されたそうです。ニチレイの『ミニハンバーグ』や『からあげチキン』などは、お弁当作りをされる方にはおなじみだと思います。
ニチレイの「お弁当にgood!」シリーズは、着色料、保存料、化学調味料の3種類が無添加となっています。
原材料の原材料、そのまた原材料の3段階にさかのぼって、上の3つの食品添加物が使用されていないか厳しくチェックされているんですよ。
子供にも安心、健康志向の大人も満足できる冷凍食品です。お弁当だけでなく、おうちごはんの際も、主食の冷凍食品にプラスして使ったりと重宝します。
おすすめ冷凍食品:Okawariのお惣菜シリーズ
Okawariのお惣菜シリーズも、おすすめの冷凍食品です。化学調味料、保存料、合成着色料を一切使わずに、国産野菜を使用して手作りされた、安心、安全のお惣菜セットとなっています。
おだしは天然だしで、みりん、塩、醤油などの調味料もこだわって選ばれています。栄養士によるメニューで、栄養バランスもばっちりです。
真空冷凍されているので、作りたての栄養やおいしさが保持されたままというのもありがたいですね。
おすすめセットを毎月届けてくれるお得なコースもあるようですので、冷凍食品を毎日でも使いたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ:栄養バランスを整えながら、冷凍食品を賢く利用しよう!
冷凍食品は、急速凍結技術や−18℃以下で保存することにより、栄養価がかなり保たれます。保存料は無添加で、比較的安全だといえます。
保存料以外の添加物は含まれていることがありますので、冷凍食品のパッケージにある一括表示で確認してくださいね。
栄養成分表示を活用し、冷凍野菜などをプラスすることで栄養バランスを整えることができます。便利な冷凍食品を、賢く健康的に利用していきましょう。
注1:『冷凍あるいは凍結乾燥処理した野菜・果実中のビタミン含有量に及ぼす通年貯蔵の影響』辻村卓、荒井京子、小松原晴美、笠井孝正 日本食品保蔵科会誌 VOL.23 No.1 1997
参考URL:「食品添加物表示に関するマメ知識」ー消費者庁