圧力鍋を使うメリットは、時短と食材が柔らかくなることですよね。
そうであるなら、圧両鍋はただでさえ崩れやすいさつまいも料理は向かないような気がしませんか?それに、圧力鍋でさつまいもを蒸すと甘くならないという話もよく聞きます。
圧力鍋はさつまいも料理に向かないのでしょうか?いえいえ、そんなことは決してありませんよ!それどころか大きなメリットだってあるのです。
この記事では、圧力鍋を使ったさつまいも料理のポイントと簡単なレシピをご紹介します。
↓圧力鍋の調理レシピはこちらも要チェック♪
目次
蒸し器がない方も!「圧力鍋」でさつまいもをおいしく調理
さつまいもは他の芋や野菜と比べても甘みが強いので、焼いたり蒸したりするだけでも立派なおやつになりますよね。
まずは、圧力鍋でさつまいもを蒸す方法や美味しい蒸しさつまいもを作るコツなどについてご紹介していきます。
圧力鍋なら10~15分の加圧時間でOK
圧力鍋は、密閉して水蒸気を閉じ込めることで内部の圧力が上がり、水の沸点が通常よりも高くなることを利用した調理器具です。
蒸し器で調理すると100℃前後で調理することになりますが、圧力鍋の内部は最大で約120℃まで上がります。そのため、圧力鍋でさつまいもを蒸すと、蒸し器を使うよりも短い時間でさつまいもを蒸すことができるのです。
参考までに、さつまいも中1本を丸ごと加熱するのにかかる時間を比較するとこのようになります。
調理方法 | 加熱時間 |
---|---|
鍋で茹でる | 水から約50分 |
蒸し器 | 沸騰してから30分前後 |
電子レンジ(600W) | 約5分 |
オーブントースター | 約30~40分 |
オーブン(180℃) | 約60分 |
フライパン | 約40~50分 |
炊飯器 | 約60分 |
圧力鍋 | 約10~15分+減圧時間 |
電子レンジにはかないませんが、圧力鍋で蒸すと他の調理器で加熱するよりもかなりの時短になることがわかりますね。
圧力鍋で蒸したさつまいもは甘くないというのは本当?
さつまいもを加熱して内部の温度が65~80℃になると、さつまいもに含まれるβ-アミラーゼという酵素によってデンプンが麦芽糖という糖に変えられます。この麦芽糖がさつまいもの甘みの素です。
この酵素は80℃を超えると壊れてしまうので、70~80℃くらいの温度帯を長く保てば保つほど、さつまいもはより甘くなります。
焼き芋の場合、外側からじっくりと熱を伝えるので、70~80℃の時間が長く保たれてさつまいもが甘くなるのです。
一方、圧力鍋でさつまいもを蒸すと、さつまいもの内部が短時間で高温になるため、じっくり焼いた場合よりもデンプンを糖に変える酵素が早く壊れてしまいます。
その結果、甘さの素となる麦芽糖の量もやや少なめになるので、圧力鍋で蒸したさつまいもは、焼き芋ほどは甘くならないのです。
甘くなる品種のさつまいもを選ぶことが大切
甘いさつまいもを食べるには、焼きいものように時間をかけてじっくりと火を通す方法がいちばん。圧力鍋で蒸したさつまいもは、焼きいもよりも甘さが落ちてしまいます。
圧力鍋で蒸した場合にも甘いさつまいもが食べたい!というのであれば、さつまいもの品種にこだわってみるのもひとつの方法です。
甘いさつまいもの品種には、ねっとりとした甘さが特徴の「安納芋」、安納芋をややほくほくさせた食感の「紅はるか」、しっとりとした上品な甘さが特徴の「シルクスイート」などがあります。
また、短時間で甘いふかし芋を作るなら、「クイックスイート」という品種がおすすめ。その名のとおり短時間の加熱調理でも甘くなるように改良された品種のさつまいもです。
一般的なさつまいものデンプンの糖化温度は65~80℃くらいですが、このクイックスタートは45℃くらいから糖化が始まります。
そのため、圧力鍋での加熱はもちろん、電子レンジの加熱でも安納芋なみに甘いふかし芋を作れます。
圧力鍋でさつまいもを蒸す方法
では、圧力鍋でのさつまいもの蒸し方を具体的に説明していきましょう。圧力鍋でさつまいもを蒸すには、圧力鍋に付属している蒸しカゴもしくは蒸し板を使います。
1.さつまいもはしっかりと水洗いする。
2.圧力鍋に水を300mlくらい入れ、その上に蒸しカゴを置いて、洗ったさつまいもを重ならないように並べる。
3.圧力鍋を低圧(普通圧)にセットして中火にかけ、圧力がかかったらごく弱火にして13~15分加圧する。
4.加圧時間が終了したら火を止めて、圧力が下がるまでそのまま放置する。
【ポイント】
・加圧時間は、圧力鍋によって多少前後します。竹串を刺してみてスッと通らないようであれば、加圧時間を追加してください。
・輪切りにせずに皮付きのまま丸ごと(もしくは2つに切る程度)で蒸してください。糖分の流出を防ぐことができます。
・さつまいもはゆっくり加熱する方が甘みが強くなります。甘さ重視の方は、圧力がかかり始まるまで中火~弱火で加熱するとよいですよ。
蒸しカゴや蒸し板がない場合はどうする?
たいていの圧力鍋には専用の蒸しカゴが付属しています。専用の蒸しカゴがない場合は普通の蒸し板も使えますし、他の物で代用もできます。
さつまいもを蒸す場合は圧力鍋に300mlほどの水を入れるので、さつまいもが水に浸からないようにすればOKです。蒸し皿がない場合は、以下のような方法があります。
・圧力鍋に入る深めの皿を入れ、その上にさつまいもを並べる
・割りばしや丸めたアルミホイルで脚を作り、ステンレスやアルミ製の落し蓋を乗せる
・圧力鍋に入る大きさのザルを入れ、その上にさつまいもを置く
・脚にする深めの器とさつまいもを置く皿を組み合わせて使う など
代用する方法はいろいろありますが、蒸し板は100均でも売っていますので、ひとつ用意しておくと何かと便利ですよ。
圧力鍋で蒸したさつまいもで作る簡単なスイーツレシピ
圧力鍋で蒸したさつまいもの甘さが足りない!という場合や、蒸したさつまいもが余ってしまった場合には、少し手を加えてスイーツにしてしまいましょう。簡単なレシピを2品ご紹介します。
簡単!スイートポテト
圧力鍋で蒸したさつまいもを使って、裏ごし要らずで潰して混ぜるだけの簡単なスイートポテトをご紹介します。
【材料】(5~6個分)
蒸したさつまいも200g(中1本)
砂糖 大さじ1.5
バター 20g
バター or マーガリン10g
牛乳 大さじ1
卵黄 1個分
【作り方】
1.圧力鍋で蒸したさつまいもの皮をむき、ボールなどに入れて綿棒やマッシャーなどで潰す。
2.熱いうちに砂糖、牛乳、バターを加えてよく混ぜる。
3.卵黄はつや出しの分を少し置いておき、残りを2に混ぜてなめらかになるまで混ぜる。
4.スプーンなどを使ってアルミカップの上に乗せ、つや出しの卵黄を塗る。
5.200℃のオーブンで表面に色が付くまで焼く。
【ポイント】
・蒸してから時間が経って冷めたさつまいもは、レンジで温めてから潰すとよいでしょう。
材料はたった3つ!おいもたっぷり芋ようかん
圧力鍋で蒸したさつまいも、砂糖、塩だけ。フードプロセッサーで作る、とても簡単な芋ようかんをご紹介します。
【材料】(12cm×15cmくらいの容器1個分)
蒸したさつまいも 皮をむいた状態で500gくらい
砂糖 50~60g
塩 少々
【下準備】
・12cm×15cmくらいのタッパーなどにサランラップを敷いておく
【作り方】
1.蒸して皮をむいたさつまいもが熱いうちに、砂糖、塩とともにフードプロセッサーにかけてペースト状にする。
2.1を型にすき間なく詰め、上からサランラップをかけてしっかりと押し込む。
3.粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、2時間くらい冷やし固める。
【ポイント】
・フードプロセッサーがない場合は、熱いうちにさつまいもを潰して鍋に入れ、少量の水と砂糖と塩を加えて弱火で少し練ってください。
さつまいもの煮物を上手に作るには圧力鍋が便利!
さつまいもは、じゃがいもやかぼちゃと同じように煮崩れしやすいことで有名ですよね。ただでさえ煮崩れしやすいさつまいもですが、圧力鍋をうまく使えば、煮崩れを防ぐことができるのです。
圧力鍋でさつまいもが煮崩れないようにするコツ
さつまいもの煮崩れを起こしやすくする要因は主にふたつ。長時間煮込むことと、激しく沸騰した中でグツグツと煮ること(食材同士がぶつかってしまうため)です。
圧力鍋は、水蒸気を密閉して内部の圧力を上げることで水の沸点が高まるため、通常よりも高い温度で時短調理ができるという特徴があります。
また、圧力がかかった状態だと火を弱めても温度が下がらないので、穏やかな沸騰状態を作れます。
実際の調理時のコツは次の2点です。
1.加圧が始まるタイミングを見逃さない!
加圧が始まったタイミングでごく弱火にすることで、穏やかな沸騰状態を作り出せます。加圧時間は低圧(普通圧)でほんの1~2分。
ですから、圧力がかかるタイミングを見逃してしまうと、加圧時間が長くなり、煮崩れしやすくなってしまいます。
2.完全に冷めるまで放置すること
1~2分加圧をしたらすぐに火を止めますが、しばらく100℃以上の状態が保たれるので、圧力が下がるまでそのまま放置をします。
さつまいもに味が浸みこむのは煮汁が冷める時。ですから、味をしっかりと浸み込ませたい場合は、完全に冷めるまで時間を置くとよいでしょう。
サッパリとした甘さ!さつまいものレモン煮
圧力鍋を使ったさつまいもレシピ1つ目は、「さつまいものレモン煮」です。さつまいもの甘煮にレモンを入れることで、サッパリとしたやさしい甘さの煮物になります。甘すぎるのが苦手な人にもおすすめの一品です。
【材料】(2~3人分)
さつまいも 中1本
砂糖 大さじ2
レモン汁 小さじ2
【作り方】
1.さつまいもはよく洗い、皮のまま1.5cmくらいの輪切りにして、20~30分水にさらす。
2.圧力鍋にさつまいもとひたひたの水、砂糖、レモン汁を入れてフタをしてセットをする。
3.圧力がかかり始めるまでは強火で加熱する。
4.圧力がかかったらごく弱火にして低圧(普通圧)で1分加圧して火を消し、圧力が下がるまで放置する。
【ポイント】
・加圧時間は圧力鍋によって変わるので、付属のレシピ本を参考にしてください。さつまいもの煮物が載っていない場合は、かぼちゃの煮物を参考にするとよいでしょう。
ごはんが進む一品!手羽先とさつまいもの甘辛煮
圧力鍋を使ったさつまいもレシピ2つ目は、「手羽先&さつまいもの甘辛煮」です。さつまいもの煮物は甘いものだけではありません。ごはんのおかずになる一品をご紹介しましょう。
【材料】(2人分)
さつまいも 中1本(200g)
鶏の手羽先 6本
しょうが 1かけ
☆砂糖 大さじ1
☆酒 大さじ1.5
☆しょうゆ 大さじ 1.5
【作り方】
1.さつまいもはよく洗い、皮のまま大きめの乱切りにして、水で20~30分さらしておく。しょうがは薄切りにする。
2.手羽先は皮の反対側に、骨に沿って切り込みを1本入れる。
3.圧力鍋にさつまいもとひたひたの水、手羽先、しょうが、☆の調味料を入れ、フタをしてセットする。
4.最初は強火にかけ、圧力がかかったら弱火にして低圧(普通圧)で5分加熱して火を止める。
5.30分ほどそのまま放置して、素材に味を浸み込ませる。
【ポイント】
・さつまいもは20~30分水にさらすことで表面のでんぷんが洗い流されて、煮崩れにくくなります。
圧力鍋を使うとさつまいもごはんも簡単!
さつまいもの季節になると食べたくなるのがさつまいもごはんですよね。圧力鍋を使えば、さつまいもごはんも簡単に作れます。
シンプルな味わいのさつまいもごはん
さつまいもの素材の甘みを味わうには、シンプルな味付けがいちばんですよね。圧力鍋で炊くと短時間でさつまいもごはんができ上がります。
【材料】(3~4人分)
米 2合
さつまいも 中1本(200g)
水 350~360ml
酒 大さじ1
塩昆布 15g
【作り方】
1.米は洗ってザルで水をよく切っておく。さつまいもは1.5~2cm角くらいに切っておく。
2.圧力鍋に米、水、酒を入れ、米の上にさつまいもと塩昆布を乗せてフタをしてセットする。
3.最初は強火で加熱し、圧力がかかったら弱火にして高圧で3分、または低圧(普通圧)で5分加圧して火を止める。
4.圧力が下がるまで自然放置して約10分間蒸らし、フタを開けてざっと混ぜ合わせる。
【ポイント】
・少し甘めが好みなら、みりんを小さじ1杯くらい加えるとよいでしょう。
食べ応え抜群!さつまいもときのこのおこわ
次に、さつまいもを使ったおこわを圧力鍋で炊く方法をご紹介します。もち米と普通の白米を合わせることで、適度にもっちりとしたおこわを作れます。
【材料】(3~4人分)
もち米 1合
白米 1合
さつまいも 中1本(約200g)
しめじ 1パック
だし 380ml
酒 大さじ1
淡口しょうゆ 大さじ1.5
みりん 小さじ1
【作り方】
1.もち米と白米を洗い、ザルにあげて30分くらいかけて水気を切っておく。
2.さつまいもは1.5~2cmくらいの大きさに切り、しめじは根元を切って小分けにしておく。
3.圧力鍋にすべての材料を入れ、フタをしてセットする。
4.初めは強火で加熱し、圧力がかかったら弱火にして、高圧で3分、または低圧(普通圧)で5分加圧して火を止める。
5.そのまま、圧力が下がるまで自然放置して約10分~15分間蒸らす。蒸らし終わったら軽く混ぜ合わせる。
【ポイント】
・圧力鍋で炊くことで、もち米を浸漬せずにそのまま使えます。
まとめ:圧力鍋を活用してさつまいも料理のレパートリーを増やそう!
圧力鍋を使うと、蒸す、煮る、炊くなどの調理方法でさつまいも料理が作れます。
圧力鍋によって加圧時間が変わってくるので、最初は加圧時間が難しいかもしれませんね。けれども、少しずつ調整することで自分の圧力鍋に合う加圧時間がわかってくると思います。
加圧のコツさえつかめれば、レパートリーも簡単に増やせるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。