そんな疑問に答えます。
食べ物のアレルギーは、素人目では特定がしづらく、どの食品でアレルギーが出てるんだろう…、どうすれば対処できるんだろう…と悩むことが多いですよね。
この記事では、アレルギーの原因となるにんにくの性質や、症状、対処方法などを詳しく解説していきます。
※にんにくを使わない料理レシピや、にんにくの代用食材についてはこちらの記事で解説をしていますので、本記事とあわせて参考にしてみてくださいね。
目次
にんにくでアレルギー反応は起こるの?
にんにくといえば、免疫力を高める、殺菌作用があるというイメージを持つ人が多いと思いますが、実は、にんにくの持つ成分や性質により、体調不良やアレルギーを起こすことがあります。
ここでは、にんにくアレルギーの原因となる性質や成分について解説します。
にんにく成分とアレルギーとの関係性
にんにくの特徴的な成分に「アリイン」と呼ばれるものがあります。アリインには強い抗酸化作用があり、他の食材と組み合わせることで、相乗効果でうま味をアップさせると言われています。
ですが、これが、にんにくに含まれる酵素により分解され反応することで「アリシン」という臭いの元となる成分に変わります。
※にんにくを切ったりすりおろしたりすると、『アリイン』が『アリシン』に変化していきます。
さらに、「アリシン」は加熱するなどの調理工程の中で、「ジアリルジスルフィド」という物質に変化します。この「ジアリルジスルフィド」がアレルギーを引き起こす原因(アレルゲン)になります。
「アリシン」にも注意が必要!
にんにくアレルギーの原因となる「ジアリルジスルフィド」に注意する必要があるのは勿論ですが、その変化前の物質であるアリシンにも注意が必要です。
アリシンは免疫力を高めたり、血行を良くしたりするプラスの作用があると言われていますが、一方で、刺激が強いため胃粘膜を荒らしたり、腸の良い細菌を死滅させてしまうことがあり、食べ方や量に注意が必要です。
焼き肉、キムチを食べて「胃が痛い」「下痢をする」「頭が痛い」といった症状が出た場合はにんにくが原因の可能性があります。
厳密には、にんにくの『アレルギー反応』ではありませんが、混同する恐れもある症状ですので、注意してくださいね。
にんにくアレルギーの症状にはどのようなものがあるの?
ここでは、アレルギーの発症の仕方や、にんにくアレルギーの代表的な症状例についてご紹介をしていきます。
食物アレルギーの発症の仕方
食物アレルギーは、食べたり触ったり吸い込んだりすることで体を守るはずの免疫システムが過剰に反応してしまう状態のことを言います。
近年食物アレルギーは増加傾向と言われています。小麦、牛乳、卵がよく知られていますが、他にも様々な食物がアレルギーを起こします。食物アレルギーには2つのタイプがあります。
遅延型アレルギー
食べ物を食べて数時間から数日経過してアレルギー症状が発生するものを「遅延型の食物アレルギー」といいます。
時間がたってから症状が現れるため原因が分かりにくいという特徴があります。症状も様々です。即時型の検査で反応が出なかった方が、遅延型の検査を行い判明することもあります。
即時型アレルギー
食べ物を食べて2時間以内という短時間にアレルギー症状が発生するものを「即時型の食物アレルギー」といいます。
症状としては「喉の腫れ、呼吸困難、じんましん、胃痛、腹痛、下痢」などがあります。即時型は乳児期から児童期にかけて起こりやすいタイプですが、成人での発症も少なくありません。
食物アレルギーの大半はこの「即時型アレルギー」だといわれています。
にんにくの代表的なアレルギー症状(8つ)
代表的なにんにくアレルギー症状には、次のようなものがあります。
(1)皮膚の症状:かゆみ、じんましん、赤み
(2)目の症状:結膜の充血、かゆみ、まぶたのはれ
(3)口、のどの症状:のどの違和感、イガイガ感、唇の腫れ
(4)鼻の症状:鼻水、くしゃみ、鼻づまり
(5)消化器症状:胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
(6)呼吸器症状:声がかすれる、息苦しい、ゼーゼー、ヒューヒューする
(7)循環器症状:脈の異常、唇や爪が青白い
(8)神経症状:ぐったりしている
この中で一番多くみられるのは皮膚の症状です。
にんにくアレルギーの対処法 5つのポイント
にんにくアレルギーが疑われる場合の対処法・注意点について、5つのポイントに絞ってご紹介していきます。焦らずに対処するようにしてくださいね。
医療機関を受診し原因を調べてもらう
にんにくを食べて腹痛、下痢、皮膚症状が表れても安静にしたり、時間をおくと症状が緩和されることがあります。
にんにくを避けることで症状が改善された場合、原因はにんにくである可能性は高いですが、何の食物でのアレルギーなのか、まずは医療機関を受診し血液検査などしてもらいましょう。
普段からかかりつけ医がある人はその医療機関を受診しましょう。かかりつけ医がない人は、出ている症状を診てくれるところを受診しましょう。
蕁麻疹(じんましん)なら皮膚科、鼻水なら耳鼻科、腹痛・下痢なら内科が良いでしょう。
にんにくを食べ過ぎないこと
アレルギーではないものの、普段から胃の調子が悪い人や下痢をしやすい人は、にんにくを食べる量を控えましょう。体調が弱っている場合も注意して食べるようにしましょう。
アレルギーではない成人が食べる場合、加熱したもので1日3片、生のものは1片以下にしましょう。子供、高齢者はこれ以下とし、少しずつ食べるようにしましょう。
※にんにくは食べ過ぎると命にかかわることもありますので、注意が必要です。
お菓子、加工品に注意する
自分で調理する場合はにんにくを避けることができます。しかし、お菓子や加工品に含まれている場合は自分で調整することができません。
スナック菓子や加工品に含まれていることもよくありますので、気づかずににんにくアレルギーが発症してしまった、というケースも聞きます。
「にんにく」「ガーリック」などの言葉がつくお菓子、加工品は特に注意しましょう。包装の裏面や底面にある「食品表示」を確認することで事前に把握することができます。
アレルゲンの発生を抑える
にんにくアレルギーのもととなる「ジアリルジスルフィド」は、刻んだりすりおろしたにんにくに火を入れることで発生します。
ですので、にんにく自体に傷をつけずに(丸ごと)調理する方法や、生にんにくとして使う場合には、比較的にアレルギーの発症率を抑えることができると考えられます。
※にんにくアレルギーの発症率がゼロという訳ではありませんので、1つの対処法としてとらえてくださいね。
風味を生かした料理を楽しむ
にんにくを料理に取り入れることで食欲が刺激されます。アレルギー症状が出る恐れのある人は直接食べるのではなく、調理油に香り付けをし、「にんにくを除いた油」で風味を味わうようにしましょう。
フライパンに適量の油を入れて、スライスしたにんにくを低めの温度で加熱します。細かい泡が立ち香りが出てきたら、にんにくを取り除いてできあがりです。香り付けされた油を使い料理してみましょう。
まとめ:にんにくアレルギーが発症したらすぐに病院へ
にんにくは昔から食品や香辛料として利用されてきました。日常的ににんにく料理を食べたり、にんにくが含まれている食品を購入する機会があります。
健康に良いイメージのにんにくですが、アレルギーの原因になってしまうことがあります。にんにくを食べた後に蕁麻疹(じんましん)、腹痛、下痢などがみられる時はアレルギーの可能性があります。
重篤でない場合も早めに医療機関を受診し、アレルギーの有無を検査してもらいましょう。アレルギーがない場合も、にんにくは食べ過ぎず、適量に抑えることをおすすめします。