私たちが日常的に食べているカレーですが、稀にカレーを食べて体調が悪くなったという話や、逆にカレーを食べて花粉症などのアレルギーが治まったという話を耳にすることがあります。
カレー粉やカレールーには様々なスパイスや原材料が使われていることから、健康への効果を感じたり、何かにアレルギー反応を起こしてしまうということがあっても不思議ではありません。
とはいえ一見カレーとアレルギーには結びつきがないように思われれるため、良くも悪くも気づきにくい組み合わせかと思います。
そこでこの記事では、カレーによって生じやすいアレルギーの種類や症状、逆にカレーがもたらすアレルギー予防効果についてと、アレルギーの方にもおすすめできる市販のカレー商品をご紹介していきます。
目次
カレー粉、カレールーで生じる主なアレルギーの種類
カレー粉やカレールーに対するアレルギーとはどのようなものがあるのでしょうか。
カレーを食べた時に生じる代表的なアレルギーの種類とその症状について見ていきたいと思います。重篤な状態に陥る可能性もあるため、おかしいと感じたら必ず医療機関を受診するようにしましょう。
小麦粉アレルギー
カレー粉には含まれていませんが市販のカレールーにはたくさんの小麦粉が含まれており、小麦粉アレルギーの方には注意が必要です。
小麦粉アレルギーの症状は皮膚のかゆみや蕁麻疹、腹痛、下痢、くしゃみ、鼻水、喘息といったものから重篤なものになると突然呼吸ができなくなったり血圧が低下するアナフィラキシーショックを引き起こす場合があります。
そのため、小麦粉アレルギーのある方はカレールーを使ったカレーは避け、米粉や片栗粉、でんぷん質を多く含む野菜のすりおろしを代用するなどして、小麦粉が含まれていないカレー粉からカレーを作るようにしましょう。
牛乳(乳製品)アレルギー
カレーには牛乳などの乳製品が含まれている場合があります。
カレールーには元々原材料に含まれている商品が多く、カレー粉で作ったカレーの場合もお店のメニューによっては牛乳が使われていることがあるので、食べる前に必ず確認をしてください。
食物アレルギーの中でも卵アレルギーの次に多いのが牛乳アレルギーで、症状としてはかゆみや蕁麻疹など皮膚にあらわれるものがもっとも多くなっています。
しかしそれ以外にも呼吸困難や嘔吐、下痢、腹痛、そして小麦粉アレルギー同様アナフィラキシーショックを生じる可能性もあります。
このあとにご紹介しますが、市販のカレールーの中には乳製品が含まれていないものもあります。購入する際には必ず原材料をチェックしてから選んでください。
スパイス(香辛料)アレルギー
あまり聞きなれないかも知れませんが、カレー粉やカレールーに含まれているスパイス(香辛料)に対してアレルギー反応を起こしてしまう場合もあります。
カレー粉やカレールーには多くのスパイスが使われているため、どのスパイスに対してアレルギーを持っているのか特定が難しいケースもあります。
また、発汗や発疹、咳、顔の紅潮などが起こっても、カレーを食べたことによるものだと思い込んでアレルギー症状だと気づかず、そのまま食べ続けてしまうという方が多いようです。
カレーだけではなく、スパイスが多く使われている中華料理などでも同様の症状が起こったことがある方は、スパイスアレルギーを持っている可能性が高いです。
激しい腹痛や動悸、汗が止まらない、体じゅうがかゆくなるなど、いつもと違う症状を感じた時はただちに食べることを中断し、アレルギー反応が生じている可能性があることを頭にいれておくことが大切です。
カレーの油分に対する反応
アレルギーというわけではありませんが、カレールーにはたくさんの油が含まれていることから胃腸が弱い方などはこの油に反応して胃痛や腹痛、下痢などが起こることがあります。
カレーの他にも油の多いラーメンなどでも似た症状が起こることもあり、油に弱い体質である可能性もありますので無理に食べるのはやめましょう。
カレー粉であれば油もなく、逆に消化を促進してくれたり胃を健康にする作用もありますので、胃腸の弱い方は油の多いカレールーではなくカレー粉で作ったカレーを食べることをおすすめします。
血行促進によるアレルギー反応
カレー粉やカレールーに含まれるスパイスには血行を促進する働きがあるものが多くあります。
通常血行が良くなることは良いことなのですが、普段運動不足や冷え性などで血行の悪い方にとっては、急に血行が良くなると血管が拡張して神経が刺激され皮膚にかゆみを生じたり発疹があらわれることがあります。
カレーを食べた時だけでなく、お風呂に入ったあとや走ったりして体温が上がった時にかゆくなる方は同様の理由でかゆみが生じている可能性が高いです。
血流障害によるかゆみは、普段から軽い運動やストレッチを行ったり、もちろんカレーを食べたりして血行を改善してあげることで徐々にかゆみが生じにくくなってくることがあります。
カレー粉の成分が花粉症をおさえてくれる理由とは?
カレー粉やカレールーによってアレルギー反応が生じてしまう方がいる一方で、なんとカレーによってアレルギーが改善されたという方も多くいらっしゃいます。
なかでも花粉症に効果があると言われていますが、カレーとどのような関係があるのでしょうか?
カレー粉のスパイスには抗アレルギー作用があるため
実はカレー粉やカレールーに含まれているターメリック、胡椒、クローブ、シナモンなどのスパイスには抗アレルギーの効果があると言われています。
即効性があるわけではなく食べ続けることで体質改善されていくため、花粉が多くなる前の冬のうちから食べ始め、できるだけ1日1食など頻度高めに食べ続けることがポイントです。
1日のうちのいつ食べても良いですが、アレルギー対策としては朝食べるのがおすすめです。
理由は朝から日中にかけて自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わるのですが、その切り替わりの際にバランスが崩れてアレルギー症状が出やすくなります。
そのため朝食にカレーを食べるとアレルギー症状が出やすいタイミングに抗アレルギー成分が作用してくれるからです。
また、乳酸菌で腸内環境を整えることも花粉症に効果的であると言われています。インドカレー屋さんにはヨーグルト飲料であるラッシーが売られていますが、カレーとの組み合わせは花粉症対策にも良いんですね。
カレー粉のスパイスには血行促進作用があるため
冷え性も花粉症を悪化させる原因の一つと言われています。そういった意味でも体温をあげ血行を良くしてくれるカレーを食べることは、花粉症に効果的であると言えます。
そのためカレーのお供として冷たいお水を飲み過ぎないように注意してください。辛すぎる(刺激が強すぎる)カレーは水の飲み過ぎにもつながりますので気を付けましょう。
カレー粉のスパイスはPM2.5、インフルエンザにも効果がある!
カレー粉やカレールーに含まれるスパイス(特にクローブ、ウコン、コリアンダー、桂皮など)には、抗アレルギーの効果だけではなく抗炎症作用や高い抗酸化作用もあることが知られています。
そのため、カレーを食べることで花粉症だけではなくPM2.5やインフルエンザ予防にも効果があると言われています。
実際にカレーを食べる頻度の高い高齢者の方は呼吸機能が良好に保たれているということが疫学研究の結果として報告されており、カレーが健康に良いと言われるのはしっかりとした裏付けがあることが分かりますね。
アレルギー別おすすめの市販カレー粉、カレールー
小麦粉アレルギーにおすすめ:S&B 本挽きカレー
なんとS&Bの本挽きカレーは、市販のカレールーでは非常に珍しい小麦粉不使用のカレールーです。スーパーでも売られている手軽さも非常に嬉しいですね。
形状は固形タイプではなくパウダー状になっているので、溶けやすく使いたい分だけ使えるというまさにカレー粉とカレールーの良いとこどりのような商品です。
含まれているスパイスも25種類とかなり本格的。油も一般的なカレールーより30%ほど抑えられているので胃腸にも優しく、後片付けの洗い物も楽になります。
ただし辛さは中辛と辛口しかないため、辛いのが苦手な方はすりおろしたりんごやヨーグルトを入れたり、アボカドを添えたりするなど辛味をマイルドにする工夫をしてみてくださいね。
乳製品アレルギーにおすすめ:S&B とろけるカレー
牛乳や乳製品アレルギーの方におすすめのカレールーは、S&Bのとろけるカレーシリーズ(甘口、中辛、辛口、濃いとろけるカレー中辛)です。こちらのシリーズにはすべて乳製品が含まれておりません。
スーパーでもよく売られておりお値段も安く手に入りやすい商品ですし、また、辛さの種類も選べますのでお子様から大人の方まで乳製品のアレルギーがあっても安心して食べられるのが嬉しいです。
乳製品アレルギーにおすすめ:S&B ゴールデンカレー
とろけるカレーと同様、S&Bのゴールデンカレーシリーズ(甘口、中辛、辛口、バリ辛)にも乳製品は使われていません。※プレミアムゴールデンカレー中辛は乳製品が使われているため注意。
ゴールデンカレーも多くのスーパーで売られている定番のカレールーですよね。
とろけるカレーと比べるとスパイシーさを感じられ、カレー粉で作ったカレーのような本格的なカレーの味を味わえるので、アレルギーの有無に関係なく非常に人気の高い商品です。
市販のカレールーの商品にはほとんどのものに小麦粉や乳製品が使われているなかで、アレルギーに優しい商品も作っているS&Bの企業努力を感じます!
様々なアレルギーにおすすめ:S&B カレーの王子さま 顆粒
子供の頃に食べた懐かしいカレーの王子さま。アレルギー特定原材料等27品目を使っていない体に優しいカレーです。こちらは顆粒なのでカレー粉のような使い方ができます。
とはいえお子様(1歳以上)向けの商品なので大人が食べるというイメージはあまりありませんよね?しかし、アレルギー持ちの方や体に優しいカレーを食べたいという大人の方にも少しアレンジをして食べるという方法があります。
カレーの王子さまはそもそも初めてカレーを食べるお子様が安心して食べられるように作られているため、辛味もありませんしコクもあまりなく大人が食べると薄味で物足りなく感じます。
そのためスパイスアレルギーでなければカレー粉、塩、コショウを加えて味に辛味やパンチを加えたり、乳製品アレルギーでなければバターやチーズを入れることでコクを出すことが出来ます。
お子様用と大人用のカレーを別々に作るのが面倒!というお母さんにもおすすめのアレンジ方法です。
まとめ:カレー粉、カレールーは体質に合ったものを選びましょう
いかがでしたでしょうか?
カレー粉やカレールーによって生じてしまうアレルギーについては充分注意する必要がありますが、アレルギー検査で原因を突き止めればその材料を避けて食べられるカレーもたくさんあります。
また、カレーを食べることでアレルギー予防に効果があることもわかり、カレーで生じるアレルギーがなく花粉症でお悩みの方や免疫力を高めたい方には、継続してカレーを食べていただくことをおすすめします。
安心してカレーを食べるために、自分自身の体調をチェックしながら、自分に合ったカレーを見つけて健康に繋げていきましょう。