砂糖には賞味期限がなく、パッケージを見ても賞味期限が載っていないことが多いですが、黒糖の場合はどうなのでしょうか。
この記事では黒糖の賞味期限にまつわるあれこれと、パッケージを開封後の適切な保存方法についてご紹介していきます。丁寧な保存を心がけることで、風味を保ちながら長持ちさせることができますよ。
目次
砂糖・黒糖に賞味期限切れはないって本当?
砂糖のパッケージを見ると賞味期限が書いていないってご存知ですか?
書いていないということは、賞味期限がないということなのでしょうか。その背景と、白砂糖と黒砂糖での違いを確認していきましょう。
砂糖に賞味期限がないのはなぜ?
一般的な砂糖と呼ばれるグラニュー糖は、糖度がほぼ100%で、水分値がほぼ0%という作りをしています。
水分がないと、カビや細菌などが生息できないので、砂糖を製造・販売する場合に、賞味期限を書かなくていいというルールが設けられています。
一度、ご自宅の砂糖のパッケージを確認してみてください。これはうっかり記載忘れではありません。
未開封であれば、砂糖はほぼ永久的に持つとされていて、買ってから数年経ったものでも食べても大丈夫と言われています。
黒糖にも賞味期限切れはない?
白砂糖はその精製過程で水分を限りなく取り除いているので、賞味期限がありません。
黒糖(黒砂糖)の場合、制度上は「砂糖」に分類されるので、賞味期限の記載義務はないことになります。しかし、実は黒糖は注意が必要です。
なぜなら黒糖は水分値が5%程度と高く、カビや細菌が発生する恐れが白砂糖よりも多いからです。
未開封のものであっても、保存状態によっては劣化が進む恐れがあります。同じ砂糖でも、戸棚で数年寝かせてしまった黒糖は、注意が必要かもしれません。
未開封の黒糖はどれくらい持つの?
砂糖の中では水分値が高く、劣化の進みが早い黒糖は「約1~2年」の賞味期限が設けられていることが多いです。
砂糖の仲間とあって、賞味期限の記載義務のない黒糖ですが、メーカー側が「美味しく食べられる期間」「劣化のリスクが少ない期間」という判断で、あえて表記しているということです。
なお、賞味期限とは「未開封の場合に美味しく食べられる期間」のことをいいます。一度開封したものは、賞味期限の期間内であっても劣化している恐れがありますので気を付けましょう。
開封後の黒糖の賞味期限は約半年
一度パッケージを開けた黒糖は、約3~6か月以内に使いきることが推奨されています。独特な香りと風味が特徴的な黒糖ですが、開封後は空気に触れることで、どんどん香りが飛んでしまいます。
また、水分を多く含む黒糖はカビが発生するリスクも高いので、長期保存は向いていません。
一度黒糖の袋を開けたら、せっかくの味わいが薄れてくる前に、積極的に使っていきましょう。煮物などの料理の味付けに使うのはもちろんのこと、黒糖コーヒーなどが手軽でオススメです。
黒糖コーヒーの詳しい作り方については、こちらの記事でご紹介しています。
賞味期限内でも気を付けたい!黒糖を長持ちさせる保存方法
一度袋を開けてしまうと、賞味期限内でも食品はどんどん劣化していきます。黒糖をできるだけ長い期間保存していくには、どうすれば良いのでしょうか。
ここでは、黒糖を保存する際の注意点やコツについてご紹介していきます。
黒糖を冷蔵庫に入れるのは絶対NG!
調味料の一つだからと、黒糖を冷蔵庫に入れてしまっている人はいませんか?
黒糖の大敵は湿気なので、湿気の多い冷蔵庫は絶対に避けたい場所です。冷蔵庫に入れてしまうと、冷蔵庫内の湿気を吸って黒糖がくっついたり、コチコチに固まってしまいます。
黒糖は、常温で風通しのいい戸棚に置くことが推奨されています。
密封性のある保存容器で黒糖を長期保存
黒糖だけではないですが、食材は空気に触れることで、風味が落ちてしまいます。
素朴な香りを楽しみたい黒糖は、できるだけ空気に触れないような保存方法が大切です。買ってきた袋の口を開けたまま置いておくなんてことはやめましょう。
一手間ではありますが、出来るだけ小さめの容器に詰めて保管することで、空気に触れる面積を減らし、味も香りも保つことができます。
シリカゲルを入れて湿気対策
保存容器に黒糖を入れるだけでも効果がありますが、市販のお菓子に入っているような乾燥剤を入れるのも効果的です。
戸棚が薄暗かったり風通しがいまいちで、パウダー系の調味料(塩や砂糖など)がくっつくことが多い方にはとくにオススメです。
ちなみに、シリカゲルは通販でも、1回分=約20円ほどと結構リーズナブルな価格で販売されています。黒糖だけでなく、パウダー状の調味料を美味しくキープするためにも、持っておくと何かと便利な乾燥剤ですよ。
この黒糖食べても大丈夫?賞味期限内でも気になる変化
開封したばかりだとしても、保存状態によっては黒糖の劣化が進み、見た目が変わってしまうことがあります。食べていいかの判断はどうしたらよいのでしょうか。
黒糖の色が変わってしまった場合
黒糖の色合いが茶色→黒色に変わった場合は、劣化が進んで黒糖の風味が飛んでしまったサインです。
食べられないわけではないですが、黒糖の楽しみであるほんのりとした甘さや独特の素朴な香りが失われつつある状態です。これ以上味が悪くならないように、出来るだけ早めに使い切ってしまいましょう。
※黒糖の消費アイデアはこちらにまとめていますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
湿気で黒糖がべとっとしている場合
冷蔵庫に入れてしまったり、湿気た場所に置いていると、黒糖の表面がべたつくこともあります。これは黒糖が湿気を吸ったために水分値が高くなってしまったことが原因です。
表面がべたついているだけであれば、食べられないことはありません。料理など、べたつきが気にならない方法で消費してしまいましょう。
一方で、すっぱい香りがしてきたら水分を吸って腐り始めているサインなので、残念ですが食べてはいけません。
黒糖の表面に白い粉が吹いている場合
表面が白くなった黒糖を見つけた場合には、元からついている白い粉なのかカビなのか見分ける必要があります。
見分けるコツとして、一般的に黒糖がカビる場合には、白いカビと一緒に淡いピンク色のカビも生えてくることが多いので、ピンクが混じっていないかを確認しましょう。
また、酸味のある香りがしてきたら傷んでいるので、カビと断定して間違いないでしょう。
まとめ:気を付けたい黒糖の賞味期限!開封後は早めの消費がおすすめ
一般的に「砂糖は未開封であれば、半永久的に保存がきく」と言われており、賞味期限の表示義務がありません。
ただし、水分値の高い黒糖は、カビや細菌が発生するリスクが高めであり、砂糖の中でも注意が必要です。
・未開封の黒糖の賞味期限は約1~2年程度
・開封済の黒糖の賞味期限は約3~6か月程度
湿気に弱い食材なので、一度開封したものは丁寧に保存することを心がけましょう。保存の一手間はかかりますが、黒糖はとても栄養価の高い食材として再注目されている食材です。
不足しがちなビタミンやミネラルを手軽に摂取することもできる食材として、台所に常備しておきたいですね。
黒糖の栄養価については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。