そんな疑問に答えます。
健康のために食生活に酒粕を取り入れると良さそうとは知りつつも、あまり料理が得意じゃないから使い方からして難しい…という人は多いものです。
そんな方におすすめしたいのが、酒粕を粉末状に加工した「酒粕パウダー」です。毎日の食事に、ちょっとプラスするだけで、美味しさだけでなく栄養価もUPさせることができますよ。
目次
酒粕パウダーは手軽に取り入れられるスーパーフード
粕汁のイメージの強い酒粕。発酵食品の一つでもあり、体に良いとは聞いても、粕汁以外の使い方が分からなくて、ちょっと手を出しにくいというのが正直なところではないでしょうか。
そんな生の酒粕は使いにくいなという人におすすめしたいのが、酒粕パウダーです。
酒粕パウダーとは?
酒粕パウダーとは、酒粕を乾燥させて粉末状にしたもののことです。
生の状態の酒粕は、食べるまでに料理の手間がかかってしまいます。でも、酒粕パウダーは、いつもの食事にさっと振りかけるだけでもOKと、手軽なのがポイントです。
酒粕パウダーの元の形である酒粕とは、日本酒を作るときに出てくる副産物のこと。日本酒を作る際、原料の米に米麹などを加えることで、発酵させます。
その発酵した状態のものを「もろみ」と呼び、もろみをろ過して日本酒を作ります。その時に残った搾りかすが酒粕です。
酒粕パウダーに含まれる栄養素は?
酒粕パウダーの栄養素は、基本的に生の酒粕と変わりません。
酒粕は日本酒を作るときの搾りかすと聞くと、残り物?という印象を受けますが、それは勘違いです。発酵食品のもつパワーは計り知れません。
- 美肌効果:ビタミンBが入っているので、肌の代謝を高め、きれいな肌を作ります。さらに、日本酒にふくまれるα‐EGという成分は肌のコラーゲン量を増やす働きがあり、高級美容液などにも含まれています。
- 便秘解消:酒粕には食物繊維がたっぷり。腸内の環境を整えながら、不要な老廃物を排出します。
- ダイエット効果:豊富なビタミンBは、体の中の脂質やタンパク質をエネルギーとして燃やす効果があります。
- 免疫力UP:酒粕を作る際の麹菌や酵母の細胞壁は、免疫力を高めてくれる成分が含まれています。
- 悪玉コレステロールの低下:酒粕に含まれるレジスタンスプロテインは、体内に残る脂にくっついて、外へ排出してくれます。
- 貧血予防:女性の大敵である貧血。原材料である麹菌には葉酸も多く含まれ、赤血球の生成を促します。
日本酒を作った時に出てくる「残りもの」ではありますが、「副産物」と呼ばれる理由が伝わったのではないでしょうか。
酒粕パウダーを手元においておけば、このようなメリットを手軽に取り入れることが可能です。
「生の酒粕」と「酒粕パウダー」の違いは?
いわゆる酒粕と呼ばれる「生の酒粕」とこの記事でご紹介している「酒粕パウダー」の違いはあるのでしょうか。
実のところ、酒粕を低温乾燥してパウダー状にしているだけなので、形状が異なるだけで、栄養素などは基本的に同じです。
この低温加工という点がポイントで、乾燥時に熱が加えられすぎると、酒粕の持つ栄養素である酵素が死んでしまいます。
酒粕パウダーを選ぶときは、「低温加工」「低温乾燥」など書かれたものを選ぶ方が良いでしょう。
元となる日本酒・酒粕によって味が異なるので、お好みの味のものを見つけるのも楽しいですよ。
山口県で作られている人気の日本酒である純米吟醸酒。「獺祭」を作るときに出てくる酒粕をパウダーにした商品もあるんです。
お酒が好きな方はもちろん、日本酒を飲むのは苦手という方でも、酒粕パウダーであれば気軽に試すことができますよ。
酒粕パウダーの効果的な使い方をご紹介
いつもの食事にさっと振りかけるだけでOKという手軽さの酒粕パウダー。
毎日の食生活にプラスアルファすることで、日本が誇るスーパーフードである酒粕の栄養素をしっかりと摂り入れてみましょう。
酒粕パウダーは一日どれくらいとっていいの?
体に良い栄養素がギュっと詰まっている酒粕パウダーですが、一日に5~10gを目安に摂取するのが良いと推奨されています。
摂りすぎたから体に悪いということはありませんが、一気に摂取するよりも、毎日じわじわと少量を取り入れる方がおすすめです。
酒粕の重要な栄養素である食物繊維やビタミンB群などを、定常的に体の中に取り込めるように意識してみましょう。
酒粕パウダーの楽しみ方は?
酒粕パウダーの良いところは、加熱しなくてもさっと食べられるという手軽さです。
普段食べている食事に少しだけ追加することで、「毎日少しずつ酒粕の栄養素を取り入れる」ということが可能です。
- ヨーグルトのトッピングとして振りかける
- チーズトーストを焼く時に一緒に乗せる
- 納豆を食べるときに醤油と共に混ぜる
- 味噌汁やスープに一振りする
日本酒からできているということもあり、和なイメージのある酒粕。でも、必ずしも味噌汁などの和食メニューに合わせる必要はありません。
パンやヨーグルトなどにも合うんです。これなら毎日の自分の食事に少し取り入れられそうな気がしませんか。
酒粕パウダーの注意点とは?
酒粕のもつ酵素を取り入れたければ、高温での加熱には注意しないといけません。
約50度の温度で死んでしまうので、酒粕パウダーを取り入れる時は「料理がほぼ完成してから振りかける」というのが効果的です。
とはいえ、加熱しても他の栄養素がすべてダメになってしまうという訳ではありません。
スムージーに加えるなどして加熱せずに食べることもあるし、グラタンなどに入れて加熱して食べることもあるというのでも、酒粕のもつ栄養素を享受することはできます。定期的に摂取することを意識した方が、良さそうです。
酒粕パウダーを使った簡単レシピ
酒粕パウダーはいつもの料理にさっと振りかけるだけでも使える便利な食材です。でも、毎日の食生活にもっと取り入れてみたい!という方に向けて、料理中に使うアイデアをご紹介します。
これもまた「和食」にこだわる必要がなく、オールマイティーな食材と言えるでしょう。
酒粕入りだし巻き卵
酒粕パウダーのもつほんのりとした香りを楽しみたければ、だし巻き卵にするのがおすすめです。甘い卵焼きにも合いますので、お好みに合わせて味付けは調整してみてください。
【材料】(2人分)
・卵 3つ
・酒粕パウダー 小さじ1/2
・白だし 小さじ1
・砂糖 小さじ1
【作り方】
1.ボールに材料すべてをいれて、しっかりかき混ぜる。
2.フライパンを熱して、油を敷く。
3.材料をフライパンに流し込み、半熟になるまでかき混ぜる。
4.半熟になったら、箸を使って箸の方からくるくる巻いていく。
5.火が強いと感じたら、火を止めて余熱を使う。
6.全部しっかりと巻けたら完成。
だし巻き卵は和食な卵料理ですが、パンに合わせるオムレツを作る場合にも同じ要領で酒粕パウダーをプラスすればOKです。
卵の優しい味わいと、酒粕のほんのりとした香りがマッチします。
酒粕入りグラタン
言われなければ酒粕が入っているとは気づかないかも!?そんなメニューですが、クリーミーな味わいに酒粕パウダーがコクをプラスアルファしてくれる一品です。
【材料】(2人分)
<ホワイトソース>
・豆乳 150ml
・酒粕パウダー 20g
・水 200ml
・バター 20g
・味噌 小さじ1
・塩コショウ 少々
<具材>
・じゃがいも 2つ
・ほうれんそう 3株
・玉ねぎ 1個
・にんにく ひとかけ
・とろけるチーズ お好みで
【作り方】
1.ジャガイモを薄切りにして、電子レンジで3分ほど加熱する。(600wの場合)
2.フライパンに油をしいて、スライスした玉ねぎとにんにくを炒める。
3.玉ねぎがしんなりしてきたら、加熱したじゃがいもと3㎝幅に切ったほうれん草を加える。
4.全体に火が通ったら、耐熱容器に盛りつける。
5.空になったフライパンに、ホワイトソースの材料をすべていれる。
6.豆乳は焦げやすいので、へらでかき混ぜながら、弱火で混ぜ合わせる。
7.トロっとしてきたら、先ほどの野菜の上にかける。
8.上からとろけるチーズを散らす。
9.180度に余熱したオーブンで、15分加熱したら完成。
グラタンと聞くと難しそうな気がしますが、このレシピは野菜を炒めるだけ&ホワイトソースをフライパンでかき混ぜるだけとシンプルです。
ホワイトソースは、豆乳&酒粕&味噌のおかげでしっかりとコクのある仕上がりになりますよ。
酒粕入りクッキー
渋いイメージのある酒粕ですが、お菓子作りにも活用できちゃいます。小麦粉などの粉ものの一部として混ぜ合わせるだけなので、とっても簡単です。
おうちで作るお菓子を、簡単に栄養価UPできるので、お子様にもおすすめです。
【材料】(2人分)
・薄力粉 100g
・酒粕パウダー 20g
・バター 50g
・砂糖 大さじ1
・卵 1個
【作り方】
1.まず、バターを常温に戻しておく。
2.ボールに柔らかくなったバターを入れて、泡立て気で混ぜる。
3.卵を加えて、バターに混ぜ合わせる。
4.小麦粉と砂糖を加えて、全体がまとまるように混ぜる。
5.冷蔵庫で生地を15分ほど休ませる。
6.生地を1cmの厚みになるように薄く広げる。
7.クッキー型でかたどるか、包丁で均等サイズになるよう切り分ける。
8.170度に余熱したオーブンで、15分焼いたら完成。
バターのリッチな香りが漂うシンプルなクッキーのレシピです。
お好みに応じて、チョコチップを加えたり、ドライフルーツ(レーズンなど)を加えるなどのアレンジが楽しめます。
まとめ:酒粕パウダーを使って手軽に食生活を格上げ!
日本酒を作るときに出てくる副産物である酒粕。そのままだと「甘酒」「粕汁」などのイメージしか沸かず、生の酒粕を買ったけど冷蔵庫の奥で眠ってしまった…なんてこともあるのではないでしょうか。
そんなちょっと手間のかかる酒粕を、乾燥して使いやすくしてくれたのが酒粕パウダーです。
毎日の味噌汁やスープなどの汁物に少しだけ追加したり、納豆や冷ややっこにかけてみたり、塩などの調味料の仲間として料理の時に加えたり。
難しそうに感じていた酒粕を、お料理ビギナーでも簡単に使いこなせるようになる便利なアイテムです。
ぜひ、日本の誇るスーパーフードである酒粕を、毎日の食生活に加えていきましょう。