ラードの賞味期限は何ヶ月?開封後の保存方法や日持ちはどのくらい?
ラードを買おうと思うんだけど、賞味期限はどのくらいなんだろう?
ラードはどうやって保存したらいいの?開封したらどのくらいで使い切ればいいんだろう?

ラードはキャノーラ油やオリーブオイルなどと比べると、あまり馴染みがありませんよね。使う頻度が少ないと、気になるのが賞味期限や保存方法ではないでしょうか。

この記事では、市販のラードから自家製のラードまで、ラードの賞味期限と保存方法について解説します。

保存容器別!市販のラードの未開封での賞味期限

保存容器別!市販のラードの未開封での賞味期限

市販のラードには、いくつかのパッケージがあります。まずは、パッケージごとに市販のラードの賞味期限がどのくらいなのかを見ていきましょう。

チューブタイプのラード

スーパーで売っているラードは、マヨネーズやケチャップと同じようなチューブの容器に入っているタイプです。

市販のチューブタイプのラードには、『雪印メグミルク 純製ラード』、『ベル食品 純製ラード』、『マリンフード ピュアラード』などがありますが、製造者はすべてマリンフード株式会社で、中身も同じものと思われます。

チューブタイプの賞味期限は次の通りです。

賞味期限:180日(冷暗所)

原材料名:豚脂(国内製造)/酸化防止剤(ビタミンE)

原材料名にあるように、添加物として酸化防止剤が入っています。酸化防止剤はラードの劣化を遅らせる目的で、市販のラードの多くに添加されています。

カップタイプのラード

カップタイプのラードには、透明のプラスチックの容器に入ったものや、マーガリンのような容器に入ったものなどがあり、主に通販で購入できます。以下は、カップに入ったラードの賞味期限の一例です。

・みそのこ食品 『ピュアラード』:賞味期限 180日(要冷蔵)

・カワカミ 『純製サンラード』:賞味期限 約4ヶ月(冷暗所)

・丸和油脂 『純製ラード』:賞味期限 7ヶ月(冷暗所)

みそのこ食品の『ピュアラード』とカワカミの『純製サンラード』は工業的に精製したラードではなく、昔ながらの方法で豚脂を炊き出して抽出したラードです。酸化防止剤も添加されていません

そのため、一般的な精製ラードと比べると賞味期限は短め、もしくは要冷蔵となっています。

一斗缶のラード

主に業務用に製造されたラードで、容量は15kg。大容量なので一般家庭ではなかなか購入しづらい形態ですが、ラードで揚げ物をする人は一斗缶のラードを購入する人もいるようです。

一斗缶に入ったラードは、一般的な精製ラードから外国産の高級ラードまで、さまざまな種類が販売されています。一斗缶のラードの賞味期限は冷暗所保存で約6ヶ月としている商品が多いようです。

一斗缶のラードにも、添加物として酸化防止剤が使用されています。

酸化防止剤の有無によって賞味期限が変わる

市販のラードには、上記ご紹介したチューブタイプ、カップタイプ、一斗缶タイプの他に、バターのようにアルミ紙で包んだラードや、ピロー型の袋に入ったラードなどもあります。

市販のラードの未開封の賞味期限は、容器によって賞味期限が変わるというよりは、添加物として酸化防止剤が入っているかどうかで変わってくるようですね。

酸化防止剤を使用しているラードは、冷暗所で約6ヶ月、酸化防止剤無添加のラードはそれよりもやや短めか、10℃以下で保存する必要があると思っていて間違いないでしょう。

市販ラードの開封後の保存方法と賞味期限は?

市販ラードの開封後の保存方法と賞味期限は?

市販のラードの賞味期限は、未開封の場合はだいたい6ヶ月前後の商品が多いようですが、開封後のラードはどのくらいの日持ちがするのでしょうか?

開封後のラードはどのくらいの日持ちがする?

開封後のラードの賞味期限を調べてみると、ほとんどの商品やメーカーのHPには、「開封後は賞味期限にかかわらず、お早めにお召し上がりください」と書かれています。

しかし、具体的にどのくらいの日持ちがするのかよくわかりませんよね。

参考までに、キャノーラ油やオリーブオイルといった植物油の開封後の賞味期限を調べてみると、日清オイリオおよび味の素のHPに、「開栓後は、1~2ヶ月を目安に」と書かれていました。

ラードはキャノーラ油などの植物性の油よりも劣化しにくいという特徴がありますが、長く保存すると確実に劣化していきます。

植物油よりは日持ちをすることを考慮したとしても、2~3ヶ月くらいを目途に使い切った方が良さそうですね。

冷蔵?常温?開封後のラードはどこで保存する?

未開封の市販ラードの大半は冷暗所で保存するように書かれていますが、開封後のラードはどこで保存することが適切なのでしょうか?

商品の注意書きやメーカーのHPを見ると、未開封で「冷暗所で保存」となっているラードは、開封後も同じように冷暗所で保存するように書かれています。

また、ラードの融点は28~40℃前後なので、特に夏場は温度が上がりすぎないように注意する必要があります。油脂類の劣化は温度が低い方が進みにくいので、夏場は冷蔵庫で保存しても問題ありません。

ただし、ラードは冷蔵庫に入れると固くなってしまうので、絞り出して使用するチューブのラードは、冷蔵庫ではなくできるだけ涼しい場所で保存するようにしましょう。

開封済みのラードを保存をする場合の注意点は?

ラードは酸素に触れると酸化し、光や高温で劣化が進みやすくなります。ですから、開封済みのラードは、できるだけ空気に触れないようにして、冷暗所で保存することが大切です。

チューブや袋入りのラードはできるだけ空気を抜いて保存しましょう。カップタイプのラードは空気に触れないようにラップなどを密着させると良いですね。

また、低温でラードが固くなった場合に、柔らかくするために温度を上げすぎると酸化が進みやすくなります。ですから、常温でゆっくりと柔らかくするようにしましょう。

また、ラードは水分や金属によっても劣化しやすいため、水分がラードの容器に入らないように注意し、一斗缶のラードはタッパーや保存袋などに移し替えるとよいでしょう。

自家製ラードの賞味期限と保存方法

自家製ラードの賞味期限と保存方法

市販のラードを使用する以外にも、豚脂からラードを手作りすることもできます。自家製ラードの日持ちはどれくらいなのでしょうか?

自家製ラードの賞味期限は作り方がポイントに!

自家製ラードの作り方を簡単に説明すると、以下のようになります。

自家製ラードの作り方

1.豚脂と豚脂の1割程度の水を鍋に入れ10~15分程度中火で煮込む

2.煮込んでいくと油脂分と油かすと呼ばれる固形部分に分かれるので、濾して油かすを取り除く

3.油かすを濾した液体を冷やし、ラードを固める

4.一晩放置してラードが固まったら、目の細かいザルで濾すなどしてラードだけを抽出する

ラードの劣化は水分によっても進みやすくなりますし、ラードに水分が残っているとカビが生えたり腐ったりする原因にもなります。

ですから、自家製ラードの保存性を良くするためには、できるだけ水分を残さないように作ることがポイントになります。

自家製ラードはどのくらい日持ちする?

ラードを家で手作りした場合、完全に水分を取り切るのはなかなか難しいですよね。工業的に精製されたラードと違って、自家製のラードは水分が残っていると思っておいた方が無難です。

ラード以外の油脂で、酸化しやすい不飽和脂肪酸という成分の量がラードと同じくらい含まれていて、かつ水分を含んでいる油脂にマーガリンがあります。

ラードやマーガリンを製造しているマリンフード株式会社によると、マーガリンは冷蔵庫に保存をして、開封後1ヵ月程度で使い切るように書かれています。

ですから、自家製ラードも冷蔵庫に保存をした上で、1ヶ月くらいを目途になるべく早めに使い切ることをおすすめします。

賞味期限切れのラードは食べてもよい?使い切る方法は?

賞味期限切れのラードは食べてもよい?使い切る方法は?

では、賞味期限が切れたラードは捨てるしかないのでしょうか?賞味期限切れのラードが身体に与える影響や、使い切る方法について解説します。

すぐに食べられなくなるわけではない

賞味期限というのは、過ぎると食べられなくなる期限ではなく、品質を損なわずにおいしく食べられる目安のこと。ですから、ラードも賞味期限が過ぎてからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません

賞味期限が過ぎたラードは、使う前に不快な臭いがないかカビが生えていないかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。

酸化した油脂は確実に匂いが悪くなるので、匂いの変化はラードが劣化しているかどうかの指標になりますよね。

冷えた状態では感じなくても、熱すると不快な臭いがしてくることもあります。熱した時に、不快な臭い、いつもよりも粘度が高い、泡がよく出るなどの傾向が見られたら、使うのを中止した方がよいでしょう。

古くなったラードを食べるとどうなる?

古くなって酸化した油脂は身体に悪いという話をよく耳にしますよね。油脂が酸化すると、身体に害を及ぼす過酸化物質が発生します。

そのため、古くなったラードを食べると気分が悪くなったり、胸やけを引き起こしたりする可能性があります。

また、カビや明らかな悪臭が発生したラードを食べた場合、腹痛、下痢、嘔吐といった食中毒に似たような症状が出ることもあるので注意が必要です。

また、古いラードから発生した過酸化物質は、長い時間を通して体内に蓄積すると動脈硬化などの生活習慣病の原因となることがあります。

ですから、賞味期限を過ぎたラードはできるだけ食べないようにする方がよいでしょう。

賞味期限切れになる前に使い切る方法は?

ラードは一般的な植物油と比べると使う頻度が少ないため、賞味期限内になかなか使い切れないかもしれません。

しかし、ラードは、植物油を加熱して使う料理に同じように使用できますし、料理にコクや旨味を与える効果があるので、積極的に使っていくとよいですね。

特に揚げ物をする時に使うと、1回に多くの量を消費できます。ラードの使い方については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ:ラードの賞味期限は数ヶ月!開封後は早めに使い切ることが大切!

ラードはサラダ油やキャノーラ油などの植物油と比べると劣化しにくいという特徴がありますが、保存期間が長くなればなるほど、酸化やすくなってしまいます。

未開封のラードの賞味期限は4~6ヶ月程度が目安ですが、パッケージに記載されている保存方法を守って保存期間内に食べ切るようにしましょう。

また、開封後は酸化が進みやすくなるので、記載されている賞味期限にかかわらず、できるだけ早く使うようにすることが大切です。

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