タバスコの作り方~管理栄養士が教える、自家製レシピとQ&A~

タバスコが家で作れるって、ご存じでしたか?実は、唐辛子さえ手に入れば、あとはどのご家庭にもある、あの調味料だけで、簡単にタバスコが作れるのです。

今回は、あなたがチャレンジしたい、とっておきの自家製タバスコが見つかるよう、タバスコの作り方や小さな疑問について、いくつかご紹介・解説していきます!

自家製タバスコの作り方を詳しく解説&レシピ4種大公開!

自家製タバスコの作り方を詳しく解説&レシピ4種大公開!

はじめに:注意事項と瓶の殺菌方法

まず、どのタバスコの作り方にも共通する注意事項と、保存瓶の殺菌方法について、まとめてみました。

【注意事項】

1.唐辛子に触れる際は、必ずゴム手袋などを着用しましょう。(素手で触ると、手や切り傷部分が焼けるように痛んだり、その手で目に触れた場合に、激痛が走るなど、大変なことになります。)

2.唐辛子の種類(辛さ)によっては、目や鼻も防護しましょう。(ゴーグル、マスクなど)

3.室内を換気しながら作りましょう。

唐辛子の辛み成分は、わたしたちの皮膚の粘膜を、強く刺激します。そのため、タバスコを作る際は、細心の注意を払って作業するように、心掛けましょう!次に、自家製タバスコの保存には欠かせない、保存瓶の煮沸殺菌の方法をご紹介します。

【瓶の煮沸殺菌方法】

1.大きめの鍋に、たっぷりとお湯を沸かし、沸騰したらそこへ、瓶と瓶のふたを入れます。(このとき、必ず瓶全体が浸かるようにしてください。)

2.5分ほど沸騰させてから、トングなどで、瓶と瓶のふたを取り出します。

3.瓶も、瓶のふたも、使うときに内側になる方を下に向けて、きれいな網の上で、しっかりと乾かしてください。

4.自然乾燥で、完全に乾いたら、殺菌の完了です。

以上、唐辛子を扱う際の注意事項と、保存瓶の殺菌方法についてご紹介しました。これらをふまえた上で、それぞれのタバスコの作り方をみていきましょう。

基本のタバスコの作り方

まずは、生唐辛子をまるごと使った、基本のタバスコの作り方をご紹介します。

【材料】

・生唐辛子(ヘタごと)…100g

・食酢…50cc

・塩…3g

【作り方】

1.生唐辛子は、軽く水洗いし、キッチンペーパーで、水気を拭いておく。

2.生唐辛子のヘタを、キッチンバサミなどで切り落とす。

3.生唐辛子、食酢、塩をすべて、フードカッターまたはミキサーに入れ、ドロドロになるまで細かく粉砕する。

4.煮沸殺菌した空き瓶に3を入れ、冷蔵庫で1ヶ月以上寝かせると食べごろです。

即席とはいっても、タバスコは寝かせれば寝かせるほど、発酵により辛味と酸味が馴染んで、美味しくなります。こちらのタバスコの作り方では、作った直後には、まだ食酢や唐辛子の刺々しさを感じますが、その点も含め、1日1日のタバスコの変化を楽しみたいのであれば、おすすめしたいレシピになります。

また、本格的にタバスコが馴染むのは、冷蔵庫で2~3年経ってからであり、少なくとも2ヶ月以上の熟成が望ましいといわれています。

こちらは、一度も瓶のふたを開けていなければ、3年以上保存可能となりますので、普段使い用と、熟成発酵用に分けて作っておくと、比較ができて面白いかもしれませんね。

種やわたを除いて作る、なめらかタバスコの作り方

種やわたの雑味を感じやすい方には、こちらのレシピがおすすめです。

【材料】

※前項の、「基本のタバスコの作り方」と同様ですので、ご参照ください。

【作り方】

1.生唐辛子のヘタを、キッチンバサミなどで切り落とす。

2.生唐辛子を、包丁で縦半分に割り、中に入っている種とわたを、小さいスプーンなどでかき出して、軽く水洗いする。

3.水洗いした生唐辛子の水分を、キッチンペーパーでしっかりと拭き取る。

4.生唐辛子、食酢、塩をすべて、フードカッターまたはミキサーに入れ、ドロドロになるまで細かく粉砕する。(さらになめらかにしたい場合は、ここで裏ごしする。)

5.煮沸殺菌した空き瓶に4を入れ、冷蔵庫で1ヶ月以上寝かせると食べごろです。

唐辛子の種やわたを取り除いたり、裏ごしをするなどの手間を加えれば、市販のタバスコのようななめらかさを、味わうことができます。基本のタバスコの作り方に比べ、唐辛子に触れる回数は多くなるので、扱う際には十分注意しましょう。

乾燥唐辛子(鷹の爪)を使ったタバスコの作り方

わたしたちが一番手に入れやすい唐辛子は、こちらの、乾燥唐辛子なのではないでしょうか。乾燥唐辛子でのタバスコの作り方は、生唐辛子を使うときよりも少し手順が増えますが、しっかりと美味しいタバスコを作ることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。

【材料】

・乾燥唐辛子…10g

・水…70cc

・食酢…50cc

・塩…3g

【作り方】

1.唐辛子のヘタを、キッチンバサミなどで切り落とす。

2.お好みで、種を除き(そのままでもOK)、荒く刻んでおく。輪切り唐辛子であれば、そのままで良い。これらを器に入れておく。

3.小鍋で水を沸かし、沸騰したら、2の器に注ぐ。(蒸気と一緒に辛味成分が上がってくるので、吸い込まないように要注意!

4.そのまますぐにお皿などでふたをして、一晩ほどそのままにし、乾燥唐辛子を完全にふやかす。

5.ふやかした唐辛子と、食酢、塩をすべて、フードカッターまたはミキサーに入れ、ドロドロになるまで細かく粉砕する。

6.煮沸殺菌した空き瓶に5を入れ、冷蔵庫で1ヶ月以上寝かせると食べごろです。

乾燥唐辛子を使って作ったタバスコも、2~3年熟成させると発酵してきて、とても美味しくなります。

これぞ即席!一味唐辛子を使ったタバスコの作り方

本当に今すぐ使いたい、だけど、タバスコを切らしている!そんな時には、こちらのタバスコの作り方を、ぜひ参考にしてみてください。

【材料】

・一味唐辛子…大さじ2(14g)

・食酢…150cc

・塩…大さじ1弱

【作り方】

1.すべての材料が、完全に混ざるまで、しっかりと混ぜるだけ。

以上、作業時間5分…いえ、1分でも完成してしまう、お急ぎの方への、救世主的レシピでした。こちらのタバスコも、多めに作って冷蔵庫で寝かせると、だんだん馴染んできます。一味唐辛子のつぶつぶ感を楽しみたい方にも、おすすめのレシピです。

タバスコの作り方における、あるあるQ&A

タバスコの作り方における、あるあるQ&A

唐辛子の色でタバスコの作り方は変わる?

色の違いといえば、赤唐辛子青唐辛子が思い浮かぶと思います。実はこれらは、同じ唐辛子からできており、青唐辛子が完熟することで赤唐辛子になるという違いなのです。

タバスコの作り方も、唐辛子の色の違いで、特別に変えなければいけないということはありません。ですので、今回のレシピは、青唐辛子を使ったタバスコの作り方にも、応用できるというワケですね。

使用する食酢は何が良い?

タバスコの作り方では、材料に「食酢」と表記してありますが、一般的に料理でよく使用するものは、穀物酢ですよね。実は、タバスコは、他にもいろいろな種類の食酢を使って、作ることができるのです。

リンゴ酢黒酢など、あなたならではの、こだわりのタバスコを作ることができるのも、魅力的ですね。

唐辛子の種とわたは辛いって本当?

よく、「唐辛子の辛みは種に多く入っている」ということを耳にしますが、実際にはどうでしょうか。

唐辛子を栽培している農家さんのお話によると、唐辛子の果肉や種自体には、基本的には辛み成分は、ほとんど入っていないそうです。辛みを軽減したい場合には、種よりも、種のまわりについている、ふわふわとした「わた」のような部分(隔壁や胎座とよびます)を取り除くことの方が、効果的であるとのことです。

ただし、生唐辛子を乾燥していく過程で、辛味を貯蔵している層が破れて、辛み成分が種に移る、ということはあるようです。乾燥唐辛子においては、種に辛みを感じる、ということは、当てはまるのかもしれませんね。

タバスコの辛さの調整は、これらをふまえて、作り方を変えてみるとよさそうですね。

自家製タバスコはどんなアレンジができる?

今回は、ご家庭やレストランで最もよく使われている、ペッパーソースと呼ばれるタバスコのように、材料は3つのみ、「唐辛子」「食酢」「塩」を使用した基本の作り方をご紹介しました。

実は、ここから、あなたなりのオリジナルタバスコにアレンジも可能なのです。主なアレンジ食材として、ニンニクを加えたり、唐辛子の種類を変えてみたり、塩の一部に塩麹を使用することもできますよ。

また、基本の材料である塩を、お好みの岩塩などに変えることもできるのです。食酢に続き、こだわりの食材を見つけて、ぜひ、オリジナルの自家製タバスコを作ってみてください。

まとめ:タバスコの作り方は、意外と簡単でアレンジも可能!

いかがでしたか?タバスコの作り方は、もっと難しいイメージがありましたが、意外に身近な食材で、簡単に作ることができることが分かりましたね。

また、冷蔵庫で長期間保存することで発酵が進み、さらに美味しくなることもわかりました。

唐辛子の辛味成分はとても刺激性が強いので、扱う際にはしっかりと注意して、あなたならではの、こだわり食材を使用した自家製タバスコを、ぜひ作ってみてくださいね。

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