日本人は食塩を一日にどれくらい摂ってるの?摂取量の目安もご紹介

お寿司やラーメン、ピザやポテトチップスなど、私たち日本人の周りはおいしい食べ物だらけですね。塩分の摂り過ぎはダメだと分かっていても、ついつい食べたくなるのが人情です。

食べちゃダメって言われると、余計食べたくなっちゃうよね。我慢した方が体に悪いからって自分に言い訳しながら、しょっぱいものを口にしちゃうの。日本人は海外の人に比べて、どのくらい塩分を摂っているのかな…。

海外の人たちに比べて、日本人の一日の塩分摂取量は多いと言われています。和食は醤油や味噌で味付けをするため、どうしても塩分量が多くなってしまうようです。

 

日本人が一日に口にしている食塩の摂取量はいったいどのくらいなのでしょうか?この記事では日本人の一日の食塩摂取量のランキングや推移、目安となる摂取量、海外の摂取量などを解説します。

日本人の一日の食塩摂取量は?

日本人の一日の食塩摂取量は?

ご飯に味噌汁、焼き魚に漬物や納豆、バランスのいい食事風景ですね。ところが日本食は気を付けて食べないと、食塩の取り過ぎになりやすいメニューが多い食事です。

 

健康を気遣う人たちの中には、減塩をしている方も多いことでしょう。どうせなら健康で長生きしたいですね。

 

日本では一日に食塩をどのくらい摂取しているのか、都道府県別のランキングや食塩摂取量の目安について見ていきましょう。

都道府県別食塩摂取量ランキング

私たち日本人は毎日の食事で大体どれだけの食塩を一日に摂っているのでしょうか。まずは厚生労働省が実施している「平成28年度国民健康・栄養調査」から、都道府県別の食塩摂取量のランキングを見ていきましょう。

都道府県別食塩摂取量ランキング(多い順)

男性グラム女性グラム総合グラム
1位宮城県11.9長野県10.1長野県10.9
2位福島県11.9福島県9.9福島県10.8
3位長野県11.8山形県9.8宮城県10.6
4位福岡県11.7青森県9.7秋田県10.5
5位秋田県11.6千葉県9.7福岡県10.5
全国10.89.29.9

厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査」より

都道府県別食塩摂取量ランキング(少ない順)

男性グラム女性グラム総合グラム
1位沖縄県9.1沖縄県8.0沖縄県8.5
2位高知県9.8大阪府8.4大阪府9.0
3位大阪府9.9高知県8.4高知県9.0
4位岡山県10.1岡山県8.6岡山県9.2
5位滋賀県10.1香川県8.6滋賀県9.3
全国10.89.29.9

厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査」より

皆さんの地元の県は入っていましたか?多い県と少ない県では、約2gも食塩の摂取量に違いがあることが分かりました。

 

東北地方を中心に食塩の摂取量の多い県が多く、四国や九州地方では少ないようです。ただし同じ調査で「都道府県ごとの差は年々縮小している」との記述があり、少しずつ減塩の効果は表れているようです。

食塩摂取量の推移

では日本人が一日に摂取する食塩の量は、数年前と比べてどうなっているのでしょうか。厚生労働省の「平成29年度国民健康・栄養調査」から、ここ10年間の食塩摂取量の推移を見ていきましょう。

 

日本人の食塩摂取量の推移(平成19~29年)

日本人の食塩摂取量の推移(平成19~29年)

少しずつですが、じわじわと食塩摂取量は減少傾向にあるようです。男性も女性も、平均1g程度の減塩に成功していることが分かりました。

 

最近は醤油や味噌などの調味料だけでなく、レトルト食品やカップ麺にも減塩タイプの商品が売られるようになっています。普通に食事をしていても、自然と塩分を少なく摂れるようになってきたのはありがたいですね。

一日の食塩摂取量の目安

現在日本人が摂取している一日の食塩の量は、全国の平均で「男性が10.8g、女性が9.2g」であることが分かりました。厚生労働省では2015年から、食塩摂取量の基準を「男性が7.5g未満、女性が6.5g未満」としています。

 

厚生労働省の基準値は数年ごとに改定され、そのたびに基準値が少しずつ引き下げられています。これは少しずつ基準値を下げることで、減塩を少しずつ進めるようにしているのでしょう。

 

厚生労働省以外の機関からも基準値が発表されており、日本高血圧学会では一日6g未満の食塩制限を勧めています。この目標を達成するのはなかなか容易なことでは無さそうですね。

子供の食塩摂取量は?

大人の一日の食塩摂取基準量は、厚生労働省で目安が示されていました。では子供や乳幼児の食塩摂取量はどうでしょうか。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、以下の通りになります。

食塩の食事摂取基準(g/日)

男子女子
1~2歳3.0g未満3.0g未満
3~5歳3.5g未満3.5g未満
6~7歳4.5g未満4.5g未満
8~9歳5.0g未満5.0g未満
10~11歳6.0g未満6.0g未満
12~14歳7.0g未満6.5g未満

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2015年では男女間の基準値に差がありましたが、2020年では男女ともほぼ同じ年齢なら、同じ食塩の摂取量が基準値として定められています。15歳以上の基準値は成人と同じです。

 

実際に摂っている一日の食塩量は、子供たちも基準より多く摂っている場合がほとんどです。市販のスナック菓子などを大人と一緒に食べれば、それだけでもかなりの食塩が口に入ることになります。

 

体が小さいお子さんは少しの量でも体に与える影響が大きいので、大人が工夫してあげてくださいね。

食塩摂取量は少ない方がいい?一日に最低必要な量ってあるの?

食塩摂取量は少ない方がいい?一日に最低必要な量ってあるの?

減塩は体にいいことは分かりましたが、では人間は食塩を摂取しなくてもいいのでしょうか。

人間と同じ哺乳類のヤギの仲間には植物だけでは栄養が足りないため、塩のある場所まで何キロも歩いたり急な崖を登ったりする種類もいるそうです。

 

また昔は塩の産地の奪い合いで戦争が起きたこともあるくらい、人間や動物にとって食塩は無くてはならない大切なミネラルです。

 

ではここからは食塩の一日の最低必要量や摂り過ぎるとどうなるかを見ていきましょう。

食塩の最低必要量ってどのくらい?

こんなに減塩が叫ばれている現代、じゃあ「食塩ゼロ生活」をすればいいと思ってしまうかもしれません。食塩が不足すると、体に様々な不調が現れてきます。

食塩が不足すると

・頻脈

・疲労感、倦怠感

・低血圧

・頭痛、吐き気

・脱水症状

食塩の一日に必要な最低摂取量は厚生労働省の発表によると、1.5gと設定されています。この数字は専門家から少なすぎるのではないかとの意見も出ており、食塩の必要量の基準は難しいようです。

食塩に致死量ってあるの?

食塩の致死量は推定で体重1kg当たり0.5g~5gと言われています。私たちの周りにある物質は、たとえ水でも飲み過ぎれば命に関わるのです。

 

60kgの大人なら30g~300gの食塩が致死量と言われており、以前日本で1Lの醤油を飲んで自殺した例があったそうです。

 

こいくち醤油はおよそ食塩分17.5%なので、1Lの醤油には約180gの食塩が含まれています。確かに致死量ですが、あのしょっぱさを考えると飲むのには相当な勇気が必要かもしれません。

 

乳幼児の場合小さなスプーン一杯の食塩でも、致死量に達する場合があるので注意が必要です。実際に2015年に、保育園で1歳児が食塩中毒で死亡した事件がありました。

夏は食塩を多めに摂取した方がいい?

暑い季節になると怖いのが熱中症ですね。夏は汗がたくさん出るから、ミネラル補給のために食塩を多めに摂取している人もいるでしょう。

 

日本人は現在基準とされる一日の食塩摂取量よりも、かなり多くの食塩を摂っています。夏に汗をかくからと言ってさらに多くの食塩を口にしてしまうと、塩分の摂り過ぎになるので気を付けましょう。

 

汗をかいたら、まずは水分の補給が大事です。一度に吸収できる水分の量は200ml程度で、吸収されるまで30分かかると言われています。普段から少しずつ水やスポーツ飲料を飲む習慣をつけておくと安心ですよ。

世界の一日の食塩摂取量は?

世界の一日の食塩摂取量は?

日本人の一日の食塩摂取量は、海外から見ると多いようです。昔から塩を使って保存食を作っていた日本人の食事は、どうしても食塩の量が多くなってしまうのかもしれません。

 

「食塩を控えて健康な毎日を」とか「減塩で長生きしましょう」と言った言葉であふれる日本ですが、海外の事情はどうなっているのでしょうか。

ここからは諸外国の一日の食塩摂取量や、WHOが推奨する食塩の量について見ていきましょう。

諸外国の食塩摂取量国別比較

日本と主な諸外国の食塩の一日の摂取量には、違いがあるのでしょうか。国立健康・栄養研究所が発表している「健康日本21分析評価事業」から、諸外国の食塩の摂取量を見ていきましょう。

諸外国の食塩摂取量の比較

男性(g)女性(g)総合(g)
オーストラリア7.15.36.1
フィンランド8.76.47.6
ドイツ8.86.37.6
韓国11.78.09.9
アメリカ10.57.69.0
日本10.99.310.1

国立健康・栄養研究所「健康日本21分析評価事業」より

統計ではフィンランドとドイツの総合の数値が出ていなかったため、概算の平均値を計算しました。ヨーロッパ各国は、やはり食塩の摂取量が少ないようですね。

 

驚いたのはアメリカの男性の食塩摂取量が、日本人とそれほど変わらないことです。アメリカ人もやはり、塩辛いものがおいしいと思うのでしょうか。面白いですね。

WHOが推奨している食塩の量は?

WHO(世界保健機関)が推奨する世界中の人の食塩摂取目標は、一日5gです。日本人は一日に、目標の2倍の食塩を摂っていることになります。

 

ところで、少し疑問があります。日本などの海に囲まれた国は昔から食塩を豊富に使うことができたため、長年食塩の多い食事を続けてきました。

 

それならば食塩を豊富に料理に使えなかった国に比べて、日本人の体はたくさんの食塩を摂っても大丈夫なのではないでしょうか。食生活によって、それぞれの国の人は体質が変わっているはずです。

 

たとえば日本人は海藻を消化できますが、欧米の人は消化できません。同じようなことが、食塩の摂取量に関しても言えるのではないでしょうか。

 

ある程度の減塩は必要かもしれませんが、食塩の量に世界中一律の数字を当てはめるのは少し違うような気がします。

まとめ~工夫して一日の食塩を減らしていこう

食塩の摂り過ぎは高血圧や脳卒中、心臓発作の原因になると言われています。厚生労働省によって食塩の一日の摂取量の基準が決められ、調味料やお菓子、レトルト食品も減塩の商品が出回っています

 

以前出回っていた減塩の商品は味気ないものが多かった気がしますが、最近の減塩商品は味もちゃんとあって減塩のタイプも増えて助かりますね。

減塩は毎日続けないと意味がありません。無理せずこつこつと出来ることをやっていきましょう。

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