そんな疑問に答えます。
近年、食物アレルギーを疑い、病院で検査を受ける人が増えてきています。検査した結果、思ってもいなかった食物アレルギーが明らかになるケースも多い様子…。
最近では「ごまアレルギー」を指摘される人が多いようです。そんなとき、ふと気になるのがごま油のこと。
美容と健康に良いとされ人気の高いごま油ですが…もしかしたらごまアレルギーの人はごま油も摂取できないの!?ここでは、そんな疑問に答えるため、ごま油とごまアレルギーの関係について、詳しく解説していきます。
目次
ごま油とごまアレルギーの関係は?
病院で検査した結果、ごまアレルギーの可能性ありと指摘されると、戸惑いを感じる方が多いでしょう。
実際にごまを摂取してアレルギーを発症したわけではないのに、ごまアレルギーだと言われても、どう対応していいかわかりませんよね。
そして、ごま油などの、ごまを使用した製品を摂取していいのか、ダメなのか…わからないことがたくさんあります。
ここでは、基本的なことを中心に、ごま油とごまアレルギーの関係について、わかりやすく説明していきます。
ごまアレルギーってどんなもの?
ごまアレルギーは食物アレルギーの一種です。具体的な症状には、じんましん、嘔吐、下痢、せき、呼吸困難などがあります。
原因物質は、食物に含まれるたんぱく質。食物を摂取したとき、体が特定のたんぱく質を異物だと認識すると免疫システムが過敏に働き、アレルギー症状が出るのです。
自分に食物アレルギーがあるかどうか心配なときには、病院(皮膚科・アレルギー科)で「アレルギー検査」を受けると、どんな食品にアレルギーがあるのか知ることができます。
検査の結果、かなり多くの人にごまアレルギー陽性という結果が出るようです。ただし、陽性であっても、実際にごまを食べてアレルギー反応が出る人はそう多くありません。
「検査結果が陽性=ごまアレルギー」と特定しにくいのが、ごまアレルギーの特徴だと言えます。
アレルギーを発症しやすいゴマの種類は?ごま油は大丈夫?
ゴマにはいろいろな種類がありますが、アレルギーを発症しやすい特定のゴマの種類というのはあるのでしょうか?
アレルギーの原因になる物質(たんぱく質)をアレルゲンといいます。ごまアレルギーの人は、ごまに含まれるビシリンというたんぱく質に反応して、アレルギーを発症してしまいます。
ゴマの種類ごとのアレルゲン量をあらわすと次のようになります。
(多い)
↑
・すりゴマ、ゴマペースト
・炒りごま(種皮のついた粒のまま)
・ごま油
↓
(少ない)
ゴマの種類で言うと、すりゴマやゴマペーストでアレルギーを発症する人が多く見られます。
それに比べると、炒りゴマは、吸収されるアレルゲン量が少ないためかアレルギーを発症しにくいと言われています。
ごま油には、ゴマのアレルゲンがほぼ含まれていないため、摂取可能な場合が多いです。
ただし、油脂に含まれる微量な搾りかすに反応してアレルギーを発症する人もいますので、ごま油を摂取可能かどうかは、主治医に相談してみてくださいね。
不安な方は「食物経口負荷試験」もおすすめ
ゴマを摂取してアレルギーを発症したことがある人は「自分はごま油を摂取して大丈夫なんだろうか…」と心配になるかもしれませんね。
そのような場合、病院(皮膚科・アレルギー科)で「食物経口負荷試験」と呼ばれる検査を受けるのもおすすめです。この試験は、アレルギーを疑われる食物を実際に食べて、その後の症状を観察する試験です。
ごま油のアレルギーを疑う場合は、医師との詳細な問診で、ごま油の摂取可能量(負荷量)を決定し、病院内でごま油を摂取することになります。
このやり方でしたら、万一ごま油でアレルギーを発症したとしても、病院内で対応してもらえますから安心ですね。
加工食品を購入する際は「原材料」を要チェック!
ごま油を始め、調味料、ドレッシング、マーガリン、スイーツなどなど、ゴマはさまざまな加工食品に使用されています。
ごまアレルギーの人は、加工食品を購入する際にもゴマが含まれているのかしっかりと確認するようにしましょう。
ゴマは2013年9月からアレルギー表示の「推奨表示品目」に加わりましたので、原材料としてゴマやゴマ加工品が使用されている場合は、「原材料名」のところに表示されるようになりました。
ただし、あくまでも「推奨表示品目」であり「表示義務」があるわけではないため過信は禁物!その加工食品にゴマが使用されているか心配な場合は、必ずメーカーに問い合わせるようにしてくださいね。
ごま油で起こるアレルギー症状&対処法
「ごま油アレルギー」と言っても、人によっては症状が軽い場合もありますので、発症していても気づかないことも少なくありません。
ここでは、ごま油で発症することの多いアレルギー症状や、実際に発症してしまった場合の対処法などについて解説していきます。
【発症確率別】ごま油で起こるアレルギー症状
ごま油を含む食物アレルギーで起こる症状を、確率の高いものからまとめると次のようになります。
・80~90%の確率で発症:じんましん、かゆみなどの皮膚症状
・20~30%の確率で発症:呼吸困難、咳などの呼吸器症状
・20~30%の確率で発症:まぶた・唇の腫れなどの粘膜症状
・10%程の確率で発症:腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状
・7~10%の確率で発症:アナフィラキシーショック
特にショック症状は、医学的には生死をさまよう状態を指します。
7~10%は決して低い確率ではありませんので、食物アレルギーを軽く考えず、アレルギーの原因となる食物は摂取しないよう気を付けるようにしましょう。
アレルギーを発症しても焦らず対処しよう
ごま油を摂取した後にアレルギー症状が疑われるような赤い発疹(じんましん)が突然出てしまった場合、まずは、じんましん以外の身体症状がないか確認しましょう。
息苦しさ・腹痛・気分の悪さ・意識の低下などがあったら危険です。そのような場合、救急車を呼び、すぐに病院に行ってください。
症状がじんましんだけの場合は、アイスノンなどで冷やすとかゆみが治まる可能性があります。体が温まるとじんましんが出やすくなるので、入浴時に浴槽に入らず、シャワー浴にするのがおすすめ。
それでも心配な方は皮膚科に行ってください。皮膚科で処方される抗ヒスタミン薬、ステロイド薬を服用すると、じんましんの症状が治まる可能性があります。
まとめ:アレルギーが心配な人は気をつけながらごま油を摂取しよう!
ごま油とごまアレルギーの関係について。ごま油には、アレルギー発症の原因となるたんぱく質がほとんど含まれていないため、ごまアレルギーの人でも、ごま油は摂取可能な場合がほとんどです。
しかし、ごくわずかですが、ごま油でアレルギーを発症する人もいます。
美容と健康に良い上、風味豊かで食卓を魅力的に彩ってくれるごま油。アレルギーが心配な場合は、十分に注意を払って、適切かつ安全にごま油を摂取するようにしましょう。