そんな疑問にお答えします。
揚げ物や炒め物に必要不可欠なサラダ油と、健康にいいと言われているオリーブオイル。この記事では、この2つの油の違いについてや、混ぜたり代用したりする活用術などをご紹介していきます。
目次
【4項目で比較】サラダ油とオリーブオイルの違いとは?
料理の際に活用する頻度が多いサラダ油やオリーブオイル、この2つの油は植物を抽出した原料とする植物油です。
サラダ油は揚げ物などに、オリーブオイルはサラダにいいのかな…と漠然と使っている人が多いのでは。ここでは、そんな2つのオイルの違いについてご紹介していきます。
原料と製法の違い
サラダ油とオリーブオイルの違いの大元は、原料と製法にあります。まず、サラダ油とは植物の種子を原料とする総称を言います。
そのため、なたね・ごま・ひまわりなど原料が多岐に渡り、2種類以上混ぜる調合油もサラダ油の部類に入ります。対して、オリーブオイルはオリーブの果実のみとシンプルな原料です。
製法についても、サラダ油は長時間低温下に置いても固まらないよう、加熱や不必要な成分をろ過するなどの精製を行い、意図的に味や匂いに癖がないよう仕上げてあります。
対して、オリーブオイルは余計な処理や手を加えずに非加熱で果実をすり潰してろ過するのみ。そのまま飲めるエキストラバージンオリーブオイルと呼ばれるものもあります。
サラダ油 | オリーブオイル | |
---|---|---|
原料 | ・油菜の種子 ・綿実の種子 ・大豆の種子 ・ごまの種子 ・ひまわりの種子 ・トウモロコシの種子 ・葡萄の種子 ・なたねの種子 ・紅花の種子 ・米の種子 ・落花生の種子 | オリーブの果実 |
製法 | 圧搾 加熱などの精製あり | 圧搾・非加熱 |
サラダ油とオリーブオイルは、同じ植物由来とはいえ、原料や製法に大きな違いがあるため、香り・味わい・カロリー・栄養素・価格などに影響してきます。
香りと味わいの違い
サラダ油とオリーブオイルは、香りや味わいにも独特の違いがあります。
サラダ油 | オリーブオイル | |
---|---|---|
香り | 無臭 | オリーブ独特の香り |
味 | 無味 | 爽やかでマイルド 辛みや苦味があるものも |
サラダ油は、元々サラダドレッシングに使用することを目的に作られているため、香りや味わいはほぼありません。
そのため、揚げ物や炒め物、パウンドケーキやシフォンケーキなどのお菓子作りなどオールマイティに使われています。
対して、オリーブオイルはオリーブの独特の爽やかでマイルドな香りや風味があります。そのオリーブオイル特有の味わいを活かし、サラダやカルパッチョ、パスタなどさまざまな料理に使われています。
また、オリーブオイルの中でも、最高品質である「エキストラバージンオリーブオイル」は、ポリフェノールが多く含まれていることから、特有の辛みや苦味を感じることも。
カロリーや栄養素の違い
サラダ油とオリーブオイルは、どちらも油なので100gあたり921kcalと同じカロリーです。ですが、栄養素にはそれぞれの油に特徴があります。
サラダ油には、血中コレステロールを下げるリノール酸、抗酸化作用があるトコフェロールが豊富です。対して、オリーブオイルにはオレイン酸やビタミン類・Bカロチン・ポリフェノールなどの栄養が豊富です。
特に多く含んでいるオレイン酸は、抗酸化作用や悪玉コレステロールを減らす働きがあります。オレイン酸を日常的に摂取することで健康面に大きく働きかけてくれますよ。
サラダ油 | オリーブオイル | |
---|---|---|
カロリー | 921kcal | 921kcal |
栄養素 | リノール酸 トコフェノール | オレイン酸 ビタミン類 Bカロチン ポリフェノール |
※カロリーは100g当たりの数値です。
どちらも栄養をたっぷり含んでいるものの、気をつけてほしいのがサラダ油の「リノール酸」です。
空気や光に触れたり、加熱することで酸化しやすいため、動脈硬化やがんなどの様々な病気の要因になると言われています。
サラダ油を使う場合は、空気や光に触れないよう冷暗所での保管や、揚げ物よりはドレッシングなど生食で利用する方がおすすめです。
価格の違い
サラダ油とオリーブオイルは、価格にも差があります。サラダ油は比較的安価で、1500gのボトルが500円以下で手に入ることもありますよ。
その一方で、オリーブオイルは品質によって、価格に大きな幅があります。
精製されたオリーブオイルの場合、100g100円~200円以下の商品もありますが、高品質のエキストラバージンオリーブオイルになると100gで1,000円を超えるものまであります。
※エキストラバージンオリーブオイルと表示されているのに極端に安い価格で販売されている場合、中身が「精製されたオリーブオイル」の可能性もありますので注意してくださいね。
コスパ抜群!サラダ油とオリーブオイルを混ぜるコツ
油の種類が違うとはいえ同じ植物油であるサラダ油とオリーブオイルは、混ぜても問題なく使えます。
ただ、混ぜる場合は、それぞれの特徴も混ざり合うことになりますので、配合比率などのコツを押さえておくと便利ですよ。
2つのオイルを混ぜることで得られる相乗効果
サラダ油とオリーブオイルを混ぜることで、サラダ油のマイナス面である「酸化」がやや軽減され、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の栄養を摂取することができます。
そして、この2つの油を混ぜることで、食べた時にふわっとした食感や、爽やかな香りが漂う仕上がりになりますよ。
オリーブオイルは価格が高く、上質なものにこだわると金銭的な負担も大きいため、安価なサラダ油を適量混ぜることで、コスパよくオリーブオイルを活用できる点も嬉しいですね。
2つの油を混ぜる比率は、オリーブオイル3:サラダ油1程度が理想的ですよ。
揚げ油を混ぜる場合は注意が必要
揚げ油にサラダ油とオリーブオイルを混ぜる場合は、サラダ油の原材料に「乳化剤・レシチン」が入っていないことを確認しましょう。
乳化剤とは、水と油が混ざりやすくなる薬のことです。乳化剤入りのサラダ油にオリーブオイルを混ぜてしまうと、泡立ってしまったり揚げた後にベチャッとなったりしてしまいます。
↓有名メーカーのものであればこんな商品です。
一番搾りにこだわった、乳化剤なしの菜種油。淡い自然な色で、高温加熱に強いので、揚げ物がカラっと揚がりますよ。
また、エキストラバージンオリーブオイルは加熱向きではないので、揚げ油に混ぜる場合はピュアオリーブオイルを使いましょう。
混ぜるならアヒージョがおすすめ
サラダ油とオリーブオイルを混ぜるのにおすすめの料理は、「アヒージョ」です。
アヒージョの場合、アンチョビとにんにくが味と風味の決め手となるので、混ぜる比率は半々が好ましいでしょう。オリーブオイルの香りを際立たせたい時は、オリーブオイルをやや多めにしてくださいね。
<材料>
・にんにく:50g
・アンチョビペースト:20g
・オリーブオイル:150g
・サラダ油:150g
・むき海老:1パック
・アボカド:1個
・マッシュルーム:4個
<作り方>
1.むき海老・アボカド・マッシュルームは食べやすい大きさにカットする
2.鍋に、にんにく・オリーブオイル・サラダ油を入れて弱火にかける
3.にんにくがきつね色になったら、アンチョビペーストを入れて混ぜ、火を止める
4.むき海老とマッシュルームを入れて火にかける
5.火が通ったら、アボカドを入れて完成
<ポイント>
・アンチョビペーストはアンチョビでも美味しく仕上がります。
・具材はお好みでアレンジしてみてくださいね。
ドレッシングも混ぜると風味が増す
ドレッシングを作る際に、サラダ油とオリーブオイルを混ぜて使うのもおすすめです。
無味無臭のサラダ油に、オリーブオイルの爽やかな香りや風味がプラスされ、簡単なのにさらに美味しくなります。ちょっと工夫するだけで、いつもより美味しく健康になるので、ぜひ試してみてくださいね。
<材料2人分>
・キウイ・いちじく・アボカド:各1個
・バナナ:1/2個
・たまねぎ:1/8個
・ミニトマト:3個
・オリーブオイル:大さじ2(約24g)
・サラダ油:小さじ2(約8g)
・すし酢:大さじ1
・こしょう:少々
<作り方>
1.玉ねぎをみじん切りにして、すし酢を混ぜておく
2.レタスを食べやすい大きさにちぎり、ミニトマトを半分にカットする
3.アボカドを食べやすい大きさに切り、いちじく縦6等分、バナナ輪切り、キウイ半月切りにする
4.玉ねぎ酢に、オリーブオイル・サラダ油・こしょうをよく混ぜる
5.お皿にレタスを敷いて、果物とミニトマトを盛り付け、最後にドレッシングをかければ完成
<ポイント>
・お好みでりんごを入れても美味しく仕上がりますよ。
サラダ油とオリーブオイルは代用可能?
2つの油は、サラダのドレッシングやマリネ液など、生で利用する料理であればどちらも代用できます。
ただ、サラダ油は無味無臭、オリーブオイルは独特の香りや味わいがあるので、普段は炒め油や揚げ油にサラダ油を活用している方は、オリーブオイルの香りが強くて合わないということも。
また、揚げ油にオリーブオイルを使っている方は、サラダ油を使うと胃がもたれる可能性も考えられます。一度試して好みに合うかどうか、確認してみましょう。
まとめ:サラダ油&オリーブオイルは混ぜてコスパ良く!
無味無臭でサラダと相性抜群のサラダ油と、オリーブの香りや風味がいいオリーブオイル。混ぜることで、それぞれの特徴が活かし、美味しく仕上がる料理方法があります。
今まで単体で使っていたという方は、ぜひ混ぜてみましょう。コスパも良く、健康的にもサポートしてくれますよ!