「酸っぱい味噌汁」は食べてもOK?判断方法&腐った状態の見分け方
作りたての味噌汁の味がなんだか酸っぱいんだけどなぜかしら?
昨日作った味噌汁を飲んだら、酸っぱい味がするけど、食べても大丈夫?

そんな疑問にお答えします。

本来、酸味がない食べ物が「酸っぱい味」になってしまっていると、腐ってしまったのかな…と、なんだか不安になることはありませんか?

この記事では、酸っぱい味・風味になってしまった味噌汁について、食べてもいい場合・食べたら危険な場合の見分け方などをご紹介していきます。

こんな理由の「酸っぱい味噌汁」なら食べても大丈夫

こんな理由の「酸っぱい味噌汁」なら食べても大丈夫

作りたての味噌汁を食べた時、少し酸っぱい味がして、なぜだか理由がわからないことがありませんか。作りたてなので腐っていることは考えにくいし、食べてもいいのか迷いますよね。

以下の理由で酸っぱくなった味噌汁なら食べても大丈夫ですよ。

鰹出汁の煮出しすぎ

鰹出汁は、鰹節を熱湯に入れるとすぐにイノシン酸などの鰹のうまみ成分が出ますが、そのまま煮続けているとだんだん酸味が出てきて酸っぱくなってしまいます。

うまみ成分のイノシン酸は、85℃から90℃くらいのお湯でもっともよく出ます。ですから、煮出さなくてもうまみ成分は十分に引き出すことが出来るのです。

濃くて美味しい出汁を取ろうと、長時間煮続けるとうまみより酸味などの雑味が出てしまって美味しい出汁には逆効果なのです。

酸味の強い鰹節で出汁を取った場合

鰹の身はもともと酸性で多少の酸味がありますが、たまにかなり酸っぱい身が混じっています。見かけではわからないものですが、理由は、釣られた時に暴れて乳酸がたまっているためです。

特に巻き網漁で大量に釣られた鰹の方が、一本釣りの鰹より身が酸っぱいものが多いです。味噌汁にしてしまうまえに、一度出汁を取った段階で味見をしてみるといいですよ

赤味噌を使うと酸味を感じることも・・・

赤味噌の味噌汁を飲むと、味・風味が酸っぱいと感じることがありますが、これは赤味噌が、他の味噌に比べ熟成期間が長いことが原因です。

味噌は製造過程で、まず最初に、麹菌により甘みが出ます。その後の熟成期間で乳酸菌が増え、甘みが減り、酸味やコク、香りが出てくるのです。

例えば、乳酸菌を含むキムチを長く保存していたら酸っぱくなってしまった経験はありませんか?同じように、味噌も、長期熟成によって、酸っぱくなってしまいます。

しかし、赤味噌の、酸味とコクのある味は、他の味噌にはない独特の風味を楽しめます

鰹出汁に鰹節を入れすぎた場合

鰹出汁を取る時に、鰹節を多く入れればよりおいしい出汁の味噌汁が作れそうですが、実は、入れすぎると酸っぱいだし汁になってしまいます。

なぜなら、鰹の身は弱酸性で、もともと酸味があるものだからです。酸味が出すぎずうまみと酸味のバランスの良い出汁を取るためには、水に対して、3パーセント(水1000ccに30g)ほどの鰹節が適当です。

面倒でも、入れすぎないようにきちんと量って使うことが大切です。

危険な「酸っぱい味噌汁」の見分け方&対処法

危険な「酸っぱい味噌汁」の見分け方&対処法

味噌汁が酸っぱい味・風味となってしまう原因には様々なものがありますが、食中毒を起こしてしまう可能性があるものも…。

ここでは、どんな味噌汁は食べてはいけないのか、またそうならないための対処法はどうすればいいのか、等についてご紹介していきます。

危険な味噌汁を見分けるポイントは3つ

食べたら危険な「酸っぱい味噌汁」は、ずばり腐っている味噌汁です。見分けるためのポイントはこちらの3点です。

1.作ってから時間が経ってしまっている場合

2.表面に白い膜ができている・形状がどろどろとしている場合

3.具材自体が賞味期限間近だった・変色異臭があった等の場合

味噌汁は腐りやすく常温では、3時間から半日で酸っぱい風味・味となってしまうことも少なくありません。

また、見落としがちなポイントとしては、「減塩味噌、出汁入り味噌」を使っているケースがあります。これらの味噌は塩分が少ないため、通常の味噌に比べると腐りやすいです。

この3点を順番に確かめていって、少しでもいつもと違うにおいや味を感じたらもったいなくても食べるのをやめて捨てましょう。

保存方法を意識して味噌汁を長持ちさせよう

味噌汁は、足が速く、常温で置いておけば3時間から半日で腐って酸っぱい味噌汁になってしまうこともあります。

残った味噌汁は、なべ底を水や氷水で冷やし粗熱を取りすぐに冷蔵庫に入れます。常温で冷めるまでおいていたら、温度が下がる途中で腐りかけてしまうことがありますよ。

また、味噌汁は冷凍もすることが出来ます。豆腐やジャガイモやこんにゃくなどの冷凍に不向きな具材を除いて、小分けして、保存袋や保存容器に入れて冷凍します

スープジャーで持ち運ぶ際には注意が必要!

スープジャーは、中に入れた味噌汁の温度が下がると雑菌が繁殖しやすくなってしまうため、酸っぱい風味になってしまうことがあります。

これを避けるためには、味噌汁を入れる前にスープジャーに一旦熱湯を入れて捨て、中の温度を上げたものに、沸騰直前まで温めた熱々の味噌汁を入れることが大切です。

雑菌は大体20℃から50℃で活発に繁殖するものが多く、食べる前に味噌汁の温度が50℃以下に下がらないようにしましょう。

また、豆腐、なめこ、イモ類、貝類など腐りやすい食品は避けた方が無難です。こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

酸っぱい味噌汁は加熱すれば食べられる?

味噌汁が酸っぱい風味・味となる原因菌はウエルシュ菌の可能性が高く、これは、熱に強く加熱しても簡単には死にません。

また、加熱殺菌できる菌であっても、残った毒素により食中毒を引き起こす場合もありますので、一度腐ってしまった味噌汁は加熱しても食べられない、と考えた方が安全です。

万一、腐った味噌汁を食べてしまった場合、半日から数日くらいは様子を見て、嘔吐、下痢、腹痛、発熱など食中毒と思われる症状が出たら医療機関に相談しましょう。

特に、小さなお子さんや、高齢の方、もともと体調のすぐれない方は、早めに医療機関に相談の上、受診することが大切です。

まとめ:「酸っぱい味噌汁」は食べてもOK?

まとめ:「酸っぱい味噌汁」は食べてもOK?

酸っぱい味噌汁には、食べても大丈夫な味噌汁と食べたら危険な味噌汁の二種類があります。この違いを、見分けないと最悪食中毒という大変なことになります。

食べたら危険な味噌汁は「腐っている味噌汁」ですが、におい見た目のチェックをして、少しでもおかしいと感じたら勿体なくても食べないでくださいね!

私たちの食卓に欠かせない味噌汁。食べたら危険な味噌汁を見分けて、いつでも美味しく健康によい味噌汁を食べてくださいね。

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