味噌には賞味期限があるの?消費期限との違いやおすすめの保存方法も

味噌は日本の伝統食で、その起源は奈良時代といわれています。各地にさまざまな種類の味噌があり、味噌の製法はほとんどが江戸時代に確立したと言われています。

それなら味噌って、冷蔵庫のない時代から保存食として食べられていたんでしょ?うちでは調理台の下のスペースに味噌を置いて使ってるけど、賞味期限を超えても大丈夫なんじゃないの…?

市販されている味噌には、賞味期限が決められています。お店で売っている味噌は、常温の棚に置かれているのが普通ですね。お店で常温の状態で売っているなら、自宅でも常温で保存していいのでしょうか。

 

この記事では味噌の賞味期限が切れたらどうなるのか、一般的な味噌の賞味期限の目安や味噌を長持ちさせる保存方法について解説します。

味噌は賞味期限が切れても食べて大丈夫?

味噌は賞味期限が切れても食べて大丈夫?

お味噌汁や味噌煮など、味噌は毎日の食卓に欠かせない調味料です。大豆と塩、米や麦の麹といったシンプルな材料で作られており、各地にいろいろな味や見た目の味噌が存在します。

 

保存食のイメージの強い味噌ですが、賞味期限が切れた味噌は食べても大丈夫なのでしょうか。まずは味噌の賞味期限が切れたらどうなるのか、上手な保存方法などを見ていきましょう。

【賞味期限】と【消費期限】は違う

市販の食品には「賞味期限」と「消費期限」のどちらかが記載されています。市販の味噌などの傷みにくい食品のパッケージに記載されている「賞味期限」は、「おいしく食べられる期間」のことです。

 

またサンドイッチや豆腐などの傷みやすい食品に表示されている「消費期限」は、「安全に食べられる期限」を意味しています。

 

消費期限が過ぎた食品は、傷んでしまうこともあるため注意が必要です。それに対し賞味期限は多少過ぎてもすぐに痛むことのない食品につけられているため、賞味期限が切れても匂いや味に問題がなければ食べても大丈夫です。

一般的な味噌の賞味期限は?

市販されている主な味噌の賞味期限はどのくらいなのでしょうか。全国味噌工業協同組合連合会から出された「みその賞味期限表示に関するガイドライン」(平成30年)から見てみましょう。

常温で流通した味噌の賞味期限

・米味噌(甘味噌):36カ月

・米味噌(辛口味噌):312カ月

・麦味噌:312カ月

・豆味噌:612カ月

・調合味噌:312カ月

「調合味噌」は、2種類以上の味噌を混ぜたもので、米味噌と麦味噌を合わせた「合わせ味噌」などのことです。

 

賞味期限が3カ月と12カ月では、随分幅がありますね。味噌の賞味期限は麹や塩分量によって変わり、麹の量が多く塩分が少ないと味噌の賞味期限は短くなっていきます。

傷んだ味噌ってどうなるの?

味噌は基本的には腐ることはありませんが、賞味期限が切れて長く置いておくとカビが生えたり味や風味が変わったりします。

 

白いカビは「酸膜酵母」と呼ばれるもので体に害はありません。気になる人は白い部分を取り除けば、空気に触れない下の部分は食べても大丈夫です。

 

市販の味噌に青カビや黒カビが発生している場合、すでに味が変わっている可能性があります。表面を取り除けば食べられる可能性もありますが、味見をして酸味や苦みが出ていたら迷わず廃棄してください。

味噌の保存方法ってどうするの?

味噌は常温で流通しているので、常温で保存している人も多いのではないでしょうか。賞味期限は「未開封の状態で保存した場合」の期限ですので、封を開けて味噌が空気に触れたら冷蔵庫で保存しましょう

 

味噌は冷凍しても凍らず、少し硬くなりますが解凍しなくてもそのまま使用できるので冷凍保存もおすすめです。

 

使いやすい形の味噌用の保存容器も販売されています。こちらの記事に味噌の便利なストッカーの情報を載せていますので、チェックしてみてくださいね。

賞味期限切れで2年たった味噌は食べられる?

味噌は腐らないと言いますが、賞味期限切れで半年や1年、2年もたった味噌は食べるのに勇気がいりますね

 

未開封の場合は食べられる可能性があります。フタを開けてみてカビが生えていないか、味や匂いがおかしくないかを調べてみましょう。

酸味や苦みが無ければ食べられる可能性が高いですが、減塩味噌やだし入り味噌の場合は傷みが早いので注意が必要です。

 

開封後の味噌は空気に触れてしまうため、カビが生えやすくなり保存期間は未開封のものに比べて短くなります。

保存状態によっては半年や1年たっても食べられないことはありませんが、ご自分の鼻と舌で状態をよく確認しましょう。

主な市販の味噌の賞味期限

主な市販の味噌の賞味期限

白味噌、赤味噌、甘口や辛口、原料で見ると米味噌や麦味噌など、味噌にはいろいろな種類があります。一口に「味噌の賞味期限」と言っても、千差万別です

 

ここからは市販の味噌や、いわゆる「おかず味噌」と言われる味噌の賞味期限について見ていきましょう。

だし入り味噌

現在流通している味噌はほとんどが「だし入り味噌」と言ってもいいくらいに、味噌はだし入りが普及しています。

 

だし入り味噌も通常の味噌と同じ賞味期限ですが、だしの入らない味噌との違いは賞味期限が切れた後に早く傷みやすいこと。

これはだしの成分、かつお節や昆布、アミノ酸などが味噌の中に加えられているために、カビが繁殖しやすくなっていることが原因です

 

だし入り味噌は封を開けたら冷蔵庫で保存をして、できるだけ賞味期限内に使い切るようにしましょう。

金山寺味噌

「金山寺味噌」は「なめ味噌」の一種で、細かく刻んだ野菜を味噌漬けにしたものです。古くは夏に採れた野菜を冬に食べるための保存食として使われ、和歌山県や千葉県、静岡県などで作られています。

 

金山寺味噌の賞味期限は、メーカーによって1カ月~6カ月と幅があります。メーカーのサイトによると、冷蔵庫で保管すれば1年以上の長期保存も可能とのことです。

 

無添加や塩分控えめの金山寺味噌は、賞味期限が短い傾向がありますので購入の際には必ず確認することをおすすめします。

鯛味噌

「鯛味噌」は金山寺味噌と同じように「なめ味噌」の一種で、砂糖とみりんを加えて甘くした味噌に鯛のフレークを加えたものです。有名なのは桃屋の「鯛みそ」。鯛みそは桃屋の創業(1920年)以来のロングセラー商品だそうです。

 

鯛みその賞味期限は3カ月のものから、1年のものまでさまざまです。他の味噌に比べて鯛のフレークが入っている分傷みやすいので、開封後は冷蔵庫で保管して1カ月を目安に早めに食べ切ってしまった方が良さそうです。

亀八食堂の味噌ダレ

「亀八食堂」は三重県亀山市、鈴鹿サーキットの近くにある焼き肉とホルモンのお店です。「クセになるB級グルメ」とネットで話題になっています。

 

このお店の名物の自家製「味噌ダレ」は、現金書留で申し込むと送料着払いで送ってもらえます。

味噌ダレの賞味期限は3カ月で、開封後は冷蔵庫保存が推奨されています。価格は小(280g)が税込580円、大(560g)が税込1,150円です。

塚田農場の壺味噌

「塚田農場」は九州を中心とする居酒屋のチェーン店で、お通しで野菜と一緒に出て来る「壺味噌」が絶品と評判です。

 

壺味噌は宮崎の麦味噌をベースに、鹿児島の桜島大根、カシューナッツなどがブレンドされた塚田農場オリジナルの特製味噌。通販でも取り寄せができます。

 

壺味噌はもともと瓶詰めで販売されていましたが、現在はパッケージがチューブに変わりました。壺味噌は冷凍状態で届き、賞味期限は解凍後1週間となっています。

塚田農場 秘伝の壺味噌 150g
塚田農場

自家製味噌に賞味期限はあるの?

ご家庭で手作りした味噌には、本来賞味期限はありません。味噌には「3年物」「5年物」などの、長期熟成のものも存在しているほどです。

 

最近は減塩傾向で手作り味噌も塩分濃度が低いものが多いため、発酵が早く進み味や風味が早く変わる傾向があります。

塩分少なめに作った味噌は、気に入った味に発酵したら冷蔵庫に入れて発酵のスピードが遅くなるようにしましょう。味噌は冷凍しても凍りませんので、冷凍保存がおすすめです。

 

自家製味噌にご興味のある方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。

味噌は賞味期限にこだわらず自分の鼻と舌を信じよう

味噌は賞味期限が長く、きちんと保管すれば賞味期限を過ぎても食べられる食品です。栄養豊富で大豆のたんぱく質やビタミン、ミネラルなどもとれ、発酵の段階で大豆が分解され消化吸収にすぐれています。

 

健康食品として注目される味噌は毎日の食卓で積極的に食べたいですね。味噌の特性を理解して、正しい方法で管理して長くおいしい味噌を楽しんでくださいね。

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