そんな疑問に答えます。
血糖値の上昇を抑える効果が期待されている黒酢。手間がかからず、味も飲みやすく調整されている黒酢ドリンクを愛飲しているという方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実は、糖尿病の方には注意が必要です。
この記事では、糖尿病の方が黒酢ドリンクを飲む際の注意点や黒酢ドリンクの選び方についてご紹介していきます。
目次
糖尿病でも黒酢ドリンクを飲んで大丈夫??
黒酢は、血糖値の上昇を緩やかにするといわれています。血糖値の上昇を防ぐことは、糖尿病の方にとっては大事なことですので、黒酢ドリンクも糖尿病に効く!と思われるかもしれません。
ですが、実は、糖尿病を患っている方に黒酢ドリンクはおすすめできない理由がいくつかあります。ここでは、その理由について解説していきます。
黒酢ドリンクには『糖質』が含まれている
糖尿病の診断は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度のこと)が一定の値を超えること等により行われます。糖質は最終的にブドウ糖に分解されるため、この血糖値に影響を与えます。
ですので、血糖値が気になる方や糖尿病の方は、糖質の摂取に気を付けなければなりません。
黒酢は、血糖値の上昇を緩やかにするといわれていますが、実は黒酢にも糖質が含まれているのです。黒酢の原料は玄米や大麦などの穀物なので、1回あたりの量15mlで1.7gほどの糖質が含まれています。
また、市販の黒酢ドリンクとなると、黒酢そのものの糖質だけではなく飲みやすくするために甘味をつけているため、さらに糖質が高くなっています。
どんな糖質が含まれているの?
黒酢ドリンクに含まれている『糖質』には、主に3つのものがあります。糖尿病や血糖値が気になる方は、急激に血糖値が上がってしまう可能性を考慮し、飲用には注意しましょう。
黒酢ドリンクの糖質『砂糖』
黒酢ドリンクに含まれている代表的な糖質のひとつが『砂糖』です。砂糖とは、サトウキビや甜菜を原料とした甘味料で、上白糖・グラニュー糖・三温糖・てんさい糖などはすべて砂糖です。
料理やお菓子を作るときにも使用するので、家庭でもなじみ深いものですよね。
砂糖の主成分であるショ糖は、ブドウ糖と果糖が結合したもの。果糖は、肝臓で血糖値に影響を与えるブドウ糖に変わります。
砂糖15gあたりの栄養素
カロリー | 炭水化物 | 糖質 | 脂質 |
---|---|---|---|
58kcal | 14.9g | 14.8g | 0g |
黒酢ドリンクの糖質『はちみつ』
はちみつはカルシウムや鉄分といったミネラル、ビタミンなども豊富なので甘みを加えるならはちみつ、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
市販の黒酢ドリンクにも甘みとして加えられていることが多いです。
はちみつは砂糖よりも少ない量で同程度の甘味を得やすく、カロリーも心持ち控えめ。自家製黒酢ドリンクを作るなら、砂糖よりはちみつで甘味をつける方がおすすめです。
ですが、健康によいはちみつも、実は砂糖と同じく糖質が高め。糖尿病で糖質制限をしている場合は、摂取量に気を付けなくてはいけません。
はちみつ15gあたりの栄養素
カロリー | 炭水化物 | 糖質 | 脂質 |
---|---|---|---|
44kcal | 11.9g | 11.9g | 0g |
黒酢ドリンクの糖質『果糖ぶどう糖液糖』
黒酢ドリンクの甘味には『果糖ぶどう糖液糖』が使われていることがあります。果糖ぶどう糖液糖は、血糖値を上げやすいと言われているので、糖尿病の方は特に注意が必要です。
果糖ぶどう糖液糖の甘さは温度によって感じ方が変わり、温かいより冷たい方がより甘く感じるのが特徴です。そのため、黒酢ドリンクだけでなく、冷たいドリンクや氷菓などに含まれていることが多いです。
※詳しくはこちらの記事で解説をしていますので、本記事とあわせて参考にしてみてくださいね。
糖尿病でも黒酢ドリンクを楽しむには?
黒酢ドリンクには糖質が含まれているので、糖尿病の方は飲用に注意が必要です。ですが、黒酢ドリンクには体にいい栄養素もたくさん含まれています。
血糖値に気を付けながら黒酢ドリンクを飲みたい、そんな方にピッタリな解決法をご紹介します。
カロリーゼロの黒酢ドリンクを選ぶ
市販の黒酢ドリンクには、カロリーゼロのものがあります。カロリーゼロでも、甘味があって飲みやすいことに変わりはありません。
では、カロリーゼロの黒酢ドリンクはなぜ甘いのでしょうか?それは、人工甘味料を使用しているからなんです。
黒酢ドリンクによく使用されている人工甘味料は以下の3つ。それぞれ「砂糖より強い甘さを持つ」「血糖値に影響を与えない」などの特徴があります。
糖尿病の方は、血糖値に与える影響が少ない人工甘味料を使った、カロリーゼロの黒酢ドリンクを楽しむとよいでしょう。
スクラロース
一般の砂糖の600倍の甘さを持つ人工甘味料。体内に吸収されず体外に排出されるため、血糖値に影響しないと言われています。清涼飲料水・アイスクリーム・ドレッシングなど様々な商品に添加されています。
エリストール
トウモロコシを原料に、酵素を使って発酵させることで作られる人口甘味料。甘味は砂糖の60%~70%ですが、カロリーがなく血糖値に影響を与えないとされているため、ダイエット食品などに使われています。
アステルパーム
L-フェニルアラニン化合物と表記されることもある人工甘味料。砂糖の200倍程度の甘さを持つため、少量でも甘みを感じられ、結果的に摂取カロリーが抑えられます。
飲み過ぎには要注意!
カロリーゼロでも黒酢ドリンクの内臓脂肪を減少させるなどの効果は期待できるので、糖尿病などで血糖値が気になる方は、カロリーゼロの黒酢ドリンクを取り入れるとよいでしょう。
しかし、カロリーゼロの黒酢ドリンクでも、飲み過ぎには注意が必要。糖質はゼロではないので、少なからず血糖値には影響を与えます。
また、黒酢ドリンクに添加されている人工甘味料は、日本では認可されているものの、安全性について議論が続いているものも。健康のために摂取するからには、美味しいからと飲み過ぎずに、適量を守りましょう。
糖尿病でも飲みたい!健康にいい黒酢ドリンクの選び方
黒酢ドリンクは、糖尿病の方でも飲みたくなる効能があります。より健康にいい黒酢ドリンクの選び方をご紹介します。
いずれも疾病のある方、妊婦さん、授乳中の方は対象にしていませんので、糖尿病の方は医師に相談の上、飲用してくださいね。
特定保健用食品(トクホ)から選ぶ
特定保健用食品とは『血圧を正常に保つこと助ける』など特定の保険機能成分を含む食品で、消費者庁長官の許可を得たもののこと。
効果や安全性について、国が調査しています。『消費者庁許可 特定保健用食品』と書かれたマークがついているのが特徴。
『内臓脂肪を減らす』など特定の効果を得たい場合に、特定保健用食品のマークがついた黒酢ドリンクを選びましょう。
ミツカン マインズ(毎飲酢)黒酢ドリンク
血圧が高めの方におすすめの商品はこちら。飲みやすくカロリーも控えめです。1日分の摂取量は約100ml。多すぎないので続けやすいですね。
ヤクルト 黒酢ドリンク
お腹の調子を整えたい方におすすめ。ガラクトオリゴ糖配合で、お腹に優しく作用します。1回分125mlパックなので、持ち運びもしやすいですよ。
機能性表示食品から選ぶ
機能性表示食品とは、事業所の責任において『脂肪の吸収を抑える』『お腹の調子を整える』などの効果や機能性を表示した食品のこと。
安全性や機能性に関する情報は消費者庁に届け出をされていますが、特定保健用食品とは違い、国が調査・許可したものではありません。
どのような効果・機能性があるかは、パッケージの裏面などに表示されているので確認してみてください。
ミツカン ブルーベリー黒酢カロリーゼロ
内臓脂肪が気になる方におすすめの黒酢ドリンク。内臓脂肪を減少させる効果が期待できる酢酸を多く含んでいます。
ブルーベリー味で飲みやすく、ストレートタイプなのでグラスに注いでそのまま飲めます。1日分の摂取量は350ml。食後のデザート代わりや、おやつとしても楽しめます。
栄養機能食品から選ぶ
栄養機能食品とは、不足しがちな栄養素(ビタミン・ミネラルなど)を補給するための食品。栄養素を基準量含む食品であれば、消費者庁への届け出などは必要なく表示できます。
ただし、栄養素の持つ役割についての表示はできますが、「〇〇に効果がある」など、効果や機能性についての表示はできません。
飲み過ぎると過剰摂取になる場合がありますので、1日の摂取量を守って飲用してくださいね。
日野製薬 黒酢紺碧スリーベリー
ビタミンB6を配合した栄養機能食品です。ビタミンB6は、免疫機能の維持、脂肪の蓄積を防ぐなどの効果があるといわれています。
ビタミンB6は大量に摂取すると神経障害やシュウ酸腎臓結石の恐れがあるので、1回30ml、1日2回までの摂取量を守りましょう。
糖尿病は黒酢ドリンクの飲み過ぎに注意!適量を楽しんで
糖尿病の方が美味しくて体に優しい黒酢ドリンクを楽しみたい場合は、カロリーゼロのものや栄養機能の高いものを選ぶとよいでしょう。
しかし、黒酢ドリンクに含まれる糖質には注意が必要。飲み過ぎには十分に注意し、適量を楽しんでくださいね。