にんにくの収穫時期は?旬と収穫するタイミングがわかる方法を解説!

スタミナ料理やイタリアンなどさまざまな料理に欠かせないにんにく。

お店で一年中売られているけれど、本当の収穫時期はいつ?みずみずしい旬のにんにくはどのタイミングで収穫すればいいの?

そんな疑問に答えます。

筆者はにんにくの産地の青森県に住んでおり、家庭菜園でにんにくを育てています。大きくて形の良いにんにくが収穫できるととても嬉しくなります。

本記事を読めば、にんにくの旬の時期や、収穫のタイミングで気をつけることがわかります。

にんにくの収穫時期はいつ?

にんにくの収穫時期はいつ?

ずばり、にんにくの収穫時期は5月末~7月初めの初夏の頃です。北海道から九州まで、広い地域でにんにくを栽培することができるため、各地域の気候や、その年の天気、品種によって時期には若干の差があります。

たとえば、5月ころから収穫できるのは九州などの暖かい地域であり、6月ころには東北地方、7月には北海道が収穫のピークを迎えます。

前年の土作りのあと、秋ごろに種まきをしたにんにくは、発芽してから冬をじっと耐えぬいて大きくなります。その間およそ8ヶ月。一般の野菜よりも収穫まで時間と手間がかかるのです。

どうして1年を通してにんにくが売られているの?

スーパーなどの店頭に売られているにんにくは、収穫してすぐに乾燥させたものです。

収穫したばかりのにんにくは、とてもみずみずしくフレッシュな「生にんにく」なので、収穫後は長期に保管できるよう、すぐに乾燥させています。乾燥とはいえ、中は水分を含んでいて香りも強く残っている状態になります。

土の中から掘りだされたばかりの生にんにくは、土がついたまま、数日間天日干しをしたり、専用の乾燥させる機械に入れられます。自家栽培されているものは、雨のあたらない場所で葉ごと束ねて保存されている風景を目にします。

大規模な産地では、機械から取りだしたにんにくの表面の皮をパリパリと剥がし、真っ白い肌になったにんにくをきれいに梱包して出荷しています。涼しく風通しの良いところに置けば保存が効くので、1年を通して安定して出荷することができるのです。

また、国産だけではなく外国産のにんにくも1年を通して販売されています。中国の主なにんにく産地である山東省での旬は8月、スペイン産は6~7月、イタリア産は6月といわれています。

日本や海外でのにんにくの生産量については、以下の記事にまとめていますので、ご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

にんにくを収穫する時期を見極めるには?

にんにくを収穫する時期を見極めるには?

もっと具体的なにんにくの収穫のタイミングを知りたいという人は、次の3つの見極め方法を知っておくといいでしょう。

地域による収穫時期はわかっていても、その年の天気、品種、土の状態、肥料のあたえ方などによって、収穫のタイミングはそれぞれですし、毎年少しずつ変わります。特に初めて育てる人にとっては、土の中のにんにくがどんな様子なのか気になることでしょう。

出荷するのでなく、自家消費のために育てているのであれば、さほど心配せずにおおらかな気持ちで待っていて良いと思いますが、ここではわかりやすい収穫時期の見極め方法をまとめたので参考にしてください。

1.葉の色が3割ほど黄色くなってから

それまで青々と伸びていたにんにくの葉は、収穫の時期をむかえると徐々に黄色く変色していきます。葉が全体の3割~半分ほど黄色くなると、土の中ではにんにくが大きくふくらみ、旬をむかえたサインです。

なぜか急に、黄色く葉の色が変わってしまったといって焦らず、そのまま様子をみてみましょう。葉の3割以上の色が変わったら、茎が太く、大きそうなものから優しく収穫してみましょう。

ただし、収穫の時期を逃していると、全体が黄色~茶色く枯れ始め、にんにくが割れて腐りやすくなったり、内側に雨が入りこみ乾燥させづらくなったりします。

葉の色の変化は自然なものであるため、あまり難しく考えすぎる必要はありませんが、できるだけ収穫のタイミングを逃すことのないように注意しておきましょう。

2.にんにくの茎を切ってから数日間待つ

葉の色の変化でタイミングをとるのが難しいというときは、茎をつんでから数日~10日後に収穫をするという方法でも良いでしょう。

収穫のおよそ1ヶ月ほど前から、地上には、一見するとネギのような茎がまっすぐに伸び、葉を2,3枚互生させています。茎は高さがおよそ50センチほどにも成長します。

旬を迎えるころ、茎の先に丸いネギボウズのようなつぼみを付けます。そのままにしておくと紫がかった花や種(むかご)をつけ、そちらに栄養が吸収されていきます。

にんにく栽培では、地下のにんにくに優先的に栄養をあたえたいので、先にこの茎を摘むといいでしょう。

摘むときの注意点としては、花茎が出てもすぐには摘まないということです。にんにくの茎がほかの葉と同じくらいの高さになってから切るといい…といわれますが、家庭菜園ではそこまで難しく考えることはないでしょう。

花茎を摘むときは、はさみを使ってもいいですが、手でもポキっと折ることができます。

こうすることにより、その後数日~10日おいてからの収穫になるため、収穫のスケジュールをある程度、自分で管理できるようになるというメリットがあります。

さらに、この茎はいわゆる「にんにくの芽」なので、炒めるなどして美味しく食べることができるという利点があります。にんにくの芽も、初夏の旬の食材のひとつです。

3.試しにいくつかを掘って確認する

土の中のにんにくの様子がとても気になるという場合は、旬を見計らって実際にいくつか掘ってみるのもいいでしょう。

中にはまだ小さいものや、形がうまくととのっていないものがあるかもしれませんが、自家菜園で楽しんでいる人であればそれも楽しい収穫となることでしょう。

理想的なにんにくの形は、全体がふっくらとふくらんでいて、根の生えている部分が細くとがっておらず、下の部分がたいらで同じ高さにみえているものがいいでしょう。

もしも収穫のタイミングが早ければ、形がいびつであったり、1片1片がまだ小さいために根の部分がほっそりとがって見えます。

逆に、収穫のタイミングが遅いと、育ちすぎて根の部分がくぼんでいびつになっていたり、表面の皮が割れてしまいます。

様子を見るために試しに収穫したにんにくは、根が傷ついてしまっているかもしれないので、再び土に植えることはおすすめしません。せっかくですから、初物としておうちで味見をしてみるといいでしょう。

にんにくを収穫するタイミングで気をつけること

にんにくを収穫するタイミングで気をつけること

にんにくは、雨天時や、雨に降ったばかりの畑がぬかるんだときには収穫をしません。基本的に晴れた日や、土が乾燥した日に収穫をすることがポイントになります。

というのも、にんにくを土から抜くときに、根がダメージを受けたり、またにんにく自体が泥だらけになって乾燥させづらくなってしまいます

特に、にんにくが旬を迎える5月下旬~7月上旬は梅雨の時期と重なるため、タイミングを見計らって収穫をしましょう。

また、収穫後は水で洗わず、軽く土を落としてから乾燥させます。そのため、カビなどの繁殖を防ぐためにも、雨天時を避けるようにしましょう。

にんにくの収穫のタイミングがおくれたらどうなる?

葉が枯れてしまうまで放置すると「珠割れ(たまわれ)」を起こします。珠割れは、にんにくの1片が大きく成長しすぎて皮から出てきてしまうことをいいます。

表面が皮から守られなくなることで、にんにくにキズがつきやすくなったり、病害虫の被害を受けやすくなったりします。

さらに、雨に濡れたときに腐りやすかったり、変色しやすくもなります。雨が内部に入りこむと、収穫後の乾燥がうまくできず、長期保存が難しくなることもあります。

珠割れを防ぐために、収穫の時期が過ぎていないか、葉が枯れすぎていないかを見ておくようにしましょう。珠割れしたにんにくは、腐っていないものは乾燥させて長期保存できると思います。

もしも保管に自信がなければ、早めに食べたり、加工して楽しむことをおすすめします。

収穫したにんにくは洗わないことが大切

土から掘り出したにんにくには土がたくさんついていますが、それを水で洗ってしまうとにんにくの1片1片の隙間まで湿ってしまい、乾燥や長期保存がしにくくなってしまいます

にんにくを収穫したら、にんにくの表面の土を軽くふるい落とし、そのまま風通しの良いところで乾燥させます。

乾燥のさせ方はさまざまで、収穫直後にいったん畑に放置する人もいれば、葉を束ねて吊るす人もいます。葉と根を切ってネットに入れて乾かす際は、しっかり乾燥できるように、ネットに入れすぎないようにしてください。

せっかく晴れた日や、土が乾燥した日を選んで収穫するのですから、水洗いをしたり、雨に当てたりしないように注意しましょう。

「スーパーなどの店頭で列んでいるにんにくは真っ白だから、水で洗っているのでは?」と思われるかもしれませんが、それは間違いです。

にんにくは収穫して乾燥させたあと、表面の乾いた皮を剥くことで、中の真っ白いにんにくの皮が姿をみせてくれます。

まとめ:にんにくの収穫は時期の見極めが大切です

にんにくの収穫は、にんにくが珠割れしない程度に、大きく成長してから収穫するようにします。

収穫を始める時期は、にんにくの葉が全体の3割~半分ほど黄色くなったころがよいでしょう。または、まっすぐに伸びた茎を切り数日~10日間ほど経ってからの収穫でもかまいません。

収穫をするときには、雨天時を避け、土が乾燥しているかを確認してから収穫するようにしましょう。

おすすめの記事