スタミナがつく食材の代名詞と言えば、「にんにく」ですよね。
にんにくを使った料理を食べると自然と力が湧いてくるものです。そんなスタミナ食材の代名詞にんにくの生産量日本一はどこなのでしょうか。
本記事では、にんにくの生産量日本一の都道府県について解説します。
目次
にんにくの生産量日本一の都道府県はどこ?
にんにく生産量日本一はどこ?都道府県ランキング
にんにくの生産量日本一は、青森県です。青森はりんごが有名な産地ですが、りんごに次いで有名なものが「にんにく」です。
スーパーで見かける国産のにんにくの生産地のほとんどが「青森県」と表示されています。知らなかった方はお買い物をされる際にぜひチェックしてみてください。意識してみると「青森県」の表示が沢山見えますよ。
1位:青森県 ア:10,400トン イ:69.3%
2位:香川県 ア:663トン イ:4.4%
3位:北海道 ア:626トン イ:4.1%
※参考:農林水産省 野菜生産出荷統計2019年
ア:出荷量 イ:割合(シェア)
このランキングから国内に出荷されているにんにくのおおよそ70%が青森県産であり、国内のにんにくの生産地は青森県が圧倒しています。
にんにくの生産量1位を誇る青森県と2位に位置する香川県との差はかなりのものです。
にんにく生産量日本一の都道府県・その有名産地とは
青森県のにんにく栽培は、9月頃から畑の準備に入り、11月頃から越冬に入ります。
青森県は12月半ばにたくさん雪が降るので、畑のほとんどが雪で覆われた状態となり、にんにくは雪の中で冬眠した状態で冬を越します。極寒の中でじっくりと育ったにんにくは実がきゅっとしまり、辛みが少なくなり甘みが増すそうです。
スーパーで見かけるにんにくは一度乾燥されたもので、青森県では高度な乾燥、貯蔵技術によって一年中にんにくを出荷することが可能です。
一年中、にんにくが出荷できるとは凄いですね。そんな青森県の中でも特ににんにくの生産地として有名なのが青森県の最南端に位置する「田子町(たっこまち)」です。
その他、田子町の隣に位置する「三戸町(さんのへまち)」や十和田湖で知られる観光地として有名な「十和田市(とわだし)」でもにんにくの生産が盛んです。
青森県では様々な地域でにんにくの栽培を行っていますが今回は「田子町」と「十和田市」の二つの地域にスポットをあてて紹介します。
にんにく生産量日本一の都道府県が送る”にんにくヒストリー”
最初に「田子町」のにんにくヒストリーについて紹介します。
青森県産のにんにくの栽培品種は「福地ホワイト六片(ふくちほわいとろっぺん)」という品種です。「福地ホワイト六片」という名前は、原産国である青森県福地村の地名と透き通るような美しい白さから名付けられました。
この福地ホワイト六片を昭和37年頃、田子町の農協青年部の方たちが福地から田子町に導入し本格的に栽培がスタートしたことから田子町のにんにくヒストリーが始まります。
田子町は町のほとんどが山で占めていて山岳地特有にひんやりと涼しい気候であり、寒暖差が激しい地域。
そうした田子町特有の気候を活かして栽培したブランドにんにく「たっこにんにく」は全国から高い評価を得ていて、認知度も高いとのこと。
田子町は「にんにくの町」としてPRするほど、にんにくの栽培に力を入れており、にんにくに関するイベントが開催されています。
また田子町には「田子町ガーリックセンター」という名称の「たっこにんにく」の情報を発信する場所が存在します。センター内にはギフトショップやレストランがあり、にんにくを使用したお土産や料理が提供されているとのこと。
筆者はこのレストランにある「にんにくソフト」というソフトクリームに大変興味があるので、いつか田子町に行った際は食べたいと思いました。にんにく味のソフトクリームとは非常に興味深いものです。
次に、十和田市とにんにくのヒストリーについて紹介します。十和田市は青森県の中で一番にんにくを生産している地域です。
十和田市で生産されているにんにくは、先に説明した「福地ホワイト六片」です。更に十和田市にあるJA十和田おいらせでは「プレミアムにんにく」という、食後のにんにく特有の不快な臭いを短時間で和らげる低臭にんにくというものが開発されています。
「にんにくは好きだけど食後の臭いがちょっと気になって…」という方におすすめのにんにくですね。
ほっぺたが落ちるほどの美味しさ!ブランドにんにく
ここまで何度か登場している青森県産のブランドにんにく「福地ホワイト六片」は、雪のような純白色と実がきゅっと引き締まっていること、一つ一つの粒が大きいことが特徴です。
辛みが少なく甘みが際立ち、旨味も感じられる最高品種のにんにくと言えるでしょう。
田子町が「福地ホワイト六片」の栽培を始めたことをきっかけに全国へその名を知らしめるようになりました。「福地ホワイト六片」の主な栽培地域は青森県内ですが、北海道でも栽培されています。
その他、にんにくにはどのような栽培品種があるのでしょうか。各地域で作られているブランドにんにくについて紹介します。
「田子町」で栽培されている「たっこにんにく」もブランドにんにくの一つです。「たっこにんにく」は「福地ホワイト六片」が元となって生まれたもの。
青森県田子町が誇る「たっこにんにく」は田子町のみで栽培されている地域を代表するブランドにんにくで、小ぶりながらずっしり重く透き通るような白さが特徴です。
その他にも、岐阜県が産地の「元気玉」や佐賀県が産地の「唐津ジャンボにんにく(たまがった)」山形県が産地の「紫六片(むらさきろっぺん)」など各地域でブランドにんにくが存在します。
それぞれ味や見た目、生産者のこだわりも異なるので、にんにくと一口に言っても全て同じというわけではありません。
各地域に旅行や出張などで行かれた際は、ブランドにんにくを使用したご当地グルメを味わうのも楽しそうですね。
にんにくの生産量世界一の国はどこ?
にんにくの生産量世界一の国とは?世界ランキング
世界一の生産量を誇る国は、ダントツ1位で中国。そして中国で生産されているにんにくの生産量はなんと、2000万トン越えとのことです。中国に続く第2位はインドですが、生産量はおおよそ140万トンと圧倒的な差があります。
日本に輸入されているにんにくも原産国が中国のものがほとんどです。これだけ多く生産されていれば納得できますね。
ちなみに、日本の卸売市場で入荷されているにんにくの原産国の比率は青森県産のにんにくと中国産のにんにくが約半分ずつの割合で占めています。
生産量がはるかに多い中国産のにんにくに負けず、青森県産のにんにくの需要が高いことが伺えます。
中国産にんにくその特徴とは?国産のにんにくとの違いはあるの?
中国産のにんにくと国産のにんにくの一番の違いは価格と言えるでしょう。中国産のにんにくは非常に安価で手に入れることができます。
スーパーで売られているものは数玉で100円程のものがほとんど。またインターネットショッピングサイトでは1kgで500円以内の価格で売られていることもあります。
一方、高価なのが国産のにんにくです。一般のスーパーでも一玉200円前後で売られていることが多く、高級なスーパーでは一房300円前後で売られていることもしばしば。
「福地ホワイト六片」といったブランドにんにくだと、インターネットショッピングサイトでは1kg3000円程で売られていることもあります。
国産のにんにくは中国産のにんにくの倍以上の値段で販売されています。この価格の差はかなりの差だと言えますね。
価格の他に中国産のにんにくと国産にんにくの違いは味や食感、見た目だと言えます。一粒一粒が小さくピリッと辛みが強い中国産にんにくと一粒が大きく辛みが少なく甘みがある国産にんにく。
中国産のにんにくは柔らかく口の中でとろけてしまい、にんにく本来の旨味が少ないそうです。一方、国産のにんにくはホクホクとお芋のような食感で噛めば噛むほどにんにく本来の旨味が口の中で溢れ出すと言われています。
それぞれ比べて食べてみると味の差は歴然だそうです。日本では、お刺身の臭みを消すためににんにくを使用することがあります。
生魚を食べる日本字特有の文化が、現在の風味が高く旨味がぎっしり詰まったにんにくの味を形成したのかもしれませんね。
中国産以外で有名な外国産にんにくとは
中国産にんにく以外にもスペイン産にんにくも日本の市場に流通する有名な外国産にんにくの一つです。
アヒージョやパエリアなどのスペイン料理には欠かせないスペイン産にんにくですが、その特徴は見た目にあります。白い皮のにんにくが一般的な見た目ですが、スペイン産のにんにくは皮が白いものと紫色のものと二種類あります。
二つの種類があるスペイン産のにんにくですが、特に紫色の皮をした「アホモラード」と「アイユローズ」というにんにくが有名でスペイン産にんにくを代表する品種と言えるでしょう。
「アホモラード」や「アイユローズ」のような紫にんにくは白っぽい皮をしているのですが中身を剥くと一粒一粒が鮮やかな薄紫色をしています。スペイン産のにんにくは小ぶりで一粒一粒が小さいですが、香りが強いそうです。
スペイン産のにんにくは、中国産のにんにくほど安価で市場に流通していませんが、国産のにんにくと比べると安く手に入るそうです。
インターネットショッピングサイトでは、1kg1000円前後で販売されているものが多くありました。
つまり、スペイン産のにんにくは国産のにんにくの価格と中国産のにんにくの中間あたりの価格で販売されているということですね。
にんにくの生産量ランキング総まとめ
にんにくの日本一の生産量を誇るのは青森県で、世界一に輝くのは中国でした。
日本で現在流通しているにんにくは青森県産のものと中国産のものが半分ずつということでしたね。
青森県産のにんにくと中国産のにんにくは味や見た目、販売されている価格が異なるので、それぞれのにんにくに適した調理方法で料理を楽しみたいものです。