カレー粉のスパイスの種類や特徴は?スパイスカレーのレシピもご紹介
スパイスカレーを作ってみたいけどどんなスパイスを選べば良いの?自分で調合するのは難しそう…。

そんな疑問に答えます。

「カレー」というとカレー粉ではなく、カレールーを使っている方が多いと思いますが、スパイスを調合して作る本格的なカレーも実は簡単なのをご存知ですか?

 

スパイスで作るカレーは健康効果も高くヘルシーなので、日々の健康管理や美容、ダイエットにもおすすめです。

 

この記事ではカレー粉に使われることの多いスパイスの種類や特徴、それらを使った簡単に作れる手作りスパイスカレーのレシピなどをご紹介します。

※オーソドックスから変わり種まで、市販のカレー粉に興味がある方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね!

カレー粉のスパイスを自宅で調合するメリット

カレー粉のスパイスとは?調合するメリット

カレー粉のスパイスを自分で調合すると、健康効果や香りの好みなど、自分好みにアレンジ可能です。ここでは、基本的なメリットを3つご紹介してきます。

欲しいスパイスの効果から調合を考えられる

日本式のカレー粉というと、小麦粉と油、そして幾つかのスパイスと調味料が配合されている固形のルーを使うのが一般的で、とろみがあるのが特徴です。

しかしカレーの発祥の地であるインドでは、小麦粉などは使わずに複数のスパイスやハーブのみを調合してカレーを作るので、日本のカレーのようなとろみはなくサラサラとしています

 

また、元々インドでは伝統医学であるアユールヴェーダにスパイスが使われており、一般家庭でも自分や家族の体調に合わせてスパイスを調合して食事を作っているほど健康食品として使われているものです。

 

それぞれのスパイスによって香りや味、効能に違いがあるので、カレー粉を作る際にもたくさんのスパイスの中から好みの香りや味になるよう調合して作っていきます。

 

スパイスの配合を変えるだけで全く違った風味を作ることができるので、バリエーションは無限に広がります。

スパイスはどれも個性的な香りが特徴

スパイスの最大の魅力といえば香りです。

日本のカレー粉(カレールー)では感じることができない芳醇な香りを感じられる一方で、独特の香りがあるので日常でスパイスを使う機会が少ない日本人にとっては苦手という方もいると思います。

 

しかしスパイスにはたくさんの種類がありますから、その中から自分好みの香りというのがきっとあるはずです。また、この香りにはたとえば生臭い食材の臭いを消したり、食欲を増進させたりといった効果もあります。

 

カレー粉のスパイスは、舌で味わうだけではなく香りも一緒に味わうことでより美味しさを楽しむことができるんですね。

自分好みのカレーが作れる

自分でカレー粉のスパイスの調合を行う最大のメリットは、自分好みのカレーを作れることではないでしょうか。

調合するスパイスの種類や比率を変えながら様々な味を試して研究する楽しみがありますし、その時の気分によって風味を変えて作ることも出来てしまいます。

 

また、カレールーを使って作ったカレーにお好みのスパイスを加えることで、香りや辛味を変え、味に深みを出すことができます。

ご家族の中で辛さの好みが違ったり小さなお子様がいる場合など、甘口カレーを作らなければいけない時にはスパイスを用意しておくと自分の好みに変えられるので便利です。

カレー粉に入ることの多いスパイスの種類と特徴

カレー粉を作るスパイスの種類と特徴

カレー粉のスパイスには実際にどのようなものがあるのでしょうか?使われることの多いスパイスを中心に、それぞれの特徴をご紹介していきます!

カレー粉の香りをつけるスパイス

まずはスパイスで作るカレー粉の醍醐味である「香り」に特化したスパイスをご紹介します。

クミン

カレー粉の香りの基本スパイスと言えるクミン。私たちが知っているカレー特有の香りの元となっているのがこのクミンですので、カレー粉作りには欠かすことのできないスパイスのひとつです。

また、クミンには豊富なビタミンが含まれており、健康や美容への効果も期待できる優れたスパイスです。

コリアンダー

柑橘類のようなさわやかな香りが特徴のスパイスです。様々なスパイスを使ったカレーにコリアンダーを加えると、全体の風味を調和させてくれる働きをしてくれます。

効能としては消化促進や抗菌作用、デトックス効果があり、香りにはリラックス効果があります。

ちなみにカレー粉で使用するコリアンダーは種子の部分をパウダー状にしたものであり、葉の部分は皆さんもご存知のパクチーとして使用されます。

カルダモン

カルダモンはスーッとした清涼感のある香りが特徴のスパイスで、インドのお茶であるチャイにもよく使われています。

また、ピリッとした辛味と苦味も持ち合わせているのでカレーの味付けによく合います。少量で香り立つので、入れ過ぎないように気を付けましょう。

シナモン

日本ではスイーツに使われているイメージの強いシナモンですが、実はカレー粉でも非常によく使われるスパイスなのです。甘い香りがありますので、辛いカレーが苦手な方にはぜひシナモンを加えてみてください。

また、ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、毛細血管の老化防止にも効果が期待できることから美容意識の高い方にもおすすめのスパイスです。

クローブ

クローブには強くスパイシーで甘い香りがあり、肉の臭み消しにも使われるスパイスです。生薬の丁子(チョウジ)としても知られており、胃腸を温めてくれる作用などがあります。

中華料理やホットワインの風味付けにも使われるスパイスですが、香りがかなり強いためカレー粉に使う際は入れ過ぎに注意しましょう。

ナツメグ

軽やかな甘い香りのあるナツメグは、肉や魚などの臭みを消し甘さを引き出してくれる効果のあるスパイスです。

口臭予防や快眠効果、白血病やアルツハイマーへの効果も期待できるスパイスですが、わずか5gで幻覚症状や最悪の場合死に至る毒性があるため使用量には充分注意してください

オールスパイス

シナモン、クローブ、ナツメグの3つの香りをあわせ持っていると言われているスパイスです。比較的香りの強いこれらのスパイスと併用するとそれぞれの癖が中和されて使いやすくなります。

カレーだけでなくお肉やサラダ、スイーツにも合う万能スパイスで、グレープフルーツなどの果物にそのままかけても美味しくいただけます。

ガーリック

日本人にもおなじみのガーリックも、カレーの風味付けに使われるスパイスです。滋養強壮や疲労回復など、その健康効果はよく知られていますよね。

食後に香りが残ってしまうという難点はありますが、カレー粉の旨味がグッと増すため香りを気にしなくて良い時には積極的に取り入れたいスパイスです。

カレー粉の辛味をつけるスパイス

次に、カレー粉に「辛味」をつけてくれるスパイスです。

カイエンペッパー

カレー粉の辛味付けで使われる代表的なスパイスがこのカイエンペッパーです。完熟した唐辛子から出来ており、強い辛味があるのが特徴です。

チリペッパーやレッドペッパーと呼ばれるスパイスもありますが、商品名や呼称の違いがあるだけで基本的にはカイエンペッパーと同じものになります。

ジンジャー

ガーリックと同様馴染みのあるジンジャーは、さわやかな香りと辛味があるのが特徴のスパイスです。

唐辛子の辛さが苦手という方は、カイエンペッパーの分量を減らして代わりにジンジャーを入れてみるのがおすすめです。

ブラックペッパー

ピリっと痺れる辛味のあるブラックペッパーは、カレー粉はもちろん様々な料理に使われるスパイスですよね。ミネラルやビタミンが含まれており、意外と栄養価が高いのです。

また、落ち込んだ気持ちを持ち上げ、ストレスを抑制して気分をすっきりとさせてくれる精神面への効果もあるため、元気になりたい日にはブラックペッパーを加えたカレーをぜひ食べてみてくださいね。

ホワイトペッパー

ブラックペッパーと比べて香りや辛さがマイルドなホワイトペッパーは辛さが苦手な方や、バターや牛乳などを加えたマイルドで白っぽいカレーを作る時に適したスパイスです。

マスタードパウダー

マスタードというとペースト状のものをイメージするかと思いますが、パウダー状のスパイスもあります。

種類によって辛味が強いものとマイルドなものとがありますので、お好みで使い分けたりブレンドして辛さを調整することも可能です。あの鼻にツンとくる辛味をカレーに加えることでより味に深みが出ておすすめです。

カレー粉の色をつけるスパイス

日本のカレー粉は茶色いですが、インドのカレーは黄色や赤、オレンジと様々。これも調合するスパイスによってが変わるためです。

 

ターメリック

カレー粉の黄色い色はターメリックというスパイスによるものです。ターメリックはウコンの地下茎を乾燥させて作られたスパイスで黄色い色素を含みカレーの着色に使われているのです。

ウコンというと健康飲料などに含まれていることが多いですが、ターメリックも同様に健康効果の高いスパイスです。

強力な鎮痛効果や抗アレルギー、殺菌、女性の月経調整など様々な効果があるため、着色だけではなく食べて元気になるカレーを作る要素として大きな役割を果たしています。

サフラン

サフランというと、カレー粉そのものよりはライスへの色付けとして有名なスパイスです。サフランの花から僅かしかとれないおしべの部分を乾燥させて作られているため、スパイスの中でも高価なものです。

ターメリックと同様の黄色い色素で色付けをしてくれますが、油に溶けやすいターメリックと違いサフランは水に溶けやすいという性質があります。

そのため水分の多いスープカレーなどに入れて使うと鮮やかな色が出やすくなります。

パプリカパウダー

乾燥させたパプリカの果皮だけをパウダー状にしたスパイスです。

通常赤色に着色されるスパイスというのは辛い物がほとんどですが、パプリカパウダーは辛さがないのに鮮やかな赤を着色できるという貴重なスパイスです。

香りの主張も強くないので使い勝手が良く、他のスパイスで香りや辛さを調整し綺麗な赤色のカレーを作りたいといった場合にも非常に便利です。

ミックススパイスのガラムマサラ

カレー粉としてもよく使われるガラムマサラはインドを代表するミックススパイスで、ガラムマサラだけでカレーを作ることもあります。

 

各家庭により使用するスパイスや配合は異なりますが、主にはブラックペッパー、カルダモン、コリアンダー、クミン、シナモン、クローブ、ナツメグをミックスし、唐辛子やカレーの色付けをするターメリックが入っていません。

 

そのため、ガラムマサラのみで作るカレーは非常にシンプルでありながら香りが際立ち、スパイスカレーの風味を存分に味わうことができます

また、通常のカレーの仕上げにガラムマサラを入れることで簡単に香り付けができるのでとてもおすすめです。

オリジナルのカレー粉でスパイスカレーを作ってみよう!

オリジナルのカレー粉でスパイスカレーを作ってみよう!

それでは実際にカレー粉のスパイスを自分で調合して作るカレーのレシピをご紹介します。スパイスさえ揃えれば意外と簡単なのでぜひチャレンジしてみてくださいね。

基本のスパイス4種類を使ったスパイスカレー

まずはカレー粉の基本のスパイス4種類「クミン、コリアンダー、カイエンペッパー、ターメリック」を使ってチキンカレーを作ってみましょう!

辛い味が苦手な方やお子様にはカイエンペッパーを入れずに作ってくださいね。

基本のスパイスカレーのレシピ
基本のスパイス4種類を使ったスパイスカレー

■材料(2人分)

クミン:小さじ1

コリアンダー:小さじ1

カイエンペッパー:小さじ1/2

ターメリック:小さじ1/2

鶏もも肉:300g(1枚)

玉ねぎ:1/2個

トマト:1個

にんにく:1片(チューブでも可)

しょうが:1片(チューブでも可)

塩:小さじ1/2

水:200cc

サラダ油:大さじ1

 

■作り方

1.玉ねぎは粗みじん、トマトは角切りにする。しょうがとにんにくをすりおろす。鶏もも肉を一口大に切る。

2.鍋やフライパンに油をひいて熱し、にんにく、しょうが、玉ねぎを入れてしんなりするまで中火でしっかり炒める。

3.鶏もも肉、トマト、塩、スパイス4種を加えてトマトを軽くつぶしながら2分ほど炒める。

4.水をくわえて弱火で12分ほど煮立たせる。

5.味を見て塩気が足りなければ塩を、辛さが足りなければカイエンペッパーを追加して完成

【ポイント】

ポイントは玉ねぎをしっかり炒めること!濃い茶色に色が変わるまでしっかり炒めましょう。また、お好みでサフランやターメリックでごはんを炊くとより本格的なカレーライスを味わえますよ。

ガラムマサラだけの簡単スパイスカレー

スパイスだけでカレー粉を作りたいけれど、いきなり色々なスパイスを揃えるのは少しハードルが高いな…と感じる方も多いと思います。

そんな方はまずはガラムマサラだけを使ってカレーを作ってみるのはいかがでしょうか?

ガラムマサラだけの簡単スパイスカレーのレシピ
ガラムマサラだけの簡単スパイスカレー

■材料(2人分)

ガラムマサラ:大さじ2

鶏もも肉:300g(1枚)

玉ねぎ:1/2個

トマト:1個

にんにく:3片(チューブでも可)

ヨーグルト:大さじ2

塩:小さじ1

サラダ油:大さじ1

 

■作り方

1.鶏もも肉を一口大に切り、玉ねぎは粗みじん、トマトは角切り、にんにくはすりおろす。

2.ボールに鶏もも肉とすりおろしたにんにく、ガラムマサラ、塩を入れよく揉みこみ10分程寝かせる

3.鍋やフライパンに油をひいて熱し、玉ねぎをを入れてよく炒める。

4.トマトを加えて煮崩れるまで加熱する。

5.寝かせておいた鶏肉をスパイスごと加え、鶏肉に火が通るまで煮る。

6.ヨーグルトを加えてひと煮立ちさせたら完成!

【ポイント】

鶏肉を煮る際には、煮詰まりすぎないよう時々少し水を加えながら、じっくり火を通すのがポイントです。

 

8種類のスパイスで本格スパイスカレー

最後に8種類のスパイス使った本格的なカレー粉のレシピをご紹介します!

本格スパイスカレーのレシピ
8種類のスパイスで本格スパイスカレー

■材料(4人分)

クミン:小さじ1/4

コリアンダー:小さじ1/2

カイエンペッパー:小さじ1/4

シナモン:小さじ1/2

カルダモン:小さじ1/4

ブラックペッパー:小さじ1/4

ターメリック:小さじ1/2

ガラムマサラ:小さじ1/2

鶏もも肉:2枚

玉ねぎ:1個

トマト:2個

にんにく:3片(チューブでも可)

しょうが:3片(チューブでも可)

ヨーグルト:大さじ2

塩:小さじ1

サラダ油:大さじ2

 

■作り方

1.玉ねぎは粗みじん、トマトは角切りにする。しょうがとにんにくをすりおろす。鶏もも肉は一口大に切る。

2.鍋やフライパンに油をひいて熱し、鶏肉を入れて両面に軽く焼き色がつく程度に焼いてお皿に取り出しておく。

3.にんにく、しょうが、玉ねぎ、すべてのスパイス、トマト、ヨーグルト、塩を入れ、玉ねぎがしんなりするまで中火で炒める

4.鶏肉を戻して弱火で30分程度煮込んで完成!

まとめ:スパイスで作るカレー粉は自分好みで調合できて意外と簡単!

いかがでしたでしょうか?

 

自分でスパイスを調合してカレー粉を作るのは難しいと思っていた方も多いと思いますが、それぞれのスパイスの特徴を知り、いくつかを組み合わせるだけで様々な味や香りのカレーを作ることができます

 

また、そこからそれぞれのスパイスの比率や組み合わせを変えることで自分好みの味を見つける楽しさもありますよね。

 

スパイスを揃えてしまえばあとは簡単に作ることができますので、ヘルシーで健康にも良いスパイスカレーをぜひ皆さんも作ってみてください!

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