生姜シロップの5つの効能と健康効果とは?管理栄養士が詳しく解説!

最近よく耳にする、生姜シロップ。

生姜シロップとは、健康効果の高いといわれている生姜を、砂糖やシロップ漬けにすることで、生姜のもつパワーをより効率的に取り入れられる食品なのです。

ここでは、生姜シロップのもつ健康効果について、管理栄養士が詳しく解説していきます。

生姜シロップの健康効果のカギは?5つの効能をご紹介

生姜シロップの健康効果のカギは?5つの効能をご紹介

生姜シロップの効能1:殺菌・抗菌・抗炎症作用

生姜には、強い殺菌・抗菌作用があります。この殺菌・抗菌作用により、食材に対しては、保存性を高めるなどの効果を発揮します。お寿司のときに食べるガリも、その1つです。

わたしたちの身体に対しては、主に口腔内や喉へと作用して、風邪の菌やウイルスへの殺菌効果が期待できます。また、喉の痛みや腫れを感じた際には、抗炎症作用も働きかけるので、痛みや腫れの緩和にも繋がります。

そのような生姜は、シロップ漬けにすることで生姜シロップそのものの保存性を高め、いつでも手軽に使える「常備健康食品」へと生まれ変わるのです。

更に、生の生姜よりも生姜シロップの方が、適度なとろみにより、喉を保護する力や喉への滞留時間も保持でき、効率よく効果が得られるでしょう。

以上のように、生姜シロップには、殺菌・抗菌・抗炎症作用を効率よく摂り入れられるメリットが詰まっていることが分かりました。

生姜シロップの効能2:体温を上げる

生姜シロップには、血行を良くし身体を温める作用があります。

ですが、「温める」といっても、摂取の仕方によっては逆効果となる恐れがあるので注意が必要です。この身体を温める作用機序は、生姜シロップの製法により違いがでてきます。

生姜シロップを作る際に、生姜が生のままであるのか、加熱されているのかが重要になってきます。生姜が加熱された状態で製造されている生姜シロップには、身体を深部から温める作用があります。

一方で、生姜が生のままで製造されている生姜シロップには、主に解熱作用と、身体の末端や表面を温める作用があります。

もし、現在お持ちの生姜シロップ、またはこれから購入しようとしている生姜シロップが非加熱のものであっても、ご安心ください。

非加熱のシロップでも、料理に使うなど、購入後に加熱することでも同じ効果が得られますので、ぜひお試しください。

生姜シロップの効能3:基礎代謝をアップさせる

生姜に含まれる成分により血行が良くなり体温が上昇することで、代謝の促進へと繋がります。代謝が促進されると、基礎代謝がアップします。

基礎代謝がアップすることで、消費カロリーが増え、新陳代謝が促されることによる発汗作用や、体脂肪燃焼などにも効果がでてきます。

生姜を食べて、なんだか身体がスッキリしたように感じる方は、この代謝促進による効果が大きいといえるでしょう。

生姜と代謝促進の作用については、生の生姜、加熱された生姜いずれにもみられますので、どの生姜シロップでも効果が期待できるところが嬉しいですね。

生姜シロップの効能4:胃腸を整える

生姜シロップには、胃液の分泌を促す作用があります。食べ物を口から摂取し、その後については、胃から始まり様々な消化管での消化活動を経て、最終的には小腸で消化吸収が行われます。

胃液の分泌が少ないと、消化不良により胸焼けなどを感じやすくなりますが、生姜シロップにより胃液の分泌がスムーズに行われるようになることで、その後に続く小腸などの消化管による消化吸収へと、うまく橋渡しができるようになります。

また、生姜シロップに使用されることのあるオリゴ糖は、腸内に存在する善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やして悪玉菌を減らす方向へとアプローチします。

これが、生姜による体温を高める作用と相まって、腸の冷えも改善され、腸本来のもつ働きが活発になることで腸内環境の改善にも繋がります。

生姜シロップの効能5:抗酸化作用

抗酸化作用とは、いわゆる身体の「サビ」を取り除くことで、これには生姜に含まれるポリフェノールが大きく関係しています。

日常の生活の中で、呼吸をしたり、食べ物の消化吸収やエネルギーの代謝などを行う過程で、必ず体内では活性酸素というものが発生します。また、ストレスや喫煙、不規則な生活などによっても活性酸素は生まれやすくなります。

活性酸素自体は、有害なものではありませんが、これが不規則な生活習慣などにより過剰に生産されてしまうと、血管などに悪影響を及ぼ、動脈硬化やがん、生活習慣病などのリスクを増大させると言われています。

活性酸素を体内に増やしすぎないよう、わたしたちは日頃の食事から、ポリフェノールなどを含んでいる抗酸化食品を摂り入れる必要があるのです。最近では、生姜にもたくさんのポリフェノールが含まれていることが分かってきました。

このポリフェノールは、生姜では主にしぼり汁に多く含まれているので、まさに生姜シロップは抗酸化作用が最大限に活用されている、ということですね。

生姜シロップを毎日続けると得られる、嬉しい効果とは

生姜シロップを毎日続けると得られる、嬉しい効果とは

喉の炎症を抑え、風邪や風邪の初期症状を緩和する

生姜シロップの殺菌・抗菌・抗炎症作用により、喉をはじめ、風邪症状への効果が期待できます。

具体的な風邪症状として、喉の痛みや腫れ、悪寒、吐き気などの胃腸の不調があげられますが、生姜シロップを上手に活用すれば、これらの症状の緩和に役立てることができます。

症状に合わせて、生姜シロップをそのまま摂取したり、加熱して摂取するなど、使い分けをすることでより効果が発揮できそうですね。

少し身体がきついけれどどうしても仕事を休めない、受験シーズンなどで体調が崩せない状況が続いている…そんな時にも生姜シロップは強い味方になってくれますよ。

いつでも状況に応じてすぐに摂取できるよう、生姜シロップを常備しておけると理想的ですね。

管理栄養士が症状別の生姜の効果的な摂取方法をまとめた記事もありますので、よろしければ参考にしてください。

冷え性の改善と免疫力の向上

生姜の効果で身体を温めることにより、血行が良くなり、冷え性の改善へと繋がります。また、血行の良い状態が長時間、あるいは長期間維持されることによって、一時的な体温上昇だけでなく、基礎体温の上昇にも繋がります

基礎体温の上昇は、免疫機能に大きく関わってきます。もちろん個人差もあり、体質などによる違いはありますが、平熱と呼ばれる基礎体温はおよそ36.5~37.0℃付近で、最も免疫機能が高まるといわれています。

また、36.0~36.5℃でも概ね免疫機能は正常に働きますが、基礎体温が常に35℃台、もしくはそれ以下の方は、免疫機能がうまく発揮できていない可能性があります。

一般的に、体温が1℃下がると、免疫力は30%低下するといわれています。逆に、体温が1℃上がると、免疫力は一時的に5~6倍上昇することも分かっています。

一見冷え性でないように感じていても、もし基礎体温が36.0℃未満であれば、加熱した生姜や生姜シロップを継続的に摂取することで、体調が良くなるなど体質改善・免疫力の向上になどが期待できそうですね。

基礎代謝アップによるダイエット効果

生姜には、血行をよくし、代謝を活発化させることにより、基礎代謝をアップさせる働きがあります。

先ほど、体温と免疫力の関係についてはお話しましたが、体温と基礎代謝にも相関がみられるのです。具体的には、体温が1℃上がると、基礎代謝は約13%増加するといわれています。

基礎代謝が上がることで消費カロリーが増加し、脂肪燃焼に働きかけたり、摂りすぎてしまったカロリーを消費しやすくするなどの効果がみられます。これらの効果を上手く利用すれば、ダイエット効果も得られそうですね。

生姜シロップを摂取し、血行が良くなり体温が上昇したところで運動を行うと、ダイエット効果がより感じられやすくなるでしょう。

腸内環境を整えて便秘解消へ

生姜シロップは、様々な商品開発の工夫により、便秘解消効果の高いものが増えてきています。

生姜自体に含まれている消化吸収を助ける作用に加え、はちみつなどのオリゴ糖を含む原料を使用して作られた生姜シロップは、腸内環境を整え、便秘解消への効果が期待できます。

また、生姜ごと摂取できると、生姜に含まれる食物せんいによる便秘解消効果も期待できるので、便秘で悩んでいる方には、生姜入りの生姜シロップがオススメです。

例えば、こちらのように、はちみつに生姜がゴロゴロと入っているいるような生姜シロップは、生姜ごと食べられて一石二鳥ですよね。

老化や動脈硬化などの予防、がん予防

生姜にはポリフェノールによる抗酸化作用があることを、効能の1つとしてご紹介しましたが、実は、この抗酸化作用により活性酸素を取り除くことは、健康を意識する上で非常に重要となってきます。

活性酸素=サビは、血管をもろくさせ、このことにより動脈硬化などの血管疾患を引き起こしたり、生活習慣病の悪化を招くだけでなく、老化も進めてしまいます

活性酸素によってできた体のサビをとるために必要なものは、生姜などの抗酸化作用をもつ食品ですが、これらは一度に大量に摂っても、大した効果は得られません。大切なことは、日常の中で少しずつ、継続的に摂取することです。

抗酸化作用は、生姜だけでなく、緑黄色野菜や大豆製品など様々な食品でも効果が期待できますが、これらの食品を毎日少しずつ、継続的に摂取するにはちょっと大変ですよね。

そんな忙しい生活スタイルの方には、生姜シロップのように、いつでも簡単に摂取できるものがあると助けになってくれますね。

そして、もうひとつ嬉しい効果があります。アメリカ国立がん研究センターでは、がん予防に効果のある食品群(デザイナーフーズピラミッド)を研究結果に基づいて作成していますが、生姜は、これらの食品中でも、最も効果が高いとされる群に分類されているのです。

このような効果をみても、生姜シロップを摂取することには、素晴らしいメリットが詰まっていることが分かりますね。

まとめ:生姜シロップには魅力的な効果がいっぱい

今回は、生姜シロップの驚くべき5つの効能とその健康効果という内容でご紹介しました。

冷え性や疲れやすさ、便秘などでお悩みの方や、将来のご自身の健康を意識する方にとっては、生姜シロップはとても嬉しい効果が詰まっている食品ですね。

まずは1か月間、生姜シロップを飲み続け、その効果を体感してみてはいかがでしょうか。

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