豆乳は体に良いと聞く一方で、胸が大きくなる、腎臓に悪い、乳ガンに繋がるなどのデメリットも耳にします。
発がん性などと聞くと「体にいいはずじゃなかったの?」と混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな都市伝説のような話を徹底解説していきます。豆乳を飲み過ぎずに、健康的に楽しむ適正量も合わせてご紹介します。
目次
豆乳の飲み過ぎにまつわる噂話<一般>
豆乳はヘルシーだし体に良いというイメージがありますが、少し意識して摂り始めた時に聞こえ始めるデメリット。
なんだか怪しい噂話もあれば、ちょっと心配になってしまうような話もあります。一つ一つ確認していきましょう。
豆乳の飲み過ぎで下痢や腹痛になるって本当?
豆乳を飲み過ぎることでお腹が不調になることがあるか?答えは確かにYESです。とはいえ、豆乳に限った話ではなく、どんな飲み物でも飲み過ぎは禁物です。
気持ちが悪い、胃がむかむかする、腹痛に繋がるという場合は、一種類の飲み物を摂りすぎかもしれません。
また豆乳にはマグネシウムが含まれているので、下痢に繋がりやすいといわれています。
もし「豆乳を意識して摂り始めた頃から、下痢気味」という方は、摂取量を減らしてみて、ご自身の体にとってベストな量を調べていきましょう。
豆乳は「牛乳」よりお腹に優しい
豆乳を摂りすぎると下痢に繋がることがありますが、それ以上に気になるのが、牛乳による下痢です。
実は日本人の6割以上が牛乳を飲んでも、腸内で上手く消化できない「乳糖不耐症」であるといわれています。
牛乳に含まれる乳糖を上手く分解できないため、腹痛や下痢、おならなどの症状に繋がります。
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするという方は、豆乳に切り替えることで落ち着くことがあります。
豆乳の飲み過ぎでアレルギーになるって本当?
豆乳の飲み過ぎによって、アレルギーが引き起こされるということではありません。
ただし、飲む量にかかわらず、大豆アレルギーを持った人が豆乳を飲んだ場合に、アレルギー反応がでることはあります。
・皮膚や粘膜のかゆみ
・飲んだ後の喉のイガイガ感
・湿疹やじんましんなどの皮膚のトラブル
もし、豆乳を飲むたびになんだか喉が不快…という方は、飲むのをやめて様子を見てみましょう。あまりにも症状がひどい場合は、病院を受診することをおすすめします。
豆乳の飲み過ぎは腎臓に悪いって本当?
一般的な体質の方が豆乳を飲み過ぎたからといって、腎臓を悪くするとは考えにくいです。ただし豆乳はカリウムやリンが多く含まれている食材です。
腎臓は体内の血液をきれいにして老廃物を取り除く機能を担っていますが、その機能が弱っている時にカリウムやリンを多く取りすぎてしまうと、腎臓に負担がかかりすぎてしまいます。
腎臓にまつわる疾患を持っていて、医師から食事制限を指示されている方は、摂取量に気を付けた方が良いかもしれませんね。
腎臓の疾患がない場合には、そこまで心配する必要はありません。
豆乳の飲み過ぎにまつわる噂話<女性>
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似ているため、女性は積極的に摂った方が良いといわれる豆乳。
「飲み過ぎ」に陥ることなく、うまくバランスを取りながら、メリットをうまく取り入れていきたいものです。
豆乳を飲むことで生理不順が落ち着くって本当?
豆乳に含まれる大豆イソフラボンを摂ることでホルモンバランスが整い、生理不順が落ち着いたり、生理前のイライラであるPMSを緩和する効果があります。
また、大豆製品にはマグネシウムが豊富に含まれています。このマグネシウムは、逆立った神経を沈めたり、精神を安定させる効果があるといわれています。
生理前になんだかイライラしてしまったり、心のバランスを崩しがちな方は、少し意識して豆乳を摂ってみるのはいかがでしょうか。
豆乳の飲み過ぎで生理が遅れるって本当?
豆乳を飲み過ぎることで生理が遅れるという噂がありますが、半分あっているし、半分嘘と言えるでしょう。
大豆イソフラボンは、適度に摂取すれば生理周期を整えてくれますが、過剰に摂取した場合には、ホルモンバランスが乱れてしまい、生理が早まったり遅れたりすることも報告されています。
ただし、あくまでも「過剰」に摂った場合なので、普段の食事の一部として豆乳を楽しんでいる場合には心配はいりません。
豆乳の飲み過ぎが不正出血に繋がるって本当?
豆乳を飲み過ぎることで生理が遅れる可能性もなくはないとご紹介しましたが、不正出血も同じです。
大豆イソフラボンは女性ホルモンのバランスを保つ効果を発揮してくれますが、過剰に摂取した場合には、逆にバランスを崩す可能性もあります。
食事から大豆製品を摂っている程度であればそこまで気にする必要はありませんが、サプリなどで摂り入れる場合には、少し注意が必要です。
豆乳で肌荒れやニキビが良くなるって本当?
豆乳を飲むことで肌荒れやニキビなどのお肌トラブルに効果があるというのは本当です。
豆乳には、ビタミンBやレシチンなどの美肌作りに繋がる成分が含まれています。体の新陳代謝を促してくれるので、古い肌から新しい肌に切り替えるターンオーバーを活性化できます。
より効果的な飲み方は、豆乳を温めて飲むこと。冷えたまま飲むと、体内を冷やしてしまい、血の巡りが悪くなってしまいます。
これでは本末転倒です。スープに入れたり、豆乳鍋にするなど、加熱することを意識しましょう。
豆乳を飲み過ぎると乳がんになるって本当?
「豆乳の飲み過ぎは発がん性がある」という噂話がありますが、これは嘘と言えるでしょう。
大豆イソフラボンが女性ホルモンに似た働きをすることから、乳がんに繋がるのでは?という話がありますが、実際のところ、乳がん発症リスクを減少させるというレポートの方が有力です。
豆乳に限った調査ではありませんが、大豆製品やイソフラボンと乳がん発生率を比べてみた調査があります。
このレポートによると「イソフラボンをたくさん食べれば食べるほど、乳ガンになりにくい傾向がより顕著にみられました」とあります。
参考文献:がん対策研究所 予防関連プロジェクト
だからと言ってやみくもに大量に摂取すれば良いというわけではありません。一日の摂取量を守りながら、他の食事とのバランスを見つつ、豆乳を健康的に摂り入れていきたいですね。
妊娠中や授乳中は豆乳を飲んでも大丈夫?
女性ホルモンに作用すると聞くと、妊娠中や授乳中は飲んではいけないのかな?と心配になる方もいるかもしれません。
これも一般的な量、つまり一日にコップ1杯程度を飲んでいる分には、特に問題はないといわれています。
むしろ豆乳には貧血予防に効果的な鉄分と葉酸が含まれています。これらは妊娠・授乳期に意識して摂りたい成分なので、豆乳からも摂れるということを知っておきましょう。
豆乳の飲み過ぎにまつわる噂話<男性>
豆乳に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンを左右するということは、男性が飲み過ぎたら良くないのでは?という噂話が沢山あります。これらも一つ一つ確認していきましょう。
豆乳を飲み過ぎると男性でも胸が大きくなるって本当?
豆乳にまつわる噂話の中で一番ショッキングなのが、この「男性でも胸が大きくなる」という噂ではないでしょうか。
実際のところ、大豆イソフラボンを過剰に摂取したところ「女性化乳房」を引き起こしたというケースも報告されています。
しかし、これは一般的な食事から摂取するには難しいほど、過剰に大豆イソフラボンを摂った実験によるものという点に注目すべきです。
一日目安量が一日70~75㎎のところ、数百㎎レベルで摂取し続けない限り、心配する必要はありません。
豆乳を飲むことで薄毛予防に繋がるって本当?
豆乳は健康に良いだけでなく、薄毛予防にも繋がるというのは、本当の話のようです。
男性型脱毛症は、5αリダクターゼという酵素が男性ホルモンに働きかけることで起きてしまいます。
そこで注目されているのが大豆イソフラボンです。イソフラボンは5αリダクターゼの働きを抑制する作用があるといわれています。
さらに、豆乳にはたんぱく質が含まれています。実は髪の毛の主成分はたんぱく質です。
たんぱく質が不足すると髪が細く弱くなったり、薄くなってしまうので、その点でも豆乳は効果的と言えそうですね。
豆乳ががんの予防になるって本当?
豆乳を飲むことががん予防になるというのは、本当のようです。
国立がん研究センターの発表によると、大豆製品を摂ることで、一部の前立腺がんの発症リスクが下がったというデータがあります(摂る量が多ければ多いほどリスクが低下したという結果が出ています)。
まだ調査段階ではありますが、手軽に摂れる豆乳が、がん予防にも繋がるというのは嬉しい話ですね!
豆乳の飲み過ぎを防ぐために適正量を知ろう
「体に良いから」といって豆乳をがぶがぶと飲み過ぎるのは良くありません。
あくまでも食品の一つとして、他の食事とのバランスを取りながらうまく付き合っていきたいものです。
豆乳はどれくらいの量飲んでいいの?
日本豆乳協会の発表によると、一般的な推奨量は「一日あたり200mlを1~3本程度」となっています。コップ2杯程度を意識していれば、摂りすぎるということはありません。
ほかに、豆腐や納豆などの大豆製品を摂っている場合には、少し減らすなどの調整をしてみましょう。
大豆イソフラボンに関しても、噂話は色々とありますが、どれも「過剰に摂取した場合」の話。
厚生労働省が推奨する大豆イソフラボンの1日の摂取量は64~70mgなのに対して、一般成人は平均18mgとの報告もあります。
食事の度にガブガブと1リットルの豆乳を飲むなんてことをしなければ、過度に恐れる必要はありません。
乳児適正量はどれくらい?
大人と子供では摂取量が異なります。6歳までは1回につき100ml程度にし、1日2回までが推奨されています。
大人の半分くらいの量と覚えておきましょう。なお、豆乳は離乳食の一環としても摂り入れることができる食材です。
大豆アレルギーに注意する必要がありますが、お粥に少し加えてみたり、スープに入れるなどとして、幼い子でも楽しむことができます。
注意点はサプリやプロテインドリンクとの併用
豆乳と併用する場合に注意したいのは、サプリやプロテインドリンクです。
サプリやプロテインドリンクに大豆イソフラボンが入っている場合は摂り過ぎに気を付ける必要があります。
これらの食品は、普通の食事から摂取するのとは異なり、一部の成分だけを凝縮しているので、過剰摂取に繋がるリスクがあります。
併用する場合には、大豆イソフラボンの含有量を確認した上で、豆乳の摂取量を控えることも検討しましょう。
まとめ:豆乳は飲み過ぎに気を付けつつ積極的に摂りたい食材
豆乳は飲み過ぎると怖い?という都市伝説を一つ一つ解説してきました。
多岐にわたる噂話のほとんどは「サプリなどで基準値を大幅に超える量を摂取し続けた場合」に発症する可能性のある事項であり、普通の食事として摂り入れる分には、そこまで恐れる必要がないということです。
それよりも、大豆イソフラボンによる美肌効果やアンチエイジング、ダイエット効果や、薄毛対策などのメリットに目を向けましょう。
日々の食事の中でバランスよく豆乳を摂り入れていくことが、健康的な食生活、そして健康的な体作りに繋がります。