短時間で簡単にいろいろな料理が作れる圧力鍋ですが、ダイエットメニューを作る際にも重宝するということを知っていますか?圧力鍋をうまく活用すると、面倒なダイエットメニューが短時間で簡単に作れるのです。
この記事では、圧力鍋がダイエットメニューにおすすめの理由や、圧力鍋を使った簡単なヘルシーレシピをご紹介します。
ダイエットメニューには圧力鍋が大活躍!
ダイエットは健康的に痩せることがいちばん大切。そのためにも食事は重要なポイントになりますよね。健康的にダイエットするための食事を作る際に圧力鍋はとても役に立つのです。
なぜ、圧力鍋がダイエット中の食事を作る際に重宝するのか、その理由に迫ってみましょう。
圧力鍋の得意分野は煮る・炊く・蒸す
圧力鍋は、水蒸気で圧力を高め水の沸点を120℃く前後に上げることで、通常よりも高い温度で調理できることが特徴の調理器具。
水がないと調理ができないため、圧力鍋は煮る、炊く、蒸すといった調理法で威力を発揮します。
実は、煮る、炊く、蒸すという調理法は、ダイエットにとても有効なのです。その理由として、次のようなことがあげられます。
・脂質を抑えた調理ができる
・加熱することで野菜をたくさん取れる
・調理時の栄養素の損失が少ない
・身体を温める料理を作りやすい
・カルシウムを効率的に取れる
これらの要素がなぜダイエットに有効なのか、詳しく見てみましょう。
栄養素のバランス良い摂取を助ける働きが!
健康的に効率よく痩せるために最も大切な要素は栄養バランス。糖質と脂質はやや抑えめにして、タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルを意識的に取る必要があります。
圧力鍋で野菜を煮たり蒸したりすることで生野菜よりもはるかに多い野菜が取れるので、食物繊維やビタミン、ミネラルがたくさん取れますよね。
圧力鍋では高温での短時間調理が可能なので、調理時に流出しやすいビタミンやミネラルの損失も抑えられます。
また、圧力鍋は油を使わない調理が可能ですし、高温で茹でることで肉や魚の余分な脂もカットできます。また、圧力鍋で魚を煮ると骨まで柔らかくなるのでカルシウムを効率的に取れます。
最近の研究では、カルシウムは骨を強くするだけではなく、脂肪燃焼にも効果的なことがわかってきました。
圧力鍋料理で身体を温める!
カロリーを効率よく消費するためにも、ダイエットには身体の代謝を上げることが重要です。代謝を上げるには、運動で筋肉量を増やすことの他に身体を冷やさないことがとても大切。
身体が冷えると代謝が落ちるだけでなく、血行が悪くなって便秘になりやすくなったり自律神経が乱れたりするなど、ダイエットの妨げになるような事態が起こりやすくなります。
圧力鍋は、煮る、炊く、蒸すの調理が得意なので、身体を温めやすい料理を簡単に作れます。
圧力鍋を使うと朝食の準備も楽に!
ダイエットには内臓の働きを調整する自律神経を整えることがとても大切。身体を目覚めさせ、活動状態にシフトする役割をしているのが朝食です。
朝食が大切だということはわかっていても、忙しい朝に時間をかけて料理をするのは面倒ですよね。
圧力鍋だと、短時間の加熱だけで火を止めた後は放ったらかしでOK。その間に他のこともできますし、夜の間に朝ごはんを仕込むこともできるので朝の準備が楽になりますよね。
さらに、予約機能付きの電気圧力鍋を使えば、朝起きた時に朝ごはんができ上がっている!という使い方もができます。
圧力鍋を使った肉や魚主体のダイエットレシピ
では、圧力鍋を使ったダイエットに最適なメニューのレシピを具体的に紹介しますね。まずは、ダイエットには欠かせないタンパク質の供給源になる肉や魚主体のレシピを3つご紹介します。
鶏もも肉で作るサラダチキン
良質のたんぱく源である鶏肉はダイエットに最適。鶏もも肉はむね肉よりも脂肪分が多くカロリーが高いので、ダイエット中はむね肉がおすすめというのは周知の事実ですよね。
しかし、むね肉はパサつきやすいのが難点。低温調理だと比較的しっとりと仕上がりますが、肉の内部が殺菌効果に有効な70℃に達しないので、保存性が心配です。
その点、圧力鍋を使うと保存性も心配なし。鶏もも肉を使っても余計な脂肪分は取り除かれ、豊富なコラーゲンがゼラチンに変化するのでジューシーなサラダチキンを作れます。
【材料】(4人分)
鶏もも肉 2枚
☆水 200cc
☆塩 10g
☆砂糖 10g
水 350cc
酒 50cc
しょうがの薄切り 3~4枚
長ねぎの青い部分 2本分
【作り方】
1.鶏もも肉はフォークで刺して穴をたくさん開けておく。☆の材料を合わせてブライン液を作り、鶏肉を2~3時間浸しておく。
2.圧力鍋に水(350cc)と酒、長ねぎとしょうがを入れ、ブライン液から取り出した鶏もも肉を入れてフタをして圧力鍋をセットして火にかける。
3.沸騰するまでは強火で加熱。圧力がかかったら弱火にして高圧で3~5分、普通圧なら5~7分ほど加圧して火を止める。
4.そのまま1~2時間放置する。
【ポイント】
・減圧するまで放置するだけでも食べられますが、さらに数時間放置することでよりしっとりとした仕上がりになります。
・茹で汁には鶏肉から旨味や栄養素が溶け出しています。捨てずにスープなどに利用しましょう。その際、脂をしっかりと取り除きたい場合は、そのまま一晩放置するか冷蔵庫で脂を冷やし固めてから取り除いてください。
ポリフェノールもたっぷり!豚ヒレ肉の赤ワイン煮
豚ヒレ肉は豚肉のなかで最も脂身が少ない部位なので、ダイエット中のタンパク質源としては理想的です。しかし、脂分が少ない分、圧力鍋で調理するとパサつきやすいので、ホロホロに崩れるまで煮込んでしまいましょう。
赤ワインのポリフェノールには、脂肪燃焼効果があることも報告されています。ポリフェノールは熱で壊れることがないので煮込み料理に使っても有効に摂取できます。
【材料】(4人分)
豚ヒレブロック 500g
塩コショウ 少々
小麦粉 適量
オリーブオイル 大さじ1~2
玉ねぎ 1.5~2個
にんじん 1本
にんにく 1かけ(チューブでも可)
赤ワイン 300cc
☆水 200cc
☆砂糖 大さじ1
☆固形コンソメ 1個(コンソメ顆粒 小さじ2)
☆しょうゆ 大さじ1
☆トマトケチャップ 大さじ3
☆ローリエ 1~2枚
塩コショウ 適宜
【作り方】
1.豚ヒレは3cmくらいの厚さに切り、塩、こしょうをして小麦粉を薄く付けておく
2.玉ねぎは薄切り、にんじんは食べやすい大きさに切る
3.フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、1の豚肉の表面をカリッとするまで焼いて取り出しておく。
4.肉を取り出したフライパンに玉ねぎを入れて透明になるまで炒め、さらににんじんを入れて炒める。
5.圧力鍋に3の豚肉、4の玉ねぎとにんじん、☆を入れてフタをして圧力鍋をセットして火にかける。
6.沸騰するまでは強火で加熱し、圧力がかかったら弱火にして高圧で5~7分、普通圧なら15分加圧して火を止める。
7.圧力が下がるまで自然放置し、必要なら塩、こしょうで味を整える。
【ポイント】
・でき上がった赤ワイン煮に、ブロッコリーやマッシュポテトを添えてもよいでしょう。
・豚ヒレは赤ワインに数時間漬け込んでおくと、豚肉がさらに柔らかくなります。
骨まで柔らか!サバの味噌煮
おふくろの味の定番であるサバの煮込みは、圧力鍋で作ると骨ごと食べられるのでカルシウムの補給にはもってこい。
さらに、骨を強くするビタミンD、貧血予防に効果のある鉄分やビタミンB12、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6も豊富です。
また、青魚に多いDHAとEPAは脂肪燃焼や体温上昇に効果があるため、ダイエット中にはぜひ食べたいメニューです。
【材料】(4人分)
さば(2枚おろし) 4切
ごぼう 1本
しょうが 1かけ
☆水 200cc
☆酒 100cc
☆砂糖 大さじ3
☆みりん 大さじ3
☆味噌 大さじ2
仕上げ用の味噌 大さじ1
仕上げ用のしょうゆ 小さじ1
【作り方】
1.しょうがは薄切りに、ごぼうはよく洗って3~4cmに切る。
2.サバは皮に切れ目を入れる。ボウルにサバを重ならないように並べ、熱湯をかけて臭み抜きをして、水気を切っておく。
3.圧力鍋に臭み抜きをしたサバ、ごぼう、しょうが、☆の調味料を入れてフタをして圧力鍋をセットして火にかける。
4.沸騰するまでは強火で加熱し、圧力がかかったら弱火にして高圧で3分、普通圧なら5分程度加圧する。
5.圧力が下がるまで自然放置し、仕上げ用の味噌を溶かしてしょうゆを加え、鍋をゆすって全体をさっと混ぜる。
【ポイント】
・ごぼうはなくてもかまいませんが、入れると風味がよくなります。
・丸のままのサバを使う場合は、内臓を取ってよく洗って3cmくらいのぶつ切りにし、熱湯にくぐらせて一煮立ちさせてから水気を切ってください。
圧力鍋を使った野菜主体のダイエットレシピ
続いて、圧力鍋で作れる野菜主体のダイエットレシピを3つご紹介します。野菜をたっぷりと食べられるだけでなく、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養補給が効率よく摂取できるので一石二鳥です。
野菜の栄養が丸ごと取れる!具だくさん野菜スープ
とにかく多くの種類の野菜をたくさん食べるためにおすすめのメニューが具だくさんの野菜スープです。
野菜スープにすると調理時に水に溶け出した栄養素もそのまま全部食べられるので、野菜の栄養素を余すことなく取ることができます。
特に、朝起きたときは身体が冷えています。熱い野菜スープを飲むと体が温まり、自律神経が整い代謝もアップするのでダイエット中の朝食にもおすすめです。
【材料】(4人分)
ベーコン 4枚
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
じゃがいも 1個
キャベツ 1/8個
大根 5cmくらい
しめじ 1/2パック
トマト 2個
☆水 800cc
☆固形コンソメ 2個(コンソメ顆粒 小さじ4)
☆砂糖 小さじ1
☆ローリエ
塩、こしょう 適宜
【作り方】
1.ベーコンと野菜は1~2cmくらいの大きさに切る。しめじは根元を落として小分けにしておく。
2.圧力鍋にベーコン、野菜、☆を入れてフタをし、圧力鍋をセットして火にかける。
3.沸騰するまでは強火で加熱し、圧力がかかったら弱火にして高圧なら2分、普通圧なら3分加圧する。
4.圧力が下がるまで自然放置し、塩、胡椒で味を整える。
【ポイント】
・レシピではフレッシュトマトを使用していますが、代わりにトマトダイス缶を1/2缶(200g)入れてもよいでしょう。
・野菜はなんでもOKです。種類や量はお好みで加減してください。
身体の芯からポカポカに!根菜の和風スープカレー
身体を温めて代謝を上げるためにおすすめのスープカレーのご紹介です。根菜類は身体を温める作用がある上に食物繊維もたっぷり!さらに、食べ応えがあるので満腹感も増します。
また、スパイスは身体を温める効果が高いので、カレー粉を入れることでさらに身体の芯からポカポカになります。手羽元は、ダイエット中でも安心して食べられるように下処理をして脂分を取り除いてから煮込みます。
【材料】(4人分)
鶏の手羽元 8本
たまねぎ 1個
にんじん 1本
れんこん 6~8cm
かぶ 2個
かぼちゃ 1/8個
ブロッコリー 4房
カレー粉 大さじ3~4
☆だし 1200
☆砂糖 小さじ1
☆しょうゆ 小さじ1
おろしにんにく 少々
オリーブオイル 大さじ2
【作り方】
1.手羽元は皮を下にして骨に沿って包丁で2本切り目を入れる。
2.玉ねぎは薄切り、にんじんは細長く、かぶは2等分、れんこんとかぼちゃは1cmくらいの厚さに切る。
3.手羽元は熱湯に入れて15分くらい下茹でをし、よく洗っておく。
4.かぼちゃはレンジで硬めに加熱し、オリーブオイル(分量外)で揚げ焼きにしておく。ブロッコリーは2分ほど茹でておく。
5.フライパンにオリーブオイルとおろしにんにくを熱して玉ねぎを炒める。カレー粉を加えて香りが立つまでさらに炒める。
6.圧力鍋に、3の手羽元、かぼちゃ以外の野菜、☆を入れ、フタをして圧力鍋をセットして火にかける。
7.沸騰するまでは強火で加熱し、圧力がかかったら高圧で3分、普通圧なら5分程度加圧する。
8.圧力が下がるまで自然放置し、器に盛りつけて、かぼちゃとブロッコリーを添える。
【ポイント】
・かぶの代わりに大根を使ってもよいでしょう。
・カレー粉はお好みで加減してください。
圧力鍋であっという間!温野菜サラダ
野菜を蒸した温野菜は生野菜よりもたっぷりの量を食べられ、食物繊維が豊富なので食べ応えも十分。
油を使わないので低カロリーな点もうれしいですよね。圧力鍋で蒸すと通常よりも高い温度で蒸せるので、あっという間に温野菜を作れます。
温野菜に向く野菜は、根菜、芋類、きのこ、キャベツ、ブロッコリー、とうもろこし、かぶ、かぼちゃ、パプリカ、アスパラガスなど。できるだけいろいろな色の野菜を取り入れると、たくさんの栄養が取れます。
【材料】(2人分)
キャベツ 1/4個
じゃがいも 1個
かぶ 1個
かぼちゃ 1/8個
ブロッコリー 4房
パプリカ 1/2個
しめじ 1/2パック など
水 300cc
★たまねぎノンオイルドレッシング★
玉ねぎ 1/2個
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ2
砂糖 小さじ2
みりん 大さじ2
【作り方】
1.玉ねぎはすりおろし、耐熱容器に入れてドレッシング用の調味料を入れてレンジで3分加熱する。
2.野菜は食べやすい大きさに切る。同じように火が通るようにできるだけ大きさをそろえ、蒸しカゴに入れていく。
3.圧力鍋に水を入れて火にかけて沸騰させる。沸騰したら野菜の入った蒸しカゴを入れてフタをする。
4.圧力がかかったら弱火にして、1~2分程度加圧して火を止め、圧力が下がるまで自然放置する。
5.皿に盛り、玉ねぎドレッシングをかける。
【ポイント】
・加圧時間はお使いの圧力鍋によって変わります。添付のレシピ集を参考にしてください。
・たまねぎドレッシングの代わりに、市販のノンオイルドレッシングを使ってもよいでしょう。
まとめ:圧力鍋があるとダイエットメニューも楽々!
圧力鍋のメリットは、煮る、炊く、蒸すという調理法が、通常よりも高い120℃くらいでできること。そのため、栄養価の高いダイエットメニューを短時間で簡単に作ることができます。
ご紹介したレシピはほんの一部。野菜や肉・魚の他、低カロリー高タンパクの豆料理や、白米よりも栄養が豊富な上、噛み応えの良さで満腹中枢を刺激する玄米ごはんなども圧力鍋で簡単に作れます。
さまざまなダイエットメニューを作れるので、ぜひ圧力鍋を活用してみてくださいね。