濃厚でコクのある蟹味噌は、ご飯にもお酒にも合う食べ物ですね。年々蟹の漁獲量が減って来て、なかなか食べられない贅沢な食材になっています。
蟹味噌にはこってりとクリーミーで栄養豊富なイメージがある反面、おいしいものに付き物の健康に良くない印象もあり食べるのを躊躇する人がいるのも事実。
この記事では蟹味噌の栄養やカロリー、雑学やおすすめの蟹味噌などをご紹介します。知っているようで知らない蟹味噌の不思議を紐解いていきましょう。
目次
蟹味噌に含まれる栄養は?
日本に流通する蟹には、タラバガニ、ズワイガニ、毛ガニ、花咲ガニ、上海ガニなどいろいろな種類が存在します。その中で蟹味噌がおいしいのはカニ科のズワイガニや毛ガニ、上海ガニです。
タラバガニや花咲ガニなどのヤドカリ科の蟹の蟹味噌は食べられないことはないのですが、量が少なく茹でている間に流れ出てしまうことも多いために主に身を食べるのが一般的です。
ではまず蟹味噌の気になるカロリーや栄養について見ていきましょう。
蟹味噌のカロリーは?
蟹味噌のカロリーは蟹味噌を販売しているメーカーの表示によると、100gあたり180~250kcal前後となっています。やはり濃厚でコクのある蟹味噌のカロリーは、高めの印象がありますね。
蟹の身のカロリーはズワイガニが100gあたり60~70kcal、毛ガニで70~80kcalです。1杯の蟹から取れる蟹味噌の量はズワイガニで30~50g程度。
蟹を食べるときは家族や友人と分けることが多いため、一度に食べる蟹味噌の量を考えるとカロリーの心配はしなくてもよさそうです。
どんな栄養成分が含まれるの?
蟹味噌に含まれる栄養素を見てみましょう。
【ビタミンE】
・強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミン
・血管や肌などの老化を防止し、生活習慣病の予防に効果がある
【ビタミンB1、B2、B12】
・人間が生きるためのエネルギーを作るのに欠かせない栄養素
・疲労を軽減したり筋肉を増えやすくしたりする効果がある
【タウリン】
・貝類やイカ、タコなどの軟体動物に多く含まれるアミノ酸に似た物質
・胆汁酸と結びつくことでコレステロールを減少させる効果がある
【イノシン酸】
・三大うまみ成分の一つ
・たんぱく質の合成に重要な役割を果たしている
【アスタキサンチン】
・サケやイクラ、エビや蟹などに含まれる赤色の天然色素
・眼精疲労の改善や動脈硬化の予防などに効果がある
【亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル】
・人間の臓器や組織を円滑に働かせるために必要な栄養素
・細胞のバランスを維持して、体内の働きを正しく保つ効果がある
蟹味噌はさまざまな栄養素が含まれる栄養豊富な食べ物です。特にアスタキサンチンはエビや蟹特有の栄養素で、脳の血管を若々しく保つなど注目の成分といえます。
気になるプリン体は?
「プリン体」ってなんとなく体に悪いイメージがありますが、実はプリン体は80%が人間の体内で生成されています。プリン体は人間の体に欠かせないエネルギー物質で、分解されると尿酸に変化します。
通常プリン体は生成される量と排出される量のバランスが保たれていますが、食物から摂り過ぎたり排出機能が弱まったりすると体内に尿酸が溜まって痛風の原因になります。
蟹味噌には100gあたり150mg前後のプリン体が含まれています。痛風の持病などのある人は控えた方がいいかもしれません。
蟹味噌にアレルギーってあるの?
エビや蟹を中心とする甲殻類のアレルギーのある人は、蟹味噌にもアレルギーがある可能性が高いので食べない方がよさそうです。
甲殻類アレルギーは日本人の1~2%の人が持っていると言われています。蕁麻疹などのかゆみだけでなくぜんそくやアナフィラキシー症状が起きることもあり、強いアレルギー反応を起こす代表格です。
蟹味噌の栄養とおもしろ雑学
蟹味噌は「中腸線(ちゅうちょうせん)」と呼ばれる蟹の臓器で、肝臓や膵臓のような働きをします。見た目や名前のイメージから蟹の脳みそだと思っている人も多いようですが、脳みそではありません。
目や口のそばにある神経が脳みそのような働きをしているだけで、蟹には脳みそは存在しないそうです。ではここからは蟹味噌の栄養や知っているようで知られていない雑学を見ていきましょう。
【蟹味噌が黒い】どうして?
冷凍の生の蟹を買って自分で茹でてみたら、中が黒くなってしまうことがあります。蟹が黒くなるのは「黒変」と呼ばれる酸化減少で、見た目は悪いですが食べても害はありません。
黒変を防ぐには素早く解凍することが大切です。解凍するときには食べる直前に流水で行ってください。
この時に蟹が直接水に触れるとうまみが溶けだしてしまうので、ポリ袋に入れて密閉してから流水に浸けて解凍します。電子レンジでの解凍はNGです。
またゆでる時の温度が低くても黒変が起こる場合があるので、しっかりと温度を上げて加熱してくださいね。
生の蟹味噌って食べられるの?
蟹味噌は生でも食べられます。ただし蟹味噌は身に比べると傷みやすい部位のため、生で食べるのは新鮮なものだけにしましょう。できれば専門店や産地などに行って食べるのがおすすめです。
生の蟹味噌の味はふわっとした甘味があって、火を通した蟹味噌とはまた別のおいしさがあるそうです。もちろん好き嫌いはありますが、生の蟹味噌を一度味わってみたいですね。
蟹味噌はおいしい?まずい?
軍艦巻きの具材としても人気の蟹味噌ですが、苦手な人も多い食品です。見た目がグロテスクなところから、食わず嫌いで食べない人も。
また蟹味噌を「まずい」と思う人の中にはあまり新鮮な状態でない蟹味噌を食べたことで、おいしくない食べ物と思った人もかなりいるようです。
浜ゆででゆでたての蟹味噌を食べてみたら案外おいしくて、それから大好きになった人も数多くいますので一度新鮮な蟹味噌を味見してみてはいかがでしょうか。
栄養豊富な蟹味噌のおすすめ3選
蟹味噌はおいしいですが、1匹の蟹から取れる蟹味噌はほんの少しで取るのもなかなか大変な作業です。蟹味噌を気軽に味わいたいなら、瓶詰めやチューブなどをお取り寄せするのがおすすめです。
ここからはネットで人気の蟹味噌を3種ご紹介します。目的や家族の人数によって、それぞれのおすすめの商品を選んでみました。
【おもてなしにも!】かにみそ甲羅盛り
蟹味噌の商品にはいろいろな種類がありますが、一番人気はやはり甲羅盛りです。1杯ずつ解凍して一人暮らしのお酒のおつまみにもできますし、見た目が豪華なのでお客様へのおもてなしにも使えるのが魅力です。
「かにみそ甲羅盛り」は紅ズワイガニの甲羅に、紅ズワイガニとズワイガニを黄金比でブレンドした蟹味噌を盛り付けています。上に蟹の身がトッピングされていて、見た目も華やかです。
価格は1個33gが6個入って3,000円前後で販売されています。
【瓶詰めはコレがおすすめ】マルヨ食品 かにみそ
少人数のご家族や内輪で蟹味噌を食べるなら、缶詰や瓶詰めの蟹味噌がおすすめです。缶詰ももちろんおいしいのですが、今回は瓶詰めの蟹味噌をご紹介します。
マルヨ食品の「かにみそ」は兵庫県山陰産のベニズワイガニを100%使用し、蟹味噌と蟹の身を50%ずつブレンドして食べやすい飽きの来ない味に仕上げています。
原材料は蟹と調味料だけのシンプルなもので、そのまま酒のさかなや温かいご飯と一緒に利用できます。価格は1本60g入りで、2本セットが1,980~2,700円前後で販売されています。
【大容量チューブ入り】かにみそ300g 業務用
蟹味噌が大好きでたくさん食べたい方や、大人数で食べるときには業務用のチューブ入りがおすすめです。お寿司屋さんなどで軍艦に使われる蟹味噌で、ズワイガニの蟹味噌をペーストにして煮込んだ商品です。
量が多いのでそのまま食べるだけでなくグラタンやパスタなどさまざまな料理に使うことが出来て、蟹味噌を満喫できること間違いなしです。
価格は1つ300g入りで2,980円で販売されています。
蟹味噌は栄養たっぷりのおいしい珍味
コクやうまみがぎゅっと詰まったおいしい蟹味噌は、栄養も豊富な食品です。寒くなってから食べることが多い蟹味噌は、冬の味覚の王様ですね。
カロリーやプリン体は決して低くはないものの一度に食べる量は少ないため、制限のある人以外はそれほど気にせずに楽しめそうです。
酒のさかなやご飯のおとも、チーズ焼きやグラタン、パスタなどさまざまな使い方のある蟹味噌をぜひおいしく食べてくださいね。