イタリア料理などのレシピに載っていることのあるバルサミコ酢。近所のスーパーに売っていない場合や、ちょっとお高い感じがして使いにくいイメージがありますね。
料理にちょっと使うだけなら、ご家庭に常備している材料で代用できると便利です。
この記事では自宅にあるものでバルサミコ酢に似た味のものが作れるのか、いろいろな食材を使ってご紹介していきます。
目次
バルサミコ酢の特徴を押さえて代用上手に!
バルサミコ酢は主にイタリアのモデナ地区で作られている酢です。「バルサミコ」とはイタリア語で「かぐわしい、芳香性がある」の意味があり、バルサミコ酢は「いい香りのするお酢」のことを言います。
イタリアのモデナ地区で伝統的な方法で十数年かけて作られるバルサミコ酢は、少量しか作られず非常に高価なため一般的には流通していません。
日本などで多く売られているバルサミコ酢は、伝統的なバルサミコ酢に味を似せて作られた普及品です。普及品と言っても粗悪品ではなく、中には数年かけてじっくり熟成したバルサミコ酢もあります。
ではバルサミコ酢の原料や味、使い方などを見ていきましょう。
バルサミコ酢の原料は?どんな味?
バルサミコ酢はブドウを原料にして、木樽の中でゆっくりと発酵させて作られます。
赤ワインのような独特の香りと酸味、ブドウの甘味のあるお酢です。イタリアでは昔は食品としてではなく、薬として利用されることが多かったようです。
長い期間発酵させることで、どろりとした黒い液体になります。発酵期間が長ければ長いほど酸味がまろやかになり、甘味が増すと言われています。
このコクのある甘味を出すために、普及品の中にはカラメルを入れているものもあるようです。
どんな料理に使うの?
バルサミコ酢のフルーティな酸味や甘味は、さまざまな料理のソースとして使われています。オリーブオイルと混ぜてサラダのドレッシングとして使ったり、煮詰めてソースにして肉料理にかけたりするのが一般的です。
その他ヨーグルトのトッピングとしてそのままかけたり、アイスクリームにかけてもおいしいそうです。
※バルサミコ酢の使い方や特徴についてはこちらの記事にまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。
ワインを使ってバルサミコ酢を代用できる?
ワインには赤ワインと白ワインがあります。白ワインと赤ワインの違いはブドウの品種の他に、ブドウの皮や種が入っているかどうかです。
白ワインは白ブドウの果汁だけを取り出して発酵させたものなので、さっぱりとフルーティで色も淡い色をしています。
赤ワインは黒ブドウの皮や種ごと発酵させたもので、皮に含まれる渋みや濃いワイン色をしているのが特徴です。ではここからはワインを使って、バルサミコ酢の代用が作れるのかどうかを見ていきましょう。
赤ワインを使ってみよう
バルサミコ酢の材料はブドウなので、赤ワインを使えばかなり再現性の高いバルサミコ酢の代用の調味料が作れそうです。
赤ワインに酸味を付けるために酢を入れ、甘みを出すためにはちみつや砂糖を入れればバルサミコ酢に近い味になります。赤ワインと砂糖と酢の割合は、5:1:1程度です。
赤ワインのアルコールを飛ばすため、赤ワインと砂糖を鍋に入れて沸騰させるか耐熱容器に入れて1~2分加熱しましょう。酢は火を止めてから入れるのがポイントです。
バルサミコ酢の独特のとろみやコクを出すには、砂糖を別な鍋で加熱してカラメルにするとさらに近い味になりますよ。
白ワインで再現できるか?
バルサミコ酢には白バルサミコ酢もありますが、ほとんどは赤ワインを発酵させて作られたものです。白ワインで代用できるのでしょうか。
白ワインでバルサミコ酢の代用品を作るには、酢と醤油と砂糖を白ワインに混ぜることで近い味にすることが出来ます。白ワインと醤油、砂糖、酢の割合は4:4:2:1程度です。
ワインのアルコールを飛ばすために白ワインと醤油、砂糖を鍋にかけて沸騰させるか、耐熱容器に入れてレンジで1~2分加熱しましょう。最後に酢を入れれば代用品の完成です。
ワインビネガーはどうか
ワインビネガーもバルサミコ酢の代用として使うことが出来ます。赤ワインビネガーはバルサミコ酢に比べて酸味が強いので、砂糖か蜂蜜を入れて少し加熱しましょう。
白ワインビネガーは醤油と砂糖を入れて、これも少し加熱してコクを出すのがおすすめです。沸騰させすぎると酸味が飛んでしまうので、少しずつ味見をしながら加熱してくださいね。
バルサミコ酢をソースと酢の組み合わせで代用してみよう
ワインを使えば、かなりバルサミコ酢に味の近い代用品が作れることがわかりました。けれども普段からワインを飲まないご家庭では、ワインを常備していないことが多いでしょう。
ここからは一般のご家庭にある調味料を使った、バルサミコ酢の代用品の作り方について見ていきましょう。
とんかつソース等のソースと黒酢は?
とんかつソースや中濃ソース、ウスターソースは、トマトやリンゴ、ニンジンや玉ねぎなどの果物や野菜を煮詰めて調味料や香辛料で味付けしたものです。
とんかつソースの方が使われる材料が濃くウスターソースが一番さらさらしており、中濃ソースはウスターソースととんかつソースの中間位の濃さです。
ソースに黒酢を1:1の割合で混ぜると、バルサミコ酢の代用として使えます。黒酢に比べるとコクが少なくなりますが、家にある他の酢を混ぜても大丈夫です。
お好み焼きソースは使える?
お好み焼きのソースは通常のソースに、さらにデーツなど様々な果物や香辛料を加えて複雑で濃い味にしたものです。どろっとしてコクがあり、甘味があるのが特徴です。
お好み焼きソースと黒酢を1:1で混ぜると、バルサミコ酢の代用として使えます。もちろん家にある他の酢を使ってもOK。リンゴ酢などの果物を使ったお酢を使えば、フルーティな味わいになりますよ。
オイスターソースにはアレ
オイスターソースは牡蠣のうまみ成分を濃縮させて、砂糖や塩などを加えて味を調えた甘いコクのある醤油のような調味料です。
名前が似ているので「ウスターソース」と勘違いしている人もいるかもしれませんが、味も作り方も全然別な物です。
同量のオイスターソースとオリーブオイルに少量の酢を混ぜると、バルサミコ酢の代用として使うことが出来ます。甘味が足りない場合は、砂糖を少量入れてください。
まとめ~バルサミコ酢は意外と身近な材料で代用できる
バルサミコ酢はサラダや肉料理など、いろいろな使い方のあるイタリアの酢です。
イタリア料理などのレシピでバルサミコ酢を使うものなどを見かけると、作ってみたいけれどその料理のためだけにバルサミコ酢を買うのもためらわれますね。
最近では「なんちゃってバルサミコ酢」の名前で、バルサミコ酢の代用品の作り方のレシピが見られるようになってきました。家にある一般的な調味料でもバルサミコ酢の代用が出来ますので、ぜひ一度試してみてくださいね。