みりん
みりんを飲む!?そのまま飲めるの?

みりんを飲むなんて考えたことがない、という方も多いのではないでしょうか。実は、美味しいみりんはお酒としても楽しめるんです。

 

今回はみりんの歴史や魅力を繙くとともに、みりんを飲む楽しみ方や飲むと美味しいおすすめのみりんなどをご紹介します。

 

飲むなら知っておきたいみりんのこと

みりん

みりんというと料理に甘味を加える調味料と言うイメージがありますが、本来はアルコールを含む飲料として、酒類に分類されています。

 

もち米と米麹に焼酎(醸造アルコール)を加え、一定期間熟成させたみりんのアルコール度数は14%前後。日本酒やワインと同じくらいなんですよ。

 

飲むと強い甘味と深いコクを感じるみりんは、お正月に飲むお屠蘇にも使われています。みりんを飲み物として口にしたことがないと思っていても、意外と飲んだことがあるかもしれませんね。

 

江戸時代は高級酒だったみりん

古くは戦国時代には、みりんは日本にあったとされています。江戸中期時代に入ると、甘くて飲みやすいみりんは女性を中心に広まっていきました。

 

調味料として使われることもありましたが、この頃のみりんは高級酒として人気があったようです。

 

みりんが飲まれなくなるのは、戦後、ビールや清酒が普及してから。もしかしたらおじいちゃんやおばあちゃんの中には、飲むみりんの美味しさを知っている方もいるかもしれませんね。

 

飲むなら本みりん!みりん風調味料との違い

昔はみりんって飲むものだったのか、ちょっと飲んでみよう!と思った方、ちょっと待ってくださいね。

 

一般的にみりんには本みりんとみりん風調味料の2種類があり、この2種類には大きな違いがあります。飲むなら、本みりんを選びましょう

 

本みりんみりん風調味料
原材料もち米・米麹・
焼酎(アルコール)
水飴・米・
米麹の醸造調味料・
醸造酢など
アルコール
度数
14%前後1%未満
酒類販売
免許
不要

原材料を見てもわかる通り、みりん風調味料の甘味は糖類を加えたもの。さらに、アルコール度数も1%未満で酒類には分類されません。

 

対して、本みりんの甘味はもち米と米麹の糖化によって生まれます。アルコール度数は14%前後で酒類に分類されるため、販売にも免許が必要なんですよ。

 

本みりんを購入したいときは種類を取り扱っている店舗か、蔵元に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

みりんが飲まれている地域はどこ?

みりんを飲む地域として挙げられるのは、千葉県の流山市です。流山市は白みりん発祥の地ですから、みりんが地域に根付いているのですね。

 

流山市の例でもわかるように、美味しいみりんがある地域では、みりんを飲む習慣が見られます。愛知県にもみりんを醸造している蔵元が多くあるため、みりんをよく飲むようですよ。

 

『みりんは昔飲まれていたもの』というわけではく、地域によっては日常的に、気軽に飲まれているんですね。

 

みりんを飲むときの美味しい割り方♪

みりん

美味しいみりんは、カクテルの原料としても使われます。それほどにみりんはバリエーション豊富な割り方が楽しめるんですよ。是非、試してみてくださいね。

 

みりん×炭酸×レモン

みりんの深い甘味とレモンの酸味は相性抜群。まるでハイボールのような飲み口で、スイスイ飲めちゃいますよ。

 

材料(1グラス分)

  • 本みりん…50cc100cc
  • 炭酸水…100cc200cc
  • 氷…お好み量
  • レモン汁…お好み量
  • カットレモン…1カット

氷を入れたグラスに、本みりん・炭酸水・レモン汁を入れて優しくステアします。飾り用のカットレモンを添えれば完成です。

 

みりん×炭酸×生姜

生姜とみりんで作った生姜シロップで、刺激的なジンジャーエールはいかがですか。加熱しないみりんを追加すれば、ほんのりアルコール入りの大人ドリンクになります♪

 

生姜シロップの材料

  • みりん…300cc
  • 生姜…40g~50g

 

材料(1グラス分)

  • 生姜シロップ…お好み量
  • 本みりん…50cc程度
  • 炭酸水…100cc200cc
  • 氷…お好み量

生姜シロップは、生姜を入れたみりんを火にかけて、半分量になるくらいまで煮詰めます。

氷を入れたグラスに、冷ました生姜シロップ・みりん・炭酸水を入れてステアしてください。生姜を強く感じたいときは、生姜の搾り汁を追加してもOK

 

みりんを入れずに、生姜シロップに炭酸水を注ぐだけならアルコールはほとんど含まれないので、子どもやアルコールが苦手な方も楽しめますよ。

 

みりん×ヨーグルトドリンク

みりんはヨーグルトにコクのある甘味をプラスしてくれます。無糖のヨーグルトがない場合は、みりんの分量を調整してくださいね。

 

材料(1グラス分)

  • 本みりん…50cc100cc
  • ヨーグルト(無糖)…100cc200cc
  • 氷…適量
  • お好きなフルーツ…お好みで

本みりん・ヨーグルト・フルーツ・氷をミキサーに入れて数回回すだけ。

氷を一緒にミキサーにかければ、フローズンドリンク風になりますよ。氷の代わりに冷凍フルーツを使うのもおすすめです。

 

みりん×豆乳

ホッと一息つける温かいドリンクにも、みりんは大活躍。豆乳を使った、心も身体もぽかぽかにあたたまる割り方です。

 

材料(1カップ分)

  • 本みりん…50cc
  • 無調整豆乳…150cc

無調整豆乳を沸騰させない程度に温め、みりんを注ぎ軽く混ぜるだけ。みりんの甘味が優しく体に染みわたります。

 

みりん×米焼酎

アルコールをアルコールで割るなんてと思いますが、柳陰(やなぎかげ)や本直しと呼ばれる、江戸時代から伝わる定番のレシピなんです。

人気グルメ漫画『美味しんぼ』でも紹介されているんですよ。

 

材料(1グラス分)

  • 本みりん…100cc程度
  • 米焼酎…100cc程度

みりんと米焼酎を混ぜ、冷蔵庫などでよく冷やして飲みましょう。11で割るのがおすすめですが、お好みで調整してください。アルコール度数が高いので、ゆっくり飲んでくださいね。

 

【注意!】みりんで果実酒は作れない!

梅酒などの果実酒を自宅で作る方も多いかと思いますが、その際のアルコールにみりんを使用するのはNG

 

果実酒を作る際、アルコール度数が低いお酒では酵母による発酵が起こり、自家醸造になってしまう可能性があります。

 

そのため酒税法では、自家製果実酒に使用するアルコールは、アルコール度数20度以上と定められています。対して、みりんのアルコール度数は14度前後。

 

みりんで果実酒を作ることは、酒税法違反になってしまうんですね。甘味のあるみりんで作った果実酒は魅力的ですが、自家製果実酒に使用するのはやめましょう。

 

みりんを飲むならコレ!おすすめ商品5選!

みりん

『飲めるみりん』ならぬ『飲むみりん』と言いたくなる、おすすめのみりんをご紹介します。透明感のある白みりんや長期熟成のみりんなど、いろいろ飲み比べるのもおすすめですよ。

 

角谷文治郎商店 三河みりん

角谷文治郎商店は、創業以来みりん一筋。みりんのみを追求してきた蔵元です。自家製米のもち米を自社で蒸留した焼酎で仕込み、2年をかけて醸造・熟成させます。

 

そうしてできたみりんは、無添加無着色、美しい琥珀色で、他のお酒にはないとろりとした舌触り。一口含めば染みわたるような深い甘さを感じる優しい味わい。

 

調味料としてはもちろんですが、飲むためのみりんといっても過言ではありません。そのままはもちろん、炭酸や豆乳で割るのもおすすめですよ。

 

鈴木酒造店 磐城寿 黄金蜜酒

福島県に蔵を持つ鈴木酒造ですが、東日本大震災で建屋が流出、休業を余儀なくされました。しかし、苦境に負けることなく山形の地での再出発を果たしたのです。

 

そんな苦境の中生まれた『黄金蜜酒』は飲めるみりんではなく、飲むみりん。まさに、飲むために開発されたみりんなんですよ。醸造に自社製の粕取り焼酎を使い、自社の味を追求しています。

 

まろやかなコクとはちみつのような上品な甘さは、長期熟成によって生まれた旨味と言えるでしょう。ストレートで飲むのがおすすめですが、炭酸割りやレモンなどを合わせても美味しいですよ。

 

馬場本店酒造 最上白味醂

千葉県にある馬場本店酒造から販売されている『最上白味醂』の深くまろやかな甘みは、江戸時代から続く伝統的な製法で作られているからこその味わい。

 

料理の味をワンランクアップさせる優秀な調味料として人気がありますが、飲むみりんとしてもおすすめなんです。

 

人によっては、ストレートで飲むには甘味が強すぎると感じるかもしれません。その場合は、柳陰やロックなどみりん本来の味わいを損なわない割り方を試してみてくださいね。

 

福光屋 三年熟成 福みりん

福光屋自慢の本みりん『純米本味醂 福みりん』を、さらに3年熟成させたみりんが『三年熟成 福みりん』です。

 

『三年熟成 福みりん』は、毎年113日の調味料の日に行われる調味料選手権2018のみりん部門で最優秀賞を受賞しているんですよ。

 

『最高のみりんは飲んでも美味しい』を証明してくれるような福みりん。

少量飲むだけでも「これは違う!」と言いたくなる奥行きのある甘味は、柳陰にしたりウイスキーに忍ばせたりするのもおすすめです。

 

三年熟成 純米本味醂 福みりん720ml
福光屋

小笠原味淋醸造 焼酎仕込み 一子相傳

『小笠原味淋醸造』の創業は1922年。以来、100年にわたり変わらない製法でみりんを作り続けているみりんの醸造元です。

 

国産の原材料と加熱処理をしない生詰めにこだわったみりんは、まるでリキュールのように芳醇で甘く、そして深い。一口飲んでほしい、そんな味わいなんです。

 

『一子相傳』を飲むときの割り方は自由に、気分の赴くままに。生活に溶け込む、自分好みの割り方で楽しんでください。

 

みりんを飲むならいろいろな割り方を楽しんで♪

みりんを飲む

みりんの魅力は調味料としてだけでなく、飲むことでわかる魅力があります。甘いリキュールのような、ポートワインのような、魅力的なお酒なんですね。

 

そのまま飲んで美味しいみりんを探してみたり、いろいろな割り方を試してみたり。長い歴史のあるみりんの、新しい味わい方を楽しんでくださいね。

 

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