亜麻仁油の危険性を知りたい!体に良いのか悪いのかどっちなの?!
亜麻仁油(アマニ油)をネットで調べたら、危険って書いてあったから不安になったんだけど…
アマニ油を加熱調理すると危険だって聞いたけど本当かな?

インターネットで検索して危険と書いてあったら不安になりますよね。アマニ油は体に良いという話はよく聞きますが、体に良いのかそれとも危険なのかどっちなのでしょうか?

また、危険だとするといったい何が危険なのでしょうか?この記事では、アマニ油の危険性は本当にあるのかどうかについて解説します。

体に良いのか危険かどっち?!亜麻仁油ってどういう油なの?

体に良いのか危険かどっち?!亜麻仁油ってどういう油なの?

スーパーの油売り場にも当たり前のように売っているアマニ油。テレビや雑誌で健康に良い油として取り上げられていることも多い油です。

体に良いと言ったり危険と言ったり、何だかよくわからない油ですよね。アマニ油とはいったいどのような油なのでしょうか。

亜麻仁油は植物の種子から搾った油

亜麻仁油はその名前の通り、アマ(亜麻)という植物の仁(種子)から搾った油のことです。

アマという植物は東ヨーロッパや中東の寒冷地が原産で、茎はリネンという繊維が採れ、種子からは油が採れます。種子の油は主に食用として利用される他に塗料や油彩絵具などにも使用されています。

アマの主な産地はロシア、カザフスタン、カナダなどで、日本では主に北海道や東北地方で栽培されています。市販のアマニ油の多くは外国産のアマニを使用しています。

亜麻仁油はオメガ3の油の代表選手!

油脂は、アルコールの一種であるグリセリンと「脂肪酸」という成分がたくさん集まってできていて、含まれている脂肪酸の種類や比率によって油脂の性質が変わってきます

脂肪酸は大きく分けると、常温で固体の「飽和脂肪酸」と常温で液体の「不飽和脂肪酸」とがあり、ほとんどの植物油は不飽和脂肪酸が多く含まれていることが特徴です。

さらに、不飽和脂肪酸はその主成分によって、「オメガ3(n-3)系脂肪酸」、「オメガ6(n-6)系脂肪酸」、「オメガ9(n-9)系脂肪酸」に分けられます。

アマニ油の主成分は「α(アルファ)リノレン酸」という脂肪酸で、体内で合成できないために食事から摂る必要のある「必須脂肪酸」のひとつです。

α-リノレン酸はオメガ3系脂肪酸の一種なので、α-リノレン酸が主成分のアマニ油はオメガ3の油と呼ばれています。同じオメガ3の油の仲間には「えごま油」があります。

オメガ3系脂肪酸が体に良い理由とは?

亜麻仁油(アマニ油)を食べると、主成分であるα-リノレン酸のごく一部がEPAに変化し、さらにそのごく一部がDHAに変換されます。

EPAとDHAは魚の油に多く含まれるオメガ3系の脂肪酸です。

オメガ3系の脂肪酸には、血液中の中性脂肪を下げる、赤血球を柔らかくして血液をサラサラにする血栓を作りにくくするなどの効果があることがわかっていて、動脈硬化の予防や改善が期待できます。

その他にも、血圧やLDL(悪玉)コレステロールを下げる、脂肪の燃焼を促進させる、女性ホルモンを調整する、肌の炎症を抑えるなど、体に良い多くの効果も期待されています。

亜麻仁油が危険って本当?!体に有害となり得る理由とは?

亜麻仁油が危険って本当?!体に有害となり得る理由とは?

オメガ3系脂肪酸は現代の日本人にとって不足しがちな栄養素なので、厚生労働省もアマニ油やえごま油などオメガ3の油を毎日積極的に摂るように推奨しています。

では、アマニ油は体に良い油であるにもかかわらず、その一方でなぜ「危険」と言われるのでしょうか。

”有害”と言われる要因は油の酸化

亜麻仁油(アマニ油)そのものは体にとって危険があるわけではありません。あえて言うならば、摂りすぎるとカロリーオーバーになることくらいでしょうか。問題となる要因は油の酸化です。

液体の油の主成分である不飽和脂肪酸は、酸素と結びつきやすい性質があります。脂肪酸が酸素と結びつくことで油に化学的な変化が起こります。

酸化が進んだ油の状態は、何度も揚げ物に使った古い油を思い浮かべるとよいでしょう。古い油は色が濃くなりドロドロになって、ムカムカするような不快な臭いがします。

また、古い油で揚げた揚げ物はおいしくありませんよね。油が酸化すると過酸化物と呼ばれるいくつかの成分を作り出し、この過酸化物が油の匂いや味を劣化させる原因となるのです。

亜麻仁油は他の植物油よりも酸化しやすい

少し化学的なお話になりますが、不飽和脂肪酸は炭素原子(C)がたくさんつながって鎖を作っています。

ほとんどの炭素同士は1本の手でしっかりとつながっていますが、中には2本の手で繋がっている部分があります。これを二重結合といいます。

亜麻仁油は他の植物油よりも酸化しやすい

不飽和脂肪酸は酸素を結びつきやすいという話をしましたが、酸素はこの二重結合の部分にくっつきます。

つまり、二重結合の数が多ければ多いほど、酸化しやすい油ということになりますよね。

一般的に、植物油は不飽和脂肪酸の割合が多いためどの植物油も酸化しますが、油を構成する不飽和脂肪酸の比率によって酸化のしやすさが異なってきます。

植物油の種類二重結合の数
オリーブ油75~94
なたね油
(キャノーラ油)
94~128
ごま油104~118
大豆油124~139
アマニ油168~190

上の表は、私たちが普段よく使う植物油の二重結合の数を示したものです。アマニ油は他の植物油やサラダ油(※)と比較すると、二重結合の数が圧倒的に多いことがわかりますよね。

つまり、アマニ油は他の植物油やサラダ油よりも酸化しやすい油であるので、他の植物油よりも品質の劣化や体の不調につながる危険性が高いということになります。

ちなみに、同じオメガ3のえごま油もアマニ油と同じくらい酸化しやすい油です。(※市販の「サラダ油」は、キャノーラ油と大豆油を混合した油です。)

酸化した油を食べるとどうなるの?

酸化した油を食べると、不快な臭いで胸がムカムカして気分が悪くなる人が多いようです。また、酸化した油は消化が非常に悪いため、胃もたれや胸やけの引き起こすこともあります。

さらに、酸化した油を大量に摂取すると、油の酸化によって生じた毒性のある成分が胃や腸の細胞を攻撃して、下痢や嘔吐など食中毒のような症状を引き起こすことがあります。

また、酸化した油は体内の活性酸素を増やす要因のひとつと言われています。

活性酸素は、体内でコレステロールや中性脂肪、細胞膜の構成成分であるリン脂質などと結びついて「過酸化脂質」を作り出します。

過酸化脂質は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、動脈硬化、ガンなどのリスクを高める要因になると言われています。

亜麻仁油は加熱調理に使うと危険って本当?!

亜麻仁油は加熱調理に使うと危険って本当?!

アマニ油のパッケージや商品サイトには、”加熱調理に適しておりません”や、”加熱等での使用はさけてください”といった注意書きがあります。

アマニ油はなぜ加熱をしてはいけないのでしょうか。加熱調理に使うと危険なのでしょうか?

油の酸化は高温で進みやすくなる

油は空気に触れるだけで少しずつ酸化が進んでいきますが、高熱になると酸化のスピードが速くなります。

また、高熱で加熱し続け、どんどん酸化が進んでいくと、今度は油の分子同士がくっつく重合という化学変化も同時に起こり始めます。

油自体の酸化によっても毒性を持つ成分が作られますし、重合によっても毒性を示す成分が作り出されるので、それだけ毒性のある成分が増えてしまうことになりますよね。

ですから、高温調理で酸化したアマニ油をたくさん食べると気持ち悪くなったり、ひどい場合には食中毒のような症状を引き起こしたりする可能性があるということになります。

亜麻仁油を揚げ物や炒め物に使うとどうなる?加熱用の油はないの?

亜麻仁油やえごま油を使った実験では、揚げ物の温度(180℃)であれば、体に影響を与えるほどの過酸化物の発生は見られなかったという研究結果がいくつか発表されています。

しかし、栄養価については、180℃で70分加熱してもα-リノレン酸は90%以上残存したという研究結果がある一方で、180~200℃での油の重合により栄養価は著しく低下するという研究結果や、α-リノレン酸が著しく損失するという研究結果も報告されています。

α-リノレン酸の損失については賛否両論があるようですが、いくら酸化の危険は少ないとしてもα-リノレン酸が損失する可能性があるならば、あまり意味がありませんよね。

ですから、やはり高温になる加熱調理は避けた方が無難と言えそうですね。

何度までなら酸化しない?熱い料理に入れても大丈夫?

アマニ油の加熱料理に適していないのであれば、熱い料理や飲み物に入れることは問題ないのでしょうか?

日清オイリオなどのアマニ油のメーカーでは、アマニ油はかけて食べることを推奨しています。

冷たい料理や飲み物はもちろん、スープやシチューや味噌汁、熱い料理にかけて食べる方法も紹介しているので、熱い料理にかけたり熱い飲み物に入れたりしても問題はないと言えますよね。

実際に、日清オイリオのHPには、温かい料理に入れて使えるということも明記されています。

アマニ油を熱い料理や飲み物に入れたとしても温度は下がっていく一方ですし、酸化が進む前に食べてしまえるのでそれほど心配しないでもよさそうです。

保存方法にも注意しよう!

アマニ油は酸化しやすいため、保存方法にも注意が必要です。油が空気に触れるだけでも少しずつ酸化が進んでいきますが、光、温度、水分などによって、酸化が促進されます。

そのため、開封前のアマニ油は冷暗所で保存し、開封後はしっかりとフタをして冷蔵庫で保存することが大切です。

ただし、空気に触れない構造のプラスチックボトルは常温での保存が望ましいようです。冷蔵庫に保存すると温度差で油が漏れて出てくることもあるようです。

また、開封後の賞味期限は、「ニップン」のHPでは、ガラス瓶タイプは1ヶ月、プラスチックボトルは3ヶ月を目安に使い切るように書かれています。

開封後、1~2ヶ月程度で使い切れる容量を選ぶことも大切ですね。

亜麻仁油の”危険”にまつわる4つの噂を検証!

亜麻仁油の”危険”にまつわる4つの噂を検証!

インターネットでアマニ油について調べていると、危ないとされる話題がいろいろと出てきます。そこで、アマニ油で危険とされている4つの事柄が本当なのかどうか調べてみました。

亜麻仁油が火事の元?!自然発火するってホントなの?

本当です。アマニ油は自然発火することがあります。

アマニ油の自然発火は、酸化のしやすさに関係しています。物質は酸化する際に熱を発生します。

酸化は二重結合が多いほど起こりやすいため、植物油のなかでも二重結合の数が多いアマニ油は酸化時に発熱しやすい油といえます。

そのため、アマニ油を多く含んだ布や紙を丸めて放置していると、発生した熱が逃げ場を失って蓄積し200℃くらいになった時点で自然発火することがあるのです。

実際に、アマニ油の発火が原因で発生した火災は、オイルや塗料を大量に扱う作業現場などでの発生が多いですが、家庭でも注意が必要です。

亜麻仁油等による自然発火を防ぐには?

アマニ油の自然発火は、油を布巾で拭き取ったり、油の処分のために紙などに吸わせたりした場合に起こりやすくなります。自然発火を防ぐには以下の点に注意しましょう。

・油が多量に染み込んだ布巾などはすぐに洗剤でよく洗い、熱がこもらないような状態で自然乾燥させる。

・乾燥機を使うと、布巾に残っているアマニ油が乾燥機の熱で発火することがあるので注意。

・油が染み込んだ布巾等をそのまま処分する場合は、水に浸した状態のまま処分する。

アマニ油のほかに、えごま油、べにばな油、ひまわり油も自然発火しやすい油です。また、キャノーラ油、サラダ油、ごま油も条件によっては発火する恐れがあるため注意しましょう。

亜麻仁油マヨネーズは食べたらダメってホントなの?

アマニ油マヨネーズは健康にとって危険という旨の記事がありますが、これについてはかなり信憑性が薄いです。アマニ油マヨネーズが危険とする以下の理由についてひとつひとつ検証してみましょう。

容器の性能が不安

「マヨネーズのプラスチックの容器は酸素も光も防げないので、酸化を止められない。」

この点については、実際は酸素を通しにくいプラスチックボトルを使用しています。また、冷蔵庫で保存することで光による酸化の促進を抑えられます。

栄養面で頼りない!

「15g(大さじ1杯)あたりアマニ油が2.6gしか入っていないので、これだけで十分なオメガ3が摂れるか微妙。」

この点については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、オメガ3系脂肪酸の1日の摂取目安は成人で1.6~2.2g。つまり、大さじ1杯でこの基準を満たしていることになります。

原材料がアマニ油だけじゃない…

「アマニ油だけでなく大豆油や菜種油も入っている。」

この点については、日本人が摂りすぎになりがちなオメガ6の大豆油が使われているという点では一理ありますが、一般的なマヨネーズと比較すると、オメガ6の摂取を減らしてオメガ3の摂取を増やせるという利点があります。

これらの点を考えると、「亜麻仁油マヨネーズは危険」というには根拠に乏しいように思われますよね。

亜麻仁油は妊婦には危険ってホントなの?

厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトでは、妊娠中のアマニ油の摂取に関する「アメリカ国立衛生研究所」の情報を紹介しています。

アマニは軽度のホルモン作用を持つ可能性があるため、妊娠中は安全ではない可能性がありますが、アマニが妊娠経過に及ぼす影響については信頼できる研究はありません。一部の研究では、妊娠第2期または第3期にアマニ油を摂取すると、早産の可能性が高まることが示唆されています。授乳中にアマニを使用しても安全かどうかについては、ほとんどわかっていません。

https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/22.html

これに対する厚生労働省の見解は特に出ていませんが、安全を考えるのであれば妊娠中のアマニ油の摂取は避けた方がよさそうですね。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、妊婦のオメガ3系脂肪酸の1日の摂取目安は1.6gです。

軽度のホルモン(エストロゲン)作用を持つ「リグナン」という成分はえごま油には含まれていないので、妊娠中はオメガ3をえごま油や青魚から摂るとよいですね。

亜麻仁油はカップラーメンに入れたらダメってホントなの?

アマニ油のパッケージには注意事項として、カップラーメン等のポリスチレン製の容器は変質する恐れがあるため使用しないようにと書かれています。

このことについては、独立行政法人「農林水産消費技術センター」が消費者からの情報提供を受けて実験した結果、アマニ油・えごま油・ココナッツオイル、魚油、しそ油などを入れて熱湯を注ぐと、ポリスチレンの容器が溶けて底からお湯がこぼれる可能性があることがわかりました。

「日本即席食品工業協会」でも注意喚起を行っていて、カップラーメンなどの商品にも注意事項として記載されています。

カップラーメンやカップの味噌汁等にアマニ油を入れる場合は、他の容器に移し替えるようにしましょう。

まとめ:アマニ油は使い方さえ注意すれば危険ではなく体に良い油!

アマニ油は、生活習慣病や動脈硬化などの予防や改善が期待できる健康にとても良いとされるオメガ3の植物油です。

しかし、他の植物油と比べると酸化しやすいというデメリットも存在します。油が酸化すると不快な味や匂いになるだけでなく、たくさん摂取すると食中毒のような症状を引き起こすことがあるため注意が必要です。

酸化による悪影響を防ぐには、アマニ油を加熱調理に使用しないことと保存方法に気を付けることが大切。それさえ気をつければ、危険などころか健康のために大切な油です。

アマニ油は、動脈硬化や生活習慣病を予防する以外にもさまざまな効果が期待できます。日本人に不足しがちな栄養素なので、扱い方に注意をして毎日積極的に摂るようにしましょう!

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