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黒糖といえば、お菓子や甘い飲み物に使うイメージが強いのではないでしょうか。お菓子などの甘いものに使うと独特の風味と甘みを楽しめる黒糖ですが、おかずなどの料理用としても、なかなか優秀な調味料なのです。
この記事では、黒糖を使ったおかずや主食のレシピをまとめてご紹介します。
目次
黒糖を使ったおかずのレシピ~黒糖の上手な使い方編~
黒糖を使ったおかずのレシピをご紹介する前に、まずは料理に黒糖を使う時の上手な使い方について説明しましょう。
固形の黒糖は粉末状にしておくと便利
市場に出回っている黒糖は、黒糖を粉末状にした黒砂糖も売られていますが、多くの商品は固形のままです。角砂糖くらいの大きさの小さな固形の黒糖もありますが、「かち割り」と呼ばれる大きめの塊の黒糖も少なくありません。
固形の黒糖は、煮込み料理ならそのまま使っても溶けてくれますが、いろいろな料理に使おうと思うと、塊のままでは使いにくいですよね。そこで、固形の黒糖はあらかじめ粉末状にしておくと便利です。
黒糖の塊を粉末状にするには?
あらかじめ粉末状にするといっても、黒糖の塊はとても硬いので、綿棒で叩いたくらいではなかなか粉末状になってくれません。硬い黒糖の塊を簡単に粉末状にするには、電子レンジを使うと便利です。
1.お皿や耐熱容器に黒糖の塊を入れて、600Wの電子レンジで20秒ほど加熱をする
2.黒糖が柔らかくなったら、スプーンやすりこぎ、コップの底などで細かく潰す
【ポイント】
・電子レンジで加熱しすぎると、溶けて飴状になってしまうので注意しましょう。
・加熱時間は、最初は20秒くらいから始めて、まだ硬いようであれば5~10秒ずつ様子を見ながら加熱時間を増やすとよいでしょう。
粉末状にした黒糖は保存方法に注意!
上白糖や三温糖などは常温で保存できますが、黒糖を粉末状にした場合は保存に注意が必要です。
そもそも、黒糖は上白糖や三温糖などに比べると水分やミネラルが多いため、カビが生えやすいというデメリットがあります。
黒糖を粉末状にすると、表面積が大きくなって空気に触れやすくなる分、固形の黒糖よりもさらにカビが生えやすいのです。
ですから、黒糖を粉末状にしたら、フリーザーバックなどに入れて密閉し、冷蔵庫で保存するようにしましょう。できれば、固形の黒糖も開封後は密閉して冷蔵庫で保存するようにした方が安心ですね。
黒糖を使ったおかずのレシピ~主菜編~
まず、黒糖を使って作れる、肉や魚などの主菜になるおかずのレシピをご紹介します。
人気の沖縄料理 『ラフテー』
ラフテーは沖縄を代表するおかずのひとつですね。豚の三枚肉(バラ肉)を泡盛でじっくりと煮込んだ料理で、ほろほろと崩れるほど柔らかいのが特徴。
砂糖の代わりに黒糖を使うことで、コクのある味わいのおかずに仕上がります。
沖縄では皮つきの三枚肉で作りますが、今回はスーパーで手に入りやすい豚バラブロックを使ったレシピをご紹介します。
【材料】(4~5人分)
豚バラブロック 600g
出汁 4カップ
泡盛 1カップ
砂糖 50g
醤油 90g
【作り方】
1.鍋にたっぷりの水(分量外)と豚バラ肉を入れて、1時間くらい下茹でをする。
2.下茹でをした豚バラ肉を2~3cmの厚さに切る。
3.鍋に出汁、泡盛、2の豚バラ肉を入れ、中火で10分くらい加熱し、黒糖を入れてさらに10分ほど煮る。
4.醤油の半分を入れて、時々煮汁をかけながら20~30分弱火で煮込む。
5.残りの醤油を加えて、竹串がすっと通るくらい柔らかくなるまで、さらに20~30分くらい煮込む。
【ポイント】
・泡盛の代わりに焼酎や日本酒を使ってもOKです。
・出汁の代わりに、豚を下茹でした際の煮汁を使うとこってりとした味わいになります。
黒糖でコクの深い味わい『鶏肉の甘酢あん』
甘酢あんの砂糖の代わりに黒糖を使うことでコクが深くなり、いつもの甘酢とはひと味違った味わいを楽しめます。今回は、鶏肉を揚げずにフライパンで揚げ焼きにする、簡単おかずレシピをご紹介します。
【材料】(2人前)
鶏モモ肉 1枚(250~300g)
塩コショウ 少々
酒 大さじ1
しょうが 少々
片栗粉 大さじ1~2
玉ねぎ 1/2個
ピーマン 2個
ごま油 大さじ1
☆甘酢あん
酢 大さじ2
黒糖 大さじ1.5
醤油 大さじ1
酒 大さじ2
水 50cc
片栗粉 小さじ1
【作り方】
1.甘酢あんの材料を混ぜておく。
2.鶏モモ肉はひと口大に切り、塩コショウ、しょうが、酒で下味を付け、焼く直前に片栗粉をまぶす。
3.玉ねぎは櫛切り、ピーマンは1cm幅くらいの細切りにしておく。
4.フライパンに大さじ4~5杯の油を熱して2の鶏肉を揚げ焼きにし、火が通ったら一旦取り出ししておく。
5.余分な油を取り除いて玉ねぎを炒め、しんなりしたら揚げ焼きにした鶏肉とピーマンを加える。
6.合わせておいた甘酢あんの調味料を入れ、一煮立ちさせてとろみをつける。
7.仕上げにごま油を入れて混ぜる。
【ポイント】
・鶏肉は下揚げをしてもOKです。
・にんじん、ナス、レンコン、しいたけなどをお好みで入れてもおいしくなります。
やさしい甘さの『ぶり大根』
和食のおかずとして定番のぶり大根も、黒糖を入れて煮ることでまろやかなコクのある味わいになります。今回は、ブリの切り身を使った簡単レシピをご紹介します。
【材料】(2人前)
ブリ 2切れ
大根 1/3本(300g)くらい
しょうが 少々
☆煮汁
出汁 1カップ
醤油・みりん・酒 各大さじ2
黒糖 大さじ1
【作り方】
1.ブリの切り身を2~3等分して、両面に塩(分量外)を少々振り、冷蔵庫で20分くらい置いておく。
2.大根は2cmくらいの半月切りか3cmくらいの乱切りにして、柔らかくなるまで下茹でをしておく。
3.しょうがは薄切りにしてから細く切り、針しょうがを作っておく。
4.1で置いておいたブリから出た汁をキッチンペーパーでふき取り、熱湯にさっとくぐらせてから冷水で洗って臭みを取る。
5.煮汁の材料を火にかけ、煮立ったら3のブリと下茹でをした大根を入れて落し蓋をする。
6.ブリと大根に時々煮汁をかけながら、汁が1/3程度になるまで中火で15~20分くらい煮詰める。
7.器に盛り、上から針しょうがを乗せる。
【ポイント】
・大根の下茹でをする時は、米のとぎ汁を使うと大根の臭みが抜けます。
・落し蓋がなければ、アルミホイルや2~3枚重ねたキッチンペーパーで代用ができます。
黒糖を使ったおかずのレシピ~副菜編~
続いて、黒糖を使って簡単にできる副菜のレシピをご紹介します。
黒糖でやさしい甘さの『かぼちゃの煮物』
こちらも和食のおかずとして定番ですね。黒糖を使うことで、まろやかなやさしい甘さになります。煮崩れしにくいポイントもレシピと合わせてご紹介しますね。
【材料】(2人分)
かぼちゃ 1/4個
出汁 150~200cc
黒糖 大さじ1.5
醤油 大さじ1.5
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
【作り方】
1.かぼちゃは種とわたを取り除いて、食べやすい大きさに切る。
2.鍋に、皮を下にして重ならないようにかぼちゃを並べ、だし汁を入れて火にかける。
3.一煮立ちしたら黒糖を入れ、落し蓋をしてかぼちゃに火を通す。
4.竹串がすっと入るようになったら、醤油、みりん、酒を加え、弱火~中火でさらに5分ほど煮込む。
5.そのまま冷めるまで放置して味を浸み込ませる。
【ポイント】
・煮崩れしないようにするコツは、かぼちゃが重ならないように並べることと、出汁を入れすぎないことです。
・出汁の量は鍋の大きさによって加減してください。かぼちゃが半分~2/3程度浸かっていればOKです。
黒糖でコクのあるまろやかな旨さ『きんぴらごぼう』
きんぴらごぼうも黒糖を使うことで、コクのあるまろやかな旨さのおかずになります。今回は、こんにゃくとちくわを入れた具だくさんのきんぴらごぼうのレシピをご紹介します。
【材料】(2~3人分)
ごぼう 1本
にんじん 1/3本
こんにゃく 1/2枚
ちくわ 2本
黒糖 大さじ1.5
醤油 大さじ1.5
酒 大さじ2
唐辛子・炒りごま 適量
ごま油 適量
【作り方】
1.ごぼうはささがきにして水にさらし、にんじんは千切りに、ちくわは細切りにする。
2.こんにゃくは細切りにして下茹でをしておく。
3.フライパンにごま油を熱して、材料を炒める。
4.ごぼうとにんじんに火が通ったら、調味料を入れて全体になじませ、煮汁が少し残るくらいまで煮詰める。
5.全体を広げ、そのまま冷まして味をなじませる。
6.器に盛り、お好みで炒りごまと一味(七味)唐辛子をかける。
【ポイント】
・ピリ辛のきんぴらにしたい場合は、輪切りをした適量の鷹の爪を調味料といっしょに入れて炒めてください。
夏におすすめ!『ゴーヤとわかめの黒糖酢の物』
沖縄を代表する野菜のひとつであるゴーヤを使ったおかずはゴーヤチャンプルーが有名ですが、酢の物もおすすめです。砂糖の代わりに黒糖を使うと、カドが取れてまろやかな味わいになります。
ゴーヤの苦味を少なくするポイントも、レシピと併せてご紹介しますね。
【材料】(2~3人分)
ゴーヤ 1/2本
乾燥わかめ 小さじ2(約2g)
☆合わせ酢
黒糖 大さじ1
米酢 大さじ1.5
麵つゆ(3倍濃縮) 小さじ1
すりごま 大さじ1
【作り方】
1.乾燥わかめはたっぷりの水で戻し、大きければ食べやすい大きさに切る。
2.ゴーヤは種をワタを取り、3~5mmくらいの厚さの薄切りにし、30秒~1分ほど茹でて軽く絞っておく。
3.合わせ酢の材料を混ぜておく。
4.茹でたゴーヤとわかめを合わせ酢で和える。
【ポイント】
・ゴーヤの苦味を抑えたい場合は、薄切りにしたあとに塩もみをしてから茹でると、苦味が軽減されます。
おかずだけじゃない!黒糖を使ったごはんのレシピ
最後に、黒糖を使ったごはんのレシピをご紹介します。ごはんに黒糖と聞くと意外な組み合わせに思えますが、砂糖やみりんの代わりに黒糖を使うことで、コクのあるまろやかな風味を味わえます。
旨味が満載!『黒糖入り鶏肉とごぼうの炊き込みご飯』
事前に具材を炒め煮にするレシピで作ると、肉や野菜の旨味をたっぷりと吸った炊き込みご飯に仕上がるのが特徴です。さらに黒糖を使うことで、コク深い味わいになります。
【材料】(4人分)
米 2合
鶏もも肉 150g
ごぼう 80g
しめじ 1/2株
☆黒糖 大さじ1
☆麺つゆ(3倍濃縮) 大さじ3
☆酒 大さじ3
☆しょうが 少々
ごま油 大さじ1
水 適量
青ネギ 適宜
【作り方】
1.鶏肉は1.5cm角に切り、ごぼうはささがきにして水にさらしておく。
2.フライパンにごま油を熱し、鶏肉、ごぼうの順で炒める。火が通ったら☆の調味料を入れ、蓋をして弱火で5分ほど煮る。
3.2をザルで汁と具に分け、冷ましておく。
4.炊飯器に、洗った米と3の煮汁を入れて、2合の目盛まで水を入れる。粗熱を取った具を乗せて普通炊飯で炊き上げる。
5.炊きあがったら軽く混ぜ、お好みで青ネギの小口切りを上に散らす。
【ポイント】
・旨味とコクの深い炊き込みご飯なので、あっさりしたおかずとよく合います
台湾の人気ごはんを再現!『黒糖風味の魯肉飯』
台湾のローカルフードの魯肉飯(ルーローハン)の黒糖を使用するレシピをご紹介します。黒糖を使用することで、コクのある味わいを楽しめます。
【材料】(2人分)
豚バラブロック 200g
玉ねぎ 1/2個
薄力粉 適量
しょうが 1かけ
八角 1/2個
☆黒糖 大さじ1.5
☆醤油 大さじ1
☆酢 小さじ1
☆酒 50cc
☆水 150cc
五香粉 小さじ1/4
オイスターソース 大さじ1
青梗菜または小松菜 適量
半熟ゆで卵 適量
ごま油 小さじ1
【作り方】
1.豚バラブロックは1cm×2cmくらいの大きさに切る。
2.しょうがはみじん切り、玉ねぎは薄切りにする。
3.青梗菜(小松菜)は色よく茹でておく。
4.玉ねぎに薄力粉を薄くまぶす。サラダ油(分量外)を熱したフライパンで揚げ焼きにし、油を切っておく。
5.フライパンを熱して豚バラ肉を炒め、色が変わったら、しょうがと八角を入れてさらに炒める。
6.☆を入れて、沸騰したら弱火にして4のフライドオニオンを加え、20~30分煮込む。
7.煮詰まって汁にとろみがついてきたら、オイスターソース、五香粉、半熟卵を入れてさらに5分煮込み、最後にごま油入れて混ぜる。
8.ごはんの上に、豚肉、茹で卵、青梗菜(小松菜)を盛り付ける。
【ポイント】
・八角と五香紛は、どちらか片方だけでもOKです。
・八角と五香粉は、スパイス売り場や通販などで入手できます。
まとめ:黒糖を使ったおかずのレシピはいろいろある!
黒糖を使ったおかずやごはんのレシピをご紹介しました。
上白糖の代わりに黒糖を使うことで、味にコクが出たり、まろやかな風味になったりします。上白糖と黒糖の甘味度は同じくらいなので、そのままの量を置き換えることでたいていの料理に対応できます。
黒糖の風味が気になる場合は黒糖の量を少し減らしたり、上白糖と混ぜたりしてもOKです。ご紹介したレシピ以外にもいろいろなおかずに使えるので、ぜひ試してみてくださいね。
黒糖を使ったまんじゅうや蒸しパンのレシピについてはこちらの記事も参考にしてくださいね!