ダイエットや便秘予防など健康にいいといわれるドライフルーツ。実は食べ過ぎによるデメリットもあります。
ドライフルーツは甘くておいしく、手軽に持ち運びできるので、自宅や職場など手元に置いて、おやつとして食べている人も多いのでは?「お菓子よりは体にいいよね」とついつい手が伸びてしまっていませんか?
今回は、ドライフルーツを食べ過ぎた時に起こる体へのデメリットと、1日の適量を解説します。
目次
ドライフルーツの食べ過ぎで起こるデメリット
デメリットその1:食物繊維の影響で腹痛や下痢になる
ドライフルーツは食べ過ぎると、腹痛・下痢の原因となることがあります。果物はもともと、食物繊維が豊富な食品です。そんな果物を乾燥させたドライフルーツには、生の果物以上に食物繊維がギュッと詰まっています。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があり、ドライフルーツには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも豊富に含まれています。食物繊維は本来なら、お腹の調子を整えて便秘や下痢を予防します。
ですが、実は、人間は食物繊維を消化できないため、大量にとりすぎてしまうと消化不良になって、腹痛や下痢を引き起こしてしまうのです。
また、不溶性食物繊維は腸を刺激して排便を促す作用があるので、腸が弱い方などは腸の動きが活発になりすぎて、下痢をしてしまうことがあります。
デメリットその2:果糖と食物繊維の摂り過ぎでおならが増える
ドライフルーツに豊富に含まれる果糖と食物繊維は、腸内細菌のエサになります。
腸内細菌は果糖と食物繊維を分解する過程でガスを発生させます。そのガスがおならの原因。サツマイモを食べると、おならがたくさんでるのと一緒です。
食物繊維や果糖を分解する腸内細菌は善玉菌なので、発生するガスは臭くはありませんが、人と会う時や、たくさんの人が集まる場所に出かけるときは、ちょっと気になりますよね。
また、おならがたくさん出るくらいならいいのですが、ガスがたくさん溜まってしまうと、お腹の膨満感を悪化させてしまいます。
デメリットその3:糖分・カロリーの摂り過ぎで太る
ドライフルーツの食べ過ぎは、カロリーの過剰摂取の恐れもあります。
果物の栄養が詰まっているドライフルーツですが、糖分とカロリーも一緒に濃縮されています。生の果物と、ドライフルーツの100gあたりのカロリーを比較してみました。
生の果物 | ドライフルーツ | |
---|---|---|
いちじく | 57kcal | 272kcal |
バナナ | 93kcal | 314kcal |
ぶどう | 58kcal | 324kcal |
マンゴー | 68kcal | 339kcal |
かき | 63kcal | 274kcal |
ドライフルーツは生の果物の4~6倍ほどカロリーが高くなっていることが、分かりますね。さらにドライフルーツの製品によっては、食べやすくするために砂糖や油を加えてあるものも。そういったものは、さらに高カロリーになります。
果物には果糖がたくさん含まれています。もしかすると、「果糖は血糖値を上げず、太りにくい」と聞いたことがあるのでは?
確かに、血糖値を上げるのはブドウ糖なので、果糖が直接的に血糖値を上げることはありません。しかし、過剰な果糖は体の中でブドウ糖に代謝され、血糖値を上げたり、中性脂肪を蓄えたりする原因になることが分かっています。
もとが果物だから、太りにくいということはないようです。他の食品同様、食べ過ぎると太ってしまうのは避けられません。
デメリットその4:ビタミン不足になる
ビタミン摂取を意識したドライフルーツの食べ過ぎはNGです。
果物に多く含まれている主要なビタミンは、ビタミンCです。ビタミンCは、酸化や熱にとても弱いという性質があります。そのため、ドライフルーツに加工する工程でぐっと減ってしまうのです。
ビタミンCを補給しようと思って、ドライフルーツを食べていると、いつの間にかビタミンC不足になっているという可能性も。ドライフルーツを食べているからOKというわけではなく、生の果物も必要というわけです。
デメリットその5:アレルギー症状を引き起こす可能性がある
ドライフルーツも、生の果物と同様にアレルギー症状を起こす人がいます。ドライフルーツとして、加工されているからアレルギーを引き起こす物質がなくなっているわけではありません。
さらに、果物のアレルギーは、大人になってからでも突然発症することもあるため、食べ過ぎには注意が必要です。
また、ドライフルーツは保存性がいいので、生では普段口にしない外国の果物を使った製品が輸入されています。
マンゴーやパパイヤなどの南国系の果物は、特にアレルギーを起こしやすいといわれています。初めて食べるものは、少量ずつ食べるようにしましょう。
番外:お財布に痛い
ドライフルーツは、一般的に生の果物より値段が高いものが多いです。
なぜなら、果物自体が高価なこと。さらに、きれいにカットしたり、乾燥させたり、パッケージに入れたりする手間。さらには、輸入品は輸送代もかかっているからです。
オーガニックや無添加のものとこだわると、さらに値段が上がってしまいます。値段を気にせずパクパク食べていると、知らない間におやつ代が!!となるかもしれませんよ。
食べ過ぎ注意!ドライフルーツの適量は?
ドライフルーツは糖分が多く、とても甘いので食事として食べ過ぎることは少ない食品です。そのため、間食の一部として考えた方がいいでしょう。
健康な大人の場合、1日に200kcal程度が間食の適量だと言われています。200kcal分のドライフルーツは、50~70gほど。この程度であれば、健康へデメリットの心配もないでしょう。
ただ、ドライフルーツ以外にもお菓子や飲み物をおやつで食べている場合は、食べ過ぎとなる恐れもあるため、さらに食べる量を減らす必要があります。
生のビタミンC補給のためには、生の果物も食べることも大切です。そのため、ドライフルーツは1日に20~30gが適量になります。
まとめ:ドライフルーツは食べ過ぎるとデメリットも
健康にいいといわれるドライフルーツでも、食べすると体重が増えてしまったり、お腹調子に影響があるなどデメリットを引き起こすこともあります。
1日の適量を超えてしまっても、すぐに体に影響があるものではありません。が、もし普段から食べ過ぎだったかな?と感じたら、食べている量を見直してみてくださいね。