フライパンでアルコールを飛ばす
料理酒のアルコールって加熱すれば飛ぶでしょ?

料理酒に含まれるアルコールは加熱すれば飛びますが、どのくらいどのように加熱すれば飛ぶのでしょうか。今のやり方は間違っているかもしれません。

 

ここでは、料理酒に含まれるアルコールの飛ばし方や、アルコールを飛ばさなかった場合どうなるのかなど、料理酒について気になることをご紹介します。

 

料理酒のアルコールを飛ばすコツ【熱×時間×表面積】

料理酒

料理酒のアルコールを飛ばすことを『煮切る』と言います。煮る、という漢字があるので、アルコールを飛ばすには火にかけるんだろうなということがなんとなくわかりますね。

 

ですが、ただグラグラと火にかければよいというものではありません。料理酒を煮切る、つまりアルコールを飛ばすために重要なポイントは熱・時間・表面積です。

 

アルコールを飛ばす温度や時間の目安

温度:78度~80度前後

時間:沸点を超えてから3分前後

料理酒などに含まれるアルコールの沸点は78度ほど。水の沸点より低いので、お湯が沸く前からアルコールは飛んでいることになりますね。グラグラと煮続けなくてもよいわけです。

 

加熱時間は料理酒の量にもよりますが、沸点に達してから3分ほどが目安。小さめの鍋よりも、フライパンなど表面積が広い鍋の方がアルコールは早く飛びます。

 

アルコールが飛んだ時の判断はどうやる?

アルコールが飛んだかどうかの判断は『匂い』で確かめましょう。料理酒を加熱すると、ふわっと立ちのぼるアルコール臭。これが、アルコールが揮発し始めた合図。

 

そのまま加熱し、アルコールが飛ぶとこの『匂い』がなくなります。匂いを感じなくなれば、アルコールが飛んだと判断してもよいでしょう。

 

電子レンジでもアルコールを飛ばせる

鍋を使うほどでもない少量の料理酒の場合、アルコールを飛ばすには電子レンジが便利です。電子レンジでも飛ばせるって意外ですよね。

 

料理酒の量に対して大きめの耐熱容器を準備します。そこに料理酒を入れ、電子レンジへ。ラップはしません

 

料理酒の量にもよりますが、加熱時間の目安は30秒~1分です。アルコールの匂いがなくなれば、アルコールは飛んでいます。電子レンジから取り出す時は、やけどに十分注意してくださいね。

 

蓋をしたらアルコールは飛ばせない?

鍋に蓋をしたら、アルコールがうまく揮発しないのでは?と思ってしまいますね。

ですが、そうでもありません。意外ですが、とある実験では蓋をする方がよりアルコールを飛ばせるという結果も出ているんですよ。

 

蓋をして調理する時でも、アルコールが飛ばないという心配はいりません。ただ一点、注意事項は『蒸気の抜け穴を作ること』です。

 

たいていの蓋には蒸気が抜ける穴がついています。この穴から、揮発したアルコールが蒸気となって出ていくのですね。

穴がない蓋を使う場合は、少し隙間を開けるなどして蒸気の抜け道を作ってください。

 

料理酒のアルコールを飛ばす意味とは?

料理酒には、食材の生臭さを取り除いたり、煮崩れを防止したり、その他にも様々な効果があるので、料理をする際には欠かせない調味料。

 

万能とも思える料理酒の欠点が『アルコール臭さ』なのです。料理酒のアルコールを飛ばす意味は、このアルコール臭さを取り除くことにあります。

 

料理酒の効果を活かし、よりまろやかに。それがアルコールを飛ばすメリット。料理酒に含まれるアルコールで酔っぱらわないようにするため、というわけではないんですね。

 

料理酒のアルコール飛ばさないとどうなる?

アルコールを飛ばさずに使用した場合、アルコール臭が目立ってしまう他、味がとがって感じてしまいまろやかさに欠けてしまいます。

 

名前の通り主に料理に使用する料理酒だからこそ、料理を美味しく仕上げるために丁寧に使用したいですね。

 

また、料理酒のアルコールを飛ばさずに使用すると、酔っぱらってしまう可能性があります。

料理酒のアルコール度数は約13%、日本酒やワインと同じくらいのアルコール度数があるんですよ。お酒に弱い方や子ども、運転前の方は注意してくださいね。

 

アルコールを飛ばした料理酒の弱点

料理酒にはアルコールが食材の細胞壁の結びつきを強くし、食材の煮崩れを防止する効果があります。

だから、先にアルコールを飛ばした料理酒では、煮崩れを防止する効果が弱まってしまうのですね。

 

また、味の染み込みをよくしたり、肉や魚の臭みを消したりする場合もアルコールが活躍するので、アルコールを飛ばす前に使用することをおすすめします。

 

アルコールを飛ばさずに使用してもその後の調理過程で揮発するので、酔っぱらってしまうなどの心配はありません。

 

料理酒のアルコールは完全には飛ばない

料理酒のアルコールの飛ばし方や効果をお伝えしましたが、実はアルコールを完全に飛ばすことはできません。長時間加熱しても、少なからずアルコール分は残ると言われています。

 

しかし、残るアルコールはほんの微量であり、料理に対する効果に問題はありません。体に影響を及ぼすこともないと言えます。

 

ただし、アルコールに弱い方やアレルギーなどをお持ちの方は、注意しておくとよいでしょう。

 

妊娠中や授乳中でも大丈夫?

アルコールを控えたい妊娠中や授乳期ですが、アルコールを飛ばした料理酒の使用はほとんど問題ありません。気になる場合は使用量を減らすなどするとよいでしょう。

 

離乳食に使うのはダメ?

離乳食の初期~中期にかけては使用しない方がよいでしょう。

後期~完了期にかけては大人の料理からの取り分けが可能ですが、煮物や炊き込みご飯など、加熱によってアルコールが飛んでいる料理を選びましょう。取り分ける際に味を薄めてあげるのもポイントです。

 

料理酒のアルコールを飛ばすと料理は美味しくなる

料理酒に漬けた鶏肉

料理酒のアルコールは飛ばし方だけでなく、いつ飛ばすかも大事なポイント。料理に使う前に飛ばすのか、調理過程で飛ばすのかによっても味や効果に違いが出ます。

 

料理酒のアルコールを飛ばすことでとがった風味がなくなり、まろやかになります。上手なタイミングでアルコールを飛ばし、料理の味を一段アップさせちゃいましょう!

 

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