生姜は野菜に分類される?薬味の代表格"生姜"について徹底解説

麺類の薬味や、お寿司に添えられるガリなど、日々の食卓に欠かせない生姜ですが、食品の中でどのように分類されているのか気になりませんか?

香味野菜というくらいだし「野菜」なのか、それとも香りづけや臭みけしとしての用途がおおいので「香辛料」なのか?生姜の基本情報から、食品としての分類方法までまとめて紹介していきます。

野菜?香辛料?生姜は何に分類されるの?

野菜?香辛料?生姜は何に分類されるの?

生姜について

普段の生活のなかでも香味野菜やスパイスとして使用される生姜ですが、もともとどのような植物なのでしょうか。特徴から簡単な歴史や由来をご紹介します。

生姜はショウガ科の多年草の一種です。世界中で香辛野菜として広く利用されており、日本でも古くから香りづけや臭み取としての食用だけでなく、身体を温めるなどの効果があるため薬用としても使用されてきました。


原産は熱帯アジアと言われており、主産地はインドをはじめとする熱帯アジアのほかにアフリカ、中国、日本などです。

日本で生姜が使用し始められてきたのは2~3世紀ごろで、中国から渡ってきたと言われています。当時は食品としてではなく薬用としての利用の方が多かったようです。

普段食べているのは生姜のどの部分?

生姜ってどこの部分を食べているのかと新ためて考えると悩んでしまいませんか?葉や実をたべるわかりやすい他の野菜と比べると混乱してしまいそうですが、そんな素朴な疑問にお答えします。

一般的に食用として利用されているのは生姜の「根茎」と呼ばれている部分です。根茎とは植物の地下茎が肥大し、茎としてよくイメージされる細長いものから塊になったものです。

似た言葉で「塊茎」と「塊根」というものがありますが、これらは植物の肥大化した部分とそこに何を蓄えているのかの違いがあります。

塊茎は植物が成長するのに必要な水や栄養素を茎に蓄えたものでジャガイモなどがこれにあたります。塊根は水や栄養素が根にたまったもののことでサツマイモなどのことを指します。

生姜が成長していく際、地面より上に出ているのは葉の部分で、茎や根は地面のなかに埋まっています。この地下に埋まっている茎の部分が肥大化したものが普段スーパーなどで売られている生姜です。

生姜は野菜に分類される?それとも香辛料?

生姜というとスパイスやハーブのような使い方をする料理も多いですが、食品としての生姜は野菜に分類されています。日本食品標準成分表の食品群において、生姜は植物性食品の「6 野菜類」とされています。

香辛料として生姜を利用することも多いですが、香辛料にはスパイスやハーブが分類されており、生姜と同じように薬味として利用される機会が多いにんにくやわさびも野菜として分類されています。

しかし、粉状のものやおろしたものは「17 調味料及び香辛料類」とされているので注意が必要です。

野菜類のなかでも4種類に分類されている?

生姜のカロリーや栄養成分を知りたいと考え、日本食品成分表で生姜を探してみると項目が複数あってどれを参考にしたら良いかわからず混乱するかもしれません。

実は野菜類として分類されている生姜は、そのなかでも「葉しょうが 根茎 生」、「しょうが 根茎 生」、「しょうが 漬物 酢漬」、「しょうが 漬物 甘酢漬」の4種類に分けられています。それぞれは簡単に以下のような違いがあります。

「葉しょうが 根茎 生」…根茎が小さく葉が付いたままの生の葉ショウガのことです。

「しょうが 根茎 生」…生の根ショウガのことです。一般的に広く流通しているのはこのタイプです。

「しょうが 漬物 酢漬」…根ショウガなどを酢漬けにしたものです。

「しょうが 物 甘酢漬」…新ショウガなどの甘酢漬けのことで、お寿司屋さんいおいてあるようなガリはここに分類されます。

自分が知りたいと思っている生姜の種類がどれに分類されているのかをよく確認してみてくださいね。

野菜としての生姜の分け方の違いは?

野菜としての生姜の分け方の違いは?

生姜は根菜類の一種

生姜は野菜のひとつですと大きくまとめることはできますが、もっと特徴をよくわかるためにも細かい分け方も参考にしてみましょう。

野菜は食べる部分によっても分類されています。根茎を主に食用とする生姜は、野菜のなかでも根菜類に分類されます。根菜類は植物の地下に埋まっている茎や根を食用としているものです。

根菜類という名前をそのままとらえると根っこの部分のみを食用とするもののようですが、地中にできる地下茎や葉っぱを食用とするものも含まれています。そのため大根、にんじん、ジャガイモなどが代表的な根菜類のなかに生姜も分類されています。

野菜のなかでは淡色野菜に分類

野菜は栄養素によって緑黄色野菜と淡色野菜に分類されています。

緑色野菜はビタミンAの一種であるβ‐カロテンが豊富に含まれる野菜のことで、厚生労働省では原則として可食部100g中に600μg以上のβ‐カロテンが含まれていることとしています。

生の根ショウガの可食部100g当りに含まれるβ‐カロテンは約4μgのため、緑黄色野菜ではなく淡色野菜となります。淡色野菜は緑黄色野菜と区別するための呼ばれ方で淡黄色野菜と言われることもあります。

もっと野菜である生姜を食事に取り入れるためには?

食用としてだけでなく医薬品としても用いられることのある生姜は積極的に食事に取り入れていきたい野菜です。厚生労働省が推進する健康日本21では1日350g以上の野菜を食べることが目標とされていて、そのうち240gを淡色野菜、120gを緑黄色野菜とすることが望ましいと言われています。

しかし、生姜というと香りづけに少量使用したり、薬味として麺類に添えたりとあまり一度に大量に取るイメージがないかもしれません。

淡色野菜の目標摂取量を全て生姜で取ろうなんてことは難しいですが、佃煮として常備菜にしたり、おろし生姜や粉末生姜をドレッシングのアクセントに、新ショウガをマリネにしたりなど薬味以外の料理にも使用すれば使い道が広がりますよ。

淡色野菜である生姜は食品としては何群?

淡色野菜である生姜は食品としては何群?

生姜は何群?複数の答えがでてしまった時はどれが正解なの?

生姜を食品の分類などで調べている際に、6群とでたり4群とされていたりしてどっちが本当なんだと困ったことは無いですか?

結論から言うとどちらも正解といえます。何を基準として食品群をわけているかによって変わってくるからです。

生活と切り離せない食事や食品に関しては指標となるものやガイドラインが多くて混乱しがちですが、それらのなかでもよく使われているものを例にして生姜は何群なのか解説します。

生姜は三色食品群では「緑」

数字で何群かと表すのかと思っていたらいきなり色が出てきて更に混乱させてしまったでしょうか?詳しくみていきます。

生姜といえば黄色っぽい姿をイメージされる方も多いかも知れませんが、三色食品群では「」に分類されています。三色食品群とは、食品に含まれる栄養素の身体のなかでの役割や特徴によって、わかりやすく3色の「赤」、「黄」、「緑」の色によって表現した分類方法です。

食品自体の色で当てはめているのではなく、あくまでその食品に含まれる栄養素の役割で分けられいるため、野菜である生姜は「緑」に分類されます。

それぞれの色の役割を簡単にご紹介すると、「赤」は体をつくるもとになるもので、肉や魚、卵、牛乳、乳製品、、豆などのことです。

「黄」はエネルギーのもとになるもので、米やパン、めん、いも、油、砂糖などのことです。「緑」は身体の調子を整えるもとになるもので、野菜、果物、きのこなどのことです。

六つの基礎食品群では4群

この食品群での分類が日本食品成分表示での分類と違うため、生姜が何群なのかをややこしくしています。

毎日の食事に偏りが出ないように、色々な食品をバランスよく食べるために、身体での働きや栄養素としての特徴で6つに食品を種類別に分類したのが六つの基礎食品群です。

淡色野菜である生姜は4群に分類されています。この食品群では多品目の食品をバランスよく食事に取り入れることが重要という考え方で、どれか数群からでなく6つの食品群全てから30品目以上とることが目標とされています。

ちなみに1 群は骨や筋肉を作り、エネルギー源となる、魚、肉、卵、大豆、大豆製品。2 群は骨や歯を作り、身体の各機能を調節する、牛乳、乳製品、海藻、小魚類。3 群は皮膚や粘膜の保護し、体の各機能を調節する緑黄色野菜。

4 群は身体の各機能を調節する、淡色野菜、果物。5 群はエネルギー源となり、身体の各機能を調節する、穀類、イモ類、砂糖。6 群はエネルギー源となる油脂類、脂肪の多い食品です。

生姜も淡色野菜として4群のひとつとして数えられるので1日30品目を目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ:生姜は野菜の1種

以上、生姜の区分等についての解説となります。

生姜は身近な食材ですが、それが野菜に分類されるのか、等細かいことまでは普段はあまり考えることがないかもしれませんね。本記事が皆さんの参考になりましたら幸いです。

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