そんな疑問に答えます。
パンの作り方と聞くと、市販のドライイーストを使うのが定番です。しかし、米麹を酵母にして膨らます面白いパンもあるんです。
この記事では、米麹から酵母を起こす作り方や、イーストで作るパンとの違いについてもご紹介していきます。一度食べるとのめりこんでしまう人が多いんですよ。
目次
米麹から作る天然酵母って何?
こだわり派のパン屋さんなどで耳にすることの多い「天然酵母」という言葉ですが、具体的に何かと聞かれると、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?
さまざまな素材から作れる天然酵母
天然酵母とは、果物や穀物をベースにして、そこに生息している酵母(微生物)を培養して作られた酵母のこと。天然の素材そのものに付着している菌を使って発酵を起こすのです。
・レーズン
・いちご
・りんご
・バナナ
・米
・麦芽 など
果物や穀物をベースにして作る自家製酵母は、使う素材によって風味が変わります。
機械的に作られているものとは異なり、素材や菌との相性が味を変えるので、その時々によって仕上がりも変わってきます。
だからこそ奥が深く、のめりこむ人も多いのが自家製酵母作りなんです。
米麹酵母は使い道も豊富
米麹酵母は、自家製パンを作るときにドライイーストの代わりに使うことが多いですが、その他にも、お肉を漬け込むタレに加えることで、発酵菌が肉を柔らかくしてくれるという効果があります。
唐揚げ用の鶏肉や、生姜焼きの豚肉などを漬けるのに適しているんですよ!
米麹酵母で作るパンが人気の理由
一手間かけて米麹酵母を作ることで、よりこだわりの、美味しいパンが出来上がります。
自分好みの仕上がりを追求する楽しみ
市販のドライイーストは、パンを発酵するのに適した菌を機械的に選び、培養しています。だからこそ、膨らみや味わいがいつでも同じです。
でも、自家製酵母は天然の菌の力を借りるので、その時の環境によって味が左右されます。
また使うお米や米麹によっても味が異なるので、自分好みの仕上がりを追求するという楽しみにも繋がります。
米麹のおかげでほんのりと甘い香りがする
米麹酵母の作り方は、甘酒の作り方とほぼ同じです。そのため、米麹酵母でパンを焼くと、甘酒のようなほんのりとした優しい香りが楽しめますよ♪
オーブンで焼いている時の香りは癒されること間違いなしです。
米麹を使った自家製酵母の作り方
「米麹」を使った作り方なんて聞くと、ちょっと難しいのでは?としり込みしてしまうかもしれません。でも、すべての材料を瓶に入れるだけととっても簡単です。
必要なものを入れて寝かせるだけで、ぷくぷくと発酵が始まるだなんて、ワクワクしませんか。
米麹だけで自家製酵母を作るレシピ
乾燥米麹をベースに瓶に入れておくだけというとっても簡単なレシピです。自家製酵母デビューにぴったりといえる作り方でしょう。
【材料】
・乾燥米麹 100g
・水 150㏄
・上白糖 大さじ1+小さじ1
【作り方】
1.まず保存瓶と蓋を煮沸消毒してから冷ます。
2.材料をすべて瓶の中に入れて、よくかき混ぜる。
3.初日は蓋を閉めずに、上に乗せるだけにし、何度かかき混ぜる。
4.2日目にも何度かかき混ぜ、蓋を閉めておく。
5.3日目に小さじ1の砂糖を足して、またかき混ぜる。
6.発酵が進み泡が出る。その後水分と米麹が分離してくる。
7.季節にもよるけれど4、5日で完成。冷蔵庫で保存してください。
瓶に入れてから3、4日頃でアワアワした細かい泡が出てくるのが発酵が進んでいるサインです。
もし出てこない場合は、温度が低いのかもしれません。冬場や比較的涼しい時期などは、オーブンの発酵機能を使って2~3時間ほど温めると、菌が起きてきます。
白いご飯から自家製酵母を作るレシピ
残りごはんをベースに自家製酵母を作る方法もあるんです。ちょっと面白い作り方として覚えておくと良いかもしれません。
【材料】
・残りご飯 250gほど
・乾燥米麹 50g
・水
【作り方】
1.保存瓶と蓋を煮沸消毒してから冷ます。
2.まずは器に残りご飯と米麹を加えて、よく混ぜる。
3.しっかり混ざったら、保存容器に入れる。
4.ごはんが完全に隠れるぐらい、ひたひたに水を加える。
5.蓋をしめて、常温で保管する。
6.4,5日でアワアワが出てくるのを確認。
7.シュワシュワと発砲するのが落ち着いたら完成。冷蔵庫で保存。
瓶の中でお米が水を吸ってしまい、水面より上に出てしまうことがあります。その場合は、お米を乾燥させないように、もう一度水をたっぷりいれてください。
発酵させるときのポイントは温度管理
米麹だけで作る場合も、炊いたご飯を使う場合も、上手に発酵させるコツは温度管理です。室温25度くらいが一番活発になるので、春秋ごろに作るときが最短の3~5日ほどで完成します。
暑すぎる時期は急に発酵してしまうので、蓋を開けたときにガスが勢いよく飛び出ることがあります。蓋を緩めたり、閉めたりを繰り返し、ガス抜きをしてあげましょう。
一方、冬場で寒いときには、日当たりの良い場所に置いたり、オーブンの発酵機能を活用しましょう。完成したものは、冷蔵庫で1か月ほど保存が可能です。
温度管理の強い味方はヨーグルトメーカー
特に寒い時期の自家製酵母の培養は、初心者には難しいです。寒くて菌を起こすのに時間がかかるからです。
古風なやりかただと、こたつや電気毛布を使ったり、湯たんぽと共にクーラーボックスに入れるなどの方法もありますが、初心者にとっては温度の管理が難しいというのが難点です。
そんな発酵ビギナーには比較的安く手に入るヨーグルトメーカーを使うのがおすすめです。
カスピ海ヨーグルトなどを作るときに使う物ですが、一定の温度をキープしてくれるので、自家製発酵にも活用できちゃいます。
キッチンにおいても邪魔にならない小ぶりなタイプも発売されているので、本格的に自家製酵母をやってみたい!と思ったら、買って損はありません。
米麹の自家製酵母を使った美味しいパンのレシピ
せっかく作った自家製酵母は美味しく食べたいものです。米麹酵母を使って自家製パン作りにも挑戦してみましょう。
シュワシュワと発砲が落ち着いた自家製酵母は、「酵母液」と呼ばれる液体の部分をすくって使います。
米麹酵母を使ったシンプルな丸パン
米麹酵母が出来たらさっそく挑戦したいのが丸パンです。比較的小ぶりなパンということもあり、食パンに比べると初心者でも簡単にふんわり焼き上げることができますよ。
【材料】(丸パン4つ分)
・強力粉 250g
・酵母液 150ml
・砂糖 15g
・塩 5g
・オリーブ油 20g
【作り方】
1.ボールに小麦粉と酵母液、砂糖を入れて混ぜる。
2.ある程度まとまったら、塩と油も加えて混ぜ合わせる。
3.ボールに濡れたタオルをかけて、30分ほど一次発酵する。
4.ぷっくりと膨らんだら、真ん中に指をさして、空気を抜く。
5.生地を4等分して、軽く丸めて、トレーに並べる。
6.上から濡れたタオルをかけて、また30分ほど二次発酵する。
7.その間にオーブンを230度に余熱しておく。
8.表面をハサミでカットし(クープ)、オーブンで16分焼いたら完成。
材料をかき混ぜるだけなので、とっても簡単に出来上がります。米麹酵母のおかげで、焼いている時からほんのりと甘酒のような香りがしてきます。
出来立てにバターをたっぷりのせて食べるのがおすすめです。
米麹酵母をもちもちベーグル
米麹から作った自家製酵母を活かすには、やっぱりもちもち感が楽しめるベーグルがおすすめです。
ベーグルは生地を焼く前に一度茹でるという手間がかかりますが、頑張った後の出来立てベーグルは格別です。
【材料】(ベーグル4個)
・強力粉 180g
・酵母液 40g
・水 80g
・砂糖 12g
・塩 4g
・オリーブ油 4g
・はちみつ 大さじ1(茹でる用)
【作り方】
1.ボールに小麦粉、砂糖、塩を入れて軽く混ぜる。
2.そこに酵母液、水、油を加えて、15分ほどこねる。
3.全体がまとまったら、生地を4等分して丸める。
4.トレーに並べて、濡れたタオルをかけて15分ほど置く。
5.まず、生地を綿棒で平たく伸ばし、そこからおしぼりを巻くように細長く成形する。
6.片方の端をつぶして、もう片方の端を巻き込む形で、輪っかを作る。
7.成形したベーグルをトレーに並べて、濡れタオルをかける。
8.20分ほど発酵させる。冬場はオーブンの発酵機能を使いましょう。
9.オーブンを200度に余熱設定をしたら、大鍋にお湯を沸かして、はちみつを溶かす。
10.ベーグル生地を片面1分ほど茹でる。
11.茹でたらすぐにオーブンに入れて、20分ほど焼いたら完成です。
ベーグルで難しいのが、茹でてからオーブンで焼き始めるまでの時間を短くするという点です。長い時間かかってしまうと、生地が萎んでしまったり、表面にしわが入る原因になってしまいます。
茹でるや否や、オーブントレーに並べて、さっと焼き始められるようにしましょう。
まとめ:米麹ベースの自家製酵母でパン作りを楽しみたい!
パン作りを始めると、じわじわと気になり始める自家製酵母。レーズンで作る方法が一番主流ではありますが、お米を使った自家製酵母もあるんです。
お米と米麹を使う方法は、甘酒を作る工程と同じです。だからこそ、日本人にとってはほっとするあの甘い香りの漂う酵母液が出来上がります。
自家製酵母で作った自家製パンは絶品です。ドライイーストと比べると、少し手間はかかってしまいますが、味は格別。
ぷくぷくと酵母が起きてくる過程も楽しみながら、ぜひ挑戦してみてくださいね。