そんな疑問に答えます。
最近女性に人気の発酵調味料・塩麹。肉などの食材をやわらかくしたり、旨みをアップさせる効能があることで知られています。
さらに、美容と健康に効果抜群だと、美容情報に敏感な女性たちの間で大評判!しかし、健康に良さそうだというイメージが先行し、具体的な健康効果については、あまり知られていないよう。
この記事では、塩麹に含まれる成分が生み出す優れた美容・健康効果について、わかりやすくご紹介していきます!
目次
美容と健康に効果抜群!塩麹に含まれる三大酵素とその効能
塩麹は、米麹に塩と水を加えて、1週間ほど常温で発酵させた発酵調味料です。見た目は甘酒に似ており、米のでんぷんが糖化された甘みと塩の辛みが混ざった、ほんのりと甘辛い味が特徴。
塩麹の麹菌が発酵する過程で、さまざまな酵素が生成されます。ここでは、塩麹に含まれる三大酵素の具体的な効能について、わかりやすく説明していきます!
食材をやわらかくして旨みをアップさせる「プロテアーゼ」
三大酵素のひとつ「プロテアーゼ」には、肉などの食材をやわらかくして旨みをアップさせる効能があります。
「安くパサつきがちな肉でも、塩麹に漬け込むとやわらかく美味しくなる」ことはよく知られていますよね。
プロテアーゼは「たんぱく質分解酵素」と呼ばれ、たんぱく質をアミノ酸に分解する働きがあります。
たんぱく質が分解されることにより「食材がやわらかく」なり、また分解の過程で発生した「アミノ酸(旨み成分)」のおかげで旨みがアップするということですね。
また、たんぱく質を体内に吸収するときも、アミノ酸に分解してから吸収する必要があります。
プロテアーゼの効能により、消化吸収も効果的に行われ、胃腸を健康な状態に保つことができるのです。
食材の甘みをアップさせる「アミラーゼ」
三大酵素のひとつ「アミラーゼ」には、食材の甘みをアップさせる効能があります。塩麹を料理に使うとまろやかな甘みが出ますが、これは「アミラーゼ」の働きによるものなのです。
アミラーゼは「炭水化物分解酵素」と呼ばれ、炭水化物を”糖”に分解する働きがあります。これにより「食材の甘みがアップ」します。
また、この過程で生成された「オリゴ糖」には、腸内に善玉菌であるビフィズス菌を増やす効能があります。
ビフィズス菌が増えることにより、腸内環境が整い、便秘が解消されます。ダイエット中の方には特に嬉しい効能ですね。
さらに、炭水化物が分解されると、消化吸収が効果的に行われるので、胃腸を健やかな状態に保つことができます。
ダイエットの強い味方!脂肪を分解する「リパーゼ」
三大酵素のひとつ「リパーゼ」には、脂肪を分解する効能があります。ダイエット中の方には見逃せない効能ですよね!
「リパーゼ」は「脂肪分解酵素」と呼ばれ、脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解する働きがあります。
脂肪は、グリセリンと脂肪酸に分解されることにより、効率的に消化吸収されます。そのため、無駄な脂肪が消化されないまま体内に残ることがありません。
また、こってりした食事を摂ったときの胃もたれを、スッキリ解消してくれます。しっかり食事を摂りつつダイエットしたい人の強い味方となりそうですね。
塩麹の効能といえばコレ!麹菌が生み出す優れた栄養素
塩麹に含まれる麹菌は、発酵の過程で、さまざまなビタミン類を生成します。これらのビタミン類には、疲労回復と美肌作りをサポートしてくれる、優れた効能があります。
また、麹に含まれるペプチドには血圧を下げる効果があり、高血圧に悩む人から注目を集めています。これらの栄養素について、以下でわかりやすく説明していきます!
疲労回復に役立つ「ビタミンB1」
「ビタミンB1」は、人間の体内でエネルギー代謝にかかわる栄養素で、糖質を効率的にエネルギーへと変換する働きがあります。
人にエネルギーを与えてくれるビタミンB1は、疲労回復の効果、および、神経機能を正常に保つ効果がある、忙しい日々を過ごす人には欠かせない重要な栄養成分だと言えます。
美肌作りの強い味方「ビタミンB2・ビタミンB6」
「ビタミンB2・ビタミンB6」は、美肌作りの強い味方となってくれる栄養成分。健やかな皮膚を作るために必要な「たんぱく質」の代謝に関与しています。
また、細胞の再生を促す効能がある栄養成分でもあり、健康な肌や髪の毛を作る働きがあります。
皮膚や粘膜の健康を維持する「ビオチン」
「ビオチン(ビタミンB7)」は、皮膚や粘膜の健康を維持するために大切な栄養成分です。さらに、抗炎症物質を作り出す働きもあり、アレルギー症状を軽減する作用があると言われています。
高血圧の人におすすめ!血圧を下げる「ペプチド」
塩麹には、必須アミノ酸が発酵することで生成される「ペプチド」が含まれています。ペプチドは、アミノ酸が数個つながった構造を持つ成分で、血圧を安定させる効能があります。
また、必須アミノ酸自体には、脂肪を分解し、ドロドロした血液になるのを防ぐ効能があります。
これらの効能により、高血圧や動脈硬化の予防が期待されています。
塩麹の効能をアップさせるおすすめレシピをご紹介!
健康効果抜群の塩麹。料理にもどんどん活用していきたいですね!もし効能重視で塩麹を料理に使うならば「加熱しないで使う」ことをおすすめ。
塩麹に含まれるプロテアーゼが最もよく働く温度は、30~50℃前後です。温度が60℃以上になると酵素は壊れ、その働きを失ってしまいます。
ここでは「おすすめの加熱しない塩麹レシピ」をご紹介していきます!
野菜の一夜漬け
「野菜の一夜漬け」を塩麹で作ると、旨みたっぷりの漬物が出来上がります。
塩麹に含まれる酵素が、野菜の繊維質・糖質・でんぷん質を分解しながら旨みに変えるので、漬物にした野菜の美味しさがグンとアップするんですよ。しかも作り方は簡単…ぜひお試しを!
【材料】
お好みの野菜(大根・キャベツ・きゅうり・トマトなど):500グラム
塩麹:50グラム
【作り方】
1. 大根・キャベツ・きゅうり・トマトなどをよく洗い、水を切ってから食べやすい大きさに切ります。
2. ジッパー付き袋に1を入れ、塩麹と合わせてよくもみます。
3. ジッパー付き袋の空気を抜いて、なるべく密封してジッパーを閉めます。
4. 冷蔵庫で一晩寝かせたら完成です!
【ポイント】
ジッパー付き袋は、なるべく真空状態にしたほうが塩麹の染み込みが早いですよ。
鯛の発酵カルパッチョ
鯛の刺身はあっさりして美味しいですが、旨みが足りないと感じることも…。
鯛の刺身に塩麹を塗って発酵させると、魚の臭みがとれ、ねっとりとコクのある旨みと塩味が効いたカルパッチョになります。お酒のおつまみにピッタリのメニューですよ。
【材料(2人分)】
刺身用の鯛:1柵(解凍品でないもの)
塩麹:小さじ1~2
玉ねぎ:30グラム
プチトマト:2個
大葉:3枚
レモン:1/3個
レモン汁:大さじ1
飾り用レモン:薄切り1枚
オリーブオイル:大さじ1
あらびき胡椒:適量
【作り方】
1. 鯛の柵は、キッチンペーパーで包み、その上から塩麹を丁寧に薄く塗り、1時間~1日、冷蔵庫で発酵熟成させます。
2. キッチンペーパーを外し、鯛を薄く切ってお皿に盛りつけます。
3. 玉ねぎと大葉はみじん切り、プチトマトは粗みじんに切り、レモンは飾り用に薄い輪切り1枚を取り、5等分にして、残りはしぼり汁にします。
4. ボウルにみじん切り玉ねぎ、粗みじんに切ったプチトマト、みじん切りにした大葉を入れ、レモンのしぼり汁、オリーブオイルを加え、あらびき胡椒を加えてよく混ぜます。
5. 薄く切った鯛の上にレモンを散らし、4のソースをかけたら完成です!
【ポイント】
新鮮な魚を使うことが重要。冷凍保存ののち解凍した刺身は、このメニューには不向きですよ。
塩麹卵
ここでは、ゆで卵を塩麹に漬けた「塩麹卵」の作り方をご紹介していきます。
塩麹に漬けることにより、その発酵作用で卵のたんぱく質が分解され、旨み成分であるアミノ酸が生成されます。
その結果、ゆで卵をそのまま食べるより、美味しさがグンとアップするんですよ。ぜひ作ってみてくださいね!
【材料】
ゆで卵:4個
塩麹:大さじ4
【作り方】
1. 鍋に水と卵を入れて火にかけ、沸騰するまで沸かします。
2. 沸騰したあとは、静かにかき回しながら、7~11分ゆでます。7分ゆでると半熟卵になり、11分ゆでると固ゆで卵になります。
3. すぐに冷水にとり、冷えたら全体に軽くひびを入れて、殻をむきます。
4. ポリ袋にゆで卵を入れ、塩麹を加えて卵全体に行き渡らせ、袋の口を閉じて、冷蔵庫で1~3日おきます。
5. 食べる前にまわりについた塩麹をサッと洗い流してください。
【ポイント】
冷蔵庫で漬け込んで翌日から食べられます。3~4日程度で食べきってください。
まとめ:若々しさと健康を保つ効果が抜群!塩麹をもっと活用しよう♪
なんとなく健康に良さそう、というイメージの塩麹。普段は、塩麹に含まれる栄養成分を意識することなんてないかもしれませんね。
しかし、その栄養成分と効能を詳しく知ると、優れた健康効果に驚いてしまうかも!?ぜひ、日々の料理に塩麹を活用してみてくださいね!