江戸前流「ごま油」で揚げる天ぷら!入れる割合や衣の作り方も解説
ごま油のコクを活かした美味しい天ぷらの作り方を知りたいわ。

こんな疑問にお答えします。

天ぷら専門店のようなコクのある天ぷらを家庭でも作れたらいいですよね。また、普段の天ぷらをちょっとアレンジしてみたいときにも、ごま油で揚げる天ぷらはおススメです。

手間も材料もそれほど変わらず、ちょっとしたコツでいつもの天ぷらと一味違う天ぷらが出来ますよ。

この記事では、ごま油で天ぷらを揚げる際に、どのくらいの割合でごま油を入れればいいのかや美味しい衣の作り方まで詳しくお伝えします。

家でも手軽にできる「ごま油天ぷら」ってこんな料理

家でも手軽にできる「ごま油天ぷら」ってこんな料理

卵入りの衣をつけ、ごま油で揚げるのが「ごま油天ぷら」です。ごま油で揚げることでどんな特徴を持つのか、ごま油天ぷらの発祥からメリットまで詳しくご紹介しますね。

ごま油天ぷらの発祥は江戸前

ごま油天ぷらの起源は、江戸時代から明治、大正と進化してきた「江戸前天ぷら」です。

江戸湾(東京の内湾)でとれた魚は背が青くクセの強い魚が多かったため臭みを取るためにごま油で揚げる文化が生まれたと言われています。

天ぷらは、今から400年ほど前、鉄砲の伝来と共に長崎に伝わった南蛮料理でした。当時、油は貴重品で、天ぷらは庶民の口にはなかなか入ることのない高級料理だったのです。

しかし、その後の明暦の大火(1657年)後の江戸の復興過程で、街には様々な屋台が登場し安くてお腹いっぱいになる天ぷらはファーストフードのような感覚で人気を博するようになったそうです。

いつもの天ぷらと一味違う味の特徴は?

ごま油で揚げた天ぷらの特徴は、ごま油のしっかりとしたコクとカリっとした食感です。

サラダ油などで揚げる天ぷらは、油の色も味も薄いため素材の味を楽しむ料理として親しまれていますが、一方、ごま油で揚げた天ぷらは、素材の味と一緒にごま油のコクも楽しむ料理として知られています。

塩で楽しむのもいいですが、いつもの天ぷらと同様、天つゆ&大根おろしもよく合います。ちなみに、この天つゆと大根おろしの組み合わせも、江戸前のごま油天ぷらが始まりだそうですよ。

ごま油で天ぷらを揚げる3つのメリット

ごま油で作った天ぷらは、その風味のよさだけにとどまらず、おすすめしたいポイントがいくつかあります。

魚の臭み取りに効果大!

ごま油で魚の天ぷらを揚げると、ごま油の風味で魚の臭みが取れるというメリットがあります。

魚の臭み成分は、鮮度が落ちるほどに増える「トリメチルアミン」という物質です。

魚の裏表全面に振り塩をして5分程置くと臭いの素となる「トリメチルアミン」が含まれた水分が出てきますので、これをきれいにふき取るか氷水で洗い流してください

こうすることで、魚特有の臭いを抑えることができ、おいしい天ぷらになりますよ。

栄養的価値が高い

ごま油はとても栄養的価値が高いため、天ぷらにすると効果的に栄養素を摂ることができます。

主な栄養成分は、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、セサミン、セレン、ビタミンEなど。これらの栄養成分によりごま油には、以下のような働きがあるんですよ。

・コレステロール値を下げ血管を強くする作用。

・強力な抗酸化作用

・活性酸素の生成を抑える

・腸を活発にし腸内環境の改善

同じ天ぷらを食べるのであれば、ごま油を使って、健康にも配慮できるといいですよね

ごま油は酸化・劣化しにくい油

通常、油は空気に触れることで酸化し劣化するのですが、ごま油は抜群の抗酸化性を持っているため劣化しにくく油が長持ちします。

また、天ぷらに使った油が酸化しにくいだけでなく、揚げた天ぷら自体も酸化しにくくなりますので、時間が経っても天ぷらをおいしく食べることができますよ。

ごま油で美味しい天ぷらを揚げるコツ!

ごま油で美味しい天ぷらを揚げるコツ!

ごま油を混ぜる割合は3割がおすすめ!

天ぷらの揚げ油は、100%ごま油ではなくサラダ油と混ぜて使うのがおすすめです。

割合は、ごま油が全体の約3割程度(残りはサラダ油等)になるようにしてください。こうすることで、100%ごま油で揚げるよりも、ごま油の風味が強く出すぎず軽く美味しく仕上がります

また、ごま油はサラダ油に比べて値段も高いため、コスパを考えると、値段の安いサラダ油に混ぜて使った方が経済的という理由もあります。

最近では、コスパのいい天ぷら用のごま油も発売されていますので、こういったものを使うのもいいですね。高級天ぷら店でも使われているそうですよ。

ポイントを押さえれば簡単!衣作りのコツは3つだけ

せっかく作った天ぷらの衣が、なんだかべちゃっとした食感だとがっかりですよね。

ここでは、サクサクに揚がるごま油天ぷらの衣作りのポイントをご紹介します。3つのコツさえ押さえればサクッとした美味しい衣が簡単にできますよ。

混ぜすぎて粘りを出さないこと

衣を作る時には、小麦粉を入れたら混ぜすぎないことが大切です。

理由は、混ぜすぎると小麦粉粘り物質のグルテンが生成されてしまうからです。グルテンは、うどんやパスタのもっちりした食感やパンのふわふわした食感のもとになるものです。

ごま油で天ぷらを揚げる時も同様で、グルテンが生成されないようにすることで、材料の水分が外に出て、衣がサクサクに仕上がりますよ

衣の材料はすべて冷やしておくこと

衣の材料の水、卵、小麦粉は冷蔵庫で冷やしたものを使いましょう。水は、氷水にするとさらに冷たくて良いです。

グルテンは温度が高いほどできやすいので出来るだけ衣の温度を下げることが大切なのです。揚げる時に火元の近くに置くと衣の温度が上がってしまうので、注意しましょう。

また、低温を保つために、氷水を入れたボウルを下に当てて、衣を冷やした状態で揚げるとよいですよ。

衣は揚げる直前に作ること

サクっとした食感の天ぷらを作るには、揚げる直前に衣を作るようにしましょう。

小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のタンパク質が含まれていて水分を加えて捏ねると「グルテン」に変化していきます。

ですが、実は、混ぜなくても、置いておくだけで時間の経過と共にグルテンが作られてしまうのです。時間が経ってしまったら、もったいなくても作り直したほうがよいですよ。

まとめ:家庭でも美味しく簡単に!ごま油で揚げる天ぷら

まとめ:家庭でも美味しく簡単に!ごま油で揚げる天ぷら

今回はごま油の風味豊かな天ぷらについてご紹介しました。

サラダ油などの精製した植物油で揚げた白っぽい天ぷらとは一味違うコクのある黄金色の天ぷらです。ごま油は酸化しにくいため思いのほかあっさり食べられて胸焼けしにくいんですよ。

サクサク衣の天ぷらは、ポイントさえ押さえれば家庭でも簡単に作ることが出来ます。ごま油の豊かな香りとコク、栄養を活かした天ぷらを、ぜひ作ってみてくださいね。

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